杜甫  西閣雨望  

樓雨霑雲幔,山寒著水城。徑添沙面出,湍減石稜生。

菊蕊淒疏放,松林駐遠情。滂沱朱檻,萬慮傍簷楹

(西閣にて雨中の眺めを述べた)西閣楼の降りそそぐ雨は、雲の中まで伸びる幔幕をうるおしている、冬寒の山は水際の夔州の城郭に到着している。長江には砂浜が現れて水汲み人が行き交うので、それに沿って道ができている、それに水量が減ったために、川中の岩石が水面より出てきて石稜を生じさせている。冷たい空気の中に菊の花は少し開いているし、松林の緑は遠く、冬の風情の中でそこだけが趣を異にしてとどめている。雨は盛んに降るようになって西閣の欄干まで濡らしてしまう、自分は多くの心配をしながら、雨を避け、軒近い柱に倚りかかって、雨中の景色を眺めている。

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杜甫詩1500-937-1435/2500

年:766年大暦元年55

卷別:    卷二二九              文體:    五言律詩

詩題:    西閣雨望

作地點:              目前尚無資料

及地點:              西閣 (山南東道 夔州 奉節)              

 

 

西閣雨望

(西閣にて雨中の眺めを述べた)

樓雨霑雲幔,山寒著水城。

西閣楼の降りそそぐ雨は、雲の中まで伸びる幔幕をうるおしている、冬寒の山は水際の夔州の城郭に到着している。

徑添沙面出,湍減石稜生。

長江には砂浜が現れて水汲み人が行き交うので、それに沿って道ができている、それに水量が減ったために、川中の岩石が水面より出てきて石稜を生じさせている。

菊蕊淒疏放,松林駐遠情。

冷たい空気の中に菊の花は少し開いているし、松林の緑は遠く、冬の風情の中でそこだけが趣を異にしてとどめている。

滂沱朱檻萬慮傍簷楹。

雨は盛んに降るようになって西閣の欄干まで濡らしてしまう、自分は多くの心配をしながら、雨を避け、軒近い柱に倚りかかって、雨中の景色を眺めている。

 

(西閣の雨望)

樓雨 雲幔を霑し,山寒 水城に著く。

徑 添えられて 沙面出で,湍 減じて 石稜 生ず。

菊蕊 淒として 疏放,松林 遠情を駐む。

滂沱 朱檻萬慮 簷楹【えんえい】に傍る。

 

夔州東川卜居図詳細 001 

『西閣雨望』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

西閣雨望

樓雨霑雲幔,山寒著水城。

徑添沙面出,湍減石稜生。

菊蕊淒疏放,松林駐遠情。

滂沱朱檻,萬慮傍簷楹


西閣雨望(含異文)

樓雨霑雲幔,山寒著水城【山高著水城】。徑添沙面出,湍減石稜生。菊蕊淒疏放,松林駐遠情。滂沱朱檻,萬慮傍簷楹【萬慮倚簷楹】。


(下し文)
(西閣の雨望)

樓雨 雲幔を霑し,山寒 水城に著く。

徑 添えられて 沙面出で,湍 減じて 石稜 生ず。

菊蕊 淒として 疏放,松林 遠情を駐む。

滂沱 朱檻萬慮 簷楹【えんえい】に傍る。


(現代語訳)
(西閣にて雨中の眺めを述べた)

西閣楼の降りそそぐ雨は、雲の中まで伸びる幔幕をうるおしている、冬寒の山は水際の夔州の城郭に到着している。

長江には砂浜が現れて水汲み人が行き交うので、それに沿って道ができている、それに水量が減ったために、川中の岩石が水面より出てきて石稜を生じさせている。

冷たい空気の中に菊の花は少し開いているし、松林の緑は遠く、冬の風情の中でそこだけが趣を異にしてとどめている。

雨は盛んに降るようになって西閣の欄干まで濡らしてしまう、自分は多くの心配をしながら、雨を避け、軒近い柱に倚りかかって、雨中の景色を眺めている。


(訳注)

西閣雨望

(西閣にて雨中の眺めを述べた)

1812西閣口號【案:呈元二十一。】

1713西閣雨望

1816不離西閣,二首之一

1817不離西閣,二首之二

1714西閣三度期大昌嚴明府,同宿不到

1715西閣,二首之一

1716西閣,二首之二

1813閣夜

1717西閣夜

 

樓雨霑雲幔,山寒著水城。

西閣楼の降りそそぐ雨は、雲の中まで伸びる幔幕をうるおしている、冬寒の山は水際の夔州の城郭に到着している。

樓雨 楼に降りそそぐ雨。

雲幔 雲の中まで伸びる幔幕。西閣が高く雲間に在るようにみえることをいう。

山寒 冬寒の山。落葉で幹と枝の実で山肌が見える冬景色の山。

著水城 夔州の城郭に到着している。

 

徑添沙面出,湍減石稜生。

長江には砂浜が現れて水汲み人が行き交うので、それに沿って道ができている、それに水量が減ったために、川中の岩石が水面より出てきて石稜を生じさせている。

徑添沙面出 冬季の渇水で水量が減ったことで水汲みの人が行き交うことで道ができている。

湍減 冬季の渇水で水量が減っていること言う。

石稜生 水量が減ったことで岩石の角張ったところが水面から出ていることをいう。

 

菊蕊淒疏放,松林駐遠情。

冷たい空気の中に菊の花は少し開いているし、松林の緑は遠く、冬の風情の中でそこだけが趣を異にしてとどめている。

菊蕊 菊の花。

淒疏放 冷たい空気の中にあることをいう。

駐遠情 緑が遠く、冬の風情の中でそこだけが趣を異にしてとどめている。

 

滂沱朱檻萬慮傍簷楹。

雨は盛んに降るようになって西閣の欄干まで濡らしてしまう、自分は多くの心配をしながら、雨を避け、軒近い柱に倚りかかって、雨中の景色を眺めている。

滂沱 雨は盛んに降るようになる。

朱檻 西閣の欄干まで濡らしてしまう

萬慮 多くの心配をする。

傍簷楹 軒近い柱に倚りかかる。
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