杜甫  晚晴

返照斜初徹,浮雲薄未歸。江虹明遠飲,峽雨落餘飛。

鳧雁終高去,熊羆覺自肥。秋分客尚在,竹露夕微微。
(ずっと降っていた日の天が晴れた夕方に陽の日差しがどこまで射すように照らすのを詠う。)

夕日の照り返しがななめにどこまでも射すように照らす、雲は薄く浮かんでほぼ同じとこおに浮いていて帰らない。三峡の大江にかかった虹は、はっきりとして遠く水を飲もうとしているようだ、峡谷に降る雨パラパラ落ちたり固まって飛ばされたりしている。晴れ間になると鳬や雁は喜んで高く飛び去ってゆく、クマとヒグマは、ひとりでに肥えてしまった感がある。秋分の季節になった自分はまだここにいて床に伏している、夕日に光る竹の葉に露がポタンピタンとしたたる。

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杜甫詩1500-1020-1518/2500

年:766年大暦元年55-148

卷別:    卷二三○              文體:    五言律詩

詩題:    晚晴

 

 

晚晴

(ずっと降っていた日の天が晴れた夕方に陽の日差しがどこまで射すように照らすのを詠う。)

返照斜初徹,浮雲薄未歸。

夕日の照り返しがななめにどこまでも射すように照らす、雲は薄く浮かんでほぼ同じとこおに浮いていて帰らない。

江虹明遠飲,峽雨落餘飛。

三峡の大江にかかった虹は、はっきりとして遠く水を飲もうとしているようだ、峡谷に降る雨パラパラ落ちたり固まって飛ばされたりしている。

鳧雁終高去,熊羆覺自肥。

晴れ間になると鳬や雁は喜んで高く飛び去ってゆく、クマとヒグマは、ひとりでに肥えてしまった感がある。

秋分客尚在,竹露夕微微。
秋分の季節になった自分はまだここにいて床に伏している、夕日に光る竹の葉に露がポタンピタンとしたたる。

 

(晚晴)

返照 斜にして初めて徹し,浮雲 薄くして未だ歸らず。

江虹 明らかに遠く飲む,峽雨 落餘に飛ぶ。

鳧雁 終に高く去る,熊羆 自ら肥ゆるを覺ゆ。

秋分 客 尚お在り,竹露 夕に微微たり。

 

『晚晴』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

晚晴

返照斜初徹,浮雲薄未歸。

江虹明遠飲,峽雨落餘飛。

鳧雁終高去,熊羆覺自肥。

秋分客尚在,竹露夕微微。
晚晴(含異文)

返照斜初徹【返照斜初散】【晚照斜初徹】【晚照斜初散】,浮雲薄未歸。

江虹明遠飲【江虹明近飲】,峽雨落餘飛。

鳧雁終高去【鳧鶴終高去】,熊羆覺自肥。

秋分客尚在,竹露夕微微【竹露久微微】。


(下し文)
(晚晴)

返照 斜にして初めて徹し,浮雲 薄くして未だ歸らず。

江虹 明らかに遠く飲む,峽雨 落餘に飛ぶ。

鳧雁 終に高く去る,熊羆 自ら肥ゆるを覺ゆ。

秋分 客 尚お在り,竹露 夕に微微たり。

(現代語訳)
(ずっと降っていた日の天が晴れた夕方に陽の日差しがどこまで射すように照らすのを詠う。)

夕日の照り返しがななめにどこまでも射すように照らす、雲は薄く浮かんでほぼ同じとこおに浮いていて帰らない。

三峡の大江にかかった虹は、はっきりとして遠く水を飲もうとしているようだ、峡谷に降る雨パラパラ落ちたり固まって飛ばされたりしている。

晴れ間になると鳬や雁は喜んで高く飛び去ってゆく、クマとヒグマは、ひとりでに肥えてしまった感がある。

秋分の季節になった自分はまだここにいて床に伏している、夕日に光る竹の葉に露がポタンピタンとしたたる。


(訳注)

晚晴

(ずっと降っていた日の天が晴れた夕方に陽の日差しがどこまで射すように照らすのを詠う。)

766年大暦元年55の時の作品、この年-148首目。

 

返照斜初徹,浮雲薄未歸。

夕日の照り返しがななめにどこまでも射すように照らす、雲は薄く浮かんでほぼ同じとこおに浮いていて帰らない。

返照 夕日の照り返し。

斜初徹 夕陽の日差しがどこまで射すように照らすこと。

浮雲 ぽっかり浮かんだ雲、浮浪雲、漂泊の自分と重なる雲。

薄未歸 帰るところが分からない雲、ほぼ同じとこおに浮いていて帰らない雲。

 

江虹明遠飲,峽雨落餘飛。

三峡の大江にかかった虹は、はっきりとして遠く水を飲もうとしているようだ、峡谷に降る雨パラパラ落ちたり固まって飛ばされたりしている。

明遠飲 西からのひゅうひに照らされ、長江を飲み込むようににじがかかっていることをいう。はっきりとして遠く水を飲もうとしているようだ。

峽雨 風の通り道同士で、ぶっつかりあう峡谷の雨。

落餘飛 風によって塊になったり、散らばったり、ぶつかったり、吹き上げられて飛ぶ。

 

鳧雁終高去,熊羆覺自肥。

晴れ間になると鳬や雁は喜んで高く飛び去ってゆく、クマとヒグマは、ひとりでに肥えてしまった感がある。

高去 晴れ間になると喜んで高く飛び去ってゆくこと。

熊羆 冬眠の準備をしたクマとヒグマ。

覺自肥 冬眠のためにこの時期のクマやヒグマは最大に肥える。

 

秋分客尚在,竹露夕微微。

秋分の季節になった自分はまだここにいて床に伏している、夕日に光る竹の葉に露がポタンピタンとしたたる。

秋分 二十四節気の一つで,二至 (夏至,冬至) ,二分 (春分,秋分) として四季の中央におかれた中気。

客尚在 杜甫自身旅客者として、なお、療養滞在していること。