767--19 【字解集】 ・H提封 I鸚鵡 J孤雁 K鷗 L猿 M麂 N雞 O黃魚 P白小

 

 

 

2017829

の紀頌之”6”つの校注Blog

10年のBLOGの集大成

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

Ⅰ李白詩

(李白集校注)

745-032 對雪獻從兄虞城宰(卷十(一)六七二)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8981

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●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首 

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806年-集16- 韓昌黎集字解集城南聯句 【字解集】【下】

・李商隠詩 (1) 136首の75

・李商隠詩 (2) 135首の61

韓愈1 ・孟郊・張籍と汴州乱41

index-2[800年~804年]27

index-3 805年陽山から江陵36

index-4 806年 39 江陵・国子博士25

index-5 806年39歳(2)25

index-6 807~809年 20

index-7[810年~811年 44歳] 34

index-8 [812年~814年47歳]46

index-9[815年~816年 49歳57

index-10[817年~818年 51歳]「平淮西碑」28

index-11 819年『論佛骨表』左遷 38

index-12 820 國子祭酒18

index-13 821年~822年 22

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韓愈 哲学・儒学「五原」

孟郊

 

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●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ 杜詩

詳注

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杜甫詩(1)736~751年  53

杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73

杜甫詩(3)45歳 安史の乱に彷徨う 26

杜甫詩(4)757年、左拾遺 43

杜甫詩(5)758年47歳 左遷 53

杜甫詩(6)759年 三吏三別 44

杜甫詩(7)759年秦州詩 66

杜甫詩(8)759年同谷紀行、成都紀行36

杜甫詩(9)760年、49歳 成都 45

杜甫詩(10)761年、50歳 成都82

杜甫詩(11)762年蜀中転々43

杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

(13)763年蜀中転々 96

 (14)764年 三月成都へ帰る 100

 (15)765年正月幕府を辞す 63

(16-1) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)80

(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

杜甫詩 (17-2) 767年・瀼西・東屯 133

杜甫詩 (18)768年江陵・公安縣・岳州 78

杜甫詩 (19)769年・洞庭湖・潭州・衡州 78

杜甫詩 (20)770年・洞庭湖・潭州・衡州。27

杜甫詩 (21)洩れ分(未詳分)・散文

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杜甫のブログ001 

.提封

提封

  82.(この国の治め方についての要道を説き、倹徳を行い、俊賢の人材を召しいれて、四海万民に深く恩を加えることという。)

  83. 提封 四封の内を提擧して其数を総計することを言う。

   

提封漢天下萬國尚同心。

  漢の天下をすべて合わせると、そこに数万の国があるが、みなが同じ心を抱いている。

  84. 漢 唐のことをいう。

  85. 同心 心を一つにする。国家が心を一つにして協力しあう。

   

借問懸車守何如儉德臨。

  試みに尋ねるが、車も通れない辺境の土地の険しさを頼みにして守るのと、質素倹約の徳によって民に臨むのとでは、どちらがよいであろうか。

  86. 「借問二句 国を治めるには要害の地に頼るよりも倹約の徳による方がよい。玄宗が領土拡張に執着したことを暗に批判する。「借間」は試みに問う。「懸車」は、車を掲げて通らなければならないような険しい場所。

  87. 儉德臨 質素・倹約の徳を以て人民に臨む。。

   

時徵俊乂入,草竊犬羊侵。

  しかるべき時に優れた賢人俊才を招いて朝廷に入れるようにすれば、えびすどもの侵攻は恐れなくてもよい。

  88. 俊乂 「俊」は俊才。「乂」は賢明の意。

  89. 犬羊 犬や羊などのつまらぬ動物。異民族を喩える。

   

願戒兵猶火恩加四海深。

  「兵とは火のようなものだ」という教えを戒めとされ、皇恩を深く天下に加えられるように願う。

  90. 兵旛火 兵は火のようなもので、きちんと管理しないと自分を焼くことになるという教え(『春秋左氏伝』一隠公四年)。

  91. 四海 四方の海に囲まれた地。天下のこと。

 

 

 

 


・I.鸚鵡  

鸚鵡【翦羽】

1.(鸚鵡のように諫言という事もしてきたが、禰衡のように薊州に流されて終わったが自分も南の夔州に寓居していると詠う)

2. 【題意】 大層元年(767)、夔州(山南東道夔州現在重慶市奉節県)での作。夔州詠物八首としてこれより八首は動物を描いた詠物詩の連作で、杜甫の思いが託されている。「鸚鵡」はオウム、人語を解する鳥。籠の中にいる鸚鵡の悲しさを詠う。この詩は、禰衡(173198)の「鸚鵡の賦」《文選・巻一三》が、鸚鵡に文人の不遇を寓意するのを踏まえる。鸚鵡は、美しい容姿と人間の言葉を操る才能を持つがゆえに妬まれる。架空人物が多い三国志の中で禰衡自体は実在の人物。実際に曹操の前で素っ裸になったり、怒らせたりしている。高慢不遜な態度を疎まれて追放され、身柄を預けられた江夏(湖北省武漢市)太守の黄祖に毒を吐いた後に処刑されたが、死ぬ直前まで、黄祖へ罵詈雑言を浴びせ続けた。後に黄祖は、彼を殺した事を悔いたという。

詠物詩八首

鸚鵡(卷一七(四)一五二九)

巫山秋夜螢火飛,

孤雁(卷一七(四)一五三○)

孤雁不飲啄,

鷗 (卷一七(四)一五三一)

江浦寒鷗戲,

猿 (卷一七(四)一五三二)

褭褭啼虛壁,

黃魚(卷一七(四)一五三五)

日見巴東峽,

白小(卷一七(四)一五三六)

白小群分命,

麂  (卷一七(四)一五三三)

永與清溪別,

雞  (卷一七(四)一五三四)

紀德名標五,

 

 

鸚鵡含愁思聰明憶別離。

鸚鵡は悲しい思いを胸に抱いている。とても賢いので別れたもののことを思っているのだ。

3. 聰明 鸚鵡は人間の言葉を操るので聡明な鳥とされていた。

4. 別離 杜甫が肉親や友人と別れていることを寓する。

 

翠衿渾短盡,紅嘴漫多知。

緑の羽毛はみな抜けてなくなったが、赤いくちばしは無駄に多くの言葉を知っているだけではそれを生かすことはできないという事である。

5. 翠衿 緑色の衿。羽毛の表現。

6. 短 毛が少なくなる。中国語でいう短少の「短」。ここでは羽根が抜ける。

7. 紅嘴 あかきくちばし。

8. 多知 人の言葉を多く知っている。

 

未有開籠日空殘舊宿枝。

何時、籠が開かれて自由になる日は訪れることはなく、もと住んでいた故郷の枝がむなしくそのままに残っている。

9. 舊宿枝 鸚鵡がもともと住んでいた枝。

 

世人憐復損何用羽毛奇。

世の人々というものは美しい鳥をかわいがってくれはするが、一方で傷つけるものだ。羽が美しいことは何の役にも立たないのである。

10. 憐復損 かわいがる一方で傷つける。魏の武帝曹操が楊情を、隋の爆帝が醇道衡を、その才能を愛しながらも死に追いやるといった関係を寓する。鈴木注によれば、かわいがって飼ってくれてもどうせ羽毛の美しきは損なわれてしまうと解する。

11. 羽毛奇 羽毛が美しい。「奇」は平凡でないこと。優れた才能を寓する。

 

 

 

・J.孤雁 

孤雁【後飛雁】

12.(今夔州に寓客している自分が孤雁に託して兄弟群れを思って詠う。)

13.【題意】 「鸚鵡」以下詠物八首連作の第二首眼。「孤雁」は群れをはぐれた雁。自らを寓する。

 

孤雁不飲啄,飛鳴聲念群。

ひとりぼっちの雁は、水も飲まず餌も食べずに、飛びつつ鳴いて、その声は仲間の群れを思っている。

14. 孤雁 ひとりぼっちの雁。

15. 飲啄 水を飲み、餌をついばむ。

16. 念群 仲間の群れを思うこと。

 

誰憐一片影相失萬重雲。

ぽつんと一羽になって、幾重にも重なった雲の中に仲間を見失ってしまったことを、飛び去った雁たちは哀れんでくれないのだ。

17. 一片影 ぽつんと一羽になって影を引く。

18. 相失 伴侶、兄弟と見はぐれること。

 

望盡似猶見哀多如更聞。

仲間の群れが見えなくなっても、なお見えているかのように飛び続け、ひどく悲しい声で鳴くのは、なお仲間の声が聞こえてくるように思っているからだ。

19. 望盡 兄弟がいる遠くを見続けてその望みが尽き果てる。

20. 猶見 それでもなおみつづける。

21. 哀多 ひどく悲しい声で鳴くことが多い。

22. 更聞 飛鳴聲で更に声を合わせて鳴く。

 

野鴉無意緒,鳴噪自紛紛。

野にいるカラスたちは何の思いも抱かないようで、がやがやとうるさく鳴き騒ぐばかりだ。

23. 「野鴉」二句 孤雁(杜甫自身)の孤独の哀しみを理解してくれない他人をそしった表現。『九家注』巻二九によれば、単に孤雁と対比した表現。「野鴉」は野にいるカラス。

24. 意緒 気持ち。

25. 紛紛 乱れているさま。

 

 

 

 

 .

26.(寒さの中での鷗がさびしそうな姿を自己に比したもの)

27. 【解説】 杜詩詳注は江に棲む鴎と海に棲む鴎を対比した詩ととらえ、頷聯と頸聯は餌を得るために苦労する江鴎の様子、尾聯は自由に群れ飛ぶ海鴎の様子ととらえるが、江鴎の自得の様子を表現したものでもある。頷聯は春の楽しかった思い出、頸聯は今の冬の苦労を述べていると解釈でき、また尾聯の「蕭蕭」は寂しげなさまの意で、かつて海で群れていた鴎が今は江浦で寂しく暮らしている描写と解し、江を下って海の方へ行きたいという杜甫の思いがこめられているのである。どちらにしても、寒さの中での鷗がさびしそうな姿を自己に比したものである・

 

江浦寒鷗戲,無他亦自饒。

寒空の中、川のほとりで鷗が戯れている。この鷗はこれといって取り立てることは何もないのであるが、自分では満足しているのだ。

28. 江浦 川のほとり。夔州の長江の北岸の魚復浦の地を指す。

29. 自饒 自足する。満足する。

 

卻思翻玉羽,隨意點春苗。

翻って思えば、このかもめは、白い美しい羽をひるがえして気ままに青々とした苗の畑に舞い飛んでいたのであり、それでも春には餌のために美しい羽をひるがえして降りることだろう。

30. 卻思(満足しているとはいうものの) それでも……しようと思う。鈴木注によれば、(春の楽しかったことを) 却って思う。

31. 玉羽 玉のように白い羽。

32. 點春苗 青い苗の生えた畑にぽつんと舞い降りる。「青苗」は青々とした稲の苗。

 

雪暗還須浴,風生一任飄。

間もなく來る冬ともなれば雪が降って暗くても、冷たい川の水を浴び毛づくろいをしなければならず、風が吹いてくれば、押し流されるに任せるしかない。

 

幾群滄海上,清影日蕭蕭。

そもそも、青海原に群れをなすのが鵜たちであり、清らかな姿で日々のんびりと過ごしているものなのである。

33. 清影 鴎の清らかな姿。

34. 蕭蕭 のんびりしているさま。音から、寂しげなさまをいう。

 

 

 

 

 

 .  

35. (夔州の峡谷に悲しそうに鳴く声が響き渡る、寓客して毎日聞いている自分に比して詠う。)

「鸚鵡」以下、詠懐八首連作の第四首目。夔州の猿についての思いを詠ずる。夔州から下流に当たる三峡付近の猿の声は、古来悲しくて聞くに堪えないものとされていて、多く詩に詠われるものである。

 

褭褭啼虛壁,蕭蕭挂冷枝。

長く声を引いてひっそりとした岩壁で鳴き、寂しげな様子で寒々とした枝にぶら下がっている。

36. 褭褭 声が長く続くさま。

 

艱難人不見,隱見爾如知。【艱難人不免】

人間は危険に出会うことから逃れられないが、お前たちは、どのように隠れたり現れたりすればよいかをよくわかっているようだ。

37. 艱難 人生の困難。

38. 隱見 人前から姿を消したり現れたりすること。ここでは人間からの危害を巧みに避けること。「見」は「現」に同じ。

 

慣習元從眾,全生或用奇。

もともとは多くの仲間に従うことが習慣になっているが、命を保つためには時に奇策を用いることもある。

39. 慣習元従衆 猿が習性として群れで生活すること。

40. 全生或用奇 生命を保全するために、時には飛び跳ねたり矢を避けたりといった奇策を用いる。

 

前林騰每及,父子莫相離。

家の前の林までいつも跳び上がってやってくるが、それでも父と子が離れることはないのである。

  41. 父子莫相離 知恵によって父子ともに行動することで身を全うしている。杜甫は安史の乱が起こった中年以降、この時に至るまで子を携えて放浪の生活を送っており、その苦労がよくわかることを背景とした表現。

   

   

   

 .  

42. (鳴くべきでないときに鳴いてしまってとらえられ、戦乱の時などは、貴賤をとわず、食べつくされてしまったと詠う)

43. 「鸚鵡」以下八首詠懐詩連作の第五首。「麂」は鹿の一種で大きなもの、オオノロ。鳴くべきでないときに鳴いて、捕らえられて食べられる麂を詠ずる。

 

永與清溪別,蒙將玉饌俱。

オオノロが清らかな谷と永遠に別れて、ご馳走と一緒に食べられることになった。

44. 玉饌 輝くように盛り付けられた供え物。また、宮廷料理の調えられた食物・食事。

 

無才逐仙隱,不敢恨庖廚。

それは葛洪のような仙人隠者に付き従う才能がなかったためであり、いまさら台所で料理されるとしても恨む筋合いではないのである。

45. 無才逐仙隱 「仙隠」は仙人・隠者。東晋の葛洪が二本足で歩く白い麂に化したという伝説がある(清・陳元龍『格致鏡原』巻五三『神仙伝』)。文末参照。

46. 不敢恨庖廚 台所で料理されても恨んだりしない。「庖厨」は厨房。

 

亂世輕全物,微聲及禍樞。

乱世の時代には物を大事に保全することが軽視されるから、微かな声を立てただけで災いに陥ることになったのである。

47. 全物 物を完全なまま維持する。

48. 微聲及禍樞 微かな声を立てただけで人に見つかり、食われるという災いに陥った。「禍枢」は災いのまっただ中

 

衣冠兼盜賊,饕餮用斯須。
立派な衣冠の役人であろうと、盗賊であろうと、しばしの間に料理してむさぼり尽くして食ってしまうのである。

49. 衣冠菓盗賊 「衣冠」は役人。鹿を捕まえて殺す盗賊も食べる役人も、結局はどちらも同類だとする。「舜」は災難を蒙る民衆の比喩。

50. 饕餮 むさぼる。本来は財について「饕」、食について「餮」という。双声語「トウテツ」。

51. 用 食用にする。

52. 斯須 少しの間。双声語「シシュ」。

 

 

(45).葛洪283年(太康4年) - 343年(建元元年))は、西晋・東晋時代の道教研究家・著述家。字は稚川で、号は抱朴子、葛仙翁とも呼ばれる。後漢以来の名門の家に生まれたが父が13歳の時になくなると、薪売りなどで生活を立てるようになる。16歳ではじめて『孝経』『論語』『易経』『詩経』を読み、その他史書や百家の説を広く読み暗誦するよう心がけた。そのころ神仙思想に興味をもつようになったが、それは従祖(父の従兄弟)の葛仙公とその弟子の鄭隠の影響という。鄭隠には弟子入りし、馬迹山中で壇をつくって誓いをたててから『太清丹経』『九鼎丹経』『金液丹経』と経典には書いていない口訣を授けられた。

20歳の時に張昌の乱で江南地方が侵略されようとしたため、葛洪は義軍をおこしその功により伏波将軍に任じられた。襄陽へ行き広州刺史となった嵆含に仕え、属官として兵を募集するために広州へ赴き何年か滞在した。南海太守だった鮑靚に師事し、その娘と結婚したのもその頃である。鮑靚からは主に尸解法(自分の死体から抜け出して仙人となる方法)を伝えられたと思われる。

317年頃、郷里に帰り神仙思想と煉丹術の理論書である『抱朴子』を著した。同じ年に東晋の元帝から関中侯に任命された。晩年になって、丹薬をつくるために、辰砂の出るベトナム方面に赴任しようとして家族を連れて広東まで行くが、そこで刺史から無理に止められ広東の羅浮山に入って金丹を練ったり著述を続けた。羅浮山で死ぬが、後世の人は尸解したと伝える。著作としては『神仙伝』『隠逸伝』『肘後備急方』など多数がある。

 

 

 

 

 .  

(本来鶏は、五徳があり、朝時も伝えてくれ、そして食して、腹を満足させてくれるが、この地の鶏は、五徳は無いようで食に供されるだけである)

1.【題意】 「鸚鵡」以下八首連作の第六首目。夔州鶏によってその土地の風俗を詠ずる。

 

紀德名標五,初鳴度必三。

鶏の徳は、文、武、勇、義、信と五德を記され、感謝される、まず、朝初めて鳴くとき、その回数は必ず三回である。

2. 紀徳 徳を記す。「紀」は「記」に同じ。

3. 名標五 鶏には、頭に冠がある(文)・足に蹴爪がある(武)・敵を見れば戦う(勇)・食を得れば友を呼ぶ(義)・時間どおりに鳴く(信)という五つの徳があるとされた(『韓詩外伝』巻二)。「標」は標示する。掲げ示す。

4. 度必三 鶏は夜が明けるまでに三度鳴くとされていた(『史記』巻二六「暦書」)。

 

 

殊方聽有異,失次曉無慚。

ところがこの地のように、異なる場所で聞くと事情が違っていて、順序を間違えて夜に鳴いていたりするのだから、そんなときは夜が明けたら恥じずにはいられまい。

5. 殊方 地方が異なる。「異郷」に同じ。変州を指す。

6. 失次 朝晩の順序を間違える。夜鳴くことをいう。

7. 囁無働 反語。夜明けになったら恥ずかしくないであろうか。鈴木注は「暁に漸づる無し」と読み、朝に鳴かなくても恥じることがないと解する。

 

問俗人情似充庖爾輩堪。

この地の鶏の習性(俗)を問うてみると、人々は、大体そんなもので、夜明けには鳴かないのだという。

8. 間借人情似 牽州の鶏の習性(俗)を質問すると、斐州の土地の人々の考えによれば、おっしゃる内容(鶏が夜鳴いて朝鳴かない) に近い (似)とのことだ。異説もあり。【補説】参照。

9. 充庖 台所での料理に充てる。「庖」は台所。

10. 爾輩 鶏に対していう。

 

氣交亭育際巫峽漏司南。

お前たちのような役に立たない鶏は料理に出すのにちょうどよかろう。陰陽二気が交わって万物を養い育てる際に、ここ巫峽の地、夔州では、鶏ではなく水時計が夜明けの時を告げてくれるのである。

11. 気交亭育際 陰陽の二気が交わって「亭育」する際。詳注によれば、夜中。異説もあり。

【補説】参照。「亭育」は、万物を養い育てる。

12. 巫峡 三峡の一つ。ここでは夔州を指す。

13. 漏司南 「漏」は水時計。「司南」は、正しい時間を告げるの意。

『韓非子』有度の「先王は司南(正しく南を指す指南事)を立てて、以て朝夕を端す(東西の方位を正しくした)」に出る語。異説もあり。【補説】参照。

 

【補説】 「間俗人情似」を、『読杜心解』巻三之五・『杜詩鏡鍵』巻一七は「襲州の人々の風俗を問えば、彼らは夜明けに鳴かない鶏と似たようで、でたらめで信用できない」とする。

「気交亭育際」の時刻を、詳注は夜半、『朱鶴齢注』巻一七は夜間とし、鈴木注、『全訳』八五一頁、『李寿松注』 三七九頁は夜明けとする。

「漏司南」を、詳注は水時計(漏刻)が鶏に代わって正しい時刻を告げる(司南)と解釈す

る。『朱鶴齢注』巻一七、『読杜心解』巻三之五、『杜詩境鎗』時刻を告げる司南の役割を果たさない (遺漏) とする。

 

徳を紀するに名は五を標げ、初めて鳴くに度は必ず三なり。

方を殊にして聴くに異なる有り、次を失いて暁に慚ずる無からんや。

俗を問えば人の情も似る、庖に充つるに爾が輩は堪えたり。

気は交わる亭育の際、巫峡は 漏司 南す。
古代闘鶏01
 

 

 

 

 .黃魚

黃魚

(夔州近くの港に上がってくる黃魚は、消費地に運べば、食に供することができ役立つのに、収めきるよう気がなくて、現地の犬にまで食べさせている。そうであっても、捕まえるときに大暴れするのを見る路龍神ではないかと思うのである)

1.【題意】 「鶉鵡」以下叙事八首連作の第七首。夔州の黄魚が図体ばかり大きくて機敏でないのを哀れむ。「黄魚」は鱗がなく身が黄色い(『爾雅』郭瑛注)、チョウザメの一種。夔州の上流の黄草峡で多く採れ、大きいものは五、六メートルになったという。

詳注(卷一七(四)一五三五)、鈴木注(17〔下〕360)。訳注(1025

 

日見巴東峽,黃魚出浪新。

ここ巴東の峡谷では、毎日新鮮な黄魚が水揚げされるのを目にする。

2. 巴東峡 巴の地方の東にある峡谷。夔州をいう。

3. 黃魚出浪新 杜臆は、夔州から上流に40里のところに、黃草峽があり、そこでは黃魚の大魚が取れたという。

 

脂膏兼飼犬,長大不容身。

そのゆたかな脂肪は人ばかりか犬を飼うのにも用いられ、図体は大きいが、悲しいかなその体をもてあましている。

4. 不容身 肴は消費地まで輸送できなければ、食に供する役目を果たさない。輸送容器に入りきらないことをいうもので、切り身での輸送はできないので、大きな体をもてあますということである。

 

筒桶相沿久,風雷肯為神。

これを取るには筒と桶がずっと用いられてきていて、捕らえられても龍の巻き起こす風と雷をおこして黄魚が龍神となることであろう。

5. 簡桶 ともに漁具、筒は竹製、桶は木製。取った魚を入れる器。黃魚の大きいものは入りきらない。

6. 風雪 風と雷。龍には風雷が従うとされていた。

7. 神 龍のように、風雪を従えることがないけれど大きいので、救いの手をさし伸べる。

 

泥沙卷涎沫,回首怪龍鱗。
泥と沙の中で口から泡を吹いてのたうちまわっているのを、振り返ってみてみると、これだけ大きくて動き回っているのはどうやら黃魚はきっと龍であろうと不思議に思わざるをえないのである。

8. 回首怪龍鱗 黄魚が風雷を従える龍を見て、なぜそのようにできるのかが理解できず不思議に思う。黄魚は、体は大きいが役に立たないものとして描かれている。鈴木注は、黄魚を秘めた才能を発揮できない杜甫自身の比喩とし「龍鱗かと怪しむ」と読み、黄魚は実は龍なのではないかと怪しむと解する。「龍鱗」は龍、「鱗」は押韻のために添えられた字。

 

 

 

 

 .白小

白小

1.(白小魚の取りつくされるのを見て感をのべる。)

2.白小 魚の名、条鰭綱キュウリウオ目シラウオ科に分類される魚の総称。狭義には、その中の1種の魚名である。ただし、時にシロウオと混同される。 東アジアの汽水域周辺に生息する半透明の細長い小魚で、食用にもなる。しらうおの類であろう。

 

白小群分命,天然二寸魚。

小魚の白魚は生まれつき二寸ばかりの小さな身ではあるが、それは天が分け与えてくれた運命である。

3. 群分命 群はむれ、其の全群をいう、みなと訓ずる。分命とは天命を分賦されているものであることをいう。同類のものごとに分かれるという天命。『易経』繋辞伝上に 「物は群を以て分かる」。

 

細微霑水族風俗當園蔬。

その形体は細微であって他の水族の餌となってこれに恩恵をうるおしているし、またこの土地の風俗ではこれを野菜がわりの食物としているのである。

4. 細微 こまかなこと。

5. 霑水族 水族は水中に棲む他の生物をいう、雷の字は諸家に明解がない、思うに他生物の餌となって恵沢を与えることをいう。

6. 風俗 夔州の風俗。

7. 當園蔬 当はひきあてにする、代わりにするの意。園蔬ははたけの野菜。

 

入肆銀花亂,傾箱雪片虛。

魚市場に入荷する時には、銀の花が乱れるようであり、筐を傾けて他の容器に移すと、雪のかけらがすっかりなくなってしまうかのようである。

8. 入肆 肆は市場をいう。魚市場。

9. 銀花乱 銀の花とは魚の世腹の白いさまを形容していう。

10. 傾筐 かごをかたむけてあけること。

12. 雪片虚 雪片とは上の銀花と同じく魚の白いさまを形容していう、虚とはかごをあけたあとが空虚となることをいう。

 

生成猶拾卵,盡取義何如。

物の生成からいうと鳥の卵でさえもこれをすておいて取らぬというが聖人の仁徳である、しかるにこの魚をここの人人はすっかり取り尽くすようであるがそれはどういうわけであるか、仁義にそむいたやりかたではないか。

13. 生成猶拾卵 生成とは物がうまれいでて成育することをいう。猶拾卵とは旧解はこの文字どおりに見て魚の卵まで拾い取る意としている。かく解するときは此の句は下旬と接続し、下旬の「尺取」と一意となる。しかし余はかく一直線に接続するものではなかろうと考える。一本に拾を捨に作るという。余は捨の字をよしと信ずる。捨はすてる、おくの意、卵を取らずにのこしておくことをいう。此の句は生物愛護の一般原則をのべたものと考える、この原則をのべておいて下句には其の原則に違うことを責めたものである。

儒家の生物愛護に関しては「説苑」(権謀)に孔子の言として、「丘之を聞く、胎を到き天を焚けば、則ち麟麟至らず、沢を乾カシテ漁すれば、則ち蛟龍遊ばず、巣を覆し卵を毀てば、則ち鳳風翔らず、丘之を聞く、君子は其の類を傷うことを重る者なり」とみえている。「礼記」(礼運)には聖人の治世のさまをのべて瑞祥を列記しその後に、「其の余鳥獣の卵胎、皆僻して関り可きなり」といっている。また漢の路温野の「徳を尚び刑を緩くする書」にも、「烏鳶の卵毀たれず、而る後風皇集まる」の語がある。杜詩の意はこれらとひとしく「卵を捻く」の意であろう。猶捨卵とは「卵さえもなお之を捻く」の意。

14. 尽取 この魚をすっかりとりつくすことをいう。

15. 義何如 そのわけいかんと詰責すること。