南極

南極青山,西江白穀分。古城疏落木,荒戍密寒雲。

月蛇常見,風飆虎或聞。近身皆鳥道,殊俗自人群。

睥睨登哀柝,矛弧照夕曛。亂離多醉尉,愁殺李將軍。
(南の端、夔州の風土の悪いことをのべている。)

極南のこの地方では青山がおびただしくある。長江の西辺では自谷の支流が分かれてそそいでいる。古っぽい白帝城のあたりでは葉が落ちて木立の影がまばらになり、荒れた軍の屯所には冬空の雲が濃く群がっている。ここは年がら年じゅう蛇が出ているし、風飆の音につれて虎の声も時には聞こえてくる。見え掛かりの身に近いところはみな烏の通う崖路であり、異様な風俗をみてはこれでも人間の群かと怪しまれるのである。女牆には哀れな拍子木をうつ者どもがのぼり、夕日のくらがりには旗が照らされつつある。乱世にあたっては酔いどれの尉官などが多くいて、これには漢のあの李将軍というべき軍の長官さえもなやまされるのである。

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杜甫詩1500-1016-1514/2500

766年大暦元年55-144

卷別:    卷二三○              文體:    五言古詩

詩題:    南極

作地點:              夔州(山南東道 / 夔州 / 夔州)

及地點:              白谷 (山南東道 夔州 巫山)              

 

南極

(南の端、夔州の風土の悪いことをのべている。)

南極青山,西江白穀分。

極南のこの地方では青山がおびただしくある。長江の西辺では白谷の支流が分かれてそそいでいる。

古城疏落木,荒戍密寒雲。

古っぽい白帝城のあたりでは葉が落ちて木立の影がまばらになり、荒れた軍の屯所には冬空の雲が濃く群がっている。

月蛇常見,風飆虎或聞。

ここは年がら年じゅう蛇が出ているし、風飆の音につれて虎の声も時には聞こえてくる。

近身皆鳥道,殊俗自人群。

見え掛かりの身に近いところはみな烏の通う崖路であり、異様な風俗をみてはこれでも人間の群かと怪しまれるのである。

睥睨登哀柝,矛弧照夕曛。

女牆には哀れな拍子木をうつ者どもがのぼり、夕日のくらがりには旗が照らされつつある。

亂離多醉尉,愁殺李將軍。
乱世にあたっては酔いどれの尉官などが多くいて、これには漢のあの李将軍というべき軍の長官さえもなやまされるのである。

 

南極

南極 青山眾し,西江 白穀分かる。

古城 落木疏に,荒戍 寒雲密なり。

月 蛇 常に見え,風飆 虎 或いは聞ゆ。

近身 皆 鳥道,殊俗 自ら人群。

睥睨に哀柝登る,矛弧 夕曛ぬ照らさるる。

亂離に醉尉多し,愁殺す 李將軍。

夔州東川卜居図詳細 002

 

『南極』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

南極

南極青山,西江白穀分。

古城疏落木,荒戍密寒雲。

月蛇常見,風飆虎或聞。

近身皆鳥道,殊俗自人群。

睥睨登哀柝,矛弧照夕曛。

亂離多醉尉,愁殺李將軍。

(下し文)
南極

南極 青山眾し,西江 白穀分かる。

古城 落木疏に,荒戍 寒雲密なり。

月 蛇 常に見え,風飆 虎 或いは聞ゆ。

近身 皆 鳥道,殊俗 自ら人群。

睥睨に哀柝登る,矛弧 夕曛ぬ照らさるる。

亂離に醉尉多し,愁殺す 李將軍。

(現代語訳)
(南の端、夔州の風土の悪いことをのべている。)

極南のこの地方では青山がおびただしくある。長江の西辺では自谷の支流が分かれてそそいでいる。

古っぽい白帝城のあたりでは葉が落ちて木立の影がまばらになり、荒れた軍の屯所には冬空の雲が濃く群がっている。

ここは年がら年じゅう蛇が出ているし、風飆の音につれて虎の声も時には聞こえてくる。

見え掛かりの身に近いところはみな烏の通う崖路であり、異様な風俗をみてはこれでも人間の群かと怪しまれるのである。

女牆には哀れな拍子木をうつ者どもがのぼり、夕日のくらがりには旗が照らされつつある。

乱世にあたっては酔いどれの尉官などが多くいて、これには漢のあの李将軍というべき軍の長官さえもなやまされるのである。


(訳注)

南極

(南の端、夔州の風土の悪いことをのべている。)

詩の起首の二字を切りとって題とする。

大暦元年        766   55歳 冬 夔州にあっての作。

 

南極青山,西江白穀分。

極南のこの地方では青山がおびただしくある。長江の西辺では白谷の支流が分かれてそそいでいる。

南極 南方のはてをいう、夔州は都よりみて極めて南の地なのでかくいった。

西江白谷分 西江は長江のこと、西とは作者の居処よりして西であることをいうのであろう。白谷は白帝城の谷、分とは江と分かれていることをいう、支流である白谷がそこで江に入るのである。杜臆にこの句を解して、「西江白谷二至リテ分力ル」といっているのは恐らくはあたらぬ、「白谷西江二重リテ分力ル」と解すべきである。

 

古城疏落木,荒戍密寒雲。

古っぽい白帝城のあたりでは葉が落ちて木立の影がまばらになり、荒れた軍の屯所には冬空の雲が濃く群がっている。

古城 白帝城をいうが、夔州城に対して言うのであろう。

落木 落葉する樹木。

 

月蛇常見,風飆虎或聞。

ここは年がら年じゅう蛇が出ているし、風飆の音につれて虎の声も時には聞こえてくる。

歳月 一歳一月、四時をとわぬことをいう。

 

近身皆鳥道,殊俗自人群。

見え掛かりの身に近いところはみな烏の通う崖路であり、異様な風俗をみてはこれでも人間の群かと怪しまれるのである。

鳥道 鳥の通うみち、険崖の傍にあることをいう。

殊俗 異なっている土俗。

人群 禽獣でないことをいう。

 

睥睨登哀柝,矛弧照夕曛。

女牆には哀れな拍子木をうつ者どもがのぼり、夕日のくらがりには旗が照らされつつある。

睥睨 城の女借をいう。

登哀柝 哀柝、拍子木を鳴らす者がのぼる。

矛弧 蝥弧は旗のこと、語は「左伝」(隠公十一年)「瑕叔盈又以蝥弧登,周麾而呼曰:「君登矣!」“瑕叔盈は蝥弧(軍旗)を持って城壁を登り「わが君は登られたぞ」と叫んだ。”に本づく。哀柝、蝥弧は城の戒厳のさまをいう。

 

亂離多醉尉,愁殺李將軍。
乱世にあたっては酔いどれの尉官などが多くいて、これには漢のあの李将軍というべき軍の長官さえもなやまされるのである。

酔尉 「史記」李広伝にいう、漢の将軍李広、屏きて藍田の南山の中に居り射猟す、嘗て夜出でて人に従いて飲み灞陵亭に還る、灞陵の尉酔いて広を呵し止む。広が従騎日く、故の李将軍なりと、尉日く、今の将軍だもなお夜行するを得ず、何ぞ乃ち「故」ならんと、広を止どめて亭下に宿せしむ、と。

李将軍 李広をいう。事は上にみえる。末二句は乱世にして騎更が将軍をも畏れぬことをいう。

 

 

南極

南極 青山眾し,西江 白穀分かる。

古城 落木疏に,荒戍 寒雲密なり。

月 蛇 常に見え,風飆 虎 或いは聞ゆ。

近身 皆 鳥道,殊俗 自ら人群。

睥睨に哀柝登る,矛弧 夕曛ぬ照らさるる。

亂離に醉尉多し,愁殺す 李將軍。