奉同郭給事湯東靈湫作 杜甫 116 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 115-#2
奉同郭給事湯東靈湫作
#1
東山氣鴻蒙,宮殿居上頭。君來必十月,樹羽臨九州。
陰火煮玉泉,噴薄漲岩幽。有時浴赤日,光抱空中摟。』
閬風入轍跡,曠原延冥搜。沸天萬乘動,觀水百丈湫。
幽靈斯可佳,王命官屬休。初聞龍用壯,擘石摧林丘。
中夜窟宅改,移因風雨秋。倒懸瑤池影,屈注滄江流。
味如甘露漿,揮弄滑且柔。』
#2
翠旗澹偃蹇,雲車紛少留。
ここへ天子の御旗がうねうねとした動きをしてやってきた、五色の雲を画いた車が多く整列していないでみだれてあっまってきてしばし止まる。
簫鼓蕩四溟,異香泱漭浮。
簫や太鼓の音が湫の四面をふるいうごかしている、そしてえもいわれぬ香りがひろぴろとしてうかんでいる。
鮫人獻微綃,曾祝沉豪牛。
鮫人のような舟人はほそく織ったうすぎぬを湫の霊にたてまつり、曾祝の祭人は毛の多い牛を生贄としてしずめる。
百祥奔盛明,古先莫能儔。
天子の盛明の恩徳は百人は百人に見合ったそれぞれの御加護があるものだ、古代のどんな聖君であっても今の天子に適わないのである。
坡陀金蝦蟆,出見蓋有由。
そんな時世だから、嶮しい堤ほどもある大きな金色の蛙が出現するのも由来があるというものである。
至尊顧之笑,王母不肯收。
我が君はその蟾蜍を顧みてお笑いになられた。西王母の楊貴妃もその蟾蜍をつかまえさせもされない。
複歸虛無底,化作長黃虯。』
そこで蟾蜍はふたたびがらんどうの水底へもどってしまい、さらに化けて長い黄色の蛟となってしまった。』
飄搖青瑣郎,文采珊瑚鉤。
ここに細事にはかかわらぬ我が青瑣の郎たる郭給事はその文栄のうつくしきことは珊瑚の鉤のようである。
浩歌淥水曲,清絕聽者愁。』
郭給事が作ったこの湫に関する詩、昔の淥水曲にも匹敵するほどの詩を、大声にうたうのである、音調ゆたかでこのうえない清らかなものであり、聴く人はみなかなしくなるのである。
#1
東山気濠鴻たり 宮殿上頭に居る、君の来るは必ず十月なり 羽を樹てて九州に臨む。
陰火玉泉を煮る 噴薄巌に漲って幽なり、時有ってか赤目を浴せしむ 光は抱く空中の楼。』
閬風轍跡に入る 曠原冥搜を延く、天に沸いて万乗動く 水を観る百丈の湫。
幽霊斯れ怪む可し 王官属に命じて休せしむ、初め聞く竜壮を用い 石を擘って林丘摧く。
中夜窟宅改まる 移ることは風雨の秋に因ると、倒に懸る瑤池の影 槍江の流れに屈注す。
味は甘露の漿の如し 揮弄すれば滑にして且つ柔なり。』
#2
翠旗澹として偃蹇たり 雲車粉として少しく留まる、簫鼓四溟を蕩かす 異香泱漭として浮ぶ。
鮫人微綃を献じ 曾祝豪牛を沈む、百祥盛明に奔る 古先も能く鱒する莫し。
披陀たる金の蝦娯 出見する蓋し由有り、至尊之を顧みて笑う 王母収め遣めず。
復た虚無の底に帰し 化して長き黄札と作る。』
諷諷たる青瑣の郎 文宋珊瑚の鉤、浩歌す淥水の曲 清絶聴く者愁う』
奉同郭給事湯東靈湫作(後半) 現代語訳と訳註 飄搖青瑣郎,文采珊瑚鉤。 (下し文)#2 (現代語訳) 奉同郭給事湯東靈湫作 閬風入轍跡,曠原延冥搜。沸天萬乘動,觀水百丈湫。 飄搖青瑣郎,文采珊瑚鉤。浩歌淥水曲,清絕聽者愁。』 #2 ここへ我が君玄宗は周の穆王のように行幸になり、閬風顛ともいうべき仙山は天子の轍のあとにはいったのだ、そして崑崙の曠原でさえ天子の御さぐりをさそっている。
(本文)#2
翠旗澹偃蹇,雲車紛少留。
簫鼓蕩四溟,異香泱漭浮。
鮫人獻微綃,曾祝沉豪牛。
百祥奔盛明,古先莫能儔。
坡陀金蝦蟆,出見蓋有由。
至尊顧之笑,王母不肯收。
複歸虛無底,化作長黃虯。』
浩歌淥水曲,清絕聽者愁。』
翠旗澹として偃蹇たり 雲車粉として少しく留まる、簫鼓四溟を蕩かす 異香泱漭として浮ぶ。
鮫人微綃を献じ 曾祝豪牛を沈む、百祥盛明に奔る 古先も能く鱒する莫し。
披陀たる金の蝦娯 出見する蓋し由有り、至尊之を顧みて笑う 王母収め遣めず。
復た虚無の底に帰し 化して長き黄札と作る。』
諷諷たる青瑣の郎 文宋珊瑚の鉤、浩歌す淥水の曲 清絶聴く者愁う』
ここへ天子の御旗がうねうねとした動きをしてやってきた、五色の雲を画いた車が多く整列していないでみだれてあっまってきてしばし止まる。
簫や太鼓の音が湫の四面をふるいうごかしている、そしてえもいわれぬ香りがひろぴろとしてうかんでいる。
鮫人のような舟人はほそく織ったうすぎぬを湫の霊にたてまつり、曾祝の祭人は毛の多い牛を生贄としてしずめる。
天子の盛明の恩徳は百人は百人に見合ったそれぞれの御加護があるものだ、古代のどんな聖君であっても今の天子に適わないのである。
そんな時世だから、嶮しい堤ほどもある大きな金色の蛙が出現するのも由来があるというものである。
我が君はその蟾蜍を顧みてお笑いになられた。西王母の楊貴妃もその蟾蜍をつかまえさせもされない。
そこで蟾蜍はふたたびがらんどうの水底へもどってしまい、さらに化けて長い黄色の蛟となってしまった。』
ここに細事にはかかわらぬ我が青瑣の郎たる郭給事はその文栄のうつくしきことは珊瑚の鉤のようである。
郭給事が作ったこの湫に関する詩、昔の淥水曲にも匹敵するほどの詩を、大声にうたうのである、音調ゆたかでこのうえない清らかなものであり、聴く人はみなかなしくなるのである。
(訳註)
#2
翠旗澹偃蹇,雲車紛少留。
ここへ天子の御旗がうねうねとした動きをしてやってきた、五色の雲を画いた車が多く整列していないでみだれてあっまってきてしばし止まる。
○翠旗 天子の旗は翠羽を以て夜(かざりのふさ)としてつけるゆえ翠旗という。○澹偃蹇 澹は動くさま、偃蹇はうねっているさま。○雲車 五色の雲を画いた車、これは楊貴妃の車をさしているのであろう。○紛 広場いっぱいにひろがってみだれているさま。整列していないこと。○少留 しばしとどまる。
簫鼓蕩四溟,異香泱漭浮。
簫や太鼓の音が湫の四面をふるいうごかしている、そしてえもいわれぬ香りがひろぴろとしてうかんでいる。
○蕩 震いうごかす。〇四瞑 四海、ここは湫の四面のこと。○異香 なみなみならぬよき香、竜を祭るときくゆらすもの。○泱漭 広大なさま。
鮫人獻微綃,曾祝沉豪牛。
鮫人のような舟人はほそく織ったうすぎぬを湫の霊にたてまつり、曾祝の祭人は毛の多い牛を生贄としてしずめる。
○鮫人 南海に鮫人がいた。魚のように水中にすみ、紡績をていたという、時々水をでて人家に来て綿(うすぎぬ)を売るという。鮫人は人魚の類であるが、ここでは舟人をさしていったもの。○献 竜にむかって献ずる。○微綃 いとのほそいうすぎぬ。○曾祝 「穆天子伝」にみえる。曾は重(かさなる)に同じ、曾祝とは累代祝を業とするものをいうか。祝は祭人、神と人との媒介をするもの。○沈豪牛 豪牛は毛のふさふさした牛、沈めるのは之を竜に生贄にささげるためである。
百祥奔盛明,古先莫能儔。
天子の盛明の恩徳は百人は百人に見合ったそれぞれの御加護があるものだ、古代のどんな聖君であっても今の天子に適わないのである。
〇百祥 さまざまのめでたいしるし。○奔盛明 奔とは相奔逐することをいう、盛明は天子の徳をいう、何煙の説に百祥の二句は当時の訳を献ずる徒がこの語を為すのだというが、蓋しそうであろう。作者がかく信じて言うのではない。○古先 むかし、先代。○莫能俸 儀はたぐい、今とならぶものがないというのである。○披陀 高大なさま。
坡陀金蝦蟆,出見蓋有由。
そんな時世だから、嶮しい堤ほどもある大きな金色の蛙が出現するのも由来があるというものである。
○金蝦蟆 黄金色のひきがえる、安禄山のこと。2メーターもある巨漢であった。○出見 兄は現に同じ。
至尊顧之笑,王母不肯收。
我が君はその蟾蜍を顧みてお笑いになられた。西王母の楊貴妃もその蟾蜍をつかまえさせもされない。
○至尊 玄宗。○之 蝦蝶をさす。○王母 西王母、楊貴妃をたとえていう。この時楊貴妃の養子となり息子になっていた。○不通収 収とは捕えることをいう、他人に命じてひきをつかまえさせぬ。(命令に従わない)
複歸虛無底,化作長黃虯。』
そこで蟾蜍はふたたびがらんどうの水底へもどってしまい、さらに化けて長い黄色の蛟となってしまった。』
○帰 もどる。○虚無底 霊湫のそこ。○虯 竜の角なき者、蛟。蟾蜍の一段は貴妃のために禄山が増長するにいたったことを諷したものである。養子縁組のこと。奸臣であることをいう。
飄搖青瑣郎,文采珊瑚鉤。
ここに細事にはかかわらぬ我が青瑣の郎たる郭給事はその文栄のうつくしきことは珊瑚の鉤のようである。
○諷諷 俊逸なさま、詩の相手、郭の人がらをいう。○青瑣郎 給事中をいう。漢の時、給事黄門侍郎は日暮に青瑣門内に入ってこたえた。○文宋 文章のあや。○珊瑚鉤 鉤は簾をつるすかぎ型のもの、珊瑚でそれを造る。
浩歌淥水曲,清絕聽者愁。』
郭給事が作ったこの湫に関する詩、昔の淥水曲にも匹敵するほどの詩を、大声にうたうのである、音調ゆたかでこのうえない清らかなものであり、聴く人はみなかなしくなるのである。
○浩歌 大声でうたう。○漁水31 曲 古の詩曲の名という。如何なる歌辞であるかは詳かでないが郭給事の原作をさす。○清絶 音調が非常に清らかなこと。○聴者愁 きく人がかなしくなる。
#1
東山氣鴻蒙,宮殿居上頭。君來必十月,樹羽臨九州。
陰火煮玉泉,噴薄漲岩幽。有時浴赤日,光抱空中摟。』
幽靈斯可佳,王命官屬休。初聞龍用壯,擘石摧林丘。
中夜窟宅改,移因風雨秋。倒懸瑤池影,屈注滄江流。
味如甘露漿,揮弄滑且柔。』
#2
翠旗澹偃蹇,雲車紛少留。簫鼓蕩四溟,異香泱漭浮。
鮫人獻微綃,曾祝沉豪牛。百祥奔盛明,古先莫能儔。
坡陀金蝦蟆,出見蓋有由。至尊顧之笑,王母不肯收。
複歸虛無底,化作長黃虯。』
(郭給事が湯東の霊漱の作に同し奉る)
東山気濠鴻たり 宮殿上頭に居る、君の来るは必ず十月なり 羽を樹てて九州に臨む。
陰火玉泉を煮る 噴薄巌に漲って幽なり、時有ってか赤目を浴せしむ 光は抱く空中の楼。』
閬風轍跡に入る 曠原冥搜を延く、天に沸いて万乗動く 水を観る百丈の湫。
幽霊斯れ怪む可し 王官属に命じて休せしむ、初め聞く竜壮を用い 石を擘って林丘摧く。
中夜窟宅改まる 移ることは風雨の秋に因ると、倒に懸る瑤池の影 槍江の流れに屈注す。
味は甘露の漿の如し 揮弄すれば滑にして且つ柔なり。』
翠旗澹として偃蹇たり 雲車粉として少しく留まる、簫鼓四溟を蕩かす 異香泱漭として浮ぶ。
鮫人微綃を献じ 曾祝豪牛を沈む、百祥盛明に奔る 古先も能く鱒する莫し。
披陀たる金の蝦娯 出見する蓋し由有り、至尊之を顧みて笑う 王母収め遣めず。
復た虚無の底に帰し 化して長き黄札と作る。』
諷諷たる青瑣の郎 文宋珊瑚の鉤、浩歌す淥水の曲 清絶聴く者愁う』
(現代語訳)
長安の東にあたる驪山にはもくもくと煙、湯気が立ち込めている、華清宮の宮殿はその上方にかぶさるように存在している。
我が君がここへおいでになるのはかならず十月になってからだ、ここに羽旗をたてて天下九州のまつりごとにあたられるのである。
ここでは地の底にある火が美しい温泉の水を煮たたせているのだ、そしてその湯気は噴出してあたりに充満し、巌と一緒になって周りを暗くしている。
時にはその温泉の水は赤き太陽を浸したような色になる、光を抱き込んで空中たかくそびえた楼閣のように見えることもある。』
天上に湧きかえり、万乗の御車が動いているのだ、温泉の東にある百丈の湫に水をごらんになる。
湫の中には怪物がいる。ここで天子は従臣のものたちに休息の命を賜わった。
まえもって聞いたことだが、竜は勇壮な力をだした、石をたたき割り、林や丘を切り裂きくだいた。
そうしてその竜は夜なかごろ自分のすまいのいわやをかえ、この秋の風雨、長雨に乗じてこの湫へ移転してきたということなのだ。
そうしてその竜は夜なかごろ自分のすまいのいわやをかえ、この秋の風雨、長雨に乗じてこの湫へ移転してきたということなのだ。
この水を舐めてみると甘くして甘露汁のようである、手で掻きまぜみれば滑かであり、柔かなのである。』
ここへ天子の御旗がうねうねとした動きをしてやってきた、五色の雲を画いた車が多く整列していないでみだれてあっまってきてしばし止まる。
簫や太鼓の音が湫の四面をふるいうごかしている、そしてえもいわれぬ香りがひろぴろとしてうかんでいる。
鮫人のような舟人はほそく織ったうすぎぬを湫の霊にたてまつり、曾祝の祭人は毛の多い牛を生贄としてしずめる。
天子の盛明の恩徳は百人は百人に見合ったそれぞれの御加護があるものだ、古代のどんな聖君であっても今の天子に適わないのである。
そんな時世だから、嶮しい堤ほどもある大きな金色の蛙が出現するのも由来があるというものである。
我が君はその蟾蜍を顧みてお笑いになられた。西王母の楊貴妃もその蟾蜍をつかまえさせもされない。
そこで蟾蜍はふたたびがらんどうの水底へもどってしまい、さらに化けて長い黄色の蛟となってしまった。』
ここに細事にはかかわらぬ我が青瑣の郎たる郭給事はその文栄のうつくしきことは珊瑚の鉤のようである。
郭給事が作ったこの湫に関する詩、昔の淥水曲にも匹敵するほどの詩を、大声にうたうのである、音調ゆたかでこのうえない清らかなものであり、聴く人はみなかなしくなるのである。
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