彭衙行 #4 杜甫 135 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 132 (ほうがこう)
#1
憶昔避賊初,北走經險艱。夜深彭衙道,月照白水山。』
盡室久徒步,逢人多厚顏。參差穀鳥吟,不見遊子還。
癡女饑咬我,啼畏虎狼聞。懷中掩其口,反側聲愈嗔。
小兒強解事,故索苦李餐。』
#2
一旬半雷雨,泥濘相牽攀。既無禦雨備,徑滑衣又寒。
有時經契闊,竟日數裡間。野果充 ?糧,卑枝成屋椽。
早行石上水,暮宿天邊煙。』
#3
少留同家窪,欲出蘆子關。故人有孫宰,高義薄曾雲。
延客已曛黑,張燈啟重門。暖湯濯我足,剪紙招我魂。』
#4
從此出妻孥,相視涕闌幹。
それから自分は妻子をださせて彼にひき合せた、お互にみあわせてともに涙と鼻水をながしとめどない大泣きをした。
眾雛爛熳睡,喚起沾盤飧。
いつもは鳥のひなの様な子どもたちなのに、みるとみんなさかんによく眠っている。それをよびおこした、それから大皿に盛った御飯のもてなしとうるおわせてくれるのだ。
誓將與夫子,永結為弟昆。
そのとき孫宰は自分にむかって「誓ってあなたと永く交りを結んで兄弟となりましょう」といってくれる。
遂空所坐堂,安居奉我歡。
とうとうここの主人がいつも使っているる座敷をからにあけてくれた、居どころを安穏にして 我々がよろこぶ様にとしてくれるのだ。
誰肯艱難際,豁達露心肝。』
この難儀な時節だというのにだれが孫宰の様にしてくれようか、そのうえ、「永結為弟昆」と自己のはらのなかをうちあけて親切をつくしてくれるのである。』
別來歲月周,胡羯仍構患。
おもいまわせばあなたと別れてこのかたまる一年ばかりたった。しかし、叛乱軍の勢いが止まらない、やっぱり患難なことなのだ。
何時有翅翎,飛去墮爾前?』
いつになったら自分のからだにはねがはえてきて、飛んでいってあなたの前におちることができるのだろうか?』
此(これ)従(より)妻孥(さいど)を出す 相視て涕(なみだ)闌幹(らんかん)たり。
衆雛(しゅうすう) 爛漫(らんまん)として睡(ねむ)る、喚び 起して 盤飧(ばんそん)に 沾(うるお)わしむ。
誓って将に夫子(ふうし)と、永く結び て 弟昆(ていこん)と為らんと す と。
遂に坐する所の堂を空(むな)しくして、居を安(あんじ)て 我が歓(よろこび)を奉ず。
誰か 肯(あえ)て 艱難(かんなん)の際、豁達(かつたつ) 心肝(しんかん)を露(あら)わさん。』
別来(べつらい) 歳月周(めぐ)る 胡羯(こけつ) 仍(なお) 患(うれい)を構(かも)う
何時(いつ)か 翅翎(しれい)有って 飛び去って爾(なんじ)が前に堕(おつ)べき。』
彭衙行 #4 現代語訳と訳註
(本文)
從此出妻孥,相視涕闌幹。眾雛爛熳睡,喚起沾盤飧。
誓將與夫子,永結為弟昆。遂空所坐堂,安居奉我歡。
誰肯艱難際,豁達露心肝。』
別來歲月周,胡羯仍構患。何時有翅翎,飛去墮爾前?』
幹。飧。昆。歡。肝。/患。前。
(下し文)
此(これ)従(より)妻孥(さいど)を出す 相視て涕(なみだ)闌幹(らんかん)たり。
衆雛(しゅうすう) 爛漫(らんまん)として睡(ねむ)る、喚び 起して 盤飧(ばんそん)に 沾(うるお)わしむ。
誓って将に夫子(ふうし)と、永く結び て 弟昆(ていこん)と為らんと す と。
遂に坐する所の堂を空(むな)しくして、居を安(あんじ)て 我が歓(よろこび)を奉ず。
誰か 肯(あえ)て 艱難(かんなん)の際、豁達(かつたつ) 心肝(しんかん)を露(あら)わさん。』
別来(べつらい) 歳月周(めぐ)る 胡羯(こけつ) 仍(なお) 患(うれい)を構(かも)う
何時(いつ)か 翅翎(しれい)有って 飛び去って爾(なんじ)が前に堕(おつ)べき。』
(現代語訳)
それから自分は妻子をださせて彼にひき合せた、お互にみあわせてともに涙と鼻水をながしとめどない大泣きをした。
いつもは鳥のひなの様な子どもたちなのに、みるとみんなさかんによく眠っている。それをよびおこした、それから大皿に盛った御飯のもてなしとうるおわせてくれるのだ。
そのとき孫宰は自分にむかって「誓ってあなたと永く交りを結んで兄弟となりましょう」といってくれる。
とうとうここの主人がいつも使っているる座敷をからにあけてくれた、居どころを安穏にして 我々がよろこぶ様にとしてくれるのだ。
この難儀な時節だというのにだれが孫宰の様にしてくれようか、そのうえ、「永結為弟昆」と自己のはらのなかをうちあけて親切をつくしてくれるのである。』
おもいまわせばあなたと別れてこのかたまる一年ばかりたった。しかし、叛乱軍の勢いが止まらない、やっぱり患難なことなのだ。
いつになったら自分のからだにはねがはえてきて、飛んでいってあなたの前におちることができるのだろうか?』
(訳注)#4
從此出妻孥,相視涕闌幹。
それから自分は妻子をださせて彼にひき合せた、お互にみあわせてともに涙と鼻水をながしとめどない大泣きをした。
○従此 それから。○出妻孥 杜甫の妻子をださせて孫宰に面会させる。○相視 たがいによくみあう。○闌幹 あふれてながれるさま。
眾雛爛熳睡,喚起沾盤飧。
いつもは鳥のひなの様な子どもたちなのに、みるとみんなさかんによく眠っている。それをよびおこした、それから大皿に盛った御飯のもてなしとうるおわせてくれるのだ。
○衆雛 多くの幼少なこども。いつもは鳥のように騒いでいることをいうため雛と使う。○爛漫 ねむりのまっさかりにあるさま。○喚起 よびおこす。○宿 そのめぐみにうるおわしめる。○盤殆 盤は大皿、娘は食事。
誓將與夫子,永結為弟昆。
そのとき孫宰は自分にむかって「誓ってあなたと永く交りを結んで兄弟となりましょう」といってくれる。
○この二句は孫宰の言葉。夫子とは孫雫よりみた、杜甫のことをさす語、弟昆の昆は兄、弟昆は兄弟をいう。
遂空所坐堂,安居奉我歡。
とうとうここの主人がいつも使っているる座敷をからにあけてくれた、居どころを安穏にして 我々がよろこぶ様にとしてくれるのだ。
○空 からにしてあけてくれる。○所坐堂 主人がいつも使っている奥座敷。○安居 居どころを安穏にして。○奉我歓 我々に我々の歓ぶことをあたえでくれる。
誰肯艱難際,豁達露心肝。』
この難儀な時節だというのにだれが孫宰の様にしてくれようか、そのうえ、「永結為弟昆」と自己のはらのなかをうちあけて親切をつくしてくれるのである。』
○誰骨 次句までかかっている、反語である。だれがそんなにすることを承知しょうか、するものはない。○艱難 世事のなんぎなこと。○豁達 ひろびろと。○露心肝 心のおくそこまで他人にだしてみせる。この句までが二聯前から、かかっている。
別來歲月周,胡羯仍構患。
おもいまわせばあなたと別れてこのかたまる一年ばかりたった。しかし、叛乱軍の勢いが止まらない、やっぱり患難なことなのだ。
○別来 わかれてこのかた。○周 抄とめぐりする。前年の夏より今年の秋までで一周である。○胡羯仍構患 叛乱軍、史忠明の兵が太原に攻め込み、安慶緒・尹子奇などに睢陽に赴かせた等のことをさしている。・仍 やっぱり。・構患 心配事をこしらえている。叛乱軍の勢いが止まらないこと。
何時有翅翎,飛去墮爾前?』
いつになったら自分のからだにはねがはえてきて、飛んでいってあなたの前におちることができるのだろうか?。
○翅翎 つばさ、はね。○爾 汝、孫宰のこと。
○五言古詩
○押韻 幹。飧。昆。歡。肝。/患。前。
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彭衙行
#1
憶昔避賊初,北走經險艱。夜深彭衙道,月照白水山。』
盡室久徒步,逢人多厚顏。參差穀鳥吟,不見遊子還。
癡女饑咬我,啼畏虎狼聞。懷中掩其口,反側聲愈嗔。
小兒強解事,故索苦李餐。』
#2
一旬半雷雨,泥濘相牽攀。既無禦雨備,徑滑衣又寒。
有時經契闊,竟日數裡間。野果充 ?糧,卑枝成屋椽。
早行石上水,暮宿天邊煙。』
#3
少留同家窪,欲出蘆子關。故人有孫宰,高義薄曾雲。
延客已曛黑,張燈啟重門。暖湯濯我足,剪紙招我魂。』
#4
從此出妻孥,相視涕闌幹。眾雛爛熳睡,喚起沾盤飧。
誓將與夫子,永結為弟昆。遂空所坐堂,安居奉我歡。
誰肯艱難際,豁達露心肝。』
別來歲月周,胡羯仍構患。何時有翅翎,飛去墮爾前?』
#1
憶(おも)う 昔 賊を避けし初め、北に走って険難(けんなん)を経(へ)たり。
夜は深し 彭衙(ほうが)の道、月は照る 白水(はくすい)の山。
室(しつ)を尽くして久しく徒歩す、人に逢えば厚顔(こうがん)多し。
参差(しんし)として谷鳥(こくちょう)鳴き、遊子(ゆうし)還(かえ)るを見ず。
痴女(ちじょ)は飢(う)えて我れを咬(か)み、啼(な)いて畏(おそ)る 虎狼(ころう)の聞ゆるを。
中(うち)に懐(いだ)いて其の口を掩(おお)えば、反側(はんそく)して声愈々(いよいよ)嗔(いか)る。
小児(しょうに)は強(し)いて事を解し、故(ことさ)らに苦李(くり)を索(もと)めて餐(くら)う。』
#2
一旬(いちじゅん) 半(なか)ばは雷雨、泥濘(でいねい) 相(あい)攀牽(はんけん)す。
既に雨を禦(ふせ)ぐ備え無く、径(みち)滑かにして衣(い)又寒し。
時(とき)有りて契闊(けつかつ)たるを経(ふ)、竟日(きょうじつ) 数里の間(かん)。
野果(やか)を餱糧(こうりょう)に充(あ)て、卑枝(ひし)を屋椽(おくてん)と成(な)す。
早(あした)には行く 石上(せきじょう)の水、暮(くれ)には宿る 天辺(てんぺん)の煙。』
#3
少(しば)らく同家窪(どうかあ)に留(とど)まり、蘆子関(ろしかん)に出でんと欲す。
故人(こじん) 孫宰(そんさい)有り、高義(こうぎ) 曾雲(そううん)に薄(せま)る。
客を延(ひ)くとき己に曛黒(くんこく)なり 燈を張りて重門(ちょうもん)を啓(ひら)く。
湯を暖めて我が足を濯(あら)わしめ 紙を剪(き)って我が魂を招(まね)く』
#4
此(これ)従(より)妻孥(さいど)を出す 相視て涕(なみだ)闌幹(らんかん)たり。
衆雛(しゅうすう) 爛漫(らんまん)として睡(ねむ)る、喚び 起して 盤飧(ばんそん)に 沾(うるお)わしむ。
誓って将に夫子(ふうし)と、永く結び て 弟昆(ていこん)と為らんと す と。
遂に坐する所の堂を空(むな)しくして、居を安(あんじ)て 我が歓(よろこび)を奉ず。
誰か 肯(あえ)て 艱難(かんなん)の際、豁達(かつたつ) 心肝(しんかん)を露(あら)わさん。』
別来(べつらい) 歳月周(めぐ)る 胡羯(こけつ) 仍(なお) 患(うれい)を構(かも)う
何時(いつ)か 翅翎(しれい)有って 飛び去って爾(なんじ)が前に堕(おつ)べき。』
| 唐宋詩 (Ⅰ李商隠Ⅱ韓退之(韓愈)) | ||











