767年-142#6 寄峽州劉伯華使君四十韻(卷一九(四)#6注(1156)
|
|||||
2017年10月27日 |
の紀頌之”6”つの校注Blog |
||||
10年のBLOGの集大成 |
|
||||
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注 |
|||||
Ⅰ李白詩 |
(李白集校注) |
745年 n-61-#2 擬古,十二首之五(巻二四(二)一三七七)漢文委員会Kanbuniinkai紀頌之Blog9349 |
|||
745年-08 【字解集】008 A鳴皋歌送岑徵君 B對雪奉餞任城六父秩滿歸京Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8975 |
|||||
|
|
|
|
10年のBLOGの集大成 |
|
Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注 |
806年-164 昌黎先生 巻八-02會合聯句【案:韓愈、張籍、孟郊、張徹】-#10 Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之韓愈詩集9294 |
||||
|
10年のBLOGの集大成 |
|
|
|
|
Ⅲ 杜詩 |
詳注 |
767年-142#6 寄峽州劉伯華使君四十韻(卷一九(四)#6注(1156) Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9323 |
|||
767年-集-20-3 【字解集】 ・秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(3) Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9267 |
|||||
|
|||||
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集 不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている。花間集連載開始。 |
|||||
Ⅳブログ詩集 |
漢・唐・宋詞 |
花間集 訳注解説 (276)回目歐陽烱巻五三字令》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9352 (10/27) |
|||
fc2 |
Blog |
||||
|
|
|
10年のBLOGの集大成 |
|
|
●花間集全詩●森鴎外の小説の”魚玄機”詩、芸妓”薛濤”詩。唐から五代詩詞。花間集。玉臺新詠連載開始 |
|||||
Ⅴ.唐五代詞詩・女性 |
・玉臺新詠 |
玉集-020【字解集】 ・王昭君辭一首并序 ・嬌女詩一首 【字解集】 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 9353 |
|||
玉集-019【字解集】 悼亡詩二首其三 Ⅴ漢詩・六朝詩・文選・古詩源・唐宋詩詞漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 9207 |
|||||
Ⅵ唐代女性論 ninjaブログ |
|||||
767年-142#6 寄峽州劉伯華使君四十韻(卷一九(四)#6注(1156)
Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9323
君の彫琢された詩は、できる前から高が知れるような凡人の作ではない。細部の字句に至るまで高らかに自負がこめられている。
君の優れた詩は、生気が満ちて高鳴る気持ちに任せ、攻め寄せる文人たちを打ち負かして、蹴散らすようだ。
妙味は、用済みの罠を棄てるところに生まれ、高雅な趣きは百万にも重なって大空に聳え立つ。
私は白髪頭になって無念な思いが募る。青史に誰が名を残せるものだろうか。
767年-0142 - |
寄劉峽州伯華使君四十韻 §3-1 #5 |
|
杜詩詳注巻1942 |
||
全唐詩卷二三○ -#3 |
767年大暦2年56歲 (142) - |
漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の杜詩ブログ9302 |
寄劉峽州伯華使君四十韻 §1-1 #1
峽內多雲雨,秋來尚鬱蒸。
遠山朝白帝,深水謁夷陵。
遲暮嗟為客,西南喜得朋。
§1-2 #2
哀猿更起坐,落雁失飛騰。
伏枕思瓊樹,臨軒對玉繩。
青松寒不落,碧海闊逾澄。
§2-1 #3
昔歲文為理,群公價盡增。
家聲同令聞,時論以儒稱。
太后當朝肅,多才接跡昇。
翠虛捎魍魎,丹極上鶤鵬。
§2-2 #4
宴引春壺滿,恩分夏簟冰。
彫章五色筆,紫殿九華燈。
學並盧王敏,書偕褚薛能。
老兄真不墜,小子獨無承。』
§3-1 #5
近有風流作,聊從月繼徵。
放蹄知赤驥,捩翅服蒼鷹。
卷軸來何晚,襟懷庶可憑。
會期吟諷數,益破旅愁凝。
§3-2 #6
雕刻初誰料,纖毫欲自矜。
神融躡飛動,戰勝洗侵凌。
妙取筌蹄棄,高宜百萬層。
白頭遺恨在,青竹幾人登。』
§3-3 #7
迴首追談笑,勞歌跼寢興。
年華紛已矣,世故莽相仍。
刺史諸侯貴,郎官列宿應。
潘生驂閣遠,黃霸璽書增。』
§4-1 #8
乳贙號攀石,飢鼯訴落藤。
藥囊親道士,灰劫問胡僧。
憑久烏皮折,簪稀白帽稜。
§4-2 #9
林居看蟻穴,野食行魚罾。
筋力交彫喪,飄零免戰兢。
皆為百里宰,正似六安丞。』
§4-3 #10
奼女縈新裹,丹砂冷舊秤。
但求椿壽永,莫慮杞天崩。
鍊骨調情性,張兵撓棘矜。
§4-4 #11
養生終自惜,伐數必全懲。
政術甘疏誕,詞場愧服膺。
展懷詩誦魯,割愛酒如澠。』
§4-5 #12
咄咄寧書字,冥冥欲避矰。
江湖多白鳥,天地有青蠅。』
作時年: | 767年 | 大暦2年 | 56歲 |
全唐詩 | 卷二三○ -#1 | 文體: | 五言古詩 |
杜詩詳注 | 巻1942 | - | |
詩題: | 寄劉峽州伯華使君四十韻 | ||
序文 | | ||
作地點: | 奉節(山南東道 / 夔州 / 奉節) | ||
及地點: | 峽州 (山南東道 峽州 峽州) | ||
白帝城 (山南東道 夔州 奉節) 別名:白帝、白帝樓、公孫城 | |||
夷陵 (山南東道 峽州 夷陵) 別名:東郡、彝陵 | |||
六安 (淮南道 壽州 安豐) | |||
交遊人物: | | ||
劉伯華 | 山南東道 峽州 峽州 | |
寄劉峽州伯華使君四十韻 #1
(祖父のころから世交している峽州で州の長官をしている劉伯華に四十韻の詩を寄せる)
峽內多雲雨,秋來尚鬱蒸。
「高唐賦」にもうたわれた三峡は曇りや雨が多く、秋が来たというのに、依然として蒸し暑い。
遠山朝白帝,深水謁夷陵。
遠い夷陵の山並みは私のいる白帝城へとなびき、長江の深い水は君のいる夷陵に向かって流れる。
遲暮嗟為客,西南喜得朋。
年を取っても漂泊の身の上であるのを嘆いていたが、長安の西南のこの三峡の地に君という友人がいたことを嬉しく思う。
#2
哀猿更起坐,落雁失飛騰。
私は、悲しげに叫ぶ猿のように坐ったり起きたりするばかりで同じ場所を離れることができず、空から落ちた雁のように飛び立つこともできないのである。
伏枕思瓊樹,臨軒對玉繩。
病で枕に伏せりながら、仙境の島、谷山に生える美しい玉樹のような節義ある君を思い、窓辺によって空しく夜空に輝く北斗星を見上げて立派な君を思う。
青松寒不落,碧海闊逾澄。
君の信念は、緑の松が寒くなっても葉を落とさず、緑の海原が一面に広がってますます澄み渡るような人物なのだ。
(劉峽州 伯華使君に寄す四十韻) #1
峡内 雲雨多く、秋来 尚お鬱蒸たり。
遠山 白帝に朝し、深水 夷陵に謁す。
遅暮に客と為るを嗟き、西南に朋を得たるを喜ぶ。
#2
哀猿 更ごも 起坐し、落雁飛騰を失う。
枕に伏して 瓊樹を思い、軒に臨みて玉縄に対う。
青松 寒くして落ちず、碧海 闊くして逾ます澄めり。
#3
昔歲文為理,群公價盡增。
昔は文教によって政治を行い、その政治に携わった名士たちが評価を高めたものだ。
家聲同令聞,時論以儒稱。
わが祖父の杜審言の評判は、君の祖父劉允済の名声と肩を並べ、当時は文借として称賛されたものだった。
太后當朝肅,多才接跡昇。
武則天が朝廷に立って威儀を示し、有能な人材が踵を接するように次々と出仕した。
翠虛捎魍魎,丹極上鶤鵬。
宮廷では魑魅魍魎のような姦臣を退け、鰹や鵬のような英傑が集った。
#4
宴引春壺滿,恩分夏簟冰。
廷臣たちには、春は宴席で壷を満たす酒が振る舞われ、夏は褒美に竹むしろの氷のように冷ややかなものが用意された。
彫章五色筆,紫殿九華燈。
われらが祖父の披露する珠玉の文学は、五色の筆で綴られ、紫蘇殿には九華の灯が明るくともされていた。
學並盧王敏,書偕褚薛能。
われらが祖父の学才は初唐四傑の慮照隣や王勃のように優れ、書芸は祐遂良や辞榎のように秀でていた。
老兄真不墜,小子獨無承。』
老兄はその立派な家の評判を落とすことはなかったが、非才の私は名声を継ぐことができないでいる。
#3
昔歳 文もて理むるを為し、群公 価 尽く増す。
家声 令間を同じくし、時論 儒を以て称す。
太后 朝に当りて粛たり、多才 跡を接して昇る。
翠虚に 魅魅を捎ち、丹極に 鶤鵬 上る。
#4
宴には引く春壷の酒、恩には分つ夏簟の氷。
彫章は五色の筆、紫殿は九華の灯。
学は廬王に並びて敏く、書は褚薛と偕に能あり。
老兄 真に墜ちざるも、小子独り承くる無し。
§3-1 #5
近有風流作,聊從月繼徵。
近頃、君には風雅の詩ができたという事が伝わってきたが、まあ、月に映すという君のいる明月峡から取り寄せることにしたいとおもっている。
放蹄知赤驥,捩翅服蒼鷹。
蹄をけたてて疾駆すれば駿馬とわかるものだし、翼を振るって舞い上がれば勇ましい灰色の鷹に人々は敬服する、それほど君の詩は見事なのだ。
卷軸來何晚,襟懷庶可憑。
ところが君の巻軸に編集された詩集がなかなか届かない。私の心は君の詩を頼りにしておるのである。
會期吟諷數,益破旅愁凝。
是非とも君の詩を繰り返し吟じられる期をえたいし、それができれば旅の愁いを慰めることができるのである。
§3-2 #6
雕刻初誰料,纖毫欲自矜。
君の彫琢された詩は、できる前から高が知れるような凡人の作ではない。細部の字句に至るまで高らかに自負がこめられている。
神融躡飛動,戰勝洗侵凌。
君の優れた詩は、生気が満ちて高鳴る気持ちに任せ、攻め寄せる文人たちを打ち負かして、蹴散らすようだ。
妙取筌蹄棄,高宜百萬層。
妙味は、用済みの罠を棄てるところに生まれ、高雅な趣きは百万にも重なって大空に聳え立つ。
白頭遺恨在,青竹幾人登。』
私は白髪頭になって無念な思いが募る。青史に誰が名を残せるものだろうか。
§3-3 #7
迴首追談笑,勞歌跼寢興。
年華紛已矣,世故莽相仍。
刺史諸侯貴,郎官列宿應。
潘生驂閣遠,黃霸璽書增。』
§3-1 #5
近ごろ 風流の作 有り,聊か 月繼より徵【もと】む。
蹄を放てば 赤驥を知り,翅を捩れば 蒼鷹に服す。
卷軸 來たること 何ぞ晚【おそ】き,襟懷 庶わくば 憑る可し。
會【かなら】ず 吟諷の數しばなるを期し,益ます 旅愁の凝れるを破らん。
§3-2 #6
雕刻初めより 誰が料らん,纖毫 自ら矜らんと欲す。
神融けて 飛動を躡み,戰勝ちて 侵凌を洗わん。
妙は 筌蹄 棄を棄つるに取り,高きは百萬に 層なるに宜し。
白頭 遺恨 在り,青竹 幾人か登らん。
§3-3 #7
首を迴らして 談笑を追い,歌を労して 寢興に跼まる。
年華は 紛として 己み,世故は 莽として 相い仍る。
刺史は 諸侯 貴く,郎官は 列宿に應ず。
潘生 驂閣 遠く,黃霸 璽書 增せり。
《寄劉峽州伯華使君四十韻》現代語訳と訳註解説
(本文)
§3-2 #6
雕刻初誰料,纖毫欲自矜。
神融躡飛動,戰勝洗侵凌。
妙取筌蹄棄,高宜百萬層。
白頭遺恨在,青竹幾人登。』
(下し文)
§3-2 #6
雕刻初めより 誰が料らん,纖毫 自ら矜らんと欲す。
神融けて 飛動を躡み,戰勝ちて 侵凌を洗わん。
妙は 筌蹄 棄を棄つるに取り,高きは百萬に 層なるに宜し。
白頭 遺恨 在り,青竹 幾人か登らん。
(現代語訳)
君の彫琢された詩は、できる前から高が知れるような凡人の作ではない。細部の字句に至るまで高らかに自負がこめられている。
君の優れた詩は、生気が満ちて高鳴る気持ちに任せ、攻め寄せる文人たちを打ち負かして、蹴散らすようだ。
妙味は、用済みの罠を棄てるところに生まれ、高雅な趣きは百万にも重なって大空に聳え立つ。
私は白髪頭になって無念な思いが募る。青史に誰が名を残せるものだろうか。
(訳注)
§3-2 #6
雕刻初誰料,纖毫欲自矜。
君の彫琢された詩は、できる前から高が知れるような凡人の作ではない。細部の字句に至るまで高らかに自負がこめられている。
35. 離刻 彫琢を凝らした見事な詩歌。「初めより誰か料らん」とは、見事な出来映えが予想を超えていること。
36. 纖毫 詩歌の細部の表現。纖毫は、細くて柔らかい獣毛。
神融躡飛動,戰勝洗侵凌。
君の優れた詩は、生気が満ちて高鳴る気持ちに任せ、攻め寄せる文人たちを打ち負かして、蹴散らすようだ。
37. 神融 生気が張り溢れる。詩才の豊かさをいう。「融」は、沖融の略で、瀰漫し横溢すること。沖融: とけやわらいだ気分が満ちあふれている・こと(さま)。
38. 躡飛動 「飛動」は詩的高揚感。杜甫の愛用語で、高鳴る気持ちに任せる。「躡」は後を追いかける。
39. 戰勝 攻め寄せる文人たちを打ち負かす。
40. 洗侵凌 競合する文人たちの挑戦を退ける。「侵・凌」は、どちらも、侵略する意味。「洗」は、完全に排除すること。
妙取筌蹄棄,高宜百萬層。
妙味は、用済みの罠を棄てるところに生まれ、高雅な趣きは百万にも重なって大空に聳え立つ。
41. 筌蹄 魚と獣を捕る罠。成果(獲物)を得れば用済みとなるものの警(『荘子』外物)。ここでは詩歌の些細な表現技巧をいう。
白頭遺恨在,青竹幾人登。』
私は白髪頭になって無念な思いが募る。青史に誰が名を残せるものだろうか。