杜甫《放船》(忠州から雲安(四川省雲陽県)まで長江を下るときの岸辺の寒々としたようすが詠われている。)忠州を発って長江の急流に差し掛かったので帆を片づけ、幔幕を巻いて次々と早瀬を左右に回りながら水を追うようにして進む。
765年永泰元年54歲-63 《草堂逸詩拾遺。放船》 杜甫index-15 杜甫<863> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5060
杜甫詩1500-863-1183/2500 765年永泰元年54歲-63
年:765年永泰元年54歲
卷別: 卷二三四 文體: 五言律詩
詩題: 放船【草堂逸詩拾遺。】
忠州では江辺の龍興寺に滞在し、華陰(陝西省華陰県)にかえる厳武の柩を見送っている。
杜甫は忠州に三か月ほど滞在した。持病の悪化を治すためであった。忠州を離れたのは九月になってからである。
詩は忠州から雲安(四川省雲陽県)まで長江を下るときの作とされており、岸辺の寒々としたようすが詠われている。長江に秋は深まり、雲安城下に船を繋いだのは、日暮れのまだ暗くならない時刻であった。
放船【草堂逸詩拾遺。】
(忠州から雲安(四川省雲陽県)まで長江を下るときの岸辺の寒々としたようすが詠われている。)
收帆下急水,卷幔逐回灘。
忠州を発って長江の急流に差し掛かったので帆を片づけ、幔幕を巻いて次々と早瀬を左右に回りながら水を追うようにして進む。
江市戎戎暗,山雲淰淰寒。
長江沿いの市街地には晩煙がさかんに揚がって暗くなるほどであり、そこに、山から湧き出る雲は何処の治まるのかゆらゆらあがっていくのを見ると寒さを覚えるのである。
荒林無徑入,獨鳥怪人看。
山は、入るべき小路もなく荒れ果てた林が続く、その中から、「怪し良い人か」と、こちらをにらんでいる一羽の鳥がいる。
已泊城樓底,何曾夜色闌。
やがて、雲安の城樓の街中に宿を見つけたが、宿で落ち着いてみると、まだまだ夜の盛りで、まだまだ更けていない、何と早く着いたものかと思うのだ。
(船を放つ)
帆を収めて急水)を下り、幔を巻き 灘を回りて 逐う。
江市 戎戎として暗く、山雲淰淰【せんせん】として寒し。
荒林入るに径【こみち】無く、独鳥人を怪しみて看る。
已に泊す 城楼の底、何ぞ曾て夜色闌【たけなわ】ならん。
『放船』 現代語訳と訳註解説
(本文)
放船【草堂逸詩拾遺。】
收帆下急水,卷幔逐回灘。
江市戎戎暗,山雲淰淰寒。
荒林無徑入,獨鳥怪人看。
已泊城樓底,何曾夜色闌。
(下し文)
(船を放つ)
帆を収めて急水)を下り、幔を巻き 灘を回りて 逐う。
江市 戎戎として暗く、山雲淰淰【せんせん】として寒し。
荒林入るに径【こみち】無く、独鳥人を怪しみて看る。
已に泊す 城楼の底、何ぞ曾て夜色闌【たけなわ】ならん。
(現代語訳)
(忠州から雲安(四川省雲陽県)まで長江を下るときの岸辺の寒々としたようすが詠われている。)
忠州を発って長江の急流に差し掛かったので帆を片づけ、幔幕を巻いて次々と早瀬を左右に回りながら水を追うようにして進む。
長江沿いの市街地には晩煙がさかんに揚がって暗くなるほどであり、そこに、山から湧き出る雲は何処の治まるのかゆらゆらあがっていくのを見ると寒さを覚えるのである。
山は、入るべき小路もなく荒れ果てた林が続く、その中から、「怪し良い人か」と、こちらをにらんでいる一羽の鳥がいる。
やがて、雲安の城樓の街中に宿を見つけたが、宿で落ち着いてみると、まだまだ夜の盛りで、まだまだ更けていない、何と早く着いたものかと思うのだ。
(訳注)
放船【草堂逸詩拾遺。】
(忠州から雲安(四川省雲陽県)まで長江を下るときの岸辺の寒々としたようすが詠われている。)
765年9月から春まで雲安宮經にて過ごす。【草堂逸詩拾遺。】雲安で病気療養中に整理したためこの位置に置く。
○放船 船で出発したということ。
收帆下急水,卷幔逐回灘。
忠州を発って長江の急流に差し掛かったので帆を片づけ、幔幕を巻いて次々と早瀬を左右に回りながら水を追うようにして進む。
○收帆・卷幔 風がある内にかかわらず、急流に差し掛かるので帆や幔幕を巻き上げてしっかり括り付ける。この二句は、流れに逆らわず水流に乗って下ることをいう。
江市戎戎暗,山雲淰淰寒。
長江沿いの市街地には晩煙がさかんに揚がって暗くなるほどであり、そこに、山から湧き出る雲は何処の治まるのかゆらゆらあがっていくのを見ると寒さを覚えるのである。
○江市 長江沿いの市街地
○戎戎 ここは市街地の夕飯の支度の煙が谷間に充満することをいう。
○山雲 雲は、谷間、岩間、洞窟から湧き出るとされていた。ここでは煙と雲とで暗くなることをいう。
○淰淰 湧き出る雲が、留まることもなく曇ってきた厚い雲まで上がってゆくさまをいう。
荒林無徑入,獨鳥怪人看。
山は、入るべき小路もなく荒れ果てた林が続く、その中から、「怪し良い人か」と、こちらをにらんでいる一羽の鳥がいる。
○無徑入 入るべき小路もないことをいう。
已泊城樓底,何曾夜色闌。
やがて、雲安の城樓の街中に宿を見つけたが、宿で落ち着いてみると、まだまだ夜の盛りで、まだまだ更けていない、何と早く着いたものかと思うのだ。
○城樓底 城郭樓の下の繁華街のようなところ。

































