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留別王侍御維 孟浩然
王維侍御に詩を書き残して別れ行く。
寂寂竟何待,朝朝空自歸。
ひっそりとして何のおとさた進展もなく、この上何を待っていたらよいというのか。 毎朝いつも、むなしく自分から決着をつけて決断して帰ることにする。
欲尋芳草去,惜與故人違。
この上は、芳(かぐわ)しい草の咲くところや薬草を尋ねて隠棲したしようと去る。残念なことだが、古くからの友人の王維君と別れることとなる。
當路誰相假,知音世所稀。
重要な地位についている者の誰に頼っていこうかとしても王維君あなたぐらいのものしかいない。真実の理解者は、世に稀(まれ)なものということだ。
祗應守索寞,還掩故園扉。
ただ、こうなったら、隠遁者の侘(わ)び・寂(さ)びの気持ちを固守していくのだ。なおまた、故郷の隠棲居所のトビラを閉ざして浮き世との交渉を断とうとおもっている。
王侍御維に留別す
寂寂(せきせき) 竟つひに何をか待たん,朝朝(てうてう) 空しく自(みづ)から歸る。
芳草(はうさう)を 尋(たづね)んと欲ほっして去り,惜をしむらくは 故人と違たがふ。
當路(たう ろ) 誰(たれ)か 相(あひ)假(かり)ん,知音(ち いん) 世に稀(まれ)なる所。
祗(ただ)應(まさ)に 索寞(さくばく)を守り,還(また) 故園の扉を掩(おほふ)べし。
現代語訳と訳註
(本文) 留別王侍御維
寂寂竟何待,朝朝空自歸。
欲尋芳草去,惜與故人違。
當路誰相假,知音世所稀。
祗應守索寞,還掩故園扉。
(下し文) 王侍御維に留別す
寂寂せきせき 竟つひに何をか待たん,朝朝てうてう 空しく自みづから歸る。
芳草はうさうを 尋たづねんと欲ほっして去り,惜をしむらくは 故人と違たがふ。
當路たう ろ 誰たれか 相あひ假かりん,知音ち いん 世に稀まれなる所。
祗ただ應まさに 索寞さくばくを守り,還また 故園の扉を掩おほふべし。
(現代語訳)
王維侍御に詩を書き残して別れ行く。
ひっそりとして何のおとさた進展もなく、この上何を待っていたらよいというのか。 毎朝いつも、むなしく自分から決着をつけて決断して帰ることにする。
この上は、芳(かぐわ)しい草の咲くところや薬草を尋ねて隠棲したしようと去る。残念なことだが、古くからの友人の王維君と別れることとなる。
重要な地位についている者の誰に頼っていこうかとしても王維君あなたぐらいのものしかいない。真実の理解者は、世に稀(まれ)なものということだ。
ただ、こうなったら、隠遁者の侘(わ)び・寂(さ)びの気持ちを固守していくのだ。なおまた、故郷の隠棲居所のトビラを閉ざして浮き世との交渉を断とうとおもっている。
(訳注)
留別王侍御維
王維侍御に詩を書き残して別れ行く。
○就職活動で挫折して、不本意なまま郷里に帰っていく時の詩になろう。
○留別 旅立つ人が詩を書き残して別れる。とどまる人へのいとまごいの詩を作る。「送別」の対義語。○王侍御維 侍御の官位にある王維。〔姓+官職+名〕と表現する。王維侍御。 ○侍御 天子の側に仕える官。
寂寂竟何待、朝朝空自歸。
ひっそりとして何のおとさた進展もなく、この上何を待っていたらよいというのか。 毎朝いつも、むなしく自分から決着をつけて決断して帰ることにする。
○寂寂 ひっそりとして寂しい。 ○竟 ついに。とうとう。 ○何 何をか。反問、反語の語気。 ○待 まつ。待機する。○朝朝 毎朝。朝朝には白居易の『長恨歌』に「聖主朝朝暮暮情」楚の襄王が巫山で夢に神女と契った時、神女は朝は巫山の雲となり夕べには雨になるといった故事がある。宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの)があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」に基づく。○空 いたずらに。むなしく。○自歸 自分で結末をつける。自分から諦めて帰る意で、決意して帰ること。
欲尋芳草去、惜與故人違。
この上は、芳(かぐわ)しい草の咲くところや薬草を尋ねて隠棲したしようと去る。残念なことだが、古くからの友人の王維君と別れることとなる。
○欲 …たい。…う。 ○尋 訪問する。たずねる。○芳草 よいかおりのする草。春の草。薬草を摘みとる。○尋…去:…を訪問しに行く。○惜 残念な(ことには)。惜しい(ことには)。 ○與 …と。○故人 古くからの友だち。旧友。ここでは、王維を指す。 ○違 離れる。遠ざかる。去る。
當路誰相假、知音世所稀。
重要な地位についている者の誰に頼っていこうかとしても王維君あなたぐらいのものしかいない。真実の理解者は、世に稀(まれ)なものということだ。
○當路 重要な地位についている者。要路にいる者。 ○相 …ていく。○假 借りる。よる。請う。○知音 知己。自分の琴の演奏の良さを理解していくれる親友のこと。伯牙は琴を能くしたが、鍾子期はその琴の音によって、伯牙の心を見抜いたという。転じて自分を理解してくれる知人。 ○所- …(とする)ところ。動詞などに附いて、名詞化するする働きをする。○稀 まれ(だ)。
祗應守索寞、還掩故園扉。
ただ、こうなったら、隠遁者の侘(わ)び・寂(さ)びの気持ちを固守していくのだ。なおまた、故郷の隠棲居所のトビラを閉ざして浮き世との交渉を断とうとおもっている。
○祗應 ただ…だけだろう。ただまさに。ちょうど…だろう。=只應。○祗 只(ただ)。○應 当然…であろう。まさに…べし。○守 固持する。○索寞 失意のさま。もの寂しいさま。○還 また。なおもまた。 ・掩 閉じる。 ・故園 故郷。現・湖北省襄陽の鹿門山。 ○扉 とびら。開き戸。ここでは柴扉のことで、粗末な隠居所の扉の意になる。 ○掩 …扉 トビラを閉ざして(浮き世との交渉を断つ)。
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