厳武に絶句二首之一 春も過ぎて雨に草木が映える季節になり成都の役所に出かけ恥ずかしながら詩を贈ります。元帥殿には敢て赴くとこの野人の私と約束をしてくれました。濯錦江のほとりに住まいする持病に悩む此の老いぼれは元気を出そうとすれどもやっぱり力が出ません。
2013年8月17日 | 同じ日の紀頌之5つのブログ |
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杜甫詩1000-529-763/1500
詩題:中丞嚴公雨中垂寄見憶一絕,奉答二絕,二首之一
作時:762年 寶應元年 杜甫51歳
掲 載; 杜甫1000首の529首目-場面
杜甫ブログ1500回予定の-763回目
40862
作者: 杜甫
皇帝紀年: 寶應元年
寫作時間: 762年
寫作年紀: 51歲
卷別: 卷二二七
文體: 七言絕句
詩題: 中丞嚴公雨中垂寄見憶一絕,奉答二絕,二首之一【嚴公雨中見寄一絕奉答兩絕,二首之一】
交遊人物/地點: 嚴武 書信往來(劍南道北部 益州 成都)
詩文:
中丞嚴公雨中垂寄見憶一絕,奉答二絕,二首之一
(厳武中丞が雨の中私に絶句一首贈り寄せ届けてくれたので私は絶句二首を作って贈り奉る。二首の其の一)
雨映行宮辱贈詩,元戎肯赴野人期。
春も過ぎて雨に草木が映える季節になり成都の役所に出かけ恥ずかしながら詩を贈ります。元帥殿には敢て赴くとこの野人の私と約束をしてくれました。
江邊老病雖無力,強擬晴天理釣絲。
濯錦江のほとりに住まいする持病に悩む此の老いぼれは元気を出そうとすれどもやっぱり力が出ません。カラ元気かもしれないが晴天の日には釣竿に糸を垂れることが一番だと悟っております。
(中丞嚴公の雨中垂れる一絕に憶うを見寄せる,二絕を答え奉つる,二首の一)
雨に映るは行宮して辱しくも詩を贈り,元戎 肯して赴き 野人の期を。
江邊 老病 雖ど力無く,強と擬して晴天 釣絲を理す。
『中丞嚴公雨中垂寄見憶一絕,奉答二絕,二首之一』 現代語訳と訳註
(本文)
中丞嚴公雨中垂寄見憶一絕,奉答二絕,二首之一
雨映行宮辱贈詩,元戎肯赴野人期。
江邊老病雖無力,強擬晴天理釣絲。
詩文(含異文):
雨映行宮辱贈詩【雨映行官辱贈詩】【雨映行雲辱贈詩】,元戎肯赴野人期【元戎欲動野人知】。
江邊老病雖無力,強擬晴天理釣絲。
(下し文)
(中丞嚴公の雨中垂れる一絕に憶うを見寄せる,二絕を答え奉つる,二首の一)
雨に映るは行宮して辱しくも詩を贈り,元戎 肯して赴き 野人の期を。
江邊 老病 雖ど力無く,強と擬して晴天 釣絲を理す。
(現代語訳)
(厳武中丞が雨の中私に絶句一首贈り寄せ届けてくれたので私は絶句二首を作って贈り奉る。二首の其の一)
春も過ぎて雨に草木が映える季節になり成都の役所に出かけ恥ずかしながら詩を贈ります。元帥殿には敢て赴むくとこの野人の私と約束をしてくれました。
濯錦江のほとりに住まいする持病に悩む此の老いぼれは元気を出そうとすれどもやっぱり力が出ません。カラ元気かもしれないが晴天の日には釣竿に糸を垂れることが一番だと悟っております。
(訳注)
中丞嚴公雨中垂寄見憶一絕,奉答二絕,二首之一
(厳武中丞が雨の中私に絶句一首贈り寄せ届けてくれたので私は絶句二首を作って贈り奉る。二首の其の一)
○厳中丞 厳武。杜甫は厳武について、これまでも多く詩に詠っている。
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雨映 行宮 辱 贈詩 ,元戎 肯赴 野人 期 。
春も過ぎて雨に草木が映える季節になり成都の役所に出かけ恥ずかしながら詩を贈ります。元帥殿には敢て赴くとこの野人の私と約束をしてくれました。
「行宮」成都尹である厳武が入る役所を指す。蜀の国の宮殿であった。「明皇出蜀,以行宮為道觀。」(明皇が蜀を出立され,それ以降成都にある宮殿は玄宗に因んだ道教の寺観となっていた。)
「辱」謙遜語。
「詩」絶句の詩のこと。
「元戎」元帥。厳武のこと。この段階では剣南西川節度使は別のものが幕府としていた。
「野人」杜甫のこと。隠棲しているものを野人と云い、しばしば使う。
「期」約束。
江邊 老病 雖無力 ,強擬 晴天 理 釣絲 。
濯錦江のほとりに住まいする持病に悩む此の老いぼれは元気を出そうとすれどもやっぱり力が出ません。カラ元気かもしれないが晴天の日には釣竿に糸を垂れることが一番だと悟っております。
「江邊」浣花渓草堂の前を流れる濯錦江のこと。
「強擬」から元気。
「釣絲」釣り糸を垂れること。釣りのポイントがいくつもあったようだ。