杜甫  雨   

冥冥甲子雨,已度立春時。  輕箑煩相向,纖絺恐自疑。 

煙添纔有色,風引更如絲。  直覺巫山暮,兼催宋玉悲。 

(雨が降るのを見て、宋玉の《高唐賦》「朝雲暮雨」、《九辯》「悲愁」を思う)

空は、暗くしてしとしとと秋雨が降っている、今年は、立春のころから気候がおかしかった。それに、いまだにむしあつくて軽く団扇が必要なときもあって煩わしいし、まだ、細い葛で作った衣を着ていて、これでよいのかと自分ながら疑っているところである。この雨は細雨で煙が付け加わったことでやっと色が見えるというもので、雨脚は風に引っ張られてさらに糸のように長くなっている。この光景は、実際に、「朝雲暮雨」の巫山の夕暮れのように楚王のように覚え、同時に、創業句が初めて表現した、「悲愁」という旅心の寂しさを感じるのである。

766-154杜甫 《卷一四82雨 (冥冥甲子雨,) 杜甫詩index-15-766年大暦元年55-154 <1026 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6810

 

 

 
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杜甫詩1500-1026-1524/2500

年:766年大暦元年55-154

卷別: 卷二三○  杜少陵集卷一四82 文體: 五言律詩 

詩題:  

作地點: 目前尚無資料 

及地點: 巫山 (山南東道 夔州 巫山)      

 

 

(雨が降るのを見て、宋玉の《高唐賦》「朝雲暮雨」、《九辯》「悲愁」を思う)

冥冥甲子雨,已度立春時。 

空は、暗くしてしとしとと秋雨が降っている、今年は、立春のころから気候がおかしかった。

輕箑煩相向,纖絺恐自疑。 

それに、いまだにむしあつくて軽く団扇が必要なときもあって煩わしいし、まだ、細い葛で作った衣を着ていて、これでよいのかと自分ながら疑っているところである。

煙添纔有色,風引更如絲。 

この雨は細雨で煙が付け加わったことでやっと色が見えるというもので、雨脚は風に引っ張られてさらに糸のように長くなっている。

直覺巫山暮,兼催宋玉悲。 

この光景は、実際に、「朝雲暮雨」の巫山の夕暮れのように楚王のように覚え、同時に、創業句が初めて表現した、「悲愁」という旅心の寂しさを感じるのである。

 

(雨)

冥冥 甲子の雨,已に度る 立春の時。 

輕箑 相い向うを煩し,纖絺 自ら疑うを恐れん。 

煙添いて 纔に色有り,風引きて 更に絲の如し。 

直ちに覺ゆ 巫山暮なんとするを,兼ねて催す宋玉が悲しみ。 
夔州東川卜居図詳細 002

 

『雨』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

冥冥甲子雨,已度立春時。 

輕箑煩相向,纖絺恐自疑。 

煙添纔有色,風引更如絲。 

直覺巫山暮,兼催宋玉悲。 

(下し文)
(雨)

冥冥 甲子の雨,已に度る 立春の時。 

輕箑 相い向うを煩し,纖絺 自ら疑うを恐れん。 

煙添いて 纔に色有り,風引きて 更に絲の如し。 

直ちに覺ゆ 巫山暮なんとするを,兼ねて催す宋玉が悲しみ。 

(現代語訳)
(雨が降るのを見て、宋玉の《高唐賦》「朝雲暮雨」、《九辯》「悲愁」を思う)

空は、暗くしてしとしとと秋雨が降っている、今年は、立春のころから気候がおかしかった。

それに、いまだにむしあつくて軽く団扇が必要なときもあって煩わしいし、まだ、細い葛で作った衣を着ていて、これでよいのかと自分ながら疑っているところである。

この雨は細雨で煙が付け加わったことでやっと色が見えるというもので、雨脚は風に引っ張られてさらに糸のように長くなっている。

この光景は、実際に、「朝雲暮雨」の巫山の夕暮れのように楚王のように覚え、同時に、創業句が初めて表現した、「悲愁」という旅心の寂しさを感じるのである。


(訳注)

(雨が降るのを見て、宋玉の《高唐賦》「朝雲暮雨」、《九辯》「悲愁」を思う)

766年大暦元年55-154首目。詩の内容から7669月1日と考えるのが妥当であろう。

 

冥冥甲子雨,已度立春時。 

空は、暗くしてしとしとと秋雨が降っている、今年は、立春のころから気候がおかしかった。

甲子雨 八月か九月の最初の日の雨。

已度立春時 今年は、立春のころから気候がおかしかった。

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766年大暦元年55-33奉節-24 《巻15-49 雨,二首之一》 杜甫index-15 杜甫<897 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5505

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766年大暦元年55-34-#2奉節-25 -#2 《巻15-50 雨,二首之二 -#2 杜甫index-15 杜甫<898-#2 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5515

767年大暦二年56-35奉節-26 《巻15-55 雨》 杜甫index-15 杜甫<899 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5520

767年大曆二年56-36-奉節-27 《巻15-60 雨》 杜甫index-15 杜甫<900 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5530

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766年-148杜甫 《1554晚晴》 杜甫詩index-15-766年大暦元年55-148 <1020 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ6780

1552雨晴》

雨時山不改,晴罷峽如新。天路看殊俗,秋江思殺人。

有猿揮淚盡,無犬附書頻。故國愁眉外,長歌欲損神。
この年、「雨」の作品が上記以外数首ある。また、夏は日照りが続いている。

 

輕箑煩相向,纖絺恐自疑。 

それに、いまだにむしあつくて軽く団扇が必要なときもあって煩わしいし、まだ、細い葛で作った衣を着ていて、これでよいのかと自分ながら疑っているところである。

輕箑 軽く団扇をつかうこと。

煩相向 (団扇が)必要なときもあって煩わしい。

纖絺 細い葛で作った衣。

恐自疑 秋だというのに、団扇や夏の着物を着て居なければいけないほど温暖であることを言う。

 

煙添纔有色,風引更如絲。 

この雨は細雨で煙が付け加わったことでやっと色が見えるというもので、雨脚は風に引っ張られてさらに糸のように長くなっている。

 

直覺巫山暮,兼催宋玉悲。 

この光景は、実際に、「朝雲暮雨」の巫山の夕暮れのように楚王のように覚え、同時に、創業句が初めて表現した、「悲愁」という旅心の寂しさを感じるのである。

巫山暮 宋玉《高唐賦》《楚 () の懐王が夢の中で契りを交わした神女が、朝には雲に、夕暮れには雨になると言ったという、宋玉「高唐賦」などにみえる故事から》男女の堅い契り。

宋玉悲 宋玉が。初めて、秋について「悲愁」という表現を使い、以後の詩に、秋は、悲愁とされた。それが 宋玉《九辯》である。

悲哉秋之為氣也!蕭瑟兮草木搖落而變衰,

憭慄兮若在遠行,登山臨水兮送將歸,

泬寥兮天高而氣清,寂寥兮收潦而水清,

悽增欷兮薄寒之中人,愴怳懭悢兮去故而就新,

坎廩兮貧士失職而志不平,廓落兮羇旅而無友生。

惆悵兮而私自憐。

悲しいかな、秋の氣たるや。蕭瑟【しょうしつ】たり、草木搖落して變衰【へんすい】す。

憭慄【れきりつ】たり、遠行に在りて、山に登り水に臨み、將に歸らんとするを送るが若し。

泬寥【けつりょう】たり、天高くして気清し。

寂寥【せきりょう】たり、潦を収めて水清し。

悽【さんせい】として增ます欷【すすりな】き、薄寒之れ人に中【あた】る。

愴怳【そうこう】懭悢【こうろう】として故を去りて新に就く。

坎廩【かんらん】たり、貧士職を失ひて志 平かならず、廓落【かくらく】たり、羇旅【きりょ】にして友生無し。

惆悵たり、而して私かに自ら憐む。

宋玉《九辯》全35回で全文訳注して掲載している。

九辯 宋玉 <00-#1>もっとも影響を与えた詩文 630 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2134

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