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767--31 767-【字解集】6首・夜二首 ・朝二首 ・戲作俳諧體遣悶二首 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10207

 

 

 

 

 

 

杜甫    《東屯の詩》 6

 

 

230_78 -1 《夜二首其一》

  白夜月休弦,燈花半委眠。號山無定鹿,落樹有驚蟬。

  暫憶江東鱠,兼懷雪下船。蠻歌犯星起,空覺在天邊。

230_78 -1 《夜二首其二》

  城郭悲笳暮,村墟過翼稀。甲兵年數久,賦斂夜深歸。

  暗樹依岩落,明河繞塞微。鬥斜人更望,月細鵲休飛。

 

230_76 -1 《朝二首其一》

  清旭楚宮南,霜空萬嶺含。野人時獨往,雲木曉相參。

  俊鶻無聲過,饑烏下食貪。病身終不動,搖落任江潭。

230_76 -2 《朝二首其いち二》

  浦帆晨初發,郊扉冷未開。村疏黃葉墜,野靜白鷗來。

  礎潤休全濕,雲晴欲半回。巫山冬可怪,昨夜有奔雷。

 

  巻二三一 22 -1《戲作俳諧體遣悶二首其一》杜甫                       

  異俗籲可怪,斯人難並居。家家養烏鬼,頓頓食黃魚。                    

  舊識能為態,新知已暗疏。治生且耕鑿,只有不關渠。                    

巻二三一 22 -2

  西曆青羌板,南留白帝城。於菟侵客恨,粔籹作人情。

  瓦蔔傳神語,畬田費火聲。是非何處定,高枕笑浮生。                    

 


【字解集】・夜二首

夜二首其一

1. (夔州、東屯の夜の景情、孤独な心境や転篷の旅の感慨をうたう)

2. 【題意】 秋の夜の孤独な心境や転篷の旅の情を詠じた詩。大暦二年(767)秋、夔州東屯の作。

 

白夜月休弦,燈花半委眠。

深夜になって上弦の月が沈み、燃えかすが花のような形になる灯心の先の燃えかすの花びらが半分落ちた頃に私は眠りに就く。

3. 月休弦 上弦の月が西に沈む。夜半の光景。

4. 燈花 灯心の燃えかす。燃えかすが花のような形になることがあるのでいう

 

號山無定鹿,落樹有驚蟬。

ところが、鹿という鹿たちが山で叫び、驚いた蝉が鳴き騒ぎながら木から落ちるように飛ぶ。

5. 無定鹿 定まった鹿がないとは、どの鹿もみな、という意味。

6. 鷲蝉 突然鳴き騒ぐ蝉。蝉は、中国文学では秋の景物。

 

暫憶江東鱠,兼懷雪下船。

これではとても眠れない、秋風によって張翰が故郷の膾を思い出して帰ったけれど、また、王徴之が雪の夜に船に乗って風流にも、戴逵を訪ねたという故事を思い出し、長江を下って呉越の地に旅している気分になる。

7. 江東鱠 西晋の張翰は呉中(江蘇省蘇州市)の人で、洛陽にいたとき秋風の起つのを見て、ふるさとの塩魚(スズキ)の膾(刺身)を味わいたいと思った故事(『世説新語』巻中「識鍳」)。

8. 雪下船 東晋の王徽之(字は子献。王義之の第五子)が山陰(漸江省紹興市の南)にいたとき、雪が降る夜に、興に乗じて船を仕立てて友人の戴逵に会いに行ったが、門前で引き返した故事(『世説新語』巻下「任誕」)。二つの故事はいずれも長江下流の呉越に関わるもので、杜甫が当時、長江を下ってこの南朝の貴族文化を育んだ地を訪ねたいと願望していたことを示す。

 

蠻歌犯星起,空覺在天邊。

すると、まだ星が出ている夜明け前だというのに夔州の民の歌声が起こって、美しい夢想から現実に呼び戻され、自分がむなしく天の果てにいることに気づかされるのである。

9. 蠻歌 夔州の土着の民の歌声。夔州一帯は、異民族が多い。

10. 犯星 星が出ている夜なのに。夜明け前に歌声が起こることに驚く語気。『李寿松注』一至八貢では、星まで届くように起こると解し、歌声が澄んでよく響くことの形容とする。

 

 

夜二首其二

11. (夔州、東屯の夜の景情、孤独な心境や転篷の旅の感慨をうたう)その2

2. 【題意】 秋の夜の孤独な心境や転篷の旅の情を詠じた詩。大暦二年(767)秋、夔州東屯の作。

 

城郭悲笳暮,村墟過翼稀。

夔州城の辺りから悲しげな茄の音が響く夕暮れどき、村里では塒へと急ぎ帰る鳥を見かけることさえ稀である。

12. 悲笳 漢語における悲笳の解釋は:悲涼的笳聲をいう。笳とは,古代軍中號角,其の聲は悲壯である。三國魏の曹丕は《與朝歌令質書》に「清風夜起,悲笳微吟。」と見え、唐杜甫《后出塞》詩之二では「悲笳數聲動,壯士慘不驕。」とあり、杜甫 《秋興,八首之二》には「夔府孤城落日斜,每依南斗望京華。聽猿實下三聲淚,奉使虛隨八月 畫省香爐違伏枕,山樓粉堞隱悲笳。請看石上藤蘿月,已映洲前蘆荻花。」とある。

766-115杜甫 《巻1727秋興,八首之二》-頌之の漢詩ブログ6570

13. 村墟 村落。

 

甲兵年數久,賦斂夜深歸。

戦乱が長年続くだけでも民は苦しいのに、彼らは納税の交渉ために役所にやってきて夜遅くにようやく家に帰れるのである。

14. 甲兵 甲と武器、転じて軍隊。ここでは戦乱の意味。

15. 賦銀 民衆から租税(租庸調)を取り立てる。ここでは民衆が襲州の役所に納税に行く意。唐の律令政治も、逃散により、破たん状態にあった。この詩の30年後に施行された《両税法》780年、唐で租庸調制に代わって始まった税制であるが、当時唐が生じた矛盾点を抱えていた。それを解決したものが、両税法であるから、両税法の概要を述べることで、当時の矛盾点を推定し、考えることができる。

 780年、唐の宰相楊炎が皇帝の徳宗に建言して成立した、租庸調制に代わる唐の中期以降の税制。均田制(唐)の行き詰まり、節度使(藩鎮)の自立などによって税収入が減少したため、財政の回復をねらって施行した。

 1.主戸(土地所有者)・客戸(小作人)の別なく、現住地で課税する。

 2.資産額に応じて(丁男数を加味し)戸等を決め、戸税(貨幣納)を徴収する。

 3.別に耕地面積に応じて地税(穀物の現物納)を徴収。

 4.戸税と地税は、6月と11月の2期に分納(二期作、二毛作の普及に対応)。

 5.租庸調雑徭など従来の税目は廃止するが労役(無償労働)は残る。

ねらいは、当時本籍を離れて脱税を図っていた有産者にも課税しようとしたことにある。他に商人にも課税された。

《両税法のもたらしたこと》

 この両税法によって、荘園などの大土地所有と商業は公認されたこととなり、税制の大きな変わり目となった。両税法が施行されたことによって大土地所有者と小作農という唐中期から始まった農民層の分解がさらに進行した。宋代以降は佃戸と言われるようになる。

中国のその後の税制

 

 両税法はその後、土地税としての性格が強くなるが人頭税の要素も残り、宋代には貨幣納はなくなり現物納となるとともに雑多な雑税も加えられるようになる。両税法は基本的には約800年間続く。

 

暗樹依岩落,明河繞塞微。

その時刻には、帰り道には、巌に寄りそう黒々とした樹木から枯れ葉が落ち、夔州を囲むように流れる天の川は西に落ち、光もかすかなものになっている。

16. 塞 夔州府の傍にある国境守備隊の塞。冒頭句の「絶塞」も斐州を指す。

 

鬥斜人更望,月細鵲休飛。

長安の方角に輝く北斗七星は夜明けも近づいて傾きつつあるが、私はなおも眠らずに眺め続けている。月が細く輝いている今、天の川で橋になってくれる鵲は、私の北の長安に帰りたい気持ちを汲んで、どうか、南へ飛んで行かないでほしい。

17. 鵲休飛 曹操「短歌行」の「月明星稀、烏鵲南飛。」(月明らかに星稀にして、烏鵠南に飛ぶ)を踏まえつつ、逆の意味に用いている。即ち、「短歌行」では月が明るい時に烏龍(カササギ)が南へと飛ぶのだが、杜甫の詩では、月が暗いのだから南に行かないでくれという。「休」は禁止、やめよ。夜明けが近く鳥は飛ばない、このまま南に飛んでゆくのはやめてほしいという事。

《短歌行 魏武帝》 武帝 魏詩<86-#3> 古詩源 802 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2558

 

 

 

 

 

 

【字解集】・朝二首

朝,二首之一

1. (夔州の朝の景情と、そこに住む人の感情を詠じ、朝の情景に触発されて長安に帰れずにいる悲しみを詠じる)

2. 【題意】 大層二年(767)の作、詩二首。其の一は、夔州の朝の景情と、そこに住む人の感情を詠じ、朝の情景に触発されて長安に帰れずにいる悲しみを詠じ、其の二は、朝の情景を描きつつ、出帆する日の設定が難しい峡谷の特殊な気候を詠じる。

 

清旭楚宮南,霜空萬嶺含。

清らかな朝日が夔州、楚王宮の南を照らして、冬空は葉を落とした嶺々を覆って晴れ渡っている。

3. 楚宮 楚王宮つまり高唐観。ここでは襲州をいう。

4. 霜空萬嶺含 山々はみな落葉し、冬晴れの空に包まれているさまをいう。「霜空」は、冬の晴れた空。

 

野人時獨往,雲木曉相參。

今や田野の人間である私は一人で山に入っていくと、雲と樹木が朝日の中で混じりあって見えている。

5. 野人 田舎者。杜甫が無官の士人(知識人)である自分を卑下していう。山野の農民を指すとする。

6. 参 交錯する。山の頂の樹木に、雲がかかっている。

 

俊鶻無聲過,飢烏下食貪。

餓えて俊敏になっている鶻が鳴き声も立てずにすばやく飛び去り、腹を空かせた烏が地面に舞い降りて餌を食っている。

7. 俊鶻 俊敏なハヤブサ。

8. 飢烏 飢えたカラス。

 

病身終不動,搖落任江潭。

鳥は活動に余念がないところをみせているが、病身の私は、結局、夔州の谷間から出ることはできないでいるし、草木が長江のほとりで葉を落として冬枯れの季節が来ようと、それはそれに任せてゆくというよりほかないのである。

9. 病身終不動 病身の自分は結局、変州を出られないままだ。

10. 搖落任江潭 草木の枯れ落ちるままであるように、(自分も)長江べりに留まるに任せる。「江渾」はここでは江辺の意。

 

 

朝二首其二

1. (夔州の朝の景情と、そこに住む人の感情を詠じ、朝の情景に触発されて長安に帰れずにいる悲しみを詠じる)その二

2. 【題意】 大層二年(767)の作、詩二首。其の一は、夔州の朝の景情と、そこに住む人の感情を詠じ、朝の情景に触発されて長安に帰れずにいる悲しみを詠じ、其の二は、朝の情景を描きつつ、出帆する日の設定が難しい峡谷の特殊な気候を詠じる。

 

浦帆晨初發,郊扉冷未開。

夔州の湊から朝一番で出港した帆船は、江辺を進んでいる、寒さがこたえるので郊外の我が家の門扉、家の扉は閉めたままにしている。

浦帆 江辺の帆掛け船。

郊扉 郊外の(住まいの)門扉。杜甫の自宅のそれを指す。鈴木注も同様。『李寿松注』喜頁は野外の人家を指すとする。

 

村疏黃葉墜,野靜白鷗來。

冬枯れでまばらとなっている林では、今も黄色い葉が散っている、白い鴎がひっそりと静まった田野に飛んでくる。

 

礎潤休全濕,雲晴欲半回。

家の柱を支える礎石が霧雨か、夜露に濡れたのだろうが、もうそんなに湿っていない、すでに、天には晴れ間がのぞき、雲の半分は山の洞窟に戻ろうとしている。

「礎潤休全濕,雲晴欲半回」の二句 湿った礎石が乾き始め、雲の半ばは山に戻って晴れ間が見えはじめているが、なお雨の気を含んでいる。雨か晴れか天候が一定-右いきま。前漢・劉安『准南子』巻一七「説林訓」に「山雲蒸し、柱礎潤う」とある降雨の状況を、陰暗不ほ現詣毎捧是

半回 古代雲は、峡谷や山間の巌谷の洞窟の奥から湧き出ると思われていたが、そうした雲が、戻っていくことを言う。

 

巫山冬可怪,昨夜有奔雷。

巫山は何といっても不思議な所だ、冬が来たというのに、なぜなら、昨晩は激しい雷がなり、長江の流水が、風雨に暴れたというのである。

奔雷 杜甫《》に述べているように、この時期天候が不順で合ったのだろう。もしくは、同日の作品であれば矛盾がない。また、周書趙師曰く、「蜀には躁急に絃るは激浪が奔雷するが若し。」とあるように、長江の流水が、風雨に暴れたという事かもしれない。

 

 

 

 

 

 

【字解集】・戲作俳諧體遣悶二首

戲作俳諧體遣悶,二首之一

1. (冬になって旅に出る予定が立たず、憂鬱な日々が続くので、戯れに、おどけた体裁の俳諧隊の詩をつくって胸の悶えを拂うため歌う。)

2. 【題意】戯れに俳譜体(内容が滑稽で遊戯的なスタイルの作品)を作って心中の悶えを払おうとした詩。夔州の特異な習俗になじめない気持ちを紛らそうとしている。大暦二年(767)の作。

 

異俗吁可怪,斯人難並居。

ああ、夔州の特異な習俗は本当に理解に苦しむし、結果、この地の人々と一緒に暮らすのは難しいのである。

3. 異俗 変わった風俗。首聯は、西晋の陸雲《答張士然詩》 行邁越長川。飄颻冒風塵。通波激枉渚。悲風薄丘榛。 修路無窮跡。井邑自相循。百城各異俗。千室非良鄰。歡舊難假合。「張士然に答う」詩「百城各の異俗にして、千室良隣に非ず」を踏まえる。

4. 吁 ああ。驚きを表す感嘆詞。

5. 可怪 夔州の習俗は奇怪である。理解できない。この語は《朝二首其二》前詩三盟にも見える。

6. 斯人 夔州の人々を指す。

7. 並居 ともに暮らす。

8. 養 供養する。祭る。

 

家家養烏鬼,頓頓食黃魚。

それは、どこの家庭でも烏鬼という鬼神を祭っているし、毎日決まって食事のたびに黃魚を食べている。

9. 鳥鬼 巴蜀の人々が信奉する鬼神の名。鈴木注は「烏のこと。神鶴の類。烏を霊物として取扱ふによりて之を鬼といふ」と解する。

10. 頓頓 一食ごとに。「頓」は食事の回数を表す語。

11. 黃魚 チョウザメの一種。「長江鱒」ともいわれる。夔州の黄魚が図体ばかり大きくて機敏でないのを哀れむ。「黄魚」は鱗がなく身が黄色い(『爾雅』郭瑛注)、チョウザメの一種。夔州の上流の黄草峡で多く採れ、大きいものは五、六メートルになったという。杜臆は、夔州から上流に40里のところに、黃草峽があり、そこでは黃魚の大魚が取れたという。

詳注(卷一七(四)一五三五)、鈴木注(17〔下〕360)。訳注(1025

 

舊識能為態,新知已暗疏。

前からの知人は、地元の者どうし、うわべばかり調子を合わせるのがうまく、知りあったばかりの人でもすぐに合わせて、心の中では知りあったばかりなのに、私を疎んじているようだ。

12. 態(仲のよさそうな)態度をする、取り繕う。

13. 巳 知りあったばかりなのに、もう。

14. 暗疏 ひそかに疎んじる。

 

治生且耕鑿,只有不關渠。

生計を立てるために畑を耕し井戸を掘らないといけないのだが、水にかかわることは後々面倒で、彼らとは関わらないようにしようと思っている。

15. 塗 生計を立てる。

16. 耕撃 畑を耕し、井戸を掘る。農作業をする。

17. 不開渠 彼らには関わらない。8-「渠」は三人称で、牽州の人々を指す。

 

 

戲作俳諧體遣悶,二首之二

1. (冬になって旅に出る予定が立たず、憂鬱な日々が続くので、戯れに、おどけた体裁の俳諧隊の詩をつくって胸の悶えを拂うため歌う。)その二

2. 【題意】戯れに俳譜体(内容が滑稽で遊戯的なスタイルの作品)を作って心中の悶えを払おうとした詩。夔州の特異な習俗になじめない気持ちを紛らそうとしている。大暦二年(767)の作。

 

西歷青羌坂,南留白帝城。

私は以前、西方では青羌坂を越えたことがあり、今では南下して夔州の町に逗留している。

3. 青羌坂 青衣羌(古代の少数民族の羌族の支族)の多く住む土地。今の四川省中部の雅安市一帯。近くを流れる青衣水にちなんだ命名。杜甫が過去、寓居した秦州同谷地域を含む一帯。

4. 白帝城 ここでは夔州を指す。原注:頃自秦涉隴。從同谷縣去遊蜀、留滯於巫山。原注に「頃歳秦(長安)より隴(秦州)を捗り、同谷県より去きて蜀(成都)に遊び、巫山(夔州)に留滞す」。とある。

 

於菟侵客恨,粔籹作人情。

この地では虎が人家の壁に突進してくるので、旅人は怖い思いをするし、油で揚げた粔籹という食べ物を人に贈る変わった習慣もある。

5. 於菟 いにしえの楚の国の方言で虎のこと。畳韻語「オト」。

6. 粔籹 小麦粉をこねて油で揚げた食品の名。おこしの類。畳韻語「キョジョ」。

7. 人情 贈り物。民間習俗とする。

 

瓦卜傳神語。畬田費火聲。

そして、祈祷師が瓦を割って吉凶を占って神の言葉を伝え、農民は焼き畑で草木を焼いて作物を植えている。夔州の風俗が正しいか否かをどうして判断できようか。

8. 瓦卜 祈祷師が瓦を叩き割り、割れた筋目の形状によって吉凶を占うこと。

9. 畬田 焼き畑。次項もおなじ。

10. 火聲 原始的な耕作法の一つで、草木を焼いた土地に作物を植える焼畑農耕。

 

是非何處定,高枕笑浮生。

夔州の習俗のよしあしをいうより、いっそ枕を高くして横になり、この定めなき人の世を笑って過ごす方が良いのではないかと思う。

11. 是非 夔州の習俗の正否、よしあし。

12. 高枕 枕を高くして横になる。国家の大事に関われない無為を嘆く思いを含む。

13. 浮生 定めなき人の世。浮き世。