767-997   奉酬薛十二丈判官見贈#7 杜詩詳注(卷一九(四)一六八四)

 

 

2017420

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Ⅰ李白詩

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孟郊

 

●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ 杜詩

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杜甫詩(1)736~751年  53

杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73

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杜甫詩(5)758年47歳 左遷 53

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杜甫詩(8)759年同谷紀行、成都紀行36

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杜甫詩(11)762年蜀中転々43

杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

(13)763年蜀中転々 96

 (14)764年 三月成都へ帰る 100

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(16-1) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)80

(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

杜甫詩 (17-2) 767年・瀼西・東屯 133

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767-997   奉酬薛十二丈判官見贈#7 杜詩詳注(卷一九(四)一六八四)Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8575

いまだに、天下には龍の天子、蛇の吐蕃、龍蛇は戦って、互いに血を注ぎ、都の野外は暗く閉ざされている。自分が聴くに、聡明なる現天子は、国を治めるに、軽い刑罰を用いている。そして、武器を溶かして、農具を作り、それで初めて古今とも、人民の居が初めて安らかであったといえるのである。今、天子は、日々に儉德をお守りになられて、俊賢の下臣たちが増えて、やっと君の前に、満ちるようになった。だから、栄華を得ようとするなら、少壮のうちだし、自分のように、“楚江の萍實”などを食べて、南方に滞留していてはならないし、早く出でて明君につかえられることが良いのではないだろうか。

 

767-099 -

  奉酬薛十二丈判官見贈卷一九(四)一六八四#7

杜詩詳注巻1938

全唐詩卷二二二 -7

767年大暦256  (99) -

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の杜詩ブログ8575

 


瞿塘峡・白帝城・魚復
詩文
(含異文)       

忽忽峽中睡,悲風方一醒【悲秋方一醒】。西來有好鳥,為我下青冥。

羽毛淨白雪【羽毛盡白雪】,慘澹飛雲汀。既蒙主人顧,舉翮唳孤亭。

2

持以比佳士,及此慰揚舲。清文動哀玉,見道發新硎。

欲學鴟夷子,待勒燕山銘。誰重斷蛇劍【國重斬邪劍】,致君君未聽。

3

志在麒麟閣,無心雲母屏。卓氏近新寡,豪家朱門扃【豪家朱扃】。

相如才調逸【相如琴調逸】,銀漢會雙星。客來洗粉黛,日暮拾流螢。

4

不是無膏火,勸郎勤六經。老夫自汲澗,野水日泠泠。

我歎黑頭白,君看銀印青。臥病識山鬼,為農知地形。

#5

誰矜坐錦帳,苦厭食魚腥。東西兩岸坼【東西岸兩坼】,橫水注滄溟【積水注滄溟】。

碧色忽惆悵【碧色苦惆悵】,風雷搜百靈。空中右白虎【空中有白虎】,赤節引娉婷。

#6

自云帝里女【自云帝季女】,噀雨鳳凰翎。襄王薄行跡,莫學冷如丁【莫學冷如冰】【莫學令威丁】。

千秋一拭淚,夢覺有微馨。人生相感動,金石兩青熒。

丈人但安坐,休辨渭與涇。

#7

龍蛇尚格鬥,灑血暗郊坰。吾聞聰明主,治國用輕刑【活國用輕刑】。

銷兵鑄農器,今古方寧。文王日儉德【天王日儉德】,俊乂始盈庭。

榮華富少壯,豈食楚江萍。

城郭と門 

杜詩校注01紅葉0120

作時年:

767

大暦2

56

全唐詩

卷二二二 -5

文體:

奉酬薛十二丈判官見贈

杜詩詳注

1938

卷一九(四)一六八四 -

詩題:

  奉酬薛十二丈判官見贈

序文

 

作地點:

夔州(山南東道 / 夔州 / 夔州)

及地點:

燕山 (河北道南部 薊州 燕山)

薛十二丈判官

0

 

交遊人物:

 

薛十二丈判官

書信往來

 

 

奉酬薛十二丈判官見贈

(判官薛某が詩を贈ってくれたことに対して答えた詩)

忽忽峽中睡,悲風方一醒。

自分は三峡の渓合でうとうとと眠っていたが、そこへ悲しげな風が吹いてきて初めて夢を醒まされた。

西來有好鳥,為我下青冥。

見上げると西のほうから運の良い鳥が来て自分の為に、青冥からおりてきた。

羽毛淨白雪,慘澹飛雲汀。

その羽毛は白い雪のように清らかであるが雲のいる汀に悲しげに飛んでいる。

既蒙主人顧,舉翮唳孤亭。

やがてその鳥は主人から目を掛けられるようになり、翮を揚げて単独で建っている四阿の亭のところで鳴きたてた。

 

(薛十二丈判官が贈らるるに酬い奉る)

忽忽として峽中に睡る,悲風 方に一醒す。

西來 好鳥有り,我が為に青冥より下る。

羽毛 白雪淨く,慘澹 雲汀に飛ぶ。

既に主人の顧を蒙る,を舉げて 孤亭に唳く。

2

持以比佳士,及此慰揚舲。

この鳥を以てあるいい人物に例えてみる。それでやっと自分の今の出帆の用意をして三峡を下って行こうという心持を慰めることができる。

清文動哀玉,見道發新硎。

あなたの清らかなる文章は、哀れな佩び玉が鳴り出したようなものであり、道理をはっきりしていることは、刀が今と犠打されたばかりというほど鮮明に光っている。

欲學鴟夷子,待勒燕山銘。

あなたの言うところをきいていると、軍務に従って燕然山の銘を勒石に功を彫り付けることを待っいるようなものであり、功なった後は、五胡に浮かび去って行った范蠡(鴟夷子)でも、学ぼうとするという事である。

誰重斷蛇劍,致君君未聽。

また、当世には、「邪佞の臣を切る剣」を重んずるという風潮はもうなくて誰も重要なこととは思わない。現天子を、堯舜のような天子にいたそうとしても、君のそうした志もとても聞いてはくださらないであろう。

2

持して以て佳士に比す,此の揚を慰むるに及ぶ。

清文 哀玉を動かす,見道 新硎より發す。

學ばんと欲す 鴟夷子を,勒せんと待つ燕山の銘。

誰か重んぜむ 斷蛇の劍,君を致すも 君 未だ聽かず。

 

3

志在麒麟閣,無心雲母屏。

自分の志は、麒麟閣上に描かれることにあって、女々しく夫人の閨房の雲母の衝立の中にこもっているような心でいることは考えられない。

卓氏近新寡,豪家朱門扃。

君からの書簡から言うと、卓文君が富豪の朱門を閉じて奥座敷に閉じ込められていたというのを思い付いた。

相如才調逸,銀漢會雙星。

そこへ、司馬相如の優れた琴の演奏と歌が卓文君の心をつかんで、牽牛と織女が天の川を渡って年に一度会うということのようになったのであろう。

客來洗粉黛,日暮拾流螢。

君の新婦になる女は、賢婦人であって、お客が来たときには、後漢の孟光のようにおしろい、黛を洗い落として必死でもてなし、日暮れになれば、晉の車胤が絹の袋に数十匹の蛍を集め、

3

志は麒麟閣に在り,雲母の屏に心無し。

卓氏 近ごろ新たに寡なり,豪家 朱門 

相如 才調 逸なり,銀漢 雙星 會す。

客來りて 洗粉黛をう,日暮 流螢を拾う。

 

4

不是無膏火,勸郎勤六經。

燭光あぶらをその光で書物を照らして昼も夜も若い夫に、六經を勉強に励んでもらうためであるのである。

老夫自汲澗,野水日泠泠。

老夫である自分は、ここで渓の岩間で水をくむ毎日で、野良の水は日に日に泠泠と流れているところである。

我歎黑頭白,君看銀印青。

今の私は、黒髪が、白くなってしまったことを嘆いているし、その上、君はきっと見つけているだろう、私の銀印が靑錆で変わってしまったことを。

臥病識山鬼,為農知地形。

また、わたしは、病に伏して、山鬼を知ってしまったし、農業経営をして、この地の地形を心得て効率的にして来たのである。

4

是れ膏火無きならず,郎に勸めて 六經を勤る。。

老夫 自ら澗に汲み,野水 日びに泠泠たり。

我は歎ず 黑頭の白きを,君は看ん 銀印の青きを。

臥病 山鬼を識り,農と為りて 地形を知る。

#5

誰矜坐錦帳,苦厭食魚腥。

自分は都に居れば官より錦緤被を賜って宿直をする郎官であるのに、それがいまだにこの地に滞留するという事を誰が気の毒に思うてくれるであろうか。というのも、この南の地で、臭い魚のなますを食する生活はひどく嫌になっているのである。

東西兩岸坼,橫水注滄溟。

夔州を流れる長江が西から東に流れ、三峡の両岸に崖が迫っているし、三峡の流れの中にある大きな岩を横に溢れる危険な流れに、滄海のような長江に注ぐところにいる。

碧色忽惆悵,風雷搜百靈。

それなのに、この秋になって、江の流れは船にとっていい状況で、その青色に流れる水を見ていると杜甫がその水に船を出版できないことを恨めしく思うのであり、それにここで起こる風雷の中から様々な守り神を捜し求めたのである。

空中右白虎,赤節引娉婷。

そして、空中にいる「四靈」を探し、そのうち、今は秋の、神である白虎を右にして、赤い旗を立てて美しい天女を導いてゆくのである。

#5

誰か矜れまん 錦帳に坐するを,苦だ厭う 魚腥を食う。

東西 兩岸く,橫水 滄溟に注ぐ。

碧色に 忽ち惆悵す,風雷に百靈を搜む。

空中に白虎を右にし,赤節 娉を引く。

#6

自云帝里女【自云帝季女】,噀雨鳳凰翎。

その時、天女は、「自分は、天帝の末の娘である」といい、そうして自ら乗っている鳳凰の羽を成都の火事を消したという「酒を噀きて、雨と為し」て雨をふきかけて濡らしたのである。

襄王薄行跡,莫學冷如丁【莫學冷如冰】【莫學令威丁】。

続けて天女は言う、「自分の相手の襄王は、情の冷淡によって足跡も薄く、めったに来ない」し、丁令威、去りて千年にして、鶴となりて遼東城の華表にかえるという故事を学ぶことをしてはならない」といい、

千秋一拭淚,夢覺有微馨。

とても千年と待てるものではないと一滴流した涙をぬぐったのであり、それは夢であったというものの、天女と逢瀬した後の残り香は夢が覚めてもかすかに残っているのである。

人生相感動,金石兩青熒。

男女の情は、人生、意気相感動する中に育つというもので、彼と我との堅き交情は金石のように青く輝いているというものである。

丈人但安坐,休辨渭與涇。

だから、丈人さま、ただ安堵して座っていて下され、渭水が澄んで流れていようと、涇水が濁っていようと、そんなことをかれこれ弁ずるには及ばないという事である。

#6

自ら云う帝の季女,雨をく 鳳凰の

襄王 行跡薄し,冷威 丁を學ぶ莫れと。

千秋 一びを拭う,夢覺めて 微馨有り。

人生 相い感動す,金石 兩に青たり。

丈人 但だ安坐せよ,辨を休めよ 渭と涇とに。

 

#7

龍蛇尚格鬥,灑血暗郊坰。

いまだに、天下には龍の天子、蛇の吐蕃、龍蛇は戦って、互いに血を注ぎ、都の野外は暗く閉ざされている。

吾聞聰明主,治國用輕刑【活國用輕刑】。

自分が聴くに、聡明なる現天子は、国を治めるに、軽い刑罰を用いている。

銷兵鑄農器,今古方寧。

そして、武器を溶かして、農具を作り、それで初めて古今とも、人民の居が初めて安らかであったといえるのである。

文王日儉德【天王日儉德】,俊乂始盈庭。

今、天子は、日々に儉德をお守りになられて、俊賢の下臣たちが増えて、やっと君の前に、満ちるようになった。

榮華富少壯,豈食楚江萍。

だから、栄華を得ようとするなら、少壮のうちだし、自分のように、“楚江の萍實”などを食べて、南方に滞留していてはならないし、早く出でて明君につかえられることが良いのではないだろうか。

#7

龍蛇 尚お格鬥す,血を灑ぎて 郊暗し

吾聞く 「聰明の主,國を治むるに 輕刑を用う。

兵を銷して 農器を鑄,今古 方めて寧し」と。

文王 日びに儉德,俊乂始めて庭に盈つ。

榮華 少壯に富み,豈に食わむや 楚江の萍。

 

 

《奉酬薛十二丈判官見贈》現代語訳と訳註解説

(本文) 
#7

龍蛇尚格鬥,灑血暗郊坰。吾聞聰明主,治國用輕刑【活國用輕刑】。

銷兵鑄農器,今古方寧。文王日儉德【天王日儉德】,俊乂始盈庭。

榮華富少壯,豈食楚江萍。

 

(下し文)
#7

龍蛇 尚お格鬥す,血を灑ぎて 郊暗し

吾聞く 「聰明の主,國を治むるに 輕刑を用う。

兵を銷して 農器を鑄,今古 方めて寧し」と。

文王 日びに儉德,俊乂始めて庭に盈つ。

榮華 少壯に富み,豈に食わむや 楚江の萍。

 

 

(現代語訳)

いまだに、天下には龍の天子、蛇の吐蕃、龍蛇は戦って、互いに血を注ぎ、都の野外は暗く閉ざされている。

自分が聴くに、聡明なる現天子は、国を治めるに、軽い刑罰を用いている。

そして、武器を溶かして、農具を作り、それで初めて古今とも、人民の居が初めて安らかであったといえるのである。

今、天子は、日々に儉德をお守りになられて、俊賢の下臣たちが増えて、やっと君の前に、満ちるようになった。

だから、栄華を得ようとするなら、少壮のうちだし、自分のように、“楚江の萍實”などを食べて、南方に滞留していてはならないし、早く出でて明君につかえられることが良いのではないだろうか。

 

 

(訳注) 
奉酬薛十二丈判官見贈

1. (判官薛某が詩を贈ってくれたことに対して答えた詩)

2. 【解説】この秋、鶴注による、當に是れ大厯二年の秋、東屯に在る時に作る、吐蕃が邠・靈州に冦し、京師は戒嚴す、故に龍蛇に云う。尚お格血を灑ぐ郊坰暗し。

・郊坰 城から野外へ出かけたこと、野外を郊、郊外を林、林外を坰という。

#7

龍蛇尚格鬥,灑血暗郊坰。

いまだに、天下には龍の天子、蛇の吐蕃、龍蛇は戦って、互いに血を注ぎ、都の野外は暗く閉ざされている。

67. 龍蛇尚格鬥,灑血暗郊坰の二句 灑血暗郊坰の二句 吐蕃は、安史の乱が終焉して即、763年長安に入寇、765年寇し、この年も邠州、霊州に冦し、京師は戒厳した、再三にわたって杜甫が不安に感じる状況にあった。このことで、王師を龍、吐蕃を蛇に比す。

68. 郊坰 長安の野外を言う。

 

吾聞聰明主,治國用輕刑【活國用輕刑】。

自分が聴くに、聡明なる現天子は、国を治めるに、軽い刑罰を用いている。

 

銷兵鑄農器,今古方寧。

そして、武器を溶かして、農具を作り、それで初めて古今とも、人民の居が初めて安らかであったといえるのである。

69. 方寧 ここ一年の中において、人民の居が初めて安らかであったという事。

 

文王日儉德【天王日儉德】,俊乂始盈庭。

今、天子は、日々に儉德をお守りになられて、俊賢の下臣たちが増えて、やっと君の前に、満ちるようになった。

70. 文王 文徳ある天子。

71. 俊乂 優れたもの、賢きもの。

72. 盈庭 王の庭。

 

榮華富少壯,豈食楚江萍。

だから、栄華を得ようとするなら、少壮のうちだし、自分のように、“楚江の萍實”などを食べて、南方に滞留していてはならないし、早く出でて明君につかえられることが良いのではないだろうか。

73. 楚江萍 杜甫、夔州に客居して“萍實”を食べることを言う。《孔子家語》「楚の昭王、江を渡るに一物有り、斗の如く圓くして赤し。之を取りて以て孔子に問うて曰く、此、萍實なり。」とあるに基づく。。

 

 

#7

龍蛇尚格鬥,灑血暗郊坰。吾聞聰明主,治國用輕刑。

銷兵鑄農器,今古方寧。文王日儉德,俊乂始盈庭。

榮華貴少/壯、豈食楚江萍。此勸其乗時立功以/釋人言之謗乃正意也。

娶精神相感金石為開况君臣之際而不可誠格乎今 寡微節何必致辯但當勉力治朝奮志盛年諒弗

留滯楚江巳也。

而杜臆末段方以莊語作結淵明所云始則蕩以思慮 終歸閑止葢賦體也。

此應前志在麒麟閣意段

此章起段八句次段十句相承中二段各八句後兩 十句十二句相應錯綜之中仍有法度

越春秋 感動上皇武劉向新序 楚熊渠子見其誠心而金石為之開漢光

紀精誠所加金石為開 青熒光色相映也后古樂府大人且安坐調絃

未遽央十書亶聰明作元 周禮刑新國用輕典 農器見 六巻

華儉徳俊乂注皆見前王詩訟言 盈庭大晉曲池歌榮壯盛時 家語

楚昭 渡江有一物 如斗圓而赤取之以問孔子曰此萍實也

吾昔過陳聞童謡曰楚/王渡江得萍實大如斗赤如日剖而食之甜如蜜

 此詩起處超忽不凡第五段又變出竒前則取意/於南華經後則脱胎於高唐賦乃少陵詩體中化境

 也當與渼陂行桃竹杖/引寄韓諫議諸章叅看