杜甫  熱,三首之二  

瘴雲終不滅,瀘水復西來。閉人高臥,歸林鳥卻迴。

峽中都似火,江上只空雷。想見陰宮雪,風門颯踏開。

(南方の灼熱の日に、涼しいこと思って過すを詠う)

熱射と毒気の運気はこの地でなくなることはないし、長江上流の雲南の熱い濾水まで西側から長江に合流して流れて来る。人というもの、自家の門を閉じることで、高枕をして眠ることができる、鳥は、一旦は林に帰ってまた後戻りしてゆく。この三峡の中は、全てが火だるまのようだ、此処を流れる長江の上には、雨の降らない空の雷がただ鳴っているばかりである。この時、長安の方向の北の雪山のあたりでは、さぞ冷たい風をバサバサと吹き入らせる風門が開かれているものと想像してみる。(それを想像するだけでもいささかでも涼しくなった気がする。)

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年:766年大暦元年55-150

卷別:    卷二三○              文體:    五言律詩

詩題:    熱,三首之一

作地點:              夔州(山南東道 / 夔州 / 夔州)

 

熱,三首之一

(南方の灼熱の日に思うことを詠う)

雷霆空霹靂,雲雨竟虛無。

その日、雷と稲妻がある、突然、電工が走りすさまじい音が鳴る、それなのに、結局、雲と雨は出てこない。

炎赫衣流汗,低垂氣不蘇。

炎熱で、日は赤々と灼熱に照るから衣服には汗が流れる、頭をぐったりと垂れて呼吸する元気もなくなるほどである。

乞為寒水玉,願作冷秋菰。

どうかこの身は冷たい水晶にしてほしい、それか、願わくば、冷ややかな秋のマコモなりたいものである。

何似兒童風涼出舞雩。

それは子供であったとき、涼風を追って、高台の雨乞いの舞のところに出かけて行った時涼風が吹いてきたことをおもいだして、このようなことに似たようなことがどうにかしてならないものだろうか。

(熱,三首の一)

雷霆は空しく霹靂なり,雲雨は竟に虛無なり。

炎赫 衣 汗を流し,低垂 氣 蘇せず。

乞う 寒水の玉と為らんことを,願わくば 冷秋の菰と作らん。

何ぞ似ん 兒童の,風涼 舞雩に出でしに

 

杜甫詩1500-1023-1521/2500

年:766年大暦元年55-151

卷別:    卷二三○              文體:    五言律詩

詩題:    熱,三首之二

作地點:              夔州(山南東道 / 夔州 / 夔州)

 

安史の乱当時の勢力図 

熱,三首之二

(南方の灼熱の日に、涼しいこと思って過すを詠う)

瘴雲終不滅,瀘水復西來。

熱射と毒気の運気はこの地でなくなることはないし、長江上流の雲南の熱い濾水まで西側から長江に合流して流れて来る。

人高臥,歸林鳥卻迴。

人というもの、自家の門を閉じることで、高枕をして眠ることができる、鳥は、一旦は林に帰ってまた後戻りしてゆく。

峽中都似火,江上只空雷。

この三峡の中は、全てが火だるまのようだ、此処を流れる長江の上には、雨の降らない空の雷がただ鳴っているばかりである。

想見陰宮雪,風門颯踏開。

この時、長安の方向の北の雪山のあたりでは、さぞ冷たい風をバサバサと吹き入らせる風門が開かれているものと想像してみる。(それを想像するだけでもいささかでも涼しくなった気がする。)

(熱,三首之二)

瘴雲 終に 滅せず,瀘水 復た西來す。

閉して 人 高臥す,林に歸りて 鳥 卻迴す。

峽の中 都べて似火,江の上 只だ空雷。

想い見る 陰宮の雪,風門 颯踏して開く。

 

『熱,三首之二』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

熱,三首之二

瘴雲終不滅,瀘水復西來。

人高臥,歸林鳥卻迴。

峽中都似火,江上只空雷。

想見陰宮雪,風門颯踏開。
熱,三首之二(含異文)     瘴雲終不滅,瀘水復西來。閉人高臥,歸林鳥卻迴。峽中都似火,江上只空雷【江上只聞雷】。想見陰宮雪,風門颯踏開【風門颯沓開】。


(下し文)
(熱,三首之二)

瘴雲 終に 滅せず,瀘水 復た西來す。

閉して 人 高臥す,林に歸りて 鳥 卻迴す。

峽の中 都べて似火,江の上 只だ空雷。

想い見る 陰宮の雪,風門 颯踏して開く。

(現代語訳)
熱,三首之二(南方の灼熱の日に、涼しいこと思って過すを詠う)

熱射と毒気の運気はこの地でなくなることはないし、長江上流の雲南の熱い濾水まで西側から長江に合流して流れて来る。

人というもの、自家の門を閉じることで、高枕をして眠ることができる、鳥は、一旦は林に帰ってまた後戻りしてゆく。

この三峡の中は、全てが火だるまのようだ、此処を流れる長江の上には、雨の降らない空の雷がただ鳴っているばかりである。

この時、長安の方向の北の雪山のあたりでは、さぞ冷たい風をバサバサと吹き入らせる風門が開かれているものと想像してみる。(それを想像するだけでもいささかでも涼しくなった気がする。)

蜀中転々圖
(訳注)

熱,三首之二

(南方の灼熱の日に、涼しいこと思って過すを詠う)766年大暦元年55-151首目

 

瘴雲終不滅,瀘水復西來。

熱射と毒気の運気はこの地でなくなることはないし、長江上流の雲南の熱い濾水まで西側から長江に合流して流れて来る。

瘴雲 水蒸気と熱射による毒気をいう。実際にはマラリヤである。瘴癘の地の雲。《巻15-24 雷》「南方瘴癘地,罹此農事苦。」(南方 瘴癘の地,此れを農事の苦しみと罹る。)

766年大暦元年55-16-1奉節-8 《巻15-24 雷 -1 杜甫index-15 杜甫<879-1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5265瀘水 

瀘水復西來 長江上流の雲南の熱い濾水まで西側から長江に合流して流れて来る

 

人高臥,歸林鳥卻迴。

人というもの、自家の門を閉じることで、高枕をして眠ることができる、鳥は、一旦は林に帰ってまた後戻りしてゆく。

卻迴 巣に帰ったのちに、熱さのために休めないから飛び回るという意。

 

峽中都似火,江上只空雷。

この三峡の中は、全てが火だるまのようだ、此処を流れる長江の上には、雨の降らない空の雷がただ鳴っているばかりである。

 

想見陰宮雪,風門颯踏開。

この時、長安の方向の北の雪山のあたりでは、さぞ冷たい風をバサバサと吹き入らせる風門が開かれているものと想像してみる。(それを想像するだけでもいささかでも涼しくなった気がする。)

陰宮雪 宮殿の北面をいう、宮殿には、暑夏、保存していた雪を北側に積んで涼しさをとる。

風門 雪の涼風を受けるための門、それを開けて涼風にあたる。

颯踏開 さぞ冷たい風をバサバサと吹き入らせる
四川省西部地区略図