杜甫  覽鏡呈柏中丞

渭水流關終南在日邊。膽銷豺虎窟,淚入犬羊天。

起晚堪從事,行遲更學仙。鏡中衰謝色,萬一故人憐。

(身に着けている鏡を見て自分の衰えたことを嘆息して、柏中丞にこの詩を呈した)

関中には、渭水が本流にして流れている。終南山は日輪の南辺のように長安にある。

その地方は豺虎のような盗賊の巣窟となり、犬羊のような臭い異民族の吐蕃などの場所になっているので自分の膽もこれがために消えようとして、自分の涙はそちらに向かって注がれる。

自分は、朝、遅く起きだすものであるから、とても、仕事に堪えられないし、また歩くのが遅いから、いまさら仙人から学ぶこともはばかられる。

おまけに、鏡を見ると老衰してきた色が照いるのが分かるし、これでも万が一にもあなたが気の毒に思ってくださるなら、それだけを頼りにいていこうと思うのである。

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 杜甫詩1500-1030-1528/2500

年:766年大暦元年55-158

卷別:    卷二三一              文體:    五言律詩

詩題:    覽鏡呈柏中丞

作地點:              目前尚無資料

及地點:              終南山 (京畿道 無第二級行政層級 終南山) 別名:南山、秦山  

交遊人物/地點:柏茂林      書信往來(山南東道 夔州 夔州)

 

 

覽鏡呈柏中丞

(身に着けている鏡を見て自分の衰えたことを嘆息して、柏中丞にこの詩を呈した)

渭水流關終南在日邊。

関中には、渭水が本流にして流れている。終南山は日輪の南辺のように長安にある。

膽銷豺虎窟,淚入犬羊天。

その地方は豺虎のような盗賊の巣窟となり、犬羊のような臭い異民族の吐蕃などの場所になっているので自分の膽もこれがために消えようとして、自分の涙はそちらに向かって注がれる。

起晚堪從事,行遲更學仙。

自分は、朝、遅く起きだすものであるから、とても、仕事に堪えられないし、また歩くのが遅いから、いまさら仙人から学ぶこともはばかられる。

鏡中衰謝色,萬一故人憐。

おまけに、鏡を見ると老衰してきた色が照いるのが分かるし、これでも万が一にもあなたが気の毒に思ってくださるなら、それだけを頼りにいていこうと思うのである。

 

(鏡を覽て柏中丞に呈す)

渭水 關,終南 日邊に在り。

膽は銷す 豺虎の窟,淚は入る 犬羊の天。

起きること 晚し 事に從うに堪んや,行くこと 遲し 更に仙を學ばんや。

鏡中 衰謝の色,萬一 故人憐まん。

 

『覽鏡呈柏中丞』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

覽鏡呈柏中丞

渭水流關,終南在日邊。

膽銷豺虎窟,淚入犬羊天。

起晚堪從事,行遲更學仙。

鏡中衰謝色,萬一故人憐。
詩文(含異文)     渭水流關,終南在日邊。膽銷豺虎窟,淚入犬羊天。起晚堪從事,行遲更學仙【行遲更覺仙】。鏡中衰謝色,萬一故人憐。


(下し文)

(鏡を覽て柏中丞に呈す)

渭水 關,終南 日邊に在り。

膽は銷す 豺虎の窟,淚は入る 犬羊の天。

起きること 晚し 事に從うに堪んや,行くこと 遲し 更に仙を學ばんや。

鏡中 衰謝の色,萬一 故人憐まん。

(現代語訳)
(身に着けている鏡を見て自分の衰えたことを嘆息して、柏中丞にこの詩を呈した)

関中には、渭水が本流にして流れている。終南山は日輪の南辺のように長安にある。

その地方は豺虎のような盗賊の巣窟となり、犬羊のような臭い異民族の吐蕃などの場所になっているので自分の膽もこれがために消えようとして、自分の涙はそちらに向かって注がれる。

自分は、朝、遅く起きだすものであるから、とても、仕事に堪えられないし、また歩くのが遅いから、いまさら仙人から学ぶこともはばかられる。

おまけに、鏡を見ると老衰してきた色が照いるのが分かるし、これでも万が一にもあなたが気の毒に思ってくださるなら、それだけを頼りにいていこうと思うのである。


(訳注)

覽鏡呈柏中丞

(身に着けている鏡を見て自分の衰えたことを嘆息して、柏中丞にこの詩を呈した)

中丞  中国の官名。漢代には宮中の文書をつかさどり刺史を監督する官を,明・清代には巡撫(じゆんぶ)をいう。 中弁(ちゆうべん)の唐名。律令制で,太政官(だいじようかん)に属する弁官の一。大弁の次に位し,少弁の上位にあるもの。左右弁官局に各一名ずつ属す。

函谷関長安地図座標001 

渭水流關終南在日邊。

関中には、渭水が本流にして流れている。終南山は日輪の南辺のように長安にある。

渭水 渭水は甘粛省渭源県の西にある烏鼠同穴山を源流とする。陝西省咸陽市の南、西安市の北を流れて黄河中流の潼関で合流。全長818km 流域の盆地は渭河平原(関中)と呼ばれる。

 関中とは、中華人民共和国の地域である。函谷関の西側の地域を指す。現在の中国陝西省渭水盆地(同・渭河平原)の西安を中心とした一帯である。春秋戦国時代の秦の領地であり、その後の前漢や唐もこの地に首都を置いた。

終南 陝西省の西安の南東にある山。古来、詩によく詠まれた。南山。又称中南山、南山、太乙山,一般指秦嶺山脈中段西境内,西は武功縣より起り,東は藍田縣に至る部分を言う。

日邊 晉の明帝が幼少の折、日と長安とどちらが近いかという問いに、太陽が遠(邊)いと答えた故事を言う。

 

膽銷豺虎窟,淚入犬羊天。

その地方は豺虎のような盗賊の巣窟となり、犬羊のような臭い異民族の吐蕃などの場所になっているので自分の膽もこれがために消えようとして、自分の涙はそちらに向かって注がれる。

豺虎窟 中原にいる盗賊ども、ことごとく山中に身を隠し出没している。

犬羊天 吐蕃をさす。豺虎・犬羊、竝に長安方面に就くことを言う。7659月、回紇ウイグル、吐蕃チベット連合軍が入寇している。

 

起晚堪從事,行遲更學仙。

自分は、朝、遅く起きだすものであるから、とても、仕事に堪えられないし、また歩くのが遅いから、いまさら仙人から学ぶこともはばかられる。

起晚 起きだして動き始めるのが遅い時間になることを言う。

堪從事 官職に従事することができかねる。

行遲 仙人は空を飛び、地上を歩くのも走り飛ぶけれども、杜甫初枝がいるほどであり、歩くのが遅い。

學仙 仙学を学ぶことも詮無きゆえにしないということ。

 

鏡中衰謝色,萬一故人憐。

おまけに、鏡を見ると老衰してきた色が照いるのが分かるし、これでも万が一にもあなたが気の毒に思ってくださるなら、それだけを頼りにいていこうと思うのである。

衰謝 衰えて、やつれること。

故人 旧知の人、この場合、柏中丞をさす。

長安付近図00 

 

 

<日邊>晉の明帝が幼少の折、日と長安とどちらが近いかという問いに、太陽が遠(邊)いと答えた故事について。

明皇帝諱紹,字道畿,元皇帝長子也,幼而聰哲,爲元帝所寵異。年數歳,嘗坐置膝前,屬長安使來,因問帝曰:「汝謂日與長安孰遠?」對曰:「長安近。不聞人從日邊來,居然可知也。」元帝異之。明日,宴群僚,又問之。對曰:「日近。」元帝失色,曰:「何乃異間者之言乎?」對曰:「舉目則見日,不見長安。」由是益奇之。

 明皇帝の諱は紹、字は道畿であり、元皇帝の長子である。幼いころから聡明で、元帝から特別に寵愛されていた。〔僅か〕数歳の頃、元帝と膝をつき合わせて坐っていた時、ちょうど長安からの使者がやって来たので、〔元帝は〕明帝に尋ねて言った。「お前は太陽と長安とどちらが遠いと思うか?」〔明帝が〕答えて言う。「長安が近いです。太陽の辺りからやって来たと言う人を聞いたことがありませんから、〔わざわざ行って見るまでもなく、ここで〕そのままにしていても分かります。」元帝は、これは優れた答えだと思った。翌日、官僚たちと宴会を開いて、また、このことを尋ねてみた。〔明帝が〕答えて言う。「太陽が近いです。」元帝は顔色を変えて言った。「どうしてこの前の答えと違うのか?」〔明帝が〕答えて言った。「目を挙げれば太陽は見えますが、長安は見えませんから。」こうして、ますます〔元帝は〕彼を優れていると思うようになった。