767-141#6 秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(卷一九(四)一六九九#6§3.-2注(1155)

 

 

201794

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

Ⅰ李白詩

(李白集校注)

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●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首 

Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注

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806年-集15- 韓昌黎集字解集城南聯句 【字解集】【上】

806年-集16- 韓昌黎集字解集城南聯句 【字解集】【下】

・李商隠詩 (1) 136首の75

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韓愈1 ・孟郊・張籍と汴州乱41

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韓愈 哲学・儒学「五原」

孟郊

 

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●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ 杜詩

詳注

767年-141#6 秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(卷一九(四)一六九九#6§3.-2注(1155)夔州詠物八首の塞烏蠻北 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9050

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杜甫詩(1)736~751年  53

杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73

杜甫詩(3)45歳 安史の乱に彷徨う 26

杜甫詩(4)757年、左拾遺 43

杜甫詩(5)758年47歳 左遷 53

杜甫詩(6)759年 三吏三別 44

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杜甫詩(8)759年同谷紀行、成都紀行36

杜甫詩(9)760年、49歳 成都 45

杜甫詩(10)761年、50歳 成都82

杜甫詩(11)762年蜀中転々43

杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

(13)763年蜀中転々 96

 (14)764年 三月成都へ帰る 100

 (15)765年正月幕府を辞す 63

(16-1) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)80

(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

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杜甫詩 (18)768年江陵・公安縣・岳州 78

杜甫詩 (19)769年・洞庭湖・潭州・衡州 78

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767-141#6 秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(卷一九(四)一六九九#6§3.-2注(1155)夔州詠物八首の塞烏蠻北  Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9050

ところが就任時期が来たのに持病が相いも変わらずひどくて旅の空にあり、いつまでも浮き草のように流されている。

薬が効きもしないのにたくさん散らかっているが、秋風が吹いてくるころにはずいぶん体調もよくなった。

襟を開いて蒸し暑さを追い払い、空を見れば掃き清めたように雲がなくなっている。

宮島 001 

767-0141 -

  秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻

(卷一九(四)一六九九)§3-2 #6

杜詩詳注巻19-41

全唐詩卷二三○ -#6

767年大暦256  (141) -

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の杜詩ブログ9050

 

秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(卷一九(四)一六九九)

§1-1 #1

塞烏蠻北,孤城白帝邊。飄零仍百里,消渴已三年。

雄劍鳴開匣,群書滿繫船。

§1-2 #2

亂離心不展,衰謝日蕭然。筋力妻孥問,菁華月遷。

登臨多物色,陶冶賴詩篇。』

§2-1 #3

峽束滄江起,巖排石樹圓。拂雲霾楚氣,朝海蹴天。

煮井為鹽速,燒畬度地偏。有時驚疊嶂,何處覓平川。

§2-2 #4

鸂鶒雙雙舞,獼猿壘壘懸。碧蘿長似帶,錦石小如錢。

春草何曾歇,寒花亦可憐。獵人吹戍火,野店引山泉。』

§3-1 #5

喚起搔頭急,扶行幾屐穿。兩京猶薄四海隨肩。

幕府初交辟,郎官幸備員。

§3-2 #6

瓜時猶旅寓,萍泛苦夤緣。藥餌虛狼藉,秋風灑靜便。

開襟驅瘴癘,明目掃雲煙。

§3-3 #7

高宴諸侯禮,佳人上客前。哀箏傷老大,華屋豔神仙。

開元曲,常時弟子傳。法歌聲變轉,滿座涕潺湲。』

§4-1 #8

弔影夔州僻,回腸杜曲煎。即今龍水,莫帶犬戎羶。

耿賈扶王室,蕭曹拱御筵。

§4-2 #9

乘威滅蜂蠆,戮力效鷹鸇。舊物森猶在,凶徒惡未悛。

國須行戰伐,人憶止戈鋋。

§4-3 #10

奴僕何知禮,恩榮錯與權。胡星一彗孛,黔首遂拘攣。

哀痛絲綸切,煩苛法令蠲。

§4-3 #11

業成陳始王,兆喜出於畋。宮禁經綸密,台階翊戴全。

熊羆載呂望,鴻雁美周宣。』

§5-1 #12

側聽中興主,長吟不世賢。音徽一柱數,道里下牢千。

鄭李光時論,文章並我先。陰何尚清省,沈宋欻聯翩。

§5-2 #13

律比崑崙竹,音知燥弦。風流俱善價,愜當久忘筌。

置驛常如此,登龍蓋有焉。雖云隔禮數,不敢墜周旋。

§5-3 #14

高視收人表,虛心味道玄。馬來皆汗血,鶴唳必青田。

羽翼商山起,蓬萊漢閣連。

§5-4 #15

管寧紗帽淨,江令錦袍鮮。東郡時題壁,南湖日扣舷。

遠遊凌境,佳句染華牋。

§6-1 #16

每欲孤飛去,徒為百慮牽。生涯已寥落,國步乃迍邅。

衾枕成蕪沒,池塘作棄捐。

§6-2 #17

別離憂怛怛,伏臘涕漣漣。露菊班豐鎬,秋蔬影澗瀍。

共誰論昔事,幾處有新阡。

§6-3 #18

富貴空迴首,喧爭懶著鞭。兵戈塵漠漠,江漢月娟娟。

局促看秋燕,蕭疏聽晚蟬。雕蟲蒙記憶,烹鯉問沈綿。』

§7-1 #19

卜羨君平杖,存子敬氈。囊虛把釵釧,米盡坼花鈿。

甘子陰涼葉,茅齋八九椽。

§7-2 #20

陣圖沙北岸,市瀼西羈絆心常折,棲遲病即痊。

紫收岷嶺芋,白種陸池蓮。

§7-3 #21

色好梨勝頰,穰多栗過拳。敕廚唯一味,求飽或三鱣。

兒去看魚苟,人來坐馬韉。

§7-4 #22

縛柴門窄窄,通竹溜涓涓。塹抵公畦稜,村依野廟壖。

缺籬將棘拒,倒石賴藤纏。』

§8-1 #23

借問頻朝謁,何如穩醉眠。誰云行不逮,自覺坐能堅。

霧雨銀章澀,馨香粉署妍。

§8-2 #24

紫鸞無近遠,黃雀任翩翾。困學違從眾,明公各勉旃。

聲華夾宸極,早晚到星躔。

§8-3 #25

懇諫留匡鼎,諸儒引服虔。不逢輸鯁直,會是正陶甄。

宵旰憂虞軫,黎元疾苦駢。雲臺終日畫,青簡為誰編。』

§9-1 #26

行路難何有,招尋興已專。由來具飛楫,暫擬控鳴弦。

身許雙峰寺,門求七祖禪。落帆追宿昔,衣褐向真詮。

§9-2 #27

安石名高晉,昭王客赴燕。途中非阮籍,上似張騫。

披拂雲寧在,淹留景不延。

§9-3 #28

風期終破浪,水怪莫飛涎。他日辭神女,傷春怯杜鵑。

淡交隨聚散,澤國繞迴旋。

§10-1 #29

本自依迦葉,何曾藉偓佺。爐峰生轉眄,橘井尚高褰。

東走窮歸鶴,南征盡跕鳶。晚聞多妙教,卒踐塞前愆。

§10-2 #30

顧愷丹青列,頭陀琬琰鐫。眾香深黯黯,幾地肅芊芊。

勇猛為心極,清羸任體孱。金篦空刮眼,鏡象未離銓。


 

作時年:

767

大暦2

56

全唐詩

卷二三○ -#4

文體:

五言古詩

杜詩詳注

19-41

§2-2 -#6

詩題:

秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(卷一九(四)一六九九)

序文

【鄭審官祕書少監,時謫貶江陵,李之芳留吐蕃歸,拜禮部尚書,改太子賓客。】

作地點:

奉節(山南東道 / 夔州 / 奉節)

及地點:

夔州 (山南東道 夔州 夔州別名:夔府、信州

白帝城 (山南東道 夔州 奉節別名:白帝、白帝樓、公孫城

興慶宮 (京畿道 京兆府 長安別名:南

杜曲 (京畿道 京兆府 杜曲)

 

下牢鎮 (山南東道 峽州 下牢鎮)

 

崑崙山 (隴右道東部 肅州 崑崙山)

 

青田 (劍南道北部 括州 青田)

 

商山 (山南東道 商州 商州別名:南山、地肺山、楚山、商顏

 

天祿閣 (京畿道 京兆府 長安別名:漢閣

 

夷陵 (山南東道 峽州 夷陵別名:東郡、彝陵

 

岷山 (劍南道北部 茂州 岷山別名:西山、汶山

 

雲臺 (京畿道 京兆府 長安)

 

香爐峰 (江南西道 江州 廬山別名:鑪峰、爐峰

 

橘井 (江南西道 郴州 馬嶺山)

 

 

交遊人物:

鄭審

書信往來(江南西道 袁州 袁州)

李之芳

書信往來

 

 鷗01

秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(卷一九(四)一六九九)

(昔から交際のあった鄭審と李之芳に、思い起こすこと、現状分析、これからの事など感慨を述べて寄せたもの)

§1-1 #1

塞烏蠻北,孤城白帝邊。

この絶塞は異民族の南詔国、烏蛮の北にあたり、そして、この孤城は白帝城のほとりにある。

飄零仍百里,消渴已三年。

自分は雲安からここへうつったけれど、矢張り今もここまで百里あまりのところでおちぶれて滞在しており、はや三年のあいだ消渇の病にかかっている。

雄劍鳴開匣,群書滿繫船。

壮心の躍りたつことは雄剣「顓頊」が匣のふたをあけて鳴りだすごとく、群書を満載した船をつなぎとめていつでも出かけようとまちかまえている。

§1-2 #2

亂離心不展,衰謝日蕭然。

安史の乱以来、騒乱にばかりでおうているから心はのびず憂鬱続きである、それに、老衰のため気力は減じて日に日にさびしいありさまである。

筋力妻孥問,菁華月遷。

妻子も自分の体力の如何を気遣ってくれていつも様子をたずねるし、いつのまにか春景色を送って歳月が移り去ってゆく。

登臨多物色,陶冶賴詩篇。』

そのあいだ山水に登臨してみるとさまざまの景色がそこにはあり、それをみて詩篇をつくり、自分の文学の性質や才能を鍛えて練り上げる。』

 

(秋日、に懷いを詠じ、鄭監・審李賓客之芳に寄せ奉る一百韻)

塞 烏蠻の北,孤城 白帝の邊。

飄零 仍お百里,消 已に三年。

雄剣 鳴りて匣を開き、群書満ちて船を繋ぐ。

2

乱離に心展びず、衰謝して日ゞに粛然たり。

筋力 妻孥 問うも、青華 歳月に遷る。

登臨すれば 物色多く、陶冶には詩篇に頼る。

 

§2-1 #3

峽束滄江起,巖排石樹圓。

先ず、夔州、ここの風景をいうならば、大江を峡谷に束ねる如くせめつけて峡勢が湧き起こっており、巌のうえには古い樹木が排列されていてその巌は円かによこたわっている。

拂雲霾楚氣,朝海蹴天。

三峡の巌上の古木は高く雲を払うて、この地の悪気はそのうえに土ふるごとくふってくるし、江水は海に朝して峡勢は呉地の天を蹴るように走り去る。

煮井為鹽速,燒畬度地偏。

ここには鹽山があり、井水を煮ればすぐに塩ができるし、焼き畑農業で耕作地がすみっこのところまで広がっている。

有時驚疊嶂,何處覓平川。

時としてはよくもこんなに山山が厭になるほど積み重なったものだと驚くばかりであるし、ここでは、どこにだって平らな川などもとめようとしても有りはしない。

§2-2 #4

鸂鶒雙雙舞,獼猿壘壘懸。

おしどりは一対一対になって舞い、獼も、猿も、たくさん重なりおうて樹にぶらさがっている。

碧蘿長似帶,錦石小如錢。

みどりの姫葛は帯のように長くひっかかり、錦紋の小石は銭のように小さく散らばっている。

春草何曾歇,寒花亦可憐。

春の草は年中つきることはなく生えるし、秋からかけての寒天の花もまた可憐に咲く。

獵人吹戍火,野店引山泉。

猟をする男は軍の駐屯所のそばの山小屋で松明の火を吹き起こす、野らの休息茶屋では山の泉を樋で引っぱって飲んでいる。』

§2-1 #3

峽は滄江を束ねて起り,巖は石樹を排べて 圓かなり。

雲を拂いて 楚氣を霾り,海に朝して 天をる。

井を煮て 鹽を為ることを速やかに,を燒きて 地を度ること偏えなり。

時有りて 疊嶂に驚く,何れの處にか 平川を覓めん。

§2-2 #4

鸂鶒 雙雙として舞い,猿 壘壘として懸る。

碧蘿 長くして 帶に似たり,錦石 小なること 錢の如し。

春草 何ぞ 曾て歇まん,寒花も亦た 憐れむ可し。

獵人 戍火を吹き,野店 山泉を引く。』

§3-1 #5

喚起搔頭急,扶行幾屐穿。

鳥の声に呼び起こされて慌てて髪を掻きむしりながら起き上がり、杖に助けられて歩くうちに、何足もの下駄を履きつぶした。

兩京猶薄,四海隨肩。

長安南郊の下杜と洛陽東郊の陸渾には少しばかりの家産もあるが、四海のうちに旧友は、もう、だれもいなくなった。

幕府初交辟,郎官幸備員。

成都の幕府では嚴武に召されて幕僚となり、幸いにも工部員外郎を授けられた。

§3-2 #6

瓜時猶旅寓,萍泛苦夤緣。
ところが就任時期が来たのに持病が相いも変わらずひどくて旅の空にあり、いつまでも浮き草のように流されている。
藥餌虛狼藉,秋風灑靜便。

薬が効きもしないのにたくさん散らかっているが、秋風が吹いてくるころにはずいぶん体調もよくなった。
開襟驅瘴癘,明目掃雲煙。

襟を開いて蒸し暑さを追い払い、空を見れば掃き清めたように雲がなくなっている。

§3-3 #7

高宴諸侯禮,佳人上客前。哀箏傷老大,華屋豔神仙。

開元曲,常時弟子傳。法歌聲變轉,滿座涕潺湲。』

§3-1 #5

喚起せられて 頭を急にき,扶行もて 幾屐をか穿つ。

兩京に 猶お 薄あり,四海に 隨肩ゆ。

幕府 初めて交ごも辟され,郎官 幸いに員に備わる。

§3-2 #6

瓜時に 猶お旅寓し,萍泛して 夤緣に苦しむ

藥餌 しく狼藉たり,秋風 灑ぎて靜便たり。

襟を開きて 瘴癘を驅り,目を明して 雲煙を掃く。

§3-3 #7

高宴は諸侯の禮,佳人は上客の前。

哀箏に 老大を傷み,華屋に 神仙 し。

 開元の曲,常時 弟子 傳う。

法歌 聲は變轉し,滿座 涕は潺湲たり。』

 

 

《秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻》現代語訳と訳註解説

(本文) 
§3-2 #6

瓜時猶旅寓,萍泛苦夤緣。

藥餌虛狼藉,秋風灑靜便。

開襟驅瘴癘,明目掃雲煙。

 

(下し文)
§3-2 #6

瓜時に 猶お旅寓し,萍泛して 夤緣に苦しむ

藥餌 しく狼藉たり,秋風 灑ぎて靜便たり。

襟を開きて 瘴癘を驅り,目を明して 雲煙を掃く。

 

(現代語訳)

§3-2 #6

ところが就任時期が来たのに持病が相いも変わらずひどくて旅の空にあり、いつまでも浮き草のように流されている。

薬が効きもしないのにたくさん散らかっているが、秋風が吹いてくるころにはずいぶん体調もよくなった。

襟を開いて蒸し暑さを追い払い、空を見れば掃き清めたように雲がなくなっている。

 

(訳注) 
秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(卷一九(四)一六九九)

1.題意(昔から交際のあった鄭審と李之芳に、思い起こすこと、現状分析、これからの事など感慨を述べて寄せたもの)

「秋に夔州府で感慨を詩に詠じて、秘書少監の鄭審と、太子賓客の李之芳に送る」。詩題には「鄭監」「李賓客」のそれぞれの下に「審」「之芳」の原注がある。鄭審と李之芳は、杜甫の旧友。「夔府」の称は、夔州に都督府が置かれていたことによる。大暦二年(767)秋、夔州における作。

この時、鄭審は江陵(湖北省荊州市)に、李之芳は夷陵(湖北省宜昌市)にいた。この頃、杜甫には夔州を下って江陵に赴く計画があり、経路に当たる夷陵と江陵の二人の旧友に、再会を期してこの詩を送った。この詩は、五言200句、1000字からなる杜甫の最長の詩で、かつ厳格な規則を持つ排律である。排律は、首聯と末聯を除くすべてを対句にするのが要件だが、この詩では首聯・末聯も対句で仕立てる徹底ぶりで、対句の達人としての杜南の一面を代表する作品となっている。

杜詩詳注に従い§10段に分けて解釈する。杜詩詳注(四)1699、鈴木注巻四258

2. 鄭審 未詳〜七六九?、伝無し。詳注によれば鄭虔の姪。七五二年、杜甫は諌議大夫の鄭審に推挽を求めて「敬みて鄭諌議に贈る十韻」(0047)を贈る。七六六年、秘書少監から江陵少尹(副官)に左遷されると、夔州の杜甫と詩の往来が始まり、江陵に至ってからは数少ない杜甫の知己となる。

3. 李之芳 未詳〜七天、伝無し。七四五年、杜甫と斉州(山東省済南市)で会う。七六四年、礼部尚書(長官)となる。晩年は峡州(湖北省宜昌市) また江陵に滞在、杜南が愛州にいる時には詩を応酬し、杜甫が江陵に至ってからは鄭番を加えて交遊。杜甫の晩年期の重要な友人。

 

§3-2 #6

瓜時猶旅寓,萍泛苦夤緣。

ところが就任時期が来たのに持病が相いも変わらずひどくて旅の空にあり、いつまでも浮き草のように流されている。

38. 瓜時 役人の交代時期。ここでは、杜甫が長安に帰って郎官に就任する時期のことをいう。従来、杜甫が授与された郎官は、節度参謀に添えられた単なる肩書きとされたが、近年の研究では、長安の尚書で就任すべき実際の職務だったと指摘されている。(検校工部員外郎:)

39. 萍泛 浮き草(萍)のように泛かび漂う。

40. 夤緣 延々と続く。もと「茎」の意であるが、ここは連綿と続く意。双声語「インエン」。

 

藥餌虛狼藉,秋風灑靜便。

薬が効きもしないのにたくさん散らかっているが、秋風が吹いてくるころにはずいぶん体調もよくなった。

41. 静便 心静かで体調もよいさま。、ノ者ユ芙 蓉H好日.叉l

 

開襟驅瘴癘,明目掃雲煙。

襟を開いて蒸し暑さを追い払い、空を見れば掃き清めたように雲がなくなっている。

42. 瘴癘 特殊の気候や風土によって起こる伝染性の熱病。マラリアなど。「瘴癘の地」

 

43. 節度参謀 杜甫、五三歳の時。剣南西川節度使厳武の幕職官で、朝廷の正式な官制に位置づけられない、いわば私設職員。節度使には幕僚を自由に採用する権限(辟召権)があった。

44. 検校工部長外部 従六品上。五三歳〜。尚書省に属する工部の員外郎。杜甫の詩では古名によって「尚書郎」「郎官」「郎」などと称される。通常は六品以下の官吏は吏部(人事所轄官庁) の任命によるが、員外郎は、例外的に皇帝に直接任命される勅授官で、かつ皇帝出御の朝礼に常に参加が許される常参官(日本の殿上人に相当)としてエリートコースにある。この官から地方に転出時には刺史(州の長官)となるほどの高官である(参照‥「渾州送韋員外迫牧韶州州」1400)。杜甫が剣南西川節度使厳武の節度参謀だった時期に朝廷から授けられた。「検校」 は、実職を担当せずにその官を授けるときの称号。唐代後期(安史の乱以後)は、多くは節度使の幕僚に名目的に与えられた中央官の肩書きとなる。

ただし近年の陳尚君の研究によれば、杜甫の当時は制度変革の途中で「検校」の用法も流動的であり、杜甫の場合は実職就任を前提にした用法であると判断。その上で、杜甫は工部員外郎を授けられてすぐに任官のために成都の草堂を去って長安に向かったが、糖尿病の悪化で行程が遅れて就任時期に間に合わなくなり、絶望して長安とは反対の南に向かって放浪生活を続けたと推定する。本訳注はこの解釈を妥当とする立場にある。

興慶宮 龍池