杜甫  寄韋有夏郎中   

省郎憂病士,書信有柴胡。飲子頻通汗,懷君想報珠。

親知天畔少,藥味峽中無。歸楫生衣臥,春鷗洗翅呼。

猶聞上急水,早作取平途。萬里皇華使,為僚記腐儒。
(夔州三峡、山水をみて北歸の情を動かされたと述べる。)

顔真卿の幕府、東方朔碑陰に朝城手簿韋有夏とあるが、同一人物かどうか疑問もある。韋尚書省郎中は、私のことを心配してくれて、書簡に加えて柴胡という薬草を送ってくれた。この煎じ薬は、すごく発汗作用がよく効きよいものであるから、お返しに真珠でも差し上げようかと考えている。夔州という天の果てでは知人も少なく、薬品や滋養のものも、山峽中にはないものである。春のカモメが翔を洗いながら呼び合い叫んでいるが、自分は帰り舟をつないだままで、郎官という生衣を着たまま療養の床に臥している。あなたは長江下流域からなお急流をさかのぼって行かれるとのことだが、早くここの平地に来るようにされたら良いとは思うが、どうだろうか。あなたは、万里の遠くへ使者として来られるというのではあるが、よくも同僚としてこの腐儒のいることを記憶してくださっていたものである、まことにありがたく思っているところである。

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  2015年10月29日 の紀頌之5つのBlog  
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夔州にいて故郷に帰りたいという内容の同時期の作品 

1521覽物【峽中覽物】

1522憶鄭南玭【案:玭,蒲眠切,珠也。宋弘曰:「淮水出玭珠。」若本注:「玭疑作玼,音玼,玉色鮮潔也。」師民瞻及草堂本,俱無玭字。詩中但憶伏毒寺舊遊,鄭南乃鄭縣之南也。】

1822覽鏡呈柏中丞

1520寄韋有夏郎中【案:顏真卿〈東方朔碑陰〉,有朝城主簿韋有夏,疑即此。】

 

 杜甫詩1500-1031-1529/2500

年:766年大暦元年55-159 

卷別:    卷二三一              文體:    五言古詩

詩題:    寄韋有夏郎中

【自註:顏真卿〈東方朔碑陰〉,有朝城主簿韋有夏,疑即此。】

作地點:              夔州(山南東道 / 夔州 / 夔州)

交遊人物/地點:韋有夏      書信往來

 

寄韋有夏郎中

(夔州三峡、山水をみて北歸の情を動かされたと述べる。)

自註:顏真卿〈東方朔碑陰〉,有朝城主簿韋有夏,疑即此。

顔真卿の幕府、東方朔碑陰に朝城手簿韋有夏とあるが、同一人物かどうか疑問もある。

省郎憂病士,書信有柴胡。

韋尚書省郎中は、私のことを心配してくれて、書簡に加えて柴胡という薬草を送ってくれた。

飲子頻通汗,懷君想報珠。

この煎じ薬は、すごく発汗作用がよく効きよいものであるから、お返しに真珠でも差し上げようかと考えている。

親知天畔少,藥味峽中無。

夔州という天の果てでは知人も少なく、薬品や滋養のものも、山峽中にはないものである

歸楫生衣臥,春鷗洗翅呼。

春のカモメが翔を洗いながら呼び合い叫んでいるが、自分は帰り舟をつないだままで、郎官という生衣を着たまま療養の床に臥している。

猶聞上急水,早作取平途。

あなたは長江下流域からなお急流をさかのぼって行かれるとのことだが、早くここの平地に来るようにされたら良いとは思うが、どうだろうか。

萬里皇華使,為僚記腐儒。

あなたは、万里の遠くへ使者として来られるというのではあるが、よくも同僚としてこの腐儒のいることを記憶してくださっていたものである、まことにありがたく思っているところである。

 

(韋有夏郎中に寄る)

省郎 病士を憂う,書信 柴胡有り。

飲子 頻りに汗を通ず,懷君 珠を報ぜんことを想う。

親知 天畔に少し,藥味 峽中に無し。

歸楫 生衣に臥し,春鷗 洗翅し呼ぶ。

猶お聞く 急水を上ると,早く平途を取るを作せ。

萬里 皇華の使,僚と為して 腐儒を記す。

瞿塘峡・白帝城・魚復

『寄韋有夏郎中』 現代語訳と訳註解説
(
本文)

寄韋有夏郎中

自註:顏真卿〈東方朔碑陰〉,有朝城主簿韋有夏,疑即此。

省郎憂病士,書信有柴胡。

飲子頻通汗,懷君想報珠。

親知天畔少,藥味峽中無。

歸楫生衣臥,春鷗洗翅呼。

猶聞上急水,早作取平途。

萬里皇華使,為僚記腐儒。

(下し文)
(韋有夏郎中に寄る)

省郎 病士を憂う,書信 柴胡有り。

飲子 頻りに汗を通ず,懷君 珠を報ぜんことを想う。

親知 天畔に少し,藥味 峽中に無し。

歸楫 生衣に臥し,春鷗 洗翅し呼ぶ。

猶お聞く 急水を上ると,早く平途を取るを作せ。

萬里 皇華の使,僚と為して 腐儒を記す。

(現代語訳)
(夔州三峡、山水をみて北歸の情を動かされたと述べる。)

顔真卿の幕府、東方朔碑陰に朝城手簿韋有夏とあるが、同一人物かどうか疑問もある。

韋尚書省郎中は、私のことを心配してくれて、書簡に加えて柴胡という薬草を送ってくれた。

この煎じ薬は、すごく発汗作用がよく効きよいものであるから、お返しに真珠でも差し上げようかと考えている。

夔州という天の果てでは知人も少なく、薬品や滋養のものも、山峽中にはないものである

春のカモメが翔を洗いながら呼び合い叫んでいるが、自分は帰り舟をつないだままで、郎官という生衣を着たまま療養の床に臥している。

あなたは長江下流域からなお急流をさかのぼって行かれるとのことだが、早くここの平地に来るようにされたら良いとは思うが、どうだろうか。

あなたは、万里の遠くへ使者として来られるというのではあるが、よくも同僚としてこの腐儒のいることを記憶してくださっていたものである、まことにありがたく思っているところである。


(訳注)

寄韋有夏郎中

(夔州三峡、山水をみて北歸の情を動かされたと述べる。)

韋郎中 郎中職の韋有夏という人物。

 

自註:顏真卿〈東方朔碑陰〉,有朝城主簿韋有夏,疑即此。

顔真卿の幕府、東方朔碑陰に朝城手簿韋有夏とあるが、同一人物かどうか疑問もある。

この時韋有夏は長江下流域から夔州に上ってきたものである。

 

省郎憂病士,書信有柴胡。

韋尚書省郎中は、私のことを心配してくれて、書簡に加えて柴胡という薬草を送ってくれた。

省郎 尚書省の郎官で、韋有夏をいう。

病士 病気療養中の杜甫自身も郎官ではある。

柴胡 薬草の名、発汗剤である。

 

飲子頻通汗,懷君想報珠。

この煎じ薬は、すごく発汗作用がよく効きよいものであるから、お返しに真珠でも差し上げようかと考えている。

飲子 煎じてのむ薬。

頻通汗 すごく発汗作用がよく効く。

懷君 韋のことをおもう。

想報珠 お返しのお礼には真珠という故事。張衡《四愁詩》「美人贈我貂襜褕,何以報之明月珠。」(美人我に貂襜の褕を贈らる,何を以て之に報いん明月の珠。)とあり、大変ありがたく思っているということで、実際に真珠を送るわけではない

 

親知天畔少,藥味峽中無。

夔州という天の果てでは知人も少なく、薬品や滋養のものも、山峽中にはないものである

親知 親戚知己。

 

歸楫生衣臥,春鷗洗翅呼。

春のカモメが翔を洗いながら呼び合い叫んでいるが、自分は帰り舟をつないだままで、郎官という生衣を着たまま療養の床に臥している。

歸楫 帰り舟の楫。

生衣臥 郎官という生衣を着たまま療養の床に臥している

洗翅呼 翔を洗いながら呼び合い叫んでいる。

 

猶聞上急水,早作取平途。

あなたは長江下流域からなお急流をさかのぼって行かれるとのことだが、早くここの平地に来るようにされたら良いとは思うが、どうだろうか。

上急水 三峡の急流を上ってくる。

取平途 三峡中に旅の途中で休みのとれる平坦なところが少ないから、杜甫のいる奉節の平坦なところで休息をとれというほどの意。

 

萬里皇華使,為僚記腐儒。

あなたは、万里の遠くへ使者として来られるというのではあるが、よくも同僚としてこの腐儒のいることを記憶してくださっていたものである、まことにありがたく思っているところである。

皇華使 天使の使者としての韋有夏のこと。

為僚 よくも同僚としてくれた。

 記憶のなかにおいてくれた。

腐儒 夔州という点が後で病気療養している腐った儒者、杜甫のことを言う。
長安城図 作図00