杜甫  白帝樓  

漠漠虛無裡,連連睥睨侵。樓光去日遠,峽影入江深。

臘破思端綺,春歸待一金。去年梅柳意,還欲攪邊心。

(白帝城の楼閣をのぞんで感じるところを述べる。)

漠々と広がった太虚の空に向って、あくまでも引き続いて城の牆が突っ込んでいる。城楼の光は長江の水面に光る日の輝きからはよほどとおくたかいところにあるし、地形の裂けたような峡谷の影は、ずんと深く、江水の底へ差し込んでいる。十二月もかれこれ終わろうとしているから、せめて、一旦の綵絹が欲しいが、春になれば、この三峡の峡谷を出て、故郷に帰りたいから一万銭ほど手に入らないかと待っているところである。去年の春は、梅、柳を見ていてこの地を出そこなってしまったが、今度もまた、そうなりはしないかと、あの時の心持が、かき乱そうとする。

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年:766年大暦元年55-96

卷別:    卷二二九              文體:    五言律詩

詩題:    白帝樓

作地點:              目前尚無資料

及地點:              白帝城 (山南東道 夔州 奉節) 別名:白帝、白帝樓、公孫城      

 

 

白帝樓

(白帝城の楼閣をのぞんで感じるところを述べる。)

漠漠虛無裡,連連睥睨侵。

漠々と広がった太虚の空に向って、あくまでも引き続いて城の牆が突っ込んでいる。

樓光去日遠,峽影入江深。

城楼の光は長江の水面に光る日の輝きからはよほどとおくたかいところにあるし、地形の裂けたような峡谷の影は、ずんと深く、江水の底へ差し込んでいる。

臘破思端綺,春歸待一金。

十二月もかれこれ終わろうとしているから、せめて、一旦の綵絹が欲しいが、春になれば、この三峡の峡谷を出て、故郷に帰りたいから一万銭ほど手に入らないかと待っているところである。

去年梅柳意,還欲攪邊心。

去年の春は、梅、柳を見ていてこの地を出そこなってしまったが、今度もまた、そうなりはしないかと、あの時の心持が、かき乱そうとする。

 

(白帝樓)

漠漠たる虛無の裡,連連として睥睨 侵す。

樓光 日を去ること遠く,峽影 江に入ること深し。

臘破れて 端綺を思い,春歸らんとするには 一金を待つ。

去年の梅柳の意,還た邊心を攪せんと欲す。

 

夔州東川卜居図詳細 002 

『白帝樓』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

白帝樓

漠漠虛無裡,連連睥睨侵。

樓光去日遠,峽影入江深。

臘破思端綺,春歸待一金。

去年梅柳意,還欲攪邊心。


(下し文)
(
白帝樓)

漠漠たる虛無の裡,連連として睥睨 侵す。

樓光 日を去ること遠く,峽影 江に入ること深し。

臘破れて 端綺を思い,春歸らんとするには 一金を待つ。

去年の梅柳の意,還た邊心を攪せんと欲す。

(現代語訳)
(白帝城の楼閣をのぞんで感じるところを述べる。)

漠々と広がった太虚の空に向って、あくまでも引き続いて城の牆が突っ込んでいる。

城楼の光は長江の水面に光る日の輝きからはよほどとおくたかいところにあるし、地形の裂けたような峡谷の影は、ずんと深く、江水の底へ差し込んでいる。

十二月もかれこれ終わろうとしているから、せめて、一旦の綵絹が欲しいが、春になれば、この三峡の峡谷を出て、故郷に帰りたいから一万銭ほど手に入らないかと待っているところである。

去年の春は、梅、柳を見ていてこの地を出そこなってしまったが、今度もまた、そうなりはしないかと、あの時の心持が、かき乱そうとする。


(訳注)

白帝樓

(白帝城の楼閣をのぞんで感じるところを述べる。)

○白帝城 夔州奉節県の東に在る、前漢の末、公孫述が築いたもの、或はいう、述が漢の士運を承けるものとして白帝と名づけたと。或は日う、殿前の井戸より白竃が出たので山を白帝山、城を白帝城というと。「刑国図経」にいう、白帝城は西、大江に臨み、東南高さ二百丈、西北高さ一千丈なりと。「水経注」にいう、白帝山城は周回二百八十歩、北は馬嶺に縁り、赤岬山に接す、其の問の平処、南北相い去ること八十五丈、東西七十丈、又東、譲渓に傍うて以て陸となす、西南、大江に臨む、之を轍すれば目を眩せしむ。唯だ馬嶺はすこしくやや透通たるも猶お山を斬りて路と為し、羊腸しばしば転じて然るのちのぼることを得、と。

 

漠漠虛無裡,連連睥睨侵。

漠々と広がった太虚の空に向って、あくまでも引き続いて城の牆が突っ込んでいる。

漠漠 広がっている状況をいう。

虛無裡 太虚の空に向うこと。

連連 つづくさまをいう。

睥睨侵 睥睨は城の牆をいい、それがそらに突っ込んでいるようであることをいう。

 

樓光去日遠,峽影入江深。

城楼の光は長江の水面に光る日の輝きからはよほどとおくたかいところにあるし、地形の裂けたような峡谷の影は、ずんと深く、江水の底へ差し込んでいる。

去日遠 長江の水面に光る日の輝きからはよほどとおくたかいところにあるということ。

峽影 地形の裂けたような峡谷の影。

 

臘破思端綺,春歸待一金。

十二月もかれこれ終わろうとしているから、せめて、一旦の綵絹が欲しいが、春になれば、この三峡の峡谷を出て、故郷に帰りたいから一万銭ほど手に入らないかと待っているところである。

臘破 十二月もかれこれ終わろうとしていることをいう。

思端綺 《古詩十九首之第十八首》「客從遠方來,遺我一端綺。」(客遠方より乗り、我に一端の綺を遣る。)遠方から訪ねて来た客が、わたしに一反のあやぎぬを届けてくれた。” に基づいたもの。

春歸 故郷に帰りたいということ。

一金 一万銭を旅費に当てたいということ。援助を恃みたい時の当時の常套語。

 

 

去年梅柳意,還欲攪邊心。

去年の春は、梅、柳を見ていてこの地を出そこなってしまったが、今度もまた、そうなりはしないかと、あの時の心持が、かき乱そうとする。

梅柳意 去年の春は、梅、柳を見ていてこの地を出そこなってしまったことで、出なくてもよいという心持のこと。

攪邊心 そうなりはしないかと、あの時の心持が、かき乱そうとする心持をいう。

三峡 巫山十二峰001 

 

 

2113白帝城樓》五言律詩

白帝城樓

江度寒山閣,城高塞樓。翠屏宜晚對,白谷會深遊。

急急能鳴雁,輕輕不下鷗。彝陵春色起,漸擬放扁舟。

(白帝城楼を臨んで詠んだ詩)

自分の寒山の閣の処を長江の流れが通る。絶塞の楼があって城は高い所にある。あの城楼のある翠屏の様な崖には晩方に対するのが一番いい時であり、この白谷は奥の方に入りこんで、遊ぶのが自分の考えである。みればよく鳴く雁は、せわしげに啼いているし、身軽げなカモメは、飛び立ちながらなかなか波面に降りようとしない。彝陵の方では、春景色が始まったであろう。自分もしだいに扁舟でもって出帆する準備をしようと思うのである。

(白帝城樓)

江度る 寒山の閣,城高くして 塞の樓。

翠屏  對するに宜し,白谷 會らず 深遊すべし。

急急 能鳴の雁,輕輕 下らざる

彝陵 春色起り,漸やく 扁舟を放たんと擬す。

 

1566白帝》七言律詩

白帝

白帝城中雲出門,白帝城下雨翻盆。

高江急峽雷霆鬥,翠木蒼藤日月昏。

戎馬不如歸馬逸,千家今有百家存。

哀哀寡婦誅求盡,慟哭秋原何處村。

(夔州の人人の困窮に同情して詠んだ詩)

白帝城の城門のなかから雲がわきだす、城の下では雨がたらいの水をぶちまけたように降る。

山間の高處から流れ来る長江、ここ急峻の三峡の水流は、雷霆が闘っているかのようであり、常緑木や蒼藤のしげみには日月もあたらず昏くなっている。

まだ、戎馬がさわいでいるが、それよりも歸耕している馬の方がのんきでよいのではないだろうか。しかし、この地は、以前、と千戸もあった家が、今は百戸だけになってしまったという。

気の毒なことは、後家や、寡婦がそれでも納税をし尽くしているということだし、それに、ここの秋の野原には、どこの村でも、砧の音ではなくて、慟哭しているこえがきこえてくるということである。

(白帝)

白帝城中雲門を出づ、白帝城下雨盆を詔へす。

高江 急峡 雷霆鬥ひ、翠木蒼藤日月昏し。

戎馬は如かず歸馬の逸するに、千家今百家の存する有り。

哀哀寡婦誅求され盡くす、慟哭す秋原何處の村に。

扁舟 00 

1512白帝城最高樓》七言律詩

杜甫  白帝城最高樓  

城尖徑昃旌旆愁,獨立縹緲之飛樓。峽坼雲霾龍虎臥,江清日抱黿遊。

扶桑西枝對斷石,弱水東影隨長流。杖藜歎世者誰子,泣血迸空迴白頭。
(白帝城のいちばん高い樓に登って感じるところを述べた詩)

城はするどく尖りそこへのぼる径はかたむいて傾斜し、ひるがえっている旌さえあまりけわしいので愁わしげに見える。かかる空中に縹緲としている楼のうえにただひとり立ってながめる。峽は坼けそこには雲が沙のようにこまかくふって、竜だの虎だの臥ているかのように見えるし、江の水はすんで黿鼉(げんだ)の遊んでいるところを日光がだきかかえている。断石に樹の枝がむきあっているが、その枝はさだめし扶桑の西向きの枝であろう。長江の流れとともに水流の影が見えるが、それは多分弱水の東影がそこにうかんでいるのだろう。ここに藜(あかざ)のつえをついて時世をなげいているおとこがいるがいったいそれはどこのものだ。そのおとこは白髪あたまをめぐらして虚空に向かって血の涙をほとばしらせておるのである。世のことについてよほどの慨嘆をしておるおとこなのである。

(白帝城最高樓)

城 尖【とが】り 径 昃【かたむ】いて旌旆【せいはい】愁う、独立す  縹緲【ひょうびょう】たる飛楼に。

峡 坼【さ】け 雲 霾【つちふ】りて龍虎臥し、江 清く 日 抱いて黿鼉【げんだ】遊ぶ。

扶桑の西枝  断石に対し、弱水の東影  長流に随う。

藜【あかざ】を杖【つえつ】いて 世を嘆ずる者は誰の子ぞ、泣血  空に迸【ほとば】しらせて白頭を回らす。