杜甫  西閣,二首之二  

懶心似江水,日夜向滄洲。不道含香賤,其如鑷白休。

經過調碧柳,蕭索倚朱樓。畢娶何時竟,消中得自由。

豪華看古往,服食寄冥搜。詩盡人間興,兼須入海求。

(久しく西閣に留まっていることをなげく、そしてここを去って仙郷に入りたいと詠う)その二  自分は無精で、物憂き心もちの動いてやまぬことは、江水が日夜東に流れて滄洲に向いつつあるのと似ている。 自分は雞舌香を含んで事を天子に奏上する尚書郎の職が賤しいとは言わないが、白髪をはさみで切ってしまわねばならない老境となって、萬事おしまいになっていることをどうしようか。いまさらしかたがない。 時が経過してしまって、碧の柳もしぼんだし、そのかん、さびしく自分は朱楼によりかかって眺めているだけである。 向子平の様に男女の嫁娶をおわって隠遁できるのはいつはたすことができよう。とはいえ、滑渇病の中症の病であるために、こうして、自由を得ているのである。 古来の豪奢栄華の者の跡を看るに、皆、間違いなく消滅しているのである、自分は豪華は羨む所にではないし、薬餌を服食して身を冥捜に托し、悠々自適に暮したいとは思っている。 

だから、人間として詩興を詠い尽くしたの後は、更に海境にまでいってそれを求むべきであり、東海三山の仙郷に詩興を求めたいとおもっているのである。

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西閣,二首之一

(久しく西閣に留まっていることをなげく)

巫山小搖落,碧色見松林。

気候が暖かいここ巫山にも少しく木の葉が揺れ、そして堕ち始めている、松原市の緑がよく見えるようになっている。

百鳥各相命,孤雲無自心。

様々な鳥が互いに呼び交わしているが、その上にあるひとひらのはぐれ雲は自我の思い無く浮んでいる。

層軒俯江壁,要路亦高深。

高い軒端から長江河岸の絶壁を見下ろすと要路も高深の場所についている。

猶紗帽,新詩近玉琴。

自分は朱紱を着る身分でありながらまだ隠者のかぶる紗帽をかぶっていて、あたらしく詩をつくれば玉琴にちかよってそれをたったりしている。

功名不早立,衰病謝知音。

なぜ自分はもっと早くに功名を立て得なかったのか、今では衰疾のために知己の人人とも交りを断っている様なことなのである。

哀世非王粲,終然學越吟。

そうして世を哀むこと王粲とおなじようなたぐいではないが、故郷を思うことはおなじであり、つまりは荘舄のごとく越吟を学びつつあるのである。

 

(西閣,二首の一)

巫山 小しく搖落し,碧色 松林を見る。

百鳥 各の相い命じ,孤雲 自心無し。

層軒 江壁に俯し,要路も亦た 高深なり。

 猶お紗帽,新詩 玉琴に近づく。

功名 早立せず,衰病 知音に謝す。

哀世 王粲に非ざるも,終然 越吟を學ぶ。

 

 

杜甫詩1500-942-1440/2500

年:766年大暦元年55

卷別:    卷二二九              文體:    五言古詩

詩題:    西閣,二首之二

作地點:              目前尚無資料

及地點:              西閣 (山南東道 夔州 奉節)              

 

 

西閣,二首之二

(久しく西閣に留まっていることをなげく、そしてここを去って仙郷に入りたいと詠う)その二

懶心似江水,日夜向滄洲。

自分は無精で、物憂き心もちの動いてやまぬことは、江水が日夜東に流れて滄洲に向いつつあるのと似ている。 

不道含香賤,其如鑷白休。

自分は雞舌香を含んで事を天子に奏上する尚書郎の職が賤しいとは言わないが、白髪をはさみで切ってしまわねばならない老境となって、萬事おしまいになっていることをどうしようか。いまさらしかたがない。 

經過調碧柳,蕭索倚朱樓。

時が経過してしまって、碧の柳もしぼんだし、そのかん、さびしく自分は朱楼によりかかって眺めているだけである。 

畢娶何時竟,消中得自由。

向子平の様に男女の嫁娶をおわって隠遁できるのはいつはたすことができよう。とはいえ、滑渇病の中症の病であるために、こうして、自由を得ているのである。 

豪華看古往,服食寄冥搜。

古来の豪奢栄華の者の跡を看るに、皆、間違いなく消滅しているのである、自分は豪華は羨む所にではないし、薬餌を服食して身を冥捜に托し、悠々自適に暮したいとは思っている。 

詩盡人間興,兼須入海求。

だから、人間として詩興を詠い尽くしたの後は、更に海境にまでいってそれを求むべきであり、東海三山の仙郷に詩興を求めたいとおもっているのである。

 

(西閣,二首の二)

懶心 江水に似たり,日夜 滄洲に向う。

道わず含香 賤しと,其れ 鑷白休するを如【いか】んせん。

經過 碧柳調み,蕭索 朱樓に倚る。

畢娶 何の時か竟らん,消中 自由を得。

豪華 古往を看る,服食 冥搜に寄せん。

詩は盡す 人間の興,兼ねて須らく 海に入りて求むべし。

 

 

『西閣,二首之二』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

西閣,二首之二

懶心似江水,日夜向滄洲。

不道含香賤,其如鑷白休。

經過調碧柳,蕭索倚朱樓。

畢娶何時竟,消中得自由。

豪華看古往,服食寄冥搜。

詩盡人間興,兼須入海求。

 

西閣,二首之二(含異文)

懶心似江水,日夜向滄洲。不道含香賤,其如鑷白休。經過調碧柳【經過凋碧柳】,蕭索倚朱樓【蕭瑟倚朱樓】。畢娶何時竟,消中得自由。豪華看古往【榮華看古往】,服食寄冥搜。詩盡人間興,兼須入海求。

(下し文)
西閣,二首之二

懶心 江水に似たり,日夜 滄洲に向う。

道わず含香 賤しと,其れ 鑷白休するを如【いか】んせん。

經過 碧柳調み,蕭索 朱樓に倚る。

畢娶 何の時か竟らん,消中 自由を得。

豪華 古往を看る,服食 冥搜に寄せん。

詩は盡す 人間の興,兼ねて須らく 海に入りて求むべし。


(現代語訳)
(久しく西閣に留まっていることをなげく、そしてここを去って仙郷に入りたいと詠う)その二

自分は無精で、物憂き心もちの動いてやまぬことは、江水が日夜東に流れて滄洲に向いつつあるのと似ている。 

自分は雞舌香を含んで事を天子に奏上する尚書郎の職が賤しいとは言わないが、白髪をはさみで切ってしまわねばならない老境となって、萬事おしまいになっていることをどうしようか。いまさらしかたがない。 

時が経過してしまって、碧の柳もしぼんだし、そのかん、さびしく自分は朱楼によりかかって眺めているだけである。 

向子平の様に男女の嫁娶をおわって隠遁できるのはいつはたすことができよう。とはいえ、滑渇病の中症の病であるために、こうして、自由を得ているのである。 

古来の豪奢栄華の者の跡を看るに、皆、間違いなく消滅しているのである、自分は豪華は羨む所にではないし、薬餌を服食して身を冥捜に托し、悠々自適に暮したいとは思っている。 

だから、人間として詩興を詠い尽くしたの後は、更に海境にまでいってそれを求むべきであり、東海三山の仙郷に詩興を求めたいとおもっているのである。

夔州東川卜居図詳細 001
(訳注)

西閣,二首之二

(久しく西閣に留まっていることをなげく、そしてここを去って仙郷に入りたいと詠う)その二

同時期の西閣での詩

1812西閣口號【案:呈元二十一。】

1713西閣雨望

1816不離西閣,二首之一

1817不離西閣,二首之二

1714西閣三度期大昌嚴明府,同宿不到

1715西閣,二首之一

1716西閣,二首之二

1813閣夜

1717西閣夜

 

 

懶心似江水,日夜向滄洲。

自分は無精で、物憂き心もちの動いてやまぬことは、江水が日夜東に流れて滄洲に向いつつあるのと似ている。 

<!--[if !supportLists]-->【一】  <!--[endif]-->懶心似江水 懶心はものうく、無精の心。似江水とは懶の似たるをいうにあらず、動流して止まざる点をいう。

<!--[if !supportLists]-->【二】  <!--[endif]-->滄洲 東海上の仙境。東海三山に至るまでの青海原をいう。

 

不道含香賤,其如鑷白休。

自分は雞舌香を含んで事を天子に奏上する尚書郎の職が賤しいとは言わないが、白髪をはさみで切ってしまわねばならない老境となって、萬事おしまいになっていることをどうしようか。いまさらしかたがない。 

<!--[if !supportLists]-->【三】  <!--[endif]-->不道 言はず。

<!--[if !supportLists]-->【四】  <!--[endif]-->含香賤 含香は尚書郎の職をいう、尚書郎は蘭を握り雞舌香を含みて事を奏す、杜甫、現に郎官であった。

<!--[if !supportLists]-->【五】  <!--[endif]-->其如 如は「如之何」の略。

<!--[if !supportLists]-->【六】  <!--[endif]-->鑷白休 鑷白は白髪をはさみをいれきることをいう。人の老境をいふ。休とは百事を休すること。

 

經過調碧柳,蕭索倚朱樓。【經過凋碧柳】,【蕭瑟倚朱樓】

時が経過してしまって、碧の柳もしぼんだし、そのかん、さびしく自分は朱楼によりかかって眺めているだけである。 

<!--[if !supportLists]-->【七】  <!--[endif]-->経過 時日のたつこと。

<!--[if !supportLists]-->【八】  <!--[endif]-->朱雀 朱にぬりたる楼、西閣をさす、前にも給鏡、冷暗、朱檻、辱り、杜甫の寓居せる西閣はうつくしい建築物であったのだろう。

杜甫 1713西閣雨望》  

樓雨霑雲幔,山寒著水城。徑添沙面出,湍減石稜生。

菊蕊淒疏放,松林駐遠情。滂沱朱檻,萬慮傍簷楹。

 

畢娶何時竟,消中得自由。

向子平の様に男女の嫁娶をおわって隠遁できるのはいつはたすことができよう。とはいえ、滑渇病の中症の病であるために、こうして、自由を得ているのである。 

<!--[if !supportLists]-->【九】  <!--[endif]-->畢娶 男女の嫁娶を為し了ること、後漢の隠者向子平が故事。“向子平男女の嫁娶を畢り家事に関係せず五岳に遊び去る” 子供が成人してからは,官界を去って、自然に遊び,服食養生の道を楽しみ,悠々自適の生活に入った。

<!--[if !supportLists]-->【十】  <!--[endif]-->竟 おわる。

<!--[if !supportLists]-->【十一】                   <!--[endif]-->消中 滑渇病の中症なるもの、この病には上中下の三症ありとされた。

<!--[if !supportLists]-->【十二】                   <!--[endif]-->得自由 病あるがために自由なることを得。幾度もの召還を固辞して、旅をしていることをいう。

 

豪華看古往,服食寄冥搜。【榮華看古往】

古来の豪奢栄華の者の跡を看るに、皆、間違いなく消滅しているのである、自分は豪華は羨む所にではないし、薬餌を服食して身を冥捜に托し、悠々自適に暮したいとは思っている。 

<!--[if !supportLists]-->【十三】                   <!--[endif]-->豪華 豪奢栄華。

<!--[if !supportLists]-->【十四】                   <!--[endif]-->着古往 古徒の連ね看るとは之を看れば骨格に滑減に轟するをいふ。

<!--[if !supportLists]-->【十五】                   <!--[endif]-->版食 薬を服用し滋養物毎食する=と、.長生の方なり。

<!--[if !supportLists]-->【十六】                   <!--[endif]-->寄冥捜 身を冥捜に寄托するなり、冥捜とは幽奇の境地をさぐり求むる=と、語は天台山鹿序にみ岬。

 

詩盡人間興,兼須入海求。

だから、人間として詩興を詠い尽くしたの後は、更に海境にまでいってそれを求むべきであり、東海三山の仙郷に詩興を求めたいとおもっているのである。
杜甫55歳756年作品