杜甫  峽口,二首之一  

峽口大江間,西南控百蠻。城攲連粉堞,岸斷更青山。

開闢多天險,防隅一水關。亂離聞鼓角,秋氣動衰顏。
(瞿塘峡口について感を叙し、その一は形勝に対して世の乱を傷む)

この瞿塘峡の入口である夔門口峡口は大江の間に位して、西南の南詔の方には百蛮をひかえている。城は傾斜して白壁ぬった分壁が連なっており、岸が断えたかとおもうとその欠けた向こうには、更に青い山が見えている。ここは天地開闢の始めから天険の要害に当たっているのであり、城隅を防ぐためには一つの水関を設けて事足りているのである。時はいまだに乱世がおさまらず、ここでも鼓角の声がきこえるし、これによって一層、秋の気配がこの老衰の顔面にはたらきかけてくるかの感がするのである。

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年:766年大暦元年55-99

卷別:    卷二二九              文體:    五言律詩

詩題:    峽口,二首之一

作地點:              目前尚無資料

及地點:              峽口 (山南東道 夔州 夔州)              

 

 

峽口,二首之一

(瞿塘峡口について感を叙し、その一は形勝に対して世の乱を傷む)

峽口大江間,西南控百蠻。

この瞿塘峡の入口である夔門口峡口は大江の間に位して、西南の南詔の方には百蛮をひかえている。

城攲連粉堞,岸斷更青山。

城は傾斜して白壁ぬった分壁が連なっており、岸が断えたかとおもうとその欠けた向こうには、更に青い山が見えている。

開闢多天險,防隅一水關。

ここは天地開闢の始めから天険の要害に当たっているのであり、城隅を防ぐためには一つの水関を設けて事足りているのである。

亂離聞鼓角,秋氣動衰顏。

時はいまだに乱世がおさまらず、ここでも鼓角の声がきこえるし、これによって一層、秋の気配がこの老衰の顔面にはたらきかけてくるかの感がするのである。

 

(峡口二首その一)

峡口大江の間、西南 百蛮を控す。

城攲きて粉堞連なり、岸断えて更に青山。

開闢より天険に多し、隅を防ぐ一水関。

乱離に鼓角を聞く、秋気 衰顔に動く。

夔州東川卜居図詳細 002

『峽口,二首之一』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

峽口,二首之一

峽口大江間,西南控百蠻。

城攲連粉堞,岸斷更青山。

開闢多天險,防隅一水關。

亂離聞鼓角,秋氣動衰顏。
詩文(含異文)

峽口大江間,西南控百蠻【西南控白蠻】。

城攲連粉堞,岸斷更青山。

開闢多天險【開闢當天險】,防隅一水關。

亂離聞鼓角,秋氣動衰顏。


(下し文)
(峡口二首その一)

峡口大江の間、西南 百蛮を控す。

城攲きて粉堞連なり、岸断えて更に青山。

開闢より天険に多し、隅を防ぐ一水関。

乱離に鼓角を聞く、秋気 衰顔に動く。


(現代語訳)
(瞿塘峡口について感を叙し、その一は形勝に対して世の乱を傷む)

この瞿塘峡の入口である夔門口峡口は大江の間に位して、西南の南詔の方には百蛮をひかえている。

城は傾斜して白壁ぬった分壁が連なっており、岸が断えたかとおもうとその欠けた向こうには、更に青い山が見えている。

ここは天地開闢の始めから天険の要害に当たっているのであり、城隅を防ぐためには一つの水関を設けて事足りているのである。

時はいまだに乱世がおさまらず、ここでも鼓角の声がきこえるし、これによって一層、秋の気配がこの老衰の顔面にはたらきかけてくるかの感がするのである。

瞿塘峡・白帝城・魚復
(訳注)

峽口,二首之一

(瞿塘峡口について感を叙し、その一は形勝に対して世の乱を傷む)

瞿塘峡口について感を叙する、大暦元年夔州にあっての作。

第一首は形勝に対して世の乱を傷む。

 

峽口大江間,西南控百蠻。【西南控白蠻】

この瞿塘峡の入口である夔門口峡口は大江の間に位して、西南の南詔の方には百蛮をひかえている。

〇峡口 瞿塘峡口をいう。長江本流に位置する峡谷。巫峡(ふきょう)、西陵峡(せいりょうきょう)と並び、三峡を構成する。別名は夔峡(ききょう)。

瞿塘峡は三峡のもっとも上流にあり、西は重慶市奉節県の白帝城から、東は重慶市巫山県の大溪鎮までの区間である。四川盆地の東部では、東西方向に伸びる細長い褶曲山脈が多数平行に走っているが、その山脈のうち高さ1,000mを超える一本を長江本流が北西から東南へ貫通するところが瞿塘峡である。

全長は8kmと三峡の他の峡谷に比べると際立って短いが、その川幅は三峡の中で最も狭く、風景の雄大さは三峡の中でも際立っている。瞿塘峡では長江の幅は広い所で150mを超えず、狭いところでは100mにもならない。この狭い川の北側には赤甲山、南側には白塩山があり、その高さは川面から1,200mに達し、間を通る船を圧迫するような急傾斜が聳え立っている。赤甲・白塩の両山に囲まれた門のような部分を夔門(きもん)と呼ぶが、「夔門天下雄」としてその雄大さは称えられている。ここを「峡口」という。

〇百蛮 多くの蛮境。南詔。

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城攲連粉堞,岸斷更青山。

城は傾斜して白壁ぬった分壁が連なっており、岸が断えたかとおもうとその欠けた向こうには、更に青い山が見えている。

○粉喋 胡粉をぬったひめがき。分壁は長江南岸の白塩山側にある白い石灰岩の崖で、瞿塘峡の入口にあたり、岩には「夔門天下雄」と刻まれている。その他多くの書家らによる文字が刻まれ、最古のものは宋朝にまで遡る。

 

開闢多天險【開闢當天險】,防隅一水關。

ここは天地開闢の始めから天険の要害に当たっているのであり、城隅を防ぐためには一つの水関を設けて事足りているのである。

○開闢 天地のひらけたとき。

○防隅 隅は山隅、城隅のこと。

○水関 水上に設けた関門、《1711宿江邊閣》詩宿江邊閣【即後西閣。】「暝色延山徑,高齋次水門。薄雲巖際宿,孤月浪中翻。鸛鶴追飛靜,豺狼得食喧。不眠憂戰伐,無力正乾坤。」

次水門 次は宿泊すること。水路駅の門である。

766年-71杜甫 《1711宿江邊閣【案:即後西閣。】》七言律詩 杜甫詩index-15-766年大暦元年55-71 <934 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6305

 

亂離聞鼓角,秋氣動衰顏。

時はいまだに乱世がおさまらず、ここでも鼓角の声がきこえるし、これによって一層、秋の気配がこの老衰の顔面にはたらきかけてくるかの感がするのである。

○乱離 せがみだれて人人がはなればなれになること、乱世をいう。

○動衰顔 動ははたらきかけること、主観的にいえば感ずるということである。

 

峽口,二首之一

峽口大江間,西南控百蠻。城欹連粉堞,岸斷更青山。

開闢多天險,防隅一水關。亂離聞鼓角,秋氣動衰顏。

(峡口二首その一)

峡口大江の間、西南 百蛮を控す。

城攲きて粉堞連なり、岸断えて更に青山。

開闢より天険に多し、隅を防ぐ一水関。

乱離に鼓角を聞く、秋気 衰顔に動く。
夔州東川卜居図詳細 002