漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之のブログ 女性詩、漢詩・建安六朝・唐詩・李白詩 1000首:李白集校注に基づき時系列に訳注解説

李白の詩を紹介。青年期の放浪時代。朝廷に上がった時期。失意して、再び放浪。李白の安史の乱。再び長江を下る。そして臨終の歌。李白1000という意味は、目安として1000首以上掲載し、その後、系統別、時系列に整理するということ。 古詩、謝霊運、三曹の詩は既掲載済。女性詩。六朝詩。文選、玉臺新詠など、李白詩に影響を与えた六朝詩のおもなものは既掲載している2015.7月から李白を再掲載開始、(掲載約3~4年の予定)。作品の作時期との関係なく掲載漏れの作品も掲載するつもり。李白詩は、時期設定は大まかにとらえる必要があるので、従来の整理と異なる場合もある。現在400首以上、掲載した。今、李白詩全詩訳注掲載中。

▼絶句・律詩など短詩をだけ読んでいたのではその詩人の良さは分からないもの。▼長詩、シリーズを割席しては理解は深まらない。▼漢詩は、諸々の決まりで作られている。日本人が読む漢詩の良さはそういう決まり事ではない中国人の自然に対する、人に対する、生きていくことに対する、愛することに対する理想を述べているのをくみ取ることにあると思う。▼詩人の長詩の中にその詩人の性格、技量が表れる。▼李白詩からよこみちにそれているが、途中で孟浩然を45首程度(掲載済)、謝霊運を80首程度(掲載済み)。そして、女性古詩。六朝、有名な賦、その後、李白詩全詩訳注を約4~5年かけて掲載する予定で整理している。
その後ブログ掲載予定順は、王維、白居易、の順で掲載予定。▼このほか同時に、Ⅲ杜甫詩のブログ3年の予定http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-tohoshi/、唐宋詩人のブログ(Ⅱ李商隠、韓愈グループ。)も掲載中である。http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/,Ⅴ晩唐五代宋詞・花間集・玉臺新詠http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-godaisoui/▼また漢詩理解のためにHPもいくつかサイトがある。≪ kanbuniinkai ≫[検索]で、「漢詩・唐詩」理解を深めるものになっている。
◎漢文委員会のHP http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/profile1.html
Author:漢文委員会 紀 頌之です。
大病を患い大手術の結果、半年ぶりに復帰しました。心機一転、ブログを開始します。(11/1)
ずいぶん回復してきました。(12/10)
訪問ありがとうございます。いつもありがとうございます。
リンクはフリーです。報告、承諾は無用です。
ただ、コメント頂いたても、こちらからの返礼対応ができません。というのも、
毎日、6 BLOG,20000字以上活字にしているからです。
漢詩、唐詩は、日本の詩人に大きな影響を残しました。
だからこそ、漢詩をできるだけ正確に、出来るだけ日本人の感覚で、解釈して,紹介しています。
体の続く限り、広げ、深めていきたいと思っています。掲載文について、いまのところ、すべて自由に使ってもらって結構ですが、節度あるものにして下さい。
どうぞよろしくお願いします。

2013年08月

揚雄 《甘泉賦 》(20)#6-4 文選 賦<108-#19>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩873 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2913

揚雄 《甘泉賦 (20) 龍淵に潜むところから浮かんで、それから九霊地の黄泉國を巡り見て、地上へ戻られた。風は強く吹き寄せて車輪を支え、鸞や鳳凰がいり乱れて、車のひもをくわえて助けて飛ぶ。


2013年8月31日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 天仙子 其五 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-274-5-#28  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2917
 
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
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揚雄 《甘泉賦 (20)6-4 文選 賦<108-#199分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩873 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2913

 

 

(17)#6-1

於是事變物化,目駭耳回,蓋天子穆然,珍臺閒館,

 しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、静かに座られているのであろう。

琁題玉英,蜎蠖濩之中。

しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

これこそ、心を澄ませ、魂を清め、精神を集中し、思索をめぐらし、大地を感動させ、そして大・地・人の神々より幸福を授けられるためのやり方なのである。

 

 

(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

そこで大半は、己の輔佐となる仲間、たとえば、皐陶・伊尹のように、卓絶した能力のあるものを探し求められる。

函甘棠之惠,挾東征之意,

かの召公が人民に恩恵を施し・周公が東征をして砦安害せた、そうした人物を得ようと願われる。

相與齊乎陽靈之宮。

そして、選び出された者たちとともに、天神の宮殿で斎戒を行われる。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

天子は、薜荔を敷いて席とし、玉の枝を折って、香として身につけ、空に流れる霞を吸い、若木の輝く露を飲まれる。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

 

(19)#6-3

集虖禮神之囿,登虖頌祇之堂。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

建光燿之長兮,昭華覆之威威。

天子の車は、光り輝く長いを立てて、華もようの車蓋はまことに壮観である。

攀琁璣而下視兮,行遊目虖三危。

こうして天子は、北斗七星によじ登って下を見おろし、三危山に目をやられる。

陳衆車於東阬兮,肆玉釱而下馳。

供の者とともに多くの車を東の岡に並べ、玉のくさびをつけた車輪で、勢いよく馳けおりて行かれる。

 

(20)#6-4

漂龍淵而還九垠兮,窺地底而上回。

龍淵に潜むところから浮かんで、それから九霊地の黄泉國を巡り見て、地上へ戻られた。

風傱傱而扶轄兮,鸞鳳紛其御蕤。

風は強く吹き寄せて車輪を支え、鸞や鳳凰がいり乱れて、車のひもをくわえて助けて飛ぶ。

梁弱水之濎濙兮,躡不周之逶蛇。

こうして、弱水を、浅い川を渡るようにのり越え、不周山をも、ゆるやかな丘同然にふみ越える。

想西王母欣然而上壽兮,屏玉女而卻虙妃。

聖母に思いをはせて、心に喜び、長寿を祝う哀をたてまつられた。

 (20)#6-4

龍淵【りゅうえん】に漂【うか】びて九垠【きゅうぎん】を還【めぐ】り,地底を窺【うかが】いて上り回る。

風は傱傱【しょうしょう】として 轄【くさび】を扶け,鸞鳳【らんぽう】紛として其れ御蕤【ぎょすい】す。

弱水の濎濙【ていえい】たるを梁【はりわた】し,不周の逶蛇【いい】たるを躡【ふ】む。

西王母を想い 欣然【きんぜん】として壽【ことほぎ】を上【たてまつ】り,玉女を屏【しりぞ】けて虙妃【ふくひ】を卻【しりぞ】く。

 

 岳陽楼00 












『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (20)#6-4

漂龍淵而還九垠兮,窺地底而上回。

風傱傱而扶轄兮,鸞鳳紛其御蕤。

梁弱水之濎濙兮,躡不周之逶蛇。

想西王母欣然而上壽兮,屏玉女而卻虙妃。

 

 

(下し文) (20)#6-4

龍淵【りゅうえん】に漂【うか】びて九垠【きゅうぎん】を還【めぐ】り,地底を窺【うかが】いて上り回る。

風は傱傱【しょうしょう】として 轄【くさび】を扶け,鸞鳳【らんぽう】紛として其れ御蕤【ぎょすい】す。

弱水の濎濙【ていえい】たるを梁【はりわた】し,不周の逶蛇【いい】たるを躡【ふ】む。

西王母を想い 欣然【きんぜん】として壽【ことほぎ】を上【たてまつ】り,玉女を屏【しりぞ】けて虙妃【ふくひ】を卻【しりぞ】く。

 

 

(現代語訳)

龍淵に潜むところから浮かんで、それから九霊地の黄泉國を巡り見て、地上へ戻られた。

風は強く吹き寄せて車輪を支え、鸞や鳳凰がいり乱れて、車のひもをくわえて助けて飛ぶ。

こうして、弱水を、浅い川を渡るようにのり越え、不周山をも、ゆるやかな丘同然にふみ越える。

聖母に思いをはせて、心に喜び、長寿を祝う哀をたてまつられた。

 

 

(訳注) (20)#6-4

漂龍淵而還九垠兮,窺地底而上回。

龍淵に潜むところから浮かんで、それから九霊地の黄泉國を巡り見て、地上へ戻られた。

・龍淵 〔龍淵に潜む〕とされ、淵の奥深い所にとぐろを巻いて潜んでいるとされる。 「龍淵に潜む」は秋の季語。 龍は中国では霖旱(りんかん)を支配する神力を持った神獣と考えられていた。鬚のないのが蛟。

・九垠 天地のはて。天垠・九垓。九霊地。

地底 黄泉の国。

 

風傱傱而扶轄兮,鸞鳳紛其御蕤。

風は強く吹き寄せて車輪を支え、鸞や鳳凰がいり乱れて、車のひもをくわえて助けて飛ぶ。

 

梁弱水之濎濙兮,躡不周之逶蛇。

こうして、弱水を、浅い川を渡るようにのり越え、不周山をも、ゆるやかな丘同然にふみ越える。

・弱水 中国神話中、神々が住むとされている崑崙山(こんろんさん)から流れ出て、それを取り巻くように流れているとされている川。弱水の水は非常に弱々しく、この川ではどんな軽いものでも沈んでしまうという。

濎濙 浅い川を渡るようにのり越える。

・轄 車輪を止めておくくさび。

・不周 中国神話中の山。中国古代の地理書『山海経(せんがいきょう)』によれば、西北の海の外、大荒(だいこう)の隅にあるという。 「不周」は周囲が円周でなく形が崩れていることで、これには次のようなわけがあるといわれている。

・逶蛇 くねくねと曲がっているさま。

 

想西王母欣然而上壽兮,屏玉女而卻虙妃。

聖母に思いをはせて、心に喜び、長寿を祝う哀をたてまつられた。

・西王母 中国で古くから信仰された女仙、女神。姓は楊、名は回。 九霊太妙亀山金母、太霊九光亀台金母、瑶池金母、王母娘娘などともいう。 王母は祖母の謂いであり、西王母とは、西方の崑崙山上に住する女性の尊称である。

・欣然 よろこんで物事をするさま。

・虙妃 水と川を司る洛水の女神。黄河の神・河伯の妻。黄河にそそぐ川の一つ・洛水(らくすい)と伊川(いせん)が合流するあたりに住んでいる。後に后羿(こうげい)が洛嬪を奪って結婚したという伝説でもある。 「洛神(らくしん)」、「宓妃(ふっぴ)」とも呼ばれる。DCF00118

揚雄 《甘泉賦 》(19)#6-3 文選 賦<108-#18>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩872 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2908

揚雄 《甘泉賦 (19) それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。天子の車は、光り輝く長いを立てて、華もようの車蓋はまことに壮観である。

 

2013年8月30日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html    
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。    
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

揚雄 《甘泉賦 (19)6-3 文選 賦<108-#189分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩872 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2908

 

 

(17)#6-1

於是事變物化,目駭耳回,

しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、静かに座られているのであろう。

蓋天子穆然,珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

これこそ、心を澄ませ、魂を清め、精神を集中し、思索をめぐらし、大地を感動させ、そして大・地・人の神々より幸福を授けられるためのやり方なのである。

 

(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

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函甘棠之惠,挾東征之意,

かの召公が人民に恩恵を施し・周公が東征をして砦安害せた、そうした人物を得ようと願われる。

相與齊乎陽靈之宮。

そして、選び出された者たちとともに、天神の宮殿で斎戒を行われる。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

天子は、薜荔を敷いて席とし、玉の枝を折って、香として身につけ、空に流れる霞を吸い、若木の輝く露を飲まれる。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

 

(19)#6-3

集虖禮神之囿,登虖頌祇之堂。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

建光燿之長兮,昭華覆之威威。

天子の車は、光り輝く長いを立てて、華もようの車蓋はまことに壮観である。

攀琁璣而下視兮,行遊目虖三危。

こうして天子は、北斗七星によじ登って下を見おろし、三危山に目をやられる。

陳衆車於東阬兮,肆玉釱而下馳。

供の者とともに多くの車を東の岡に並べ、玉のくさびをつけた車輪で、勢いよく馳けおりて行かれる。

 

(19)#6-3

禮神の囿【にわ】に集まり,虖頌祇【しょうぎ】の堂に登る。

光燿【こうよう】の長【ちょうしょう】を建て,華覆【かふ】の威威たるを昭らかにす。

琁璣【せんぎ】に攀じて下に視て,行ゆく目を三危に遊ばしむ。

衆車を東阬に陳【つら】ね,玉釱【ぎょくたい】を【ほしいまま】にして下り馳す。

 

 (20)#6-4

漂龍淵而還九垠兮,窺地底而上回。

風傱傱而扶轄兮,鸞鳳紛其御蕤。

梁弱水之濎濙兮,躡不周之逶蛇。

想西王母欣然而上壽兮,屏玉女而卻虙妃。

(21)#6-5

玉女亡所眺其清矑兮,虙妃曾不得施其蛾眉。

方擥道德之精剛兮,眸神明與之為資。

 美女004

 


『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (19)#6-3

集虖禮神之囿,登虖頌祇之堂。

建光燿之長兮,昭華覆之威威。

攀琁璣而下視兮,行遊目虖三危。

陳衆車於東阬兮,肆玉釱而下馳。

 

 

(下し文) (19)#6-3

禮神の囿【にわ】に集まり,虖頌祇【しょうぎ】の堂に登る。

光燿【こうよう】の長【ちょうしょう】を建て,華覆【かふ】の威威たるを昭らかにす。

琁璣【せんぎ】に攀じて下に視て,行ゆく目を三危に遊ばしむ。

衆車を東阬に陳【つら】ね,玉釱【ぎょくたい】を【ほしいまま】にして下り馳す。

 

 

(現代語訳)

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

天子の車は、光り輝く長いを立てて、華もようの車蓋はまことに壮観である。

こうして天子は、北斗七星によじ登って下を見おろし、三危山に目をやられる。

供の者とともに多くの車を東の岡に並べ、玉のくさびをつけた車輪で、勢いよく馳けおりて行かれる。

 

 

(訳注) (19)#6-3

集虖禮神之囿,登虖頌祇之堂。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

 

 

建光燿之長兮,昭華覆之威威。

天子の車は、光り輝く長いを立てて、華もようの車蓋はまことに壮観である。

 はた。

 

 

攀琁璣而下視兮,行遊目虖三危。

こうして天子は、北斗七星によじ登って下を見おろし、三危山に目をやられる。

・琁璣 北斗七星のこと《漢書・天文志》曰:「中宮太極星。其一明者,泰一之常居也。旁三星,三公。環之匡衞十二星,藩臣。皆曰紫宮。北斗七星,所謂『琁璣玉衡,以齊七政』

 

 

陳衆車於東阬兮,肆玉釱而下馳。

供の者とともに多くの車を東の岡に並べ、玉のくさびをつけた車輪で、勢いよく馳けおりて行かれる。

・三危 古代より神霊の山、三危山のこと。約1600年前、楽僧和尚が行脚で通りかかると三危山が金色に輝き千仏の姿が見えたので、対岸に莫高窟を開いたと言われる聖山である。幻日環01

揚雄 《甘泉賦 》(18)#6-2 文選 賦<108-#17>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩871 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2903

揚雄 《甘泉賦 (18) しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。


2013年8月29日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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揚雄 《甘泉賦 》(18)#6-2 文選 賦<108-#17>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩871 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2903
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2 謝靈運 《善哉行》 宋詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2906 (08/29)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。   
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html   
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

揚雄 《甘泉賦 (18)6-2 文選 賦<108-#179分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩871 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2903

 

 

(17)#6-1

於是事變物化,目駭耳回,

蓋天子穆然,珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

函甘棠之惠,挾東征之意,

相與齊乎陽靈之宮。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

(19)#6-3

集虖禮神之囿,登虖頌祇之堂。

建光燿之長兮,昭華覆之威威。

攀琁璣而下視兮,行遊目虖三危。

陳衆車於東阬兮,肆玉釱而下馳。

(20)#6-4

漂龍淵而還九垠兮,窺地底而上回。

風傱傱而扶轄兮,鸞鳳紛其御蕤。

梁弱水之濎濙兮,躡不周之逶蛇。

想西王母欣然而上壽兮,屏玉女而卻虙妃。

(21)#6-5

玉女亡所眺其清矑兮,虙妃曾不得施其蛾眉。

方擥道德之精剛兮,眸神明與之為資。

 

是に於いて事変じ物化し、目駭き耳回る。

蓋し天子 ,珍臺【ちんだい】閒館【かんかん】,琁題【せんだい】玉英,蜎【えんえん】蠖濩【わくかく】の中に穆然【ぼくぜん】たり。

惟れ夫の心を澄まし魂を清くし,精を儲【たくわ】え思を垂れ,天地を感動せしめ,釐【わざわ】い三神に逆【むか】うる所以【ゆえん】の者なり。

(18)#6-2

【すなわ】ち【たぐい】を【えら】び【たぐい】を【もと】め,皋伊【こうい】の【ともがら】、【りん】に冠たり能に魁【かい】たり

甘棠【かんどう】の惠を函【ふく】み,東征の意を挾む,

相い與【とも】に陽靈の宮に齊【ものいみ】す

薜荔【へいれい】を靡かせて席【しきもの】と為し,瓊枝けいし】を折りて以て芳と為す。

清雲の流瑕【りゅうか】を【す】い,若木【じゃくぼく】の露英を飲む。

 4岳陽樓詩人003




















(17)
#6-1

於是事變物化,目駭耳回,

ここでは、事物が変化に富んでおり、人の目を驚かせ、耳を惑わすのである。

蓋天子穆然,珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

これこそ、心を澄ませ、魂を清め、精神を集中し、思索をめぐらし、大地を感動させ、そして大・地・人の神々より幸福を授けられるためのやり方なのである。

 

(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

そこで大半は、己の輔佐となる仲間、たとえば、皐陶・伊尹のように、卓絶した能力のあるものを探し求められる。

函甘棠之惠,挾東征之意,

かの召公が人民に恩恵を施し・周公が東征をして砦安害せた、そうした人物を得ようと願われる。

相與齊乎陽靈之宮。

そして、選び出された者たちとともに、天神の宮殿で斎戒を行われる。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

天子は、薜荔を敷いて席とし、玉の枝を折って、香として身につけ、空に流れる霞を吸い、若木の輝く露を飲まれる。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。


sunrise002




『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

函甘棠之惠,挾東征之意,

相與齊乎陽靈之宮。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

 

 

(下し文)

【すなわ】ち【たぐい】を【えら】び【たぐい】を【もと】め,皋伊【こうい】の【ともがら】、【りん】に冠たり能に魁【かい】たり

甘棠【かんどう】の惠を函【ふく】み,東征の意を挾む,

相い與【とも】に陽靈の宮に齊【ものいみ】す

薜荔【へいれい】を靡かせて席【しきもの】と為し,瓊枝けいし】を折りて以て芳と為す。

清雲の流瑕【りゅうか】を【す】い,若木【じゃくぼく】の露英を飲む。

 

 

(現代語訳)

そこで大半は、己の輔佐となる仲間、たとえば、皐陶・伊尹のように、卓絶した能力のあるものを探し求められる。

かの召公が人民に恩恵を施し・周公が東征をして砦安害せた、そうした人物を得ようと願われる。

そして、選び出された者たちとともに、天神の宮殿で斎戒を行われる。

天子は、薜荔を敷いて席とし、玉の枝を折って、香として身につけ、空に流れる霞を吸い、若木の輝く露を飲まれる。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

 

 

(訳注)(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

そこで大半は、己の輔佐となる仲間、たとえば、皐陶・伊尹のように、卓絶した能力のあるものを探し求められる。

皋 皐陶. 【こうよう】 帝舜に仕えた賢人。法を制定し司法長官となる。皐陶が法を司るようになると悪人が減ったという。 

・伊 伊尹【いいん】中国,殷王朝創始期の伝説的な賢臣。名は摯,阿衡あるいは保衡と号す。年70まで有莘氏の国で農耕に従事したが,有莘君の娘が殷の湯王の妃となると,料理番としてそれに従い,料理にたとえて湯王に政治を説き,宰相に任ぜられた。そののち湯王を助けて夏の桀王を討ち滅ぼし,殷王朝を開くのに力があった。湯王の死後,孫の太甲が位につくと暴虐であったので,伊尹は彼を桐宮に追放し,3年ののち,悔悟した太甲を再び都に迎えた。臣下として主君を押し込めたこと,簒奪ではないかと,後々議論となるところである(《孟子》尽心上篇など)

 

函甘棠之惠,挾東征之意,

かの召公が人民に恩恵を施し・周公が東征をして砦安害せた、そうした人物を得ようと願われる。

・東征 周公東征のこと。周公:中国,西周王朝建国の功臣。生没年不明。本名は姫旦(きたん),周公旦ともいう。周の文王の子。武王の弟。武王を助けて殷王朝を滅ぼし,武王の死後は幼い成王を助け摂政となった。周公の弟の管叔,蔡叔らが殷の紂王の子の武庚と結んで反乱をおこすと,東征を行って反乱者を鎮圧するとともに東方の異民族たちを平定。さらに周王朝の東方支配の拠点として東都洛邑(成周)を建設した。また周代の多くの礼楽制度が周公によって定められたとされ,《周礼(しゆらい)》《儀礼(ぎらい)》《易経》の爻辞(こうじ)なども,伝説的には周公の著述とされる。

・甘棠の惠/甘棠の詠(かんとうのえい) 人々が為政者の徳を称(たた)えること。 故事:中国、周の宰相召公噎が甘棠樹の下で民の訴訟を聞き、公平に裁断したので、民が召公の徳を慕い甘棠の詩(「詩経-召南」所収)を作り詠(うた)った。

 

相與齊乎陽靈之宮。

そして、選び出された者たちとともに、天神の宮殿で斎戒を行われる。

・陽靈 天神。

 

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

天子は、薜荔を敷いて席とし、玉の枝を折って、香として身につけ、空に流れる霞を吸い、若木の輝く露を飲まれる。

・薜荔 オオイタビはクワ科イチジク属の常緑つる性木本。東アジア南部に分布し、日本では関東南部以西、特に海岸近くの暖地に自生し、栽培もされる。茎から出る気根で固着しながら木や岩に這い登る。オオイタビの名は、イタビカズラに似て大型であることによる。台湾に生育する変種のアイギョクシは果実を食用に用いる。

・瓊枝 1 玉で飾った美しい枝。また、玉がなるという珍しい木。2 皇族の子孫のたとえ。けいしせんだん【瓊枝栴檀】《「秇林伐山」五から》徳の備わった人。また、すぐれた詩文のたとえ。

 

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

それから、天神を祭る庭に集まり、神をたたえる堂に登られる。

 桑摘女00

揚雄 《甘泉賦 》(17)#6-1 文選 賦<108-#16>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩870 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2898

揚雄 《甘泉賦 (17) しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。

 

2013年8月28日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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揚雄 《甘泉賦 》(17)#6-1 文選 賦<108-#16>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩870 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2898
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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遊城南十六首:落花 韓愈(韓退之) <172>Ⅱ中唐詩783 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2899
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor 送梓州李使君之任 蜀中転々 杜甫 <535-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2900 杜甫詩1000-535-#2-774/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2 楽府歌辭 《善哉行》 漢詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 2901 (08/28)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 天仙子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-271-5-#25  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2902
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html   
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304   
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html   
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html   
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html   
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html   
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。   
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html   
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

揚雄 《甘泉賦 (17)6-1 文選 賦<108-#169分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩870 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2898

 

 

(17)#6-1

冬00於是事變物化,目駭耳回,

蓋天子穆然,珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,

函甘棠之惠,挾東征之意,

相與齊乎陽靈之宮。

靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。

噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

(19)#6-3

集虖禮神之囿,登虖頌祇之堂。

建光燿之長兮,昭華覆之威威。

攀琁璣而下視兮,行遊目虖三危。

陳衆車於東阬兮,肆玉釱而下馳。

(20)#6-4

漂龍淵而還九垠兮,窺地底而上回。

風傱傱而扶轄兮,鸞鳳紛其御蕤。

梁弱水之濎濙兮,躡不周之逶蛇。

想西王母欣然而上壽兮,屏玉女而卻虙妃。

(21)#6-5

玉女亡所眺其清矑兮,虙妃曾不得施其蛾眉。

方擥道德之精剛兮,眸神明與之為資。

 

是に於いて事変じ物化し、目駭き耳回る。

蓋し天子 ,珍臺【ちんだい】閒館【かんかん】,琁題【せんだい】玉英,蜎【えんえん】蠖濩【わくかく】の中に穆然【ぼくぜん】たり。

惟れ夫の心を澄まし魂を清くし,精を儲【たくわ】え思を垂れ,天地を感動せしめ,釐【わざわ】い三神に逆【むか】うる所以【ゆえん】の者なり。

(18)#6-2

【すなわ】ち【たぐい】を【えら】び【たぐい】を【もと】め,皋伊【こうい】の【ともがら】、【りん】に冠たり能に魁【かい】たり

甘棠【かんどう】の惠を函【ふく】み,東征の意を挾む,

相い與【とも】に陽靈の宮に齊【ものいみ】す

薜荔【へいれい】を靡かせて席【しきもの】と為し,瓊枝けいし】を折りて以て芳と為す。

清雲の流瑕【りゅうか】を【す】い,若木【じゃくぼく】の露英を飲む。

 

 

(17)#6-1

於是事變物化,目駭耳回,

ここでは、事物が変化に富んでおり、人の目を驚かせ、耳を惑わすのである。

蓋天子穆然,珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

 これこそ、心を澄ませ、魂を清め、精神を集中し、思索をめぐらし、大地を感動させ、そして大・地・人の神々より幸福を授けられるためのやり方なのである。

 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (17)#6-1

於是事變物化,目駭耳回,

蓋天子穆然,珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,感動天地,逆釐三神者。

 

 

(下し文)

是に於いて事変じ物化し、目駭き耳回る。

蓋し天子 ,珍臺【ちんだい】閒館【かんかん】,琁題【せんだい】玉英,蜎【えんえん】蠖濩【わくかく】の中に穆然【ぼくぜん】たり。

惟れ夫の心を澄まし魂を清くし,精を儲【たくわ】え思を垂れ,天地を感動せしめ,釐【わざわ】い三神に逆【むか】うる所以【ゆえん】の者なり。

 

 

(現代語訳)

ここでは、事物が変化に富んでおり、人の目を驚かせ、耳を惑わすのである。

しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。

これこそ、心を澄ませ、魂を清め、精神を集中し、思索をめぐらし、大地を感動させ、そして大・地・人の神々より幸福を授けられるためのやり方なのである。

 

 

(訳注) (17)#6-1

於是事變物化,目駭耳回,

ここでは、事物が変化に富んでおり、人の目を驚かせ、耳を惑わすのである。

 

蓋天子穆然,珍臺閒館,

琁題玉英,蜎蠖濩之中。

しかし、大体には天子は、この美しくて閑静な楼閣の中で、たるきの端に美玉が輝き、曲がりくねった彫刻が施されたその中に、他日を期待して静かに座られているのであろう。

・琁題 たるきの端

・珍臺 めずらしく美しい楼閣。

閒館 しずかな館。

 屋内居室のおくふかいところでひろくひろがっているひろい部屋。 蜎:ぼうふら。たわむ。くっきょくする。

・蠖濩 人が他日を期待してじっと実を屈していること。蠖:尺取虫、濩:しく。

 

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,

感動天地,逆釐三神者。

これこそ、心を澄ませ、魂を清め、精神を集中し、思索をめぐらし、大地を感動させ、そして大・地・人の神々より幸福を授けられるためのやり方なのである。

 4岳陽樓詩人003

揚雄 《甘泉賦 》(16)#5-2 文選 賦<108-#15>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩869 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2893

揚雄 《甘泉賦 》(16) 風が吹いて帷帳を抜け、それを拂い、素早く通り抜ける。風は、しだいにおさまり、ひっそりと静まる。風の音は、陰と陽、清と濁が、美しい羽に互いに収斂し和んでいく。七音の調和すること、塵や仙牙が琴を演奏しているかのようである。
 

2013年8月27日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
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李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

揚雄 《甘泉賦 》(16)#5-2 文選 賦<108-#159分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩869 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2893

 

 

(15)#5-1

回猋肆其碭駭兮,桂椒而鬱杼楊。

つむじ風がさっと吹き過ぎ、宮殿の周囲の桂や山椒やの樹々を押しわけては、よせあつめ鬱蒼となる。

香芬茀以窮隆兮,擊薄櫨而將榮。

風は樹の香りをのせ、馥郁として広がり、柱の上のます形へ届き、軒下まで及ぶ。

肸以根兮,聲隱而歷鍾。

香りは、たちまち散じて混じり合い、風は大きな音をたてて鐘を揺り動かす。

排玉而颺金鋪兮,發蘭惠與𦲄藭。

さらには、玉の戸を押し開き、扉の金の飾りを吹き上げ、蘭惠𦲄藭の香りをまき散らす。

 (16)#5-2

帷弸其拂汨兮,稍暗暗而靚深。

風が吹いて帷帳を抜け、それを拂い、素早く通り抜ける。風は、しだいにおさまり、ひっそりと静まる。

陰陽清濁穆羽相和兮,若夔牙之調琴。

風の音は、陰と陽、清と濁が、美しい羽に互いに収斂し和んでいく。七音の調和すること、塵や仙牙が琴を演奏しているかのようである。

棄其剞劂兮,王爾投其鉤繩。

この宮殿の建築の奇巧なることは古の名匠工の、公輸般・・玉爾たちでさえ、彫刻刀や大工道具を投げ出すほどである。

雖方征僑與偓佺兮,猶彷彿其若夢。

たとえ征偓佺といった仙人たちであっても、その日には、この宮殿は、夢のようにぼんやりとしたものとしてしかうつらないであろう。

 

(15)#5-1

回猋【かいよう】肆【はや】くして其れ碭駭【とうがい】し,桂椒【けいしょう】を【ひら】きて杼楊【いよう】を【あつ】む

香り芬茀【ふんふつ】として以て窮隆【きゅうりゅう】たり,薄櫨【はくろ】をちて【のきに【およ】】ぶ

【かお】り【てつきつ】として以て【こんこん】し,聲は【ほういん】として鍾を歷【ふ】す

【ぎょくこ】を【おしひら】きて金鋪を颺【あ】げ,蘭惠【らんけい】𦲄藭【きゅうきゅう】とを發す

(16)#5-2

帷【とばり】弸【ほうこう】として其れ拂汨【ふついつ】たり,稍【ようや】く暗暗として靚深【せいしん】たり

陰陽 清濁 穆羽【ぼくう】相い和し,夔牙【きが】の琴を調ぶるが若し。

【はんすい】其の剞劂【きけつ】を棄て,王爾【おうじ】其の鉤繩【こうじょう】を投ぐ。

方に征僑【せいきょう】と偓佺【あくぜん】と,猶お彷彿【ほうふつ】として其れ夢の若し。

曹植5x5 

 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

 (本文) (16)#5-2

帷弸其拂汨兮,稍暗暗而靚深。

陰陽清濁穆羽相和兮,若夔牙之調琴。

棄其剞劂兮,王爾投其鉤繩。

雖方征僑與偓佺兮,猶彷彿其若夢。

 

 

 

(下し文) (16)#5-2

帷【とばり】弸【ほうこう】として其れ拂汨【ふついつ】たり,稍【ようや】く暗暗として靚深【せいしん】たり

陰陽 清濁 穆羽【ぼくう】相い和し,夔牙【きが】の琴を調ぶるが若し。

【はんすい】其の剞劂【きけつ】を棄て,王爾【おうじ】其の鉤繩【こうじょう】を投ぐ。

方に征僑【せいきょう】と偓佺【あくぜん】と,猶お彷彿【ほうふつ】として其れ夢の若し。

 

 

(現代語訳)

風が吹いて帷帳を抜け、それを拂い、素早く通り抜ける。風は、しだいにおさまり、ひっそりと静まる。

風の音は、陰と陽、清と濁が、美しい羽に互いに収斂し和んでいく。七音の調和すること、塵や仙牙が琴を演奏しているかのようである。

この宮殿の建築の奇巧なることは古の名匠工の、公輸般・・玉爾たちでさえ、彫刻刀や大工道具を投げ出すほどである。

たとえ征偓佺といった仙人たちであっても、その日には、この宮殿は、夢のようにぼんやりとしたものとしてしかうつらないであろう。

 

 

(訳注) (16)#5-2

帷弸其拂汨兮,稍暗暗而靚深。

風が吹いて帷帳を抜け、それを拂い、素早く通り抜ける。風は、しだいにおさまり、ひっそりと静まる。

 風が吹いて帷帳を抜ける時におとをだす。又、弓聲。あるいは戸のきしみ音。

・汨 水が音をたてて流れるようす。通る。早くいく。しずみかくれること。きよいさま。

 

陰陽清濁穆羽相和兮,若夔牙之調琴。

風の音は、陰と陽、清と濁が、美しい羽に互いに収斂し和んでいく。七音の調和すること、塵や仙牙が琴を演奏しているかのようである。

・穆 ほんのりと薄暗く静かなさま。 音がかすかなさま。 おだやかでつつしむさま。うつくしい。

・夔牙 夔と伯牙。

 

棄其剞劂兮,王爾投其鉤繩。

この宮殿の建築の奇巧なることは古の名匠工の、公輸般・・玉爾たちでさえ、彫刻刀や大工道具を投げ出すほどである。

 

雖方征僑與偓佺兮,猶彷彿其若夢。

たとえ征偓佺といった仙人たちであっても、その日には、この宮殿は、夢のようにぼんやりとしたものとしてしかうつらないであろう。

・征僑 古仙人名で性は征、名は僑。

・偓佺 『列仙傳』にみえる仙人の名。松のみを食べ、体に毛を生じ、空を飛び、馬に追いついたという古代傳中の仙人。
花蕊夫人006 

揚雄 《甘泉賦 》(15)#5-1 文選 賦<108-#14>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩868 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2888

揚雄 《甘泉賦 (15) つむじ風がさっと吹き過ぎ、宮殿の周囲の桂や山椒やの樹々を押しわけては、よせあつめ鬱蒼となる。風は樹の香りをのせ、馥郁として広がり、柱の上のます形へ届き、軒下まで及ぶ。

 

2013年8月26日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

揚雄 《甘泉賦 (15)5-1 文選 賦<108-#149分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩868 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2888

yuugure02 

 















(15)
#5-1

回猋肆其碭駭兮,桂椒而鬱杼楊。

つむじ風がさっと吹き過ぎ、宮殿の周囲の桂や山椒やの樹々を押しわけては、よせあつめ鬱蒼となる。

香芬茀以窮隆兮,擊薄櫨而將榮。

風は樹の香りをのせ、馥郁として広がり、柱の上のます形へ届き、軒下まで及ぶ。

肸以根兮,聲隱而歷鍾。

香りは、たちまち散じて混じり合い、風は大きな音をたてて鐘を揺り動かす。

排玉而颺金鋪兮,發蘭惠與𦲄藭。

さらには、玉の戸を押し開き、扉の金の飾りを吹き上げ、蘭惠𦲄藭の香りをまき散らす。

 (16)#5-2

帷弸其拂汨兮,稍暗暗而靚深。

陰陽清濁穆羽相和兮,若夔牙之調琴。

棄其剞劂兮,王爾投其鉤繩。

雖方征僑與偓佺兮,猶彷彿其若夢。

 

(15)#5-1

回猋【かいよう】肆【はや】くして其れ碭駭【とうがい】し,桂椒【けいしょう】を【ひら】きて杼楊【いよう】を【あつ】む

香り芬茀【ふんふつ】として以て窮隆【きゅうりゅう】たり,薄櫨【はくろ】をちて【のきに【およ】】ぶ

【かお】り【てつきつ】として以て【こんこん】し,聲は【ほういん】として鍾を歷【ふ】す

【ぎょくこ】を【おしひら】きて金鋪を颺【あ】げ,蘭惠【らんけい】𦲄藭【きゅうきゅう】とを發す

(16)#5-2

帷【とばり】弸【ほうこう】として其れ拂汨【ふついつ】たり,稍【ようや】く暗暗として靚深【せいしん】たり

陰陽 清濁 穆羽【ぼくう】相い和し,夔牙【きが】の琴を調ぶるが若し。

【はんすい】其の剞劂【きけつ】を棄て,王爾【おうじ】其の鉤繩【こうじょう】を投ぐ。

方に征僑【せいきょう】と偓佺【あくぜん】と,猶お彷彿【ほうふつ】として其れ夢の若し。

 

 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

takadonosky01(本文) (15)#5-1

回猋肆其碭駭兮,桂椒而鬱杼楊。

香芬茀以窮隆兮,擊薄櫨而將榮。

肸以根兮,聲隱而歷鍾。

排玉而颺金鋪兮,發蘭惠與𦲄藭。

 

 

(下し文)

(15)#5-1

回猋【かいよう】肆【はや】くして其れ碭駭【とうがい】し,桂椒【けいしょう】を【ひら】きて杼楊【いよう】を【あつ】む

香り芬茀【ふんふつ】として以て窮隆【きゅうりゅう】たり,薄櫨【はくろ】をちて【のきに【およ】】ぶ

【かお】り【てつきつ】として以て【こんこん】し,聲は【ほういん】として鍾を歷【ふ】す

【ぎょくこ】を【おしひら】きて金鋪を颺【あ】げ,蘭惠【らんけい】𦲄藭【きゅうきゅう】とを發す
 

 

(現代語訳)

つむじ風がさっと吹き過ぎ、宮殿の周囲の桂や山椒やの樹々を押しわけては、よせあつめ鬱蒼となる。

風は樹の香りをのせ、馥郁として広がり、柱の上のます形へ届き、軒下まで及ぶ。

香りは、たちまち散じて混じり合い、風は大きな音をたてて鐘を揺り動かす。

さらには、玉の戸を押し開き、扉の金の飾りを吹き上げ、蘭惠𦲄藭の香りをまき散らす。

 

 

(訳注) (15)#5-1

回猋肆其碭駭兮,桂椒而鬱杼楊。

つむじ風がさっと吹き過ぎ、宮殿の周囲の桂や山椒やの樹々を押しわけては、よせあつめ鬱蒼となる。

回猋 つむじかぜ。暴風が下上してなりたつ。

 

香芬茀以窮隆兮,擊薄櫨而將榮。

風は樹の香りをのせ、馥郁として広がり、柱の上のます形へ届き、軒下まで及ぶ。

・薄櫨 柱の上のます形。

・榮 軒。

 

肸以根兮,聲隱而歷鍾。

香りは、たちまち散じて混じり合い、風は大きな音をたてて鐘を揺り動かす。

 

排玉而颺金鋪兮,發蘭惠與𦲄藭。

さらには、玉の戸を押し開き、扉の金の飾りを吹き上げ、蘭惠𦲄藭の香りをまき散らす。

揚雄 《甘泉賦 》(14)#4-6 文選 賦<108-#13>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩867 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2883

揚雄 《甘泉賦 (14) 建物は並び、交錯してずっと広がり、山の峰は長く延びるように、からみ合っている。この雲にも届く楼閣の中を上り下がりしてながめれば、すべての部分が溶け合って、全休の調和を保っているのがわかる。

 

2013年8月25日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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揚雄 《甘泉賦 》(14)#4-6 文選 賦<108-#13>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩867 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2883
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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遊城南十六首:賽神 韓愈(韓退之) <169>Ⅱ中唐詩780 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2884
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 浣渓沙 其五 (夜夜相思更漏殘) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-268-5-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2887
 
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謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。   
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html   
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

揚雄 《甘泉賦 (14)4-6 文選 賦<108-#139分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩867 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2883

 

 sunrise001






(9)#4-1

於是大廈雲譎波詭,嶊而成觀。

甘泉宮の大屋根が見えてくるが、それは雲のごとく、波のごとく、奇怪な形をしており、高く組みあげられた楼観が造られている。

仰撟首以高視兮,目冥眴而亡見。

首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。

実に清らかで巨大な建造物が、東西に限りなく広がっている。

徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

ただいたずらにうろうろとさまよう他はなく、見る者の魂は消えいりそうに乱れる。

 

 (10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。

欄干にそって巡り歩くと・遠くまでかすんで、果てもなく続いている。

翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵

青々と茂った樹が縁の玉で造られており、美しく飾られた馬や犀も璧玉から成っている。

金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。

黄金の人物像が、勇壮な様で鐘の否を捧げ持ち、その重なり合うさまは、竜の鱗のようである。

揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

その輝きは燃えたつようであり、巨人な炎が勢いよく吹き出しているかと思われる。

 

(11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。

天帝の住む県圃の山が配置されたようであり、神の中でも最も尊い泰一神の住む紫微宮にも見まごうはかりだ。

洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。

大きな優れた建物がひとつ抜きん出てそびえ、高く輝く北極星に届くほどである。

列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭

天空に連なる星座はようやくそのひさしをかすめ、日月もやっとその屋根を越える。

雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

雷鳴は、遥か下の岩盤のすみで小さな音になっていき、電光も、低い垣根の辺りでひらめくばかりである。

 

(12)#4-4

鬼魅不能自逮兮,半長途而下顚。

鬼神すらも頂上へ登りつめることはできず、その長い道のりの半ばで墜落してしまうであろう。

歷倒景而飛梁兮,浮蔑蠓而撇天。

この高楼に登ると日月より高い空に出て浮き橋を渡り、細かなもやに身を浮かべて、人をなでることができる。

左欃槍而右玄冥兮,前熛闕後應門。

左には欃槍星、右には玄冥神が見え、天の赤い門を前にして、正門を後ろにする。

陰西海與幽都兮,涌醴以生川。

建物の影は、遠く西海と幽都にまで伸び、甘い酒の泉が、こんこんと湧き出して川となっているのが見える。 

 

(13)#4-5

蛟龍連蜷於東厓兮,白虎敦圉虖昆侖。

また、はるかた東の崖には蛟竜がどぐろをまいてうねっており、西の崑崙山では白虎が怒り狂っている。

覽樛流於高光兮,溶方皇於西清。

さて、高光宮を望めば、いかにも屈曲し、うねりは嵩み、正殿の西側は静かな場所になっているし、 大きな彷徨観がそびえている。

前殿崔巍兮和氏玲瓏。

中央の正殿は険しくそびえ、宝玉に明るく輝いている。

炕浮柱之飛榱兮,神莫莫而扶傾。

梁の上の柱から、たるきが高く組み上げられ、その屋根は、神秘的な存在に支えられて、倒れないでいるようだ。
閌閬閬其寥廓兮,似紫宮之崢嶸。

その高人にして空間の広いことは、紫徴宮の幽邃さを思わせる。

 

(14)#4-6

駢交錯而曼衍兮,𡽁隗虖其相嬰。

建物は並び、交錯してずっと広がり、山の峰は長く延びるように、からみ合っている。

乘雲閣而上下兮,紛蒙籠以成。

この雲にも届く楼閣の中を上り下がりしてながめれば、すべての部分が溶け合って、全休の調和を保っているのがわかる。

曳紅采之流離兮,颺翠氣之寃延。

赤い気が輝いてたなびき、緑の気がうねぅねと舞い上がる。

襲琁室與傾宮兮,若登高妙遠、肅乎臨淵。

この宮殿は、かの桀王の琁室や、紂王の傾宮をうけつぐものと言うべきであり、高台に登って遠くを見て、古に思いをはせれば、深淵に臨むように、心がひきしまるのである。

 

駢び交錯して曼衍【まんえん】し,𡽁【たいさい】として隗として其れ相い嬰【めぐ】る

雲閣に乘りて上り下り,紛 蒙籠【もうろう】として以て成【こんせい】す。

紅采の流離たるを曳き,翠氣の寃延【えんえん】たるを【あ】ぐ

琁室【せんしつ】と傾宮【けいきゅう】とに【つづ】き,高きに登り遠くを妙て、肅乎【しゅくこ】として臨淵にむが若し。

 moon2011

 





『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (14)#4-6

駢交錯而曼衍兮,𡽁隗虖其相嬰。

乘雲閣而上下兮,紛蒙籠以成。

曳紅采之流離兮,颺翠氣之寃延。

襲琁室與傾宮兮,若登高妙遠、肅乎臨淵。

 

 

(下し文) (14)#4-6

駢び交錯して曼衍【まんえん】し,𡽁【たいさい】として隗として其れ相い嬰【めぐ】る

雲閣に乘りて上り下り,紛 蒙籠【もうろう】として以て成【こんせい】す。

紅采の流離たるを曳き,翠氣の寃延【えんえん】たるを【あ】ぐ

琁室【せんしつ】と傾宮【けいきゅう】とに【つづ】き,高きに登り遠くを妙て、肅乎【しゅくこ】として臨淵にむが若し。

 

 

(現代語訳)

建物は並び、交錯してずっと広がり、山の峰は長く延びるように、からみ合っている。

この雲にも届く楼閣の中を上り下がりしてながめれば、すべての部分が溶け合って、全休の調和を保っているのがわかる。

赤い気が輝いてたなびき、緑の気がうねぅねと舞い上がる。

この宮殿は、かの桀王の琁室や、紂王の傾宮をうけつぐものと言うべきであり、高台に登って遠くを見て、古に思いをはせれば、深淵に臨むように、心がひきしまるのである。

 

 

(訳注)(14)#4-6

駢交錯而曼衍兮,𡽁隗虖其相嬰。

建物は並び、交錯してずっと広がり、山の峰は長く延びるように、からみ合っている。

曼衍 限りなく広がりはびこるさま。蔓延 まんえん するさま。

𡽁  山の峰は長く

 

乘雲閣而上下兮,紛蒙籠以成。

この雲にも届く楼閣の中を上り下がりしてながめれば、すべての部分が溶け合って、全休の調和を保っているのがわかる。

・蒙籠 すべての部分

成 全休の調和を保つこと。

 

曳紅采之流離兮,颺翠氣之寃延。

赤い気が輝いてたなびき、緑の気がうねぅねと舞い上がる。

 

襲琁室與傾宮兮,若登高妙遠、肅乎臨淵。

この宮殿は、かの桀王の琁室や、紂王の傾宮をうけつぐものと言うべきであり、高台に登って遠くを見て、古に思いをはせれば、深淵に臨むように、心がひきしまるのである。

・琁室 璇宮のことで,美しい宝玉を用いて裝飾にかざられた宮殿。

・傾宮 商の紂王が造った宮殿。
華山000 

揚雄 《甘泉賦 》(13)#4-5 文選 賦<108-#12>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩866 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2878

揚雄 《甘泉賦 (13) また、はるかた東の崖には蛟竜がどぐろをまいてうねっており、西の崑崙山では白虎が怒り狂っている。さて、高光宮を望めば、いかにも屈曲し、うねりは嵩み、正殿の西側は静かな場所になっている

 

2013年8月24日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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孟郊詩 
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李商隠詩 
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(9)#4-1

於是大廈雲譎波詭,嶊而成觀。

甘泉宮の大屋根が見えてくるが、それは雲のごとく、波のごとく、奇怪な形をしており、高く組みあげられた楼観が造られている。

仰撟首以高視兮,目冥眴而亡見。

首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。

実に清らかで巨大な建造物が、東西に限りなく広がっている。

徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

ただいたずらにうろうろとさまよう他はなく、見る者の魂は消えいりそうに乱れる。

 

 (10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。

欄干にそって巡り歩くと・遠くまでかすんで、果てもなく続いている。

翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵

青々と茂った樹が縁の玉で造られており、美しく飾られた馬や犀も璧玉から成っている。

金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。

黄金の人物像が、勇壮な様で鐘の否を捧げ持ち、その重なり合うさまは、竜の鱗のようである。

揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

その輝きは燃えたつようであり、巨人な炎が勢いよく吹き出しているかと思われる。

 

(11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。

天帝の住む県圃の山が配置されたようであり、神の中でも最も尊い泰一神の住む紫微宮にも見まごうはかりだ。

洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。

大きな優れた建物がひとつ抜きん出てそびえ、高く輝く北極星に届くほどである。

列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭

天空に連なる星座はようやくそのひさしをかすめ、日月もやっとその屋根を越える。

雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

雷鳴は、遥か下の岩盤のすみで小さな音になっていき、電光も、低い垣根の辺りでひらめくばかりである。

 

(12)#4-4

鬼魅不能自逮兮,半長途而下顚。

鬼神すらも頂上へ登りつめることはできず、その長い道のりの半ばで墜落してしまうであろう。

歷倒景而飛梁兮,浮蔑蠓而撇天。

この高楼に登ると日月より高い空に出て浮き橋を渡り、細かなもやに身を浮かべて、人をなでることができる。

左欃槍而右玄冥兮,前熛闕後應門。

左には欃槍星、右には玄冥神が見え、天の赤い門を前にして、正門を後ろにする。

陰西海與幽都兮,涌醴以生川。

建物の影は、遠く西海と幽都にまで伸び、甘い酒の泉が、こんこんと湧き出して川となっているのが見える。 

 

(13)#4-5

蛟龍連蜷於東厓兮,白虎敦圉虖昆侖。

また、はるかた東の崖には蛟竜がどぐろをまいてうねっており、西の崑崙山では白虎が怒り狂っている。

覽樛流於高光兮,溶方皇於西清。

さて、高光宮を望めば、いかにも屈曲し、うねりは嵩み、正殿の西側は静かな場所になっているし、 大きな彷徨観がそびえている。

前殿崔巍兮和氏玲瓏。

中央の正殿は険しくそびえ、宝玉に明るく輝いている。

炕浮柱之飛榱兮,神莫莫而扶傾。

梁の上の柱から、たるきが高く組み上げられ、その屋根は、神秘的な存在に支えられて、倒れないでいるようだ。
閌閬閬其寥廓兮,似紫宮之崢嶸。

その高人にして空間の広いことは、紫徴宮の幽邃さを思わせる。

 

蛟龍【こうりゅう】東厓に連蜷【れんげん】として,白虎 昆侖に敦圉【とんぎょ】たり。

樛流【きゅうりゅう】を高光に覽て,方皇【ほうこう】を西清に溶んにす。

前殿 崔巍【さいぎ】として和氏玲瓏【れいろう】たり。

浮柱【ふちゅう】の飛榱【ひすい】を炕げ,神 莫莫として傾を扶く。

閌【こう】閬閬【ろうろう】として其れ寥廓【りょうかく】たり,紫宮【しきゅう】の崢嶸【そうこう】たるに似たる。

 

4岳陽樓詩人003



















(14)
#4-6

駢交錯而曼衍兮,𡽁隗虖其相嬰。乘雲閣而上下兮,紛蒙籠以成。曳紅采之流離兮,颺翠氣之寃延。襲琁室與傾宮兮,若登高妙遠、肅乎臨淵。

 

 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (13)#4-5

蛟龍連蜷於東厓兮,白虎敦圉虖昆侖。

覽樛流於高光兮,溶方皇於西清。

前殿崔巍兮和氏玲瓏。

炕浮柱之飛榱兮,神莫莫而扶傾。

閌閬閬其寥廓兮,似紫宮之崢嶸。

 

 

(下し文)

蛟龍【こうりゅう】東厓に連蜷【れんげん】として,白虎 昆侖に敦圉【とんぎょ】たり。

樛流【きゅうりゅう】を高光に覽て,方皇【ほうこう】を西清に溶んにす。

前殿 崔巍【さいぎ】として和氏玲瓏【れいろう】たり。

浮柱【ふちゅう】の飛榱【ひすい】を炕げ,神 莫莫として傾を扶く。

閌【こう】閬閬【ろうろう】として其れ寥廓【りょうかく】たり,紫宮【しきゅう】の崢嶸【そうこう】たるに似たる。

 

 

(現代語訳)

また、はるかた東の崖には蛟竜がどぐろまいてうねっており、西の崑崙山では白虎が怒り狂っている。

さて、高光宮を望めば、いかにも屈曲し、うねりは嵩み、正殿の西側は静かな場所になっている

大きな彷徨観がそびえている。中央の正殿は険しくそびえ、宝玉に明るく輝いている。

梁の上の柱から、たるきが高く組み上げられ、その屋根は、神秘的な存在に支えられて、倒れないでいるようだ。

その高人にして空間の広いことは、紫徴宮の幽邃さを思わせる。

 

 

(訳注) (13)#4-5

蛟龍連蜷於東厓兮,白虎敦圉虖昆侖。

また、はるかた東の崖には蛟竜がどぐろまいてうねっており、西の崑崙山では白虎が怒り狂っている。

・蜷 「なにかを巻きつけようとする生き物」とか、「渦巻きの形をしている生き物」

・敦圉 いきまく。

 

覽樛流於高光兮,溶方皇於西清。

さて、高光宮を望めば、いかにも屈曲し、うねりは嵩み、正殿の西側は静かな場所になっているし、 大きな彷徨観がそびえている。

・樛 木の枝がまがる。水の流れがうねる。

 

前殿崔巍兮和氏玲瓏。

中央の正殿は険しくそびえ、宝玉に明るく輝いている。

・玲瓏 1 玉などが透き通るように美しいさま。また、玉のように輝くさま。2 玉などの触れ合って美しく鳴るさま。

 

炕浮柱之飛榱兮,神莫莫而扶傾。

梁の上の柱から、たるきが高く組み上げられ、その屋根は、神秘的な存在に支えられて、倒れないでいるようだ。

 

閌閬閬其寥廓兮,似紫宮之崢嶸。

その高人にして空間の広いことは、紫徴宮の幽邃さを思わせる。

・閬閬 門が高い。明らかで大きい。広々としている。仙人の棲む場所の形容に使われる語。

・寥廓 広々として大きいさま。空虚で広いさま。

・崢嶸 1 山や谷のけわしさ。2 人生のけわしさ。
花蕊夫人006 

揚雄 《甘泉賦 》(12)#4-4 文選 賦<108-#11>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩865 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2873

揚雄 《甘泉賦 (12)  鬼神すらも頂上へ登りつめることはできず、その長い道のりの半ばで墜落してしまうであろう。この高楼に登ると日月より高い空に出て浮き橋を渡り、細かなもやに身を浮かべて、人をなでることができる。


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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html   
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。   
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html   
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 


揚雄 《甘泉賦
(12)4-4 文選 賦<108-#119分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩865 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2873

 

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(9)
#4-1

於是大廈雲譎波詭,嶊而成觀。

甘泉宮の大屋根が見えてくるが、それは雲のごとく、波のごとく、奇怪な形をしており、高く組みあげられた楼観が造られている。

仰撟首以高視兮,目冥眴而亡見。

首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。

実に清らかで巨大な建造物が、東西に限りなく広がっている。

徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

ただいたずらにうろうろとさまよう他はなく、見る者の魂は消えいりそうに乱れる。

 

 (10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。

欄干にそって巡り歩くと・遠くまでかすんで、果てもなく続いている。

翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵

青々と茂った樹が縁の玉で造られており、美しく飾られた馬や犀も璧玉から成っている。

金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。

黄金の人物像が、勇壮な様で鐘の否を捧げ持ち、その重なり合うさまは、竜の鱗のようである。

揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

その輝きは燃えたつようであり、巨人な炎が勢いよく吹き出しているかと思われる。

 

(11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。

天帝の住む県圃の山が配置されたようであり、神の中でも最も尊い泰一神の住む紫微宮にも見まごうはかりだ。

洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。

大きな優れた建物がひとつ抜きん出てそびえ、高く輝く北極星に届くほどである。

列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭

天空に連なる星座はようやくそのひさしをかすめ、日月もやっとその屋根を越える。

雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

雷鳴は、遥か下の岩盤のすみで小さな音になっていき、電光も、低い垣根の辺りでひらめくばかりである。

 

(12)#4-4

鬼魅不能自逮兮,半長途而下顚。

鬼神すらも頂上へ登りつめることはできず、その長い道のりの半ばで墜落してしまうであろう。

歷倒景而飛梁兮,浮蔑蠓而撇天。

この高楼に登ると日月より高い空に出て浮き橋を渡り、細かなもやに身を浮かべて、人をなでることができる。

左欃槍而右玄冥兮,前熛闕後應門。

左には欃槍星、右には玄冥神が見え、天の赤い門を前にして、正門を後ろにする。

陰西海與幽都兮,涌醴以生川。

建物の影は、遠く西海と幽都にまで伸び、甘い酒の泉が、こんこんと湧き出して川となっているのが見える。 

 

(12)#4-4

鬼魅【きみ】も自ら逮【およ】ぶこと能わず,長途に半ばして下り顚【お】つ。

倒景【とうけい】を【へ】て飛梁【ひりょう】を【わた】り,蔑蠓【べつもう】に浮びて天を撇【はら】う。

欃槍【ざんそう】を左にして玄冥をに右し,熛闕【ひょうけつ】を前にして應門を後ろにす。

西海と幽都とを陰とし,涌醴【ようれい】として以て川を生【な】す。

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『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (12)#4-4

鬼魅不能自逮兮,半長途而下顚。歷倒景而飛梁兮,浮蔑蠓而撇天。左欃槍而右玄冥兮,前熛闕後應門。陰西海與幽都兮,涌醴以生川。

 

 

 

(下し文) (12)#4-4

鬼魅【きみ】も自ら逮【およ】ぶこと能わず,長途に半ばして下り顚【お】つ。

倒景【とうけい】を【へ】て飛梁【ひりょう】を【わた】り,蔑蠓【べつもう】に浮びて天を撇【はら】う。

欃槍【ざんそう】を左にして玄冥をに右し,熛闕【ひょうけつ】を前にして應門を後ろにす。

西海と幽都とを陰とし,涌醴【ようれい】として以て川を生【な】す。

 

 

(現代語訳)

鬼神すらも頂上へ登りつめることはできず、その長い道のりの半ばで墜落してしまうであろう。

この高楼に登ると日月より高い空に出て浮き橋を渡り、細かなもやに身を浮かべて、人をなでることができる。

左には欃槍星、右には玄冥神が見え、天の赤い門を前にして、正門を後ろにする。

建物の影は、遠く西海と幽都にまで伸び、甘い酒の泉が、こんこんと湧き出して川となっているのが見える。

 

 

(訳注)(12)#4-4

鬼魅不能自逮兮,半長途而下顚。

鬼神すらも頂上へ登りつめることはできず、その長い道のりの半ばで墜落してしまうであろう。

・鬼魅 鬼とばけもの。妖怪変化(ようかいへんげ)。鬼は精霊、魅は魑魅魍魎のたぐい。

 

歷倒景而飛梁兮,浮蔑蠓而撇天。

この高楼に登ると日月より高い空に出て浮き橋を渡り、細かなもやに身を浮かべて、人をなでることができる。

歷倒景 景色を圧倒し替え経る。ここでは高楼に上って視界が広がっている様子をいう。

・蠓 チョウバエ。

 

左欃槍而右玄冥兮,前熛闕後應門。

左には欃槍星、右には玄冥神が見え、天の赤い門を前にして、正門を後ろにする。

・欃槍 欃槍星は彗星の別名。

熛闕 天の赤い門。

 

陰西海與幽都兮,涌醴以生川。

建物の影は、遠く西海と幽都にまで伸び、甘い酒の泉が、こんこんと湧き出して川となっているのが見える。

・西海 西の地の果ての海。

・幽都 暗く陰鬱な死者の世界で、炎帝(えんてい)の子孫で土地神である后土(こうど)が支配しているという。后土には土伯(どはく)という配下がおり、幽都の門を監視している。
岳陽楼00 

揚雄 《甘泉賦 》(11)#4-3 文選 賦<108-#10>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩864 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2868

揚雄 《甘泉賦 (11)4-3 天帝の住む県圃の山が配置されたようであり、神の中でも最も尊い泰一神の住む紫微宮にも見まごうはかりだ。

 

2013年8月22日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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揚雄 《甘泉賦 》(11)#4-3 文選 賦<108-#10>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩864 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2868
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
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李商隠詩 
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揚雄 《甘泉賦 (11)4-3 文選 賦<108-#109分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩864 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2868

 

 

(9)#4-1

於是大廈雲譎波詭,嶊而成觀。

甘泉宮の大屋根が見えてくるが、それは雲のごとく、波のごとく、奇怪な形をしており、高く組みあげられた楼観が造られている。

仰撟首以高視兮,目冥眴而亡見。

首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。

実に清らかで巨大な建造物が、東西に限りなく広がっている。

徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

ただいたずらにうろうろとさまよう他はなく、見る者の魂は消えいりそうに乱れる。

 

 (10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。

欄干にそって巡り歩くと・遠くまでかすんで、果てもなく続いている。

翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵

青々と茂った樹が縁の玉で造られており、美しく飾られた馬や犀も璧玉から成っている。

金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。

黄金の人物像が、勇壮な様で鐘の否を捧げ持ち、その重なり合うさまは、竜の鱗のようである。

揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

その輝きは燃えたつようであり、巨人な炎が勢いよく吹き出しているかと思われる。

 

(11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。

天帝の住む県圃の山が配置されたようであり、神の中でも最も尊い泰一神の住む紫微宮にも見まごうはかりだ。

洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。

大きな優れた建物がひとつ抜きん出てそびえ、高く輝く北極星に届くほどである。

列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭

天空に連なる星座はようやくそのひさしをかすめ、日月もやっとその屋根を越える。

雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

雷鳴は、遥か下の岩盤のすみで小さな音になっていき、電光も、低い垣根の辺りでひらめくばかりである。

 

(11)#4-3

帝居の縣圃に配し,泰壹【たいいつ】の威神に象【かたど】る。

洪臺【こうだい】崛【くつ】として其れ獨り出でて,北極の嶟嶟【しゅんしゅん】たるに【いた】る

列宿【れつしゅつ】【すなわ】ち上榮を施き,日月纔【わずか】に柍桭

雷は巖突に鬱律【うつりつ】として,電は牆藩【しょうばん】に倐忽【しゅくこつ】たり

 岳陽楼00

 













 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

 

 

 

(下し文)(11)#4-3

帝居の縣圃に配し,泰壹【たいいつ】の威神に象【かたど】る。

洪臺【こうだい】崛【くつ】として其れ獨り出でて,北極の嶟嶟【しゅんしゅん】たるに【いた】る。

列宿【れつしゅつ】迺【すなわ】ち上榮を施き,日月纔【わずか】に柍桭を經る。

雷は巖突に鬱律【うつりつ】として,電は牆藩【しょうばん】に倐忽【しゅくこつ】たり。

 

 

(現代語訳)

天帝の住む県圃の山が配置されたようであり、神の中でも最も尊い泰一神の住む紫微宮にも見まごうはかりだ。

大きな優れた建物がひとつ抜きん出てそびえ、高く輝く北極星に届くほどである。

天空に連なる星座はようやくそのひさしをかすめ、日月もやっとその屋根を越える。

雷鳴は、遥か下の岩盤のすみで小さな音になっていき、電光も、低い垣根の辺りでひらめくばかりである。

 

 

(訳注)

(11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。

天帝の住む県圃の山が配置されたようであり、神の中でも最も尊い泰一神の住む紫微宮にも見まごうはかりだ。

・泰一神 古くは「太一」「泰一」と記されている。史記封禅書によると、泰一・天一・地一は、古代における最高の三神である。漢の武帝は長安の郊外に泰一壇を造って三神を祭ったという。天一は陽神、地一は陰神であり、泰一は陰陽二神が分かれてくる根源の神であるから、三神の中でも最も尊い。

 

洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。

大きな優れた建物がひとつ抜きん出てそびえ、高く輝く北極星に届くほどである。

・洪台 大きな優れた建物。(朝廷、中央官庁)1 おおみず。「洪水・洪積層」2 広く大きい。「洪恩・洪業・洪大・洪図」

・崛 (1) (山などが)にょっきり聳える,(平地から急に)高く盛上る.(2) (おこ),立上る新制度正在崛起新しい体制が興りつつある.

・嶟 そばだつ.

 

列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭

天空に連なる星座はようやくそのひさしをかすめ、日月もやっとその屋根を越える。

・列宿 天空に連なる星座。

柍桭 中国の高楼建築の屋根の勾配のそりあがったもの。

 

雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

雷鳴は、遥か下の岩盤のすみで小さな音になっていき、電光も、低い垣根の辺りでひらめくばかりである。

・牆藩 垣根の内側領地。1 垣根と壁。囲い。2 隔てるもの。へだて。

kaminari000 

 

揚雄 《甘泉賦 》(10)#4-2 文選 賦<108-#9>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩863 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2863

揚雄 《甘泉賦 (10) 欄干にそって巡り歩くと・遠くまでかすんで、果てもなく続いている。青々と茂った樹が縁の玉で造られており、美しく飾られた馬や犀も璧玉から成っている。

 

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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。

実に清らかで巨大な建造物が、東西に限りなく広がっている。

徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

ただいたずらにうろうろとさまよう他はなく、見る者の魂は消えいりそうに乱れる。

 (10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。

欄干にそって巡り歩くと・遠くまでかすんで、果てもなく続いている。

翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵

青々と茂った樹が縁の玉で造られており、美しく飾られた馬や犀も璧玉から成っている。

金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。

黄金の人物像が、勇壮な様で鐘の否を捧げ持ち、その重なり合うさまは、竜の鱗のようである。

揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

その輝きは燃えたつようであり、巨人な炎が勢いよく吹き出しているかと思われる。

 (11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭。雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

(12)#4-4

鬼魅不能自逮兮,半長途而下顚。歷倒景而飛梁兮,浮蔑蠓而撇天。左欃槍而右玄冥兮,前熛闕後應門。陰西海與幽都兮,涌醴以生川。

(13)#4-5

蛟龍連蜷於東厓兮,白虎敦圉虖昆侖。覽樛流於高光兮,溶方皇於西清。前殿崔巍兮和氏玲瓏。炕浮柱之飛榱兮,神莫莫而扶傾。閌閬閬其寥廓兮,似紫宮之崢嶸。

(14)#4-6

駢交錯而曼衍兮,𡽁隗虖其相嬰。乘雲閣而上下兮,紛蒙籠以成。曳紅采之流離兮,颺翠氣之寃延。襲琁室與傾宮兮,若登高妙遠、肅乎臨淵。

 

(9)#4-1

是に於いて大廈【たいか】雲のごとく譎【あや】しく波のごとく詭【あや】しく,嶊【さいすい】として觀を成す。

仰ぎて首を撟げて以て高く視れば,目は冥眴【べんけん】して見ること亡し。

正に瀏濫【りゅうらん】以て弘惝【こうしょう】なり,東西の漫漫たるを指す。

【いたずら】に徊徊として以て徨徨たり,魂は眇眇【びょうびょう】として昏亂す。

 

(10)#4-2

軨軒【れいけん】に據りて周流すれば,忽ち軮圠【おうあつ】として垠【かぎ】り亡し。

玉樹の青蔥【せいそう】たるを翠にし,馬犀【ばさい】の瞵【りんびん】たるを璧にす。

金人【きんじん】仡仡【きつきつ】として其れ鍾虡【しょうきょ】を承【う】け,嵌巖【かんがん】巖として其れ龍鱗のごとし。

光曜【こうよう】の燎燭【りょうしょく】たるを揚げ,景炎の炘炘たるを垂る。

DCF00199 












 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵。金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

 

 

(下し文) (10)#4-2

軨軒【れいけん】に據りて周流すれば,忽ち軮圠【おうあつ】として垠【かぎ】り亡し。

玉樹の青蔥【せいそう】たるを翠にし,馬犀【ばさい】の瞵【りんびん】たるを璧にす。

金人【きんじん】仡仡【きつきつ】として其れ鍾虡【しょうきょ】を承【う】け,嵌巖【かんがん】巖として其れ龍鱗のごとし。

光曜【こうよう】の燎燭【りょうしょく】たるを揚げ,景炎の炘炘たるを垂る。

 

 

(現代語訳)

欄干にそって巡り歩くと・遠くまでかすんで、果てもなく続いている。

青々と茂った樹が縁の玉で造られており、美しく飾られた馬や犀も璧玉から成っている。

黄金の人物像が、勇壮な様で鐘の否を捧げ持ち、その重なり合うさまは、竜の鱗のようである。

その輝きは燃えたつようであり、巨人な炎が勢いよく吹き出しているかと思われる。

 

 

(訳注) (10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。

欄干にそって巡り歩くと・遠くまでかすんで、果てもなく続いている。

・軨軒 渡り廊下の欄干。

・軮 車の中心で軋む音がする。・圠 かすか。

・垠 ちのはて。きわみ。

 

翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵

青々と茂った樹が縁の玉で造られており、美しく飾られた馬や犀も璧玉から成っている。

・蔥 たまねぎ。

・瞵 目を見開いて見つめる,目を凝らして見つめる.

 まがたま。璧玉

 

金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。

黄金の人物像が、勇壮な様で鐘の否を捧げ持ち、その重なり合うさまは、竜の鱗のようである。

・仡仡 ①勇ましい.②高大なさま.

・鍾虡 鐘つき台

 

揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

その輝きは燃えたつようであり、巨人な炎が勢いよく吹き出しているかと思われる。

・燎燭 かがり火の炎が燃え輝くようす。

・景炎 巨人な炎

・炘炘 熱気が盛んである.熱気が噴き出す様子。
 DCF00118

揚雄 《甘泉賦 》(9)#4-1 文選 賦<108-(9)#4-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩862 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2858

揚雄 《甘泉賦 (9) 甘泉宮の大屋根が見えてくるが、それは雲のごとく、波のごとく、奇怪な形をしており、高く組みあげられた楼観が造られている。首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

 

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揚雄 《甘泉賦 (9)4-1 文選 賦<108-(9)4-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩862 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2858

 

 

(9)#4-1

於是大廈雲譎波詭,嶊而成觀。

甘泉宮の大屋根が見えてくるが、それは雲のごとく、波のごとく、奇怪な形をしており、高く組みあげられた楼観が造られている。

仰撟首以高視兮,目冥眴而亡見。

首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。

実に清らかで巨大な建造物が、東西に限りなく広がっている。

徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

ただいたずらにうろうろとさまよう他はなく、見る者の魂は消えいりそうに乱れる。

 (10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵。金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

(11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭。雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

(12)#4-4

鬼魅不能自逮兮,半長途而下顚。歷倒景而飛梁兮,浮蔑蠓而撇天。左欃槍而右玄冥兮,前熛闕後應門。陰西海與幽都兮,涌醴以生川。

(13)#4-5

蛟龍連蜷於東厓兮,白虎敦圉虖昆侖。覽樛流於高光兮,溶方皇於西清。前殿崔巍兮和氏玲瓏。炕浮柱之飛榱兮,神莫莫而扶傾。閌閬閬其寥廓兮,似紫宮之崢嶸。

(14)#4-6

駢交錯而曼衍兮,𡽁隗虖其相嬰。乘雲閣而上下兮,紛蒙籠以成。曳紅采之流離兮,颺翠氣之寃延。襲琁室與傾宮兮,若登高妙遠、肅乎臨淵。

 

(9)#4-1

是に於いて大廈【たいか】雲のごとく譎【あや】しく波のごとく詭【あや】しく,嶊【さいすい】として觀を成す。

仰ぎて首を撟げて以て高く視れば,目は冥眴【べんけん】して見ること亡し。

正に瀏濫【りゅうらん】以て弘惝【こうしょう】なり,東西の漫漫たるを指す。

【いたずら】に徊徊として以て徨徨たり,魂は眇眇【びょうびょう】として昏亂す。

sunrise001 





 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (9)#4-1

於是大廈雲譎波詭,嶊而成觀。

仰撟首以高視兮,目冥眴而亡見。

正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。

徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

 

  

kokage01

(下し文) (9)#4-1

是に於いて大廈【たいか】雲のごとく譎【あや】しく波のごとく詭【あや】しく,嶊【さいすい】として觀を成す。

仰ぎて首を撟げて以て高く視れば,目は冥眴【べんけん】して見ること亡し。

正に瀏濫【りゅうらん】以て弘惝【こうしょう】なり,東西の漫漫たるを指す。

【いたずら】に徊徊として以て徨徨たり,魂は眇眇【びょうびょう】として昏亂す。

 

 

(現代語訳)

甘泉宮の大屋根が見えてくるが、それは雲のごとく、波のごとく、奇怪な形をしており、高く組みあげられた楼観が造られている。

首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

実に清らかで巨大な建造物が、東西に限りなく広がっている。

ただいたずらにうろうろとさまよう他はなく、見る者の魂は消えいりそうに乱れる。

 

(訳注)(9)#4-1

於是大廈雲譎波詭,嶊而成觀。

甘泉宮の大屋根が見えてくるが、それは雲のごとく、波のごとく、奇怪な形をしており、高く組みあげられた楼観が造られている。

大廈 甘泉宮の大屋根。

・譎波詭 波のごとく、奇怪な形をしている。

・嶊 嶊:やまのようなもの。:たかいこと。

・成觀 楼観が造られている

 

仰撟首以高視兮,目冥眴而亡見。

首を上に向けて高く望めば、目がくらんで何も見えない。

 

正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。

実に清らかで巨大な建造物が、東西に限りなく広がっている。

・瀏濫 水が深くみなぎるさま。また、そのような所。

 うつとりする、 うっとりする。

 

徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

ただいたずらにうろうろとさまよう他はなく、見る者の魂は消えいりそうに乱れる。

・徊徊 徘徊ばかりする。

・徨徨 彷徨。さまよう、さすらう。

眇眇 1 小さいさま。取るに足りないさま。2 「渺渺(びょうびょう)」に同じ。

揚雄 《甘泉賦 》(8)#3-2 文選 賦<108-(8)#3-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩861 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2853

揚雄 《甘泉賦 (8)#3-2 棕櫚やはっかも群生し、散らばってどこまでも茂っている。丘陵は険しくそびえそれがどこまでも続いて、そこに深く切り立った岩場の谷がある。

 

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謝靈運詩 
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孟郊詩 
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李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

揚雄 《甘泉賦 (8)#3-2 文選 賦<108-(8)#3-29分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩861 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2853

 

 

(7)#3-1

是時未轃夫甘泉也,迺望通天之繹繹。

甘泉官にはまだ到着しないが、早くも高大な通天台の姿が見えてくる。

下陰潛以慘廩兮,上洪紛而相錯。

その下の方は薄暗くて、さむざむとしているが、上の方は壮大で複雑な姿をしている。

直嶢嶢以造天兮,厥高慶而不可虖疆度。

まっすぐにそびえて天に達しており、その高さは測り知ることができない。

平原唐其壇曼兮,列新雉於林薄。

平原の広い道を通って行くと、こぶしが林間にまばらに並んで植えている。

 (8)#3-2

攢幷閭與茇兮,紛被麗其亡鄂。

棕櫚やはっかも群生し、散らばってどこまでも茂っている。

崇丘陵之駊騀兮,深溝嶔巖而為谷。

丘陵は険しくそびえそれがどこまでも続いて、そこに深く切り立った岩場の谷がある。

𨓹𨓹離宮般以相燭兮,封巒石關施靡乎延屬。

その辺りには、あちこちに離宮が立ち並び、それでもって輝きを競っており、封巒観・石関観などが、長く延び、つながっている。

 

甘泉賦(7)#3-1

是の時 未だ夫の甘泉に轃【いた】らずなり,迺【すなわ】ち通天の繹繹【えきえき】たるを望む。

下は陰潛【いんせん】以て慘廩【さんりん】たり,上は洪紛【こうふん】として相錯【あいまじ】わる。

直ちに嶢嶢【ぎょうぎょう】として以て天に造【いた】り,厥の高きこと慶【まこと】に虖疆【きわ】め度【はか】る可からず。

平原 唐【みち】其れ壇曼【たんまん】として,新雉【しんち】を林薄【りんぱく】に列ぬ。

(8)#3-2

幷閭【へいりょ】と茇【ばつかつ】とを攢【あつ】め,紛として被麗【ひり】として其れ鄂【かぎ】り

丘陵の駊騀【はが】たるを崇くし,深溝【しんこう】嶔巖【かんがん】として谷を為す。

𨓹𨓹【おうおう】にして離宮ありて、般【つら】なり以って相い燭【て】らし,封巒【ほうらん】石關ありて、施靡【いび】として延屬【えんぞく】す。

宮島(8) 










(8)
『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (8)#3-2

攢幷閭與茇兮,紛被麗其亡鄂。

崇丘陵之駊騀兮,深溝嶔巖而為谷。

𨓹𨓹離宮般以相燭兮,封巒石關施靡乎延屬。

 

 

 (下し文) (8)#3-2

幷閭【へいりょ】と茇【ばつかつ】とを攢【あつ】め,紛として被麗【ひり】として其れ鄂【かぎ】り亡し。

丘陵の駊騀【はが】たるを崇くし,深溝【しんこう】嶔巖【かんがん】として谷を為す。

𨓹𨓹【おうおう】にして離宮ありて、般【つら】なり以って相い燭【て】らし,封巒【ほうらん】石關ありて、施靡【いび】として延屬【えんぞく】す。

 

 

(現代語訳)

棕櫚やはっかも群生し、散らばってどこまでも茂っている。

丘陵は険しくそびえそれがどこまでも続いて、そこに深く切り立った岩場の谷がある。

その辺りには、あちこちに離宮が立ち並び、それでもって輝きを競っており、封巒観・石関観などが、長く延び、つながっている。

 

 

(訳注) (8)#3-2

攢幷閭與茇兮,紛被麗其亡鄂。

棕櫚やはっかも群生し、散らばってどこまでも茂っている。

幷閭 椶櫚。

 はっか。

 

崇丘陵之駊騀兮,深溝嶔巖而為谷。

丘陵は険しくそびえそれがどこまでも続いて、そこに深く切り立った岩場の谷がある。

駊騀 とっきがどこまでもつづく

 

𨓹𨓹離宮般以相燭兮,封巒石關施靡乎延屬。

その辺りには、あちこちに離宮が立ち並び、それでもって輝きを競っており、封巒観・石関観などが、長く延び、つながっている。

𨓹𨓹 あちこち。
botan00 

揚雄 《甘泉賦 》(7)#3-1 文選 賦<108-(7)#3-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩860 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2848

揚雄 《甘泉賦 (7)#3-1 甘泉官にはまだ到着しないが、早くも高大な通天台の姿が見えてくる。その下の方は薄暗くて、さむざむとしているが、上の方は壮大で複雑な姿をしている。

 

2013年8月18日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150


 

 

揚雄 《甘泉賦 (7)#3-1 文選 賦<108-(7)#3-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩860 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2848

 

 

(7)#3-1

是時未轃夫甘泉也,迺望通天之繹繹。

甘泉官にはまだ到着しないが、早くも高大な通天台の姿が見えてくる。

下陰潛以慘廩兮,上洪紛而相錯。

その下の方は薄暗くて、さむざむとしているが、上の方は壮大で複雑な姿をしている。

嶢嶢以造天兮,厥高慶而不可虖疆度。

まっすぐにそびえて天に達しており、その高さは測り知ることができない。

平原唐其壇曼兮,列新雉於林薄。

平原の広い道を通って行くと、こぶしが林間にまばらに並んで植えている。

 (8)#3-2

攢幷閭與茇兮,紛被麗其亡鄂。崇丘陵之駊騀兮,深溝嶔巖而為谷。𨓹𨓹離宮般以相燭兮,封巒石關施靡乎延屬。

 

甘泉賦(7)#3-1

是の時 未だ夫の甘泉に轃【いた】らずなり,迺【すなわ】ち通天の繹繹【えきえき】たるを望む。

下は陰潛【いんせん】以て慘廩【さんりん】たり,上は洪紛【こうふん】として相錯【あいまじ】わる。

直ちに嶢嶢【ぎょうぎょう】として以て天に造【いた】り,厥の高きこと慶【まこと】に虖疆【きわ】め度【はか】る可からず。

平原 唐【みち】其れ壇曼【たんまん】として,新雉【しんち】を林薄【りんぱく】に列ぬ。

DCF00011 














 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文)

是時未轃夫甘泉也,迺望通天之繹繹。

下陰潛以慘廩兮,上洪紛而相錯。

直嶢嶢以造天兮,厥高慶而不可虖疆度。

平原唐其壇曼兮,列新雉於林薄。

 

(下し文)

是の時 未だ夫の甘泉に轃【いた】らずなり,迺【すなわ】ち通天の繹繹【えきえき】たるを望む。

下は陰潛【いんせん】以て慘廩【さんりん】たり,上は洪紛【こうふん】として相錯【あいまじ】わる。

直ちに嶢嶢【ぎょうぎょう】として以て天に造【いた】り,厥の高きこと慶【まこと】に虖疆【きわ】め度【はか】る可からず。

平原 唐【みち】其れ壇曼【たんまん】として,新雉【しんち】を林薄【りんぱく】に列ぬ。

 

 

(現代語訳)

甘泉官にはまだ到着しないが、早くも高大な通天台の姿が見えてくる。

その下の方は薄暗くて、さむざむとしているが、上の方は壮大で複雑な姿をしている。

まっすぐにそびえて天に達しており、その高さは測り知ることができない。

平原の広い道を通って行くと、こぶしが林間にまばらに並んで植えている。

 

 

(訳注)

是時未轃夫甘泉也,迺望通天之繹繹。

甘泉官にはまだ到着しないが、早くも高大な通天台の姿が見えてくる。

・甘泉/甘泉宮 中国,秦の始皇帝が前220年に首都咸陽(かんよう)の北西の甘泉山(陝西省淳化県)に築いた離宮の林光宮に始まる。漢の武帝が建元年間(140‐前135)に高光宮,迎風館,通天台などを増築し,周囲19(7.7km)12宮,11台などを甘泉宮と総称した。別に山谷に沿って雲陽に至る周囲540(219km)の甘泉苑を設け,仙人,石闕(せきけつ),封巒(ほうらん),鳷鵲(しじやく)諸観など宮殿台閣100ヵ所以上があった。

 

下陰潛以慘廩兮,上洪紛而相錯。

その下の方は薄暗くて、さむざむとしているが、上の方は壮大で複雑な姿をしている。

・陰潛 かげにひそんでいる。薄暗い。

・慘廩 ひさんでおそろしい。さむざむとしている。

 

直嶢嶢以造天兮,厥高慶而不可虖疆度。

まっすぐにそびえて天に達しており、その高さは測り知ることができない。

・嶢嶢 急峻に聳えている。

 

平原唐其壇曼兮,列新雉於林薄。

平原の広い道を通って行くと、こぶしが林間にまばらに並んで植えている。

 

揚雄 《甘泉賦 》 文選 賦<108-(6)#2-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩859 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2843

揚雄 《甘泉賦  星を描いた旗の尾は、雷のようにひらめき、供の中にはすべて、かわせみの羽で飾った車の幌と、鸞を象った旗が立っている。天子の陣営には万騎が集まり、玉飾りの車千台が並ぶ。行列はさまざまな大音響をたてて進み、電光よりも、疾風よりも速やかである。
 

2013年8月17日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html  
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女性詩人 
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孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

揚雄 《甘泉賦 》 文選 賦<108-(6)2-29分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩859 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2843

 

 

(5)#2-1

於是乘輿迺登夫鳳皇兮而翳華芝,駟蒼螭兮六素虯。

そこで天子は、かの鳳凰の飾りの車に乗りこまれ、その姿は華もようのかさに隠れた。それを円頭の青い螭と六頭の白い虬が中を引いている。

蠖略蕤綏,灕虖纚。

身を尺取虫のようにうねらせて進み、翼を下に垂らしている。

帥爾陰閉,霅然陽開。

急に闇に隠れたかと思うと、突然光の中に現れるのである。

騰清霄而軼浮景兮,夫何旟旐郅偈之旖柅也!

それから天空に飛び上がって輝く雲の間をすり抜けて行く。それにしても、高く掲げられた旗竿が、何と柔らかく揺れていることか。

 (6)#2-2

流星旄以電燭兮,咸翠蓋而鸞旗。

星を描いた旗の尾は、雷のようにひらめき、供の中にはすべて、かわせみの羽で飾った車の幌と、鸞を象った旗が立っている。

敦萬騎於中營兮,方玉車之千乘。

天子の陣営には万騎が集まり、玉飾りの車千台が並ぶ。

隱以陸離兮,輕先疾雷而馺遺風。

行列はさまざまな大音響をたてて進み、電光よりも、疾風よりも速やかである。

陵高衍之嵱嵷,超紆譎之清澄。

そして、起伏の多い台地を越え、曲がりくねった澄んだ川をも越えて行く。

登椽欒而天門兮,馳閶闔而入凌兢。

橡欒山に登って大の門にいたり、人界に踏み入ると、寒さに震える場所である。

 

(5)#2-1

是に於いて乘輿【じょうよ】迺【すなわ】ち夫【か】の鳳皇に登りて華芝【かし】に翳【かく】る,蒼螭【そうち】を駟にし 素虯【そきゅう】を六にす。

蠖略【わくりゃく】蕤綏【ずいすい】,灕虖【りこ】【しんし】たり

帥爾【そつじ】として陰閉し,霅然【そうぜん】として陽開す。

清霄に騰りて 浮景を軼【す】ぐ,夫れ何ぞ旟旐【よちょう】の郅偈【しつけい】の旖柅【いじ】たる

(6)#2-2

星旄を流して以て電のごとく燭【ひらめ】き,咸【みな】翠蓋【すいがい】にして鸞旗【らんき】なり。

萬騎を中營に敦【つら】ね,玉車の千乘を方【なら】ぶ。

隱【せいほういん】として以て陸離たり,輕きこと疾雷に先だちて遺風より馺【はや】し。

高衍【こうえん】の嵱嵷【ようしょう】たるを陵ぎ,紆譎【うけつ】の清澄らるを超ゆ。

椽欒【てんらん】にりて天門に【いた】り,閶闔【しょうこう】に馳せて凌兢【りょうきょう】に入る。

 

 

 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

王屋山01(本文) (6)#2-2

流星旄以電燭兮,咸翠蓋而鸞旗。

敦萬騎於中營兮,方玉車之千乘。

隱以陸離兮,輕先疾雷而馺遺風。

陵高衍之嵱嵷,超紆譎之清澄。

登椽欒而天門兮,馳閶闔而入凌兢。

 

 

(下し文)(6)#2-2

星旄を流して以て電のごとく燭【ひらめ】き,咸【みな】翠蓋【すいがい】にして鸞旗【らんき】なり。

萬騎を中營に敦【つら】ね,玉車の千乘を方【なら】ぶ。

隱【せいほういん】として以て陸離たり,輕きこと疾雷に先だちて遺風より馺【はや】し。

高衍【こうえん】の嵱嵷【ようしょう】たるを陵ぎ,紆譎【うけつ】の清澄らるを超ゆ。

椽欒【てんらん】にりて天門に【いた】り,閶闔【しょうこう】に馳せて凌兢【りょうきょう】に入る。

 

 

(現代語訳)

星を描いた旗の尾は、雷のようにひらめき、供の中にはすべて、かわせみの羽で飾った車の幌と、鸞を象った旗が立っている。

天子の陣営には万騎が集まり、玉飾りの車千台が並ぶ。

行列はさまざまな大音響をたてて進み、電光よりも、疾風よりも速やかである。

そして、起伏の多い台地を越え、曲がりくねった澄んだ川をも越えて行く。

橡欒山に登って大の門にいたり、人界に踏み入ると、寒さに震える場所である。

 

 

(訳注) (6)#2-2

流星旄以電燭兮,咸翠蓋而鸞旗。

星を描いた旗の尾は、雷のようにひらめき、供の中にはすべて、かわせみの羽で飾った車の幌と、鸞を象った旗が立っている。

・翠蓋 翡翠で飾られた車の幌。

 

敦萬騎於中營兮,方玉車之千乘。

天子の陣営には万騎が集まり、玉飾りの車千台が並ぶ。

 

隱以陸離兮,輕先疾雷而馺遺風。

行列はさまざまな大音響をたてて進み、電光よりも、疾風よりも速やかである。

 

陵高衍之嵱嵷,超紆譎之清澄。

そして、起伏の多い台地を越え、曲がりくねった澄んだ川をも越えて行く。

 

登椽欒而天門兮,馳閶闔而入凌兢。

橡欒山に登って大の門にいたり、人界に踏み入ると、寒さに震える場所である。

・椽欒 橡欒山。

閶闔 天界の門。閶闔門は蘇州城(呉城)の西北門で、「閶闔門」(しょうこうもん)が正式の名。この門は運河を舟で来た人が蘇州に入る場合の正門で、城楼から城内を見わたすと、眼下に蘇州一の賑やかな街並みが見下ろせる。門外は渡津になっており、運河を航行してきた舟がひしめき合って停泊する。呉の都の門。

李白『梁甫吟』「倏爍晦冥起風雨。閶闔九門不可通。」(倏燦(しゅくしゃく) 晦冥(かいめい) 風雨を起す、閶闔(しょうこう)の九門 通ず可からず。)
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揚雄 《甘泉賦 》 文選 賦<108-(5)#2-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩858 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2838

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

揚雄 《甘泉賦 》 文選 賦<108-(5)2-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩858 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2838

 

 

(5)#2-1

於是乘輿迺登夫鳳皇兮而翳華芝,駟蒼螭兮六素虯。

そこで天子は、かの鳳凰の飾りの車に乗りこまれ、その姿は華もようのかさに隠れた。それを円頭の青い螭と六頭の白い虬が中を引いている。

蠖略蕤綏,灕虖纚。

身を尺取虫のようにうねらせて進み、翼を下に垂らしている。

帥爾陰閉,霅然陽開。

急に闇に隠れたかと思うと、突然光の中に現れるのである。

騰清霄而軼浮景兮,夫何旟旐郅偈之旖柅也!

それから天空に飛び上がって輝く雲の間をすり抜けて行く。それにしても、高く掲げられた旗竿が、何と柔らかく揺れていることか。

 (6)#2-2

流星旄以電燭兮,咸翠蓋而鸞旗。

敦萬騎於中營兮,方玉車之千乘。

隱以陸離兮,輕先疾雷而馺遺風。

陵高衍之嵱嵷,超紆譎之清澄。

登椽欒而天門兮,馳閶闔而入凌兢。

菖蒲03

(5)#2-1

是に於いて乘輿【じょうよ】迺【すなわ】ち夫【か】の鳳皇に登りて華芝【かし】に翳【かく】る,蒼螭【そうち】を駟にし 素虯【そきゅう】を六にす。

蠖略【わくりゃく】蕤綏【ずいすい】,灕虖【りこ】【しんし】たり

帥爾【そつじ】として陰閉し,霅然【そうぜん】として陽開す。

清霄に騰りて 浮景を軼【す】ぐ,夫れ何ぞ旟旐【よちょう】の郅偈【しつけい】の旖柅【いじ】たる

 

 

 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (5)#2-1

於是乘輿迺登夫鳳皇兮而翳華芝,駟蒼螭兮六素虯。

蠖略蕤綏,灕虖纚。

帥爾陰閉,霅然陽開。

騰清霄而軼浮景兮,夫何旟旐郅偈之旖柅也!

 

 

(下し文)(5)#2-1

是に於いて乘輿【じょうよ】迺【すなわ】ち夫【か】の鳳皇に登りて華芝【かし】に翳【かく】る,蒼螭【そうち】を駟にし 素虯【そきゅう】を六にす。

蠖略【わくりゃく】蕤綏【ずいすい】,灕虖【りこ】【しんし】たり

帥爾【そつじ】として陰閉し,霅然【そうぜん】として陽開す。

清霄に騰りて 浮景を軼【す】ぐ,夫れ何ぞ旟旐【よちょう】の郅偈【しつけい】の旖柅【いじ】たる

 

 

(現代語訳)

そこで天子は、かの鳳凰の飾りの車に乗りこまれ、その姿は華もようのかさに隠れた。それを円頭の青い螭と六頭の白い虬が中を引いている。

身を尺取虫のようにうねらせて進み、翼を下に垂らしている。

急に闇に隠れたかと思うと、突然光の中に現れるのである。

それから天空に飛び上がって輝く雲の間をすり抜けて行く。それにしても、高く掲げられた旗竿が、何と柔らかく揺れていることか。

 

 

(訳注) (5)#2-1

於是乘輿迺登夫鳳皇兮而翳華芝,駟蒼螭兮六素虯。

そこで天子は、かの鳳凰の飾りの車に乗りこまれ、その姿は華もようのかさに隠れた。それを円頭の青い螭と六頭の白い虬が中を引いている。

 

蠖略蕤綏,灕虖纚。

身を尺取虫のようにうねらせて進み、翼を下に垂らしている。

 しゃくとりむし。

 草木の花が垂れ下がるさま。やわらかいさま。

 

帥爾陰閉,霅然陽開。

急に闇に隠れたかと思うと、突然光の中に現れるのである。

 

騰清霄而軼浮景兮,夫何旟旐郅偈之旖柅也!

それから天空に飛び上がって輝く雲の間をすり抜けて行く。それにしても、高く掲げられた旗竿が、何と柔らかく揺れていることか。

旟旐 はたざお。

・郅偈 たかくかかげる。

旖柅 やわらかくゆれるさま。
終南山03 

揚雄 《甘泉賦 》 文選 賦<108-(4)#1-3>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩857 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2833

揚雄 《甘泉賦  彼らはそろって一かたまりとなり、混じり合っては、つむじ風や雲のように疾走し、それから勢いのあまり、半ば散りかける。列をなして並べば、鱗が重なり合ったようである。

 

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150


 

 

揚雄 《甘泉賦 》 文選 賦<108-(4)#1-39分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩857 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2833

 

(2)#1-1

惟漢十世,將郊上玄,

菖蒲03漢の十世の成帝におかれては、まずもって大神を祭ることをされた。

定泰畤,雍神休,尊明號,

それで泰畤を復興され、神より幸いをさずかることで、自らの名を高められんとされたのだ。

同符三皇,錄功五帝,

古代三皇に肩を並べられ、五帝の業績を兼ね備えんとされたのである。

卹胤錫羨,拓迹開統。

また、多くの子孫にめぐまれて、血統を長く伝えようとされたのである。

於是迺命羣僚,歷吉日,

こうしたことにおいて、成帝は、百官に命じられ、吉日を選ばせられた。
協靈辰,星陳而天行。

人日のように良い時間に祭祀が行われるようにされ甘泉宮に出発する際、公卿百官は天の星々のごとく並び進んだのである。

 

(3)1-2

詔招搖與泰陰兮,伏鉤陳使當兵。

招揺星と大陰星には詔により、鉤陳の星座たちに警護にあたらせた。

屬堪輿以壁壘兮,梢夔魖而抶獝狂。

堪輿神には防塁・城壁を守らせ、夔・魖・獝狂の悪鬼たちを打ち払わせた。

八神奔而警蹕兮,振殷轔而軍裝。

八方の神々、八将神は先払いに走りまわって防御し、勢いも盛んに、軍の装備を完璧にし、進んで行く。

蚩尤之倫,帶干將而秉玉戚兮,飛蒙茸而走陸梁。

蚩尤の仲間たちは名剣を腰につけ、玉のまさかりを手に持って、入り乱れながら飛んだり走ったりして行く。

 (4)1-3

齊總總以撙撙其相膠轕兮,猋駭雲迅奮以方攘。

彼らはそろって一かたまりとなり、混じり合っては、つむじ風や雲のように疾走し、それから勢いのあまり、半ば散りかける。
駢羅列布,鱗以雜沓兮,

列をなして並べば、鱗が重なり合ったようである。

虒參差,魚頡而鳥

そして、ふぞろいになった時は、魚や鳥の群れが上り下りするようだ。

翕赫霍,霧集而蒙合兮,

一斉にさっと集まると、霧がかたまったように見える。

半散昭爛,粲以成章。

それが半ばばらばらになって輝く姿は、鮮やかなあや紋様となる。

 

(4)1-3

齊しく總總として以て撙撙【そんそん】たり、其れ相い膠轕【こうかつ】として, 猋【つむじ】のごとく駭【おどろ】き雲のごとく迅【と】く、奮いて以て方攘【ほうじょう】たり。

駢羅【へんら】列布【れつふ】して,鱗【うろこ】のごとく以て雜沓【ざつとう】し,

柴虒【しち】參差【しんさ】として,魚のごとく頡【あがり】鳥のごとく【くだ】る

翕赫【きゅうかく】【こつかく】として,霧のごとく集り 蒙【きり】のごとく合いて,

半散【はんさん】昭爛【しょうらん】して,粲として以て章を成す。

 珠櫻001










 

 

 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (4)1-3

齊總總以撙撙其相膠轕兮,猋駭雲迅奮以方攘。

駢羅列布,鱗以雜沓兮,

柴虒參差,魚頡而鳥

翕赫霍,霧集而蒙合兮,

半散昭爛,粲以成章。

 

 

(下し文) (4)1-3

齊しく總總として以て撙撙【そんそん】たり、其れ相い膠轕【こうかつ】として, 猋【つむじ】のごとく駭【おどろ】き雲のごとく迅【と】く、奮いて以て方攘【ほうじょう】たり。

駢羅【へんら】列布【れつふ】して,鱗【うろこ】のごとく以て雜沓【ざつとう】し,

柴虒【しち】參差【しんさ】として,魚のごとく頡【あがり】鳥のごとく【くだ】る

翕赫【きゅうかく】【こつかく】として,霧のごとく集り 蒙【きり】のごとく合いて,

半散【はんさん】昭爛【しょうらん】して,粲として以て章を成す。

 

 

(現代語訳)

彼らはそろって一かたまりとなり、混じり合っては、つむじ風や雲のように疾走し、それから勢いのあまり、半ば散りかける。

列をなして並べば、鱗が重なり合ったようである。

そして、ふぞろいになった時は、魚や鳥の群れが上り下りするようだ。

一斉にさっと集まると、霧がかたまったように見える。

それが半ばばらばらになって輝く姿は、鮮やかなあや紋様となる。moon2011

 

 




(
訳注) (4)1-3

齊總總以撙撙其相膠轕兮,猋駭雲迅奮以方攘。

彼らはそろって一かたまりとなり、混じり合っては、つむじ風や雲のように疾走し、それから勢いのあまり、半ば散りかける。

總總 おおくあつまる。

撙撙 つつましくへりくだる。おさえる。次第に一緒になって抑える。

・膠轕 膠:くっつく。ねばりつき。轕:かしましい。

・猋駭雲迅奮 つむじ風や雲のように疾走し

・方攘 四方にはらう払いのける。払い除く

 

駢羅列布,鱗以雜沓兮,

列をなして並べば、鱗が重なり合ったようである。

・駢羅 れつをなしてならぶ。

・列布 れつをなしていまいの布ようにならぶ。

 

 

柴虒參差,魚頡而鳥

そして、ふぞろいになった時は、魚や鳥の群れが上り下りするようだ。

・虒 虎の皮を剝ぐであり、剝がれた虎の皮はぺたんこになって生きていた頃の勢いを失いますので、はぐ、弱まるという意味を持つようになった

 まっすぐな首筋。とびあがる。

 

翕赫霍,霧集而蒙合兮,

一斉にさっと集まると、霧がかたまったように見える。

・翕 合わせる、やわらぎ、集める、一斉に起こる、一致する、縮める、閉じる、収める、火で炙る。

 まだよくみえない。よあけまえ。

  (1) さっと,いきなり.(2) (漢方で)下痢・嘔吐・腹痛を伴う胃腸痛の総称.霍然 huoran[]《書》(病が)さっと消える,

 

半散昭爛,粲以成章。

それが半ばばらばらになって輝く姿は、鮮やかなあや紋様となる。

粲以成章 鮮やかなあや紋様となる。
泰山の道観

揚雄 《甘泉賦 》 文選 賦<108-(3)#1-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩856 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2828

揚雄 《甘泉賦 (3) 招揺星と大陰星には詔により、鉤陳の星座たちに警護にあたらせた。堪輿神には防塁・城壁を守らせ、夔・魖・獝狂の悪鬼たちを打ち払わせた。

 

2013年8月14日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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(2)#1-1

惟漢十世,將郊上玄,

漢の十世の成帝におかれては、まずもって大神を祭ることをされた。

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それで泰畤を復興され、神より幸いをさずかることで、自らの名を高められんとされたのだ。

同符三皇,錄功五帝,

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協靈辰,星陳而天行。

人日のように良い時間に祭祀が行われるようにされ甘泉宮に出発する際、公卿百官は天の星々のごとく並び進んだのである。

 

曙001(3)1-2

詔招搖與泰陰兮,伏鉤陳使當兵。

招揺星と大陰星には詔により、鉤陳の星座たちに警護にあたらせた。

屬堪輿以壁壘兮,梢夔魖而抶獝狂。

堪輿神には防塁・城壁を守らせ、夔・魖・獝狂の悪鬼たちを打ち払わせた。

神奔而警蹕兮,振殷轔而軍裝。

八方の神々、八将神は先払いに走りまわって防御し、勢いも盛んに、軍の装備を完璧にし、進んで行く。

蚩尤之倫,帶干將而秉玉戚兮,飛蒙茸而走陸梁。

蚩尤の仲間たちは名剣を腰につけ、玉のまさかりを手に持って、入り乱れながら飛んだり走ったりして行く。

 (4)1-3

齊總總以撙撙其相膠轕兮,猋駭雲迅奮以方攘。駢羅列布,鱗以雜沓兮,柴虒參差,魚頡而鳥。翕赫霍,霧集而蒙合兮,半散昭爛,粲以成章。

 

(3)1-2

招搖【しょうよう】と泰陰【たいいん】とに詔し,鉤陳【こうちん】に伏せて兵を當【つかさど】ら使む。

堪輿【かんよ】に屬するに壁壘【へきるい】を以て,夔魖【ききょ】を梢【う】ちて獝狂【きつきょう】を【抶う】たしむ。

八神 奔りて 警蹕【けいひつ】し,振いて殷轔【いんりん】として軍裝す。

蚩尤【しゆう】が倫【ともがら】,干將【かんしょう】を帶【は】いて玉戚【ぎょくせき】を秉り,飛ぶは蒙茸【もうじょう】として走るは陸梁たり。

 

 

『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文)

詔招搖與泰陰兮,伏鉤陳使當兵。屬堪輿以壁壘兮,梢夔魖而抶獝狂。八神奔而警蹕兮,振殷轔而軍裝。蚩尤之倫,帶干將而秉玉戚兮,飛蒙茸而走陸梁。

 

 

(下し文)

招搖【しょうよう】と泰陰【たいいん】とに詔し,鉤陳【こうちん】に伏せて兵を當【つかさど】ら使む。

堪輿【かんよ】に屬するに壁壘【へきるい】を以て,夔魖【ききょ】を梢【う】ちて獝狂【きつきょう】を【抶う】たしむ。

八神 奔りて 警蹕【けいひつ】し,振いて殷轔【いんりん】として軍裝す。

蚩尤【しゆう】が倫【ともがら】,干將【かんしょう】を帶【は】いて玉戚【ぎょくせき】を秉り,飛ぶは蒙茸【もうじょう】として走るは陸梁たり。

 

 

(現代語訳)

招揺星と大陰星には詔により、鉤陳の星座たちに警護にあたらせた。

堪輿神には防塁・城壁を守らせ、夔・魖・獝狂の悪鬼たちを打ち払わせた。

八方の神々、八将神は先払いに走りまわって防御し、勢いも盛んに、軍の装備を完璧にし、進んで行く。

蚩尤の仲間たちは名剣を腰につけ、玉のまさかりを手に持って、入り乱れながら飛んだり走ったりして行く。

 

(訳注)(3)1-2

詔招搖與泰陰兮,伏鉤陳使當兵。

招揺星と大陰星には詔により、鉤陳の星座たちに警護にあたらせた。

・招搖 (氐宿)北斗七星。

・泰陰 大陰星 暦注の八将神の一。土星の精で、太歳神の皇妃という。この神の方角に向かって嫁取り・出産することを忌む。

<八将神>

太歳(たいさい)

十二支の方位に居する。木曜星(歳星〈さいしょう〉)の神格。移転普請は吉。訴訟、伐木は凶。

大将軍(たいしょうぐん、だいしょうぐん)

金曜星(太白)の神格。3年同じ方位に留まるため三年塞がりといい万事に大凶。

太陰(たいおん)

土曜星(塡星〈ちんしょう〉)の神格。縁談出産は凶。

歳刑(さいぎょう、さいけい)

水曜星(辰星〈しんしょう〉)の神格。耕作は凶。

歳破(さいは)

土曜星(塡星)の神格。移転旅行は凶。

歳殺(さいさつ、さいせつ)

金曜星(太白)または火曜星(熒惑星〈けいこくしょう〉)の神格。縁談に凶だが仏事には吉。

黄幡(おうばん)

羅睺(らごう)星の神格。武芸に吉。移転普請は凶。

豹尾(ひょうび)

計都星の神格。豹のように猛々しく、家畜を求めるに凶。大小便も凶。

 

屬堪輿以壁壘兮,梢夔魖而抶獝狂。

堪輿神には防塁・城壁を守らせ、夔・魖・獝狂の悪鬼たちを打ち払わせた。

・堪輿 「堪」は天、「輿」は地を意味しており、「堪輿」で天地全体を意味する。中国では風水や地理と同義。

 

八神奔而警蹕兮,振殷轔而軍裝。

八方の神々、八将神は先払いに走りまわって防御し、勢いも盛んに、軍の装備を完璧にし、進んで行く。

・八神 八将神(前に述べる)

 

蚩尤之倫,帶干將而秉玉戚兮,飛蒙茸而走陸梁。

蚩尤の仲間たちは名剣を腰につけ、玉のまさかりを手に持って、入り乱れながら飛んだり走ったりして行く。

・蚩尤 古代中国神話に登場する神であり、三皇五帝のうちの一人、炎帝神農氏の子孫とされている。兵器の発明者とされ、霧をあやつる力があったとも言われている。路史によると、羌が姓とされる。
華山000 

揚雄 《甘泉賦》 文選 賦<108-(2)#1-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩855 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2823

揚雄 《甘泉賦》 漢の十世の成帝におかれては、まずもって大神を祭ることをされた。それで泰畤を復興され、神より幸いをさずかることで、自らの名を高められんとされたのだ。古代三皇に肩を並べられ、五帝の業績を兼ね備えんとされたのである。

 

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揚雄 《甘泉賦》 文選 賦<108-(2)#1-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩855 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2823

 

甘泉賦 幷序

作者:揚雄 西漢《昭明文選》

 

 

(1) 甘泉賦 序

孝成帝時,客有薦雄文似相如者。上方郊祀甘泉泰畤、汾陰后土,以求繼嗣,召雄待詔承明之庭。正月,從上甘泉還,奏甘泉賦以風。其辭曰:

 

(2)#1-1

惟漢十世,將郊上玄,定泰畤,雍神休,尊明號,同符三皇,錄功五帝,卹胤錫羨,拓迹開統。於是迺命羣僚,歷吉日,協靈辰,星陳而天行。

(3)1-2

詔招搖與泰陰兮,伏鉤陳使當兵。屬堪輿以壁壘兮,梢夔魖而抶獝狂。八神奔而警蹕兮,振殷轔而軍裝。蚩尤之倫,帶干將而秉玉戚兮,飛蒙茸而走陸梁。

(4)1-3

齊總總以撙撙其相膠轕兮,猋駭雲迅奮以方攘。駢羅列布,鱗以雜沓兮,柴虒參差,魚頡而鳥。翕赫霍,霧集而蒙合兮,半散昭爛,粲以成章。

(5)#2-1

於是乘輿迺登夫鳳皇兮而翳華芝,駟蒼螭兮六素虯。蠖略蕤綏,灕虖纚。帥爾陰閉,霅然陽開。騰清霄而軼浮景兮,夫何旟旐郅偈之旖柅也!流星旄以電燭兮,咸翠蓋而鸞旗。

(6)#2-2

敦萬騎於中營兮,方玉車之千乘。聲隱以陸離兮,輕先疾雷而馺遺風。陵高衍之嵱嵷,超紆譎之清澄。登椽欒而天門兮,馳閶闔而入凌兢。

(7)#3-1

是時未轃夫甘泉也,迺望通天之繹繹。下陰潛以慘廩兮,上洪紛而相錯。直嶢嶢以造天兮,厥高慶而不可虖疆度。平原唐其壇曼兮,列新雉於林薄。

(8)#3-2

攢幷閭與茇兮,紛被麗其亡鄂。崇丘陵之駊騀兮,深溝嶔巖而為谷。𨓹𨓹離宮般以相燭兮,封巒石關施靡乎延屬。

(9)#4-1

於是大廈雲譎波詭,嶊而成觀。仰撟首以高視兮,目冥眴而亡見。正瀏濫以弘惝兮,指東西之漫漫。徒徊徊以徨徨兮,魂眇眇而昏亂。

(10)#4-2

據軨軒而周流兮,忽軮圠而亡垠。翠玉樹之青蔥兮,璧馬犀之瞵。金人仡仡其承鍾虡兮,嵌巖巖其龍鱗。揚光曜之燎燭兮,垂景炎之炘炘。

(11)#4-3

配帝居之縣圃兮,象泰壹之威神。洪臺崛其獨出兮,北極之嶟嶟。列宿迺施於上榮兮,日月纔經於柍桭。雷鬱律於巖突兮,電倐忽於牆藩。

(12)#4-4

鬼魅不能自逮兮,半長途而下顚。歷倒景而飛梁兮,浮蔑蠓而撇天。左欃槍而右玄冥兮,前熛闕後應門。陰西海與幽都兮,涌醴以生川。

(13)#4-5

蛟龍連蜷於東厓兮,白虎敦圉虖昆侖。覽樛流於高光兮,溶方皇於西清。前殿崔巍兮和氏玲瓏。炕浮柱之飛榱兮,神莫莫而扶傾。閌閬閬其寥廓兮,似紫宮之崢嶸。

(14)#4-6

駢交錯而曼衍兮,𡽁隗虖其相嬰。乘雲閣而上下兮,紛蒙籠以成。曳紅采之流離兮,颺翠氣之寃延。襲琁室與傾宮兮,若登高妙遠、肅乎臨淵。

(15)#5-1

回猋肆其碭駭兮,桂椒而鬱杼楊。

香芬茀以窮隆兮,擊薄櫨而將榮。

肸以根兮,聲隱而歷鍾。

排玉而颺金鋪兮,發蘭惠與𦲄藭。

(16)#5-2

帷弸其拂汨兮,稍暗暗而靚深。

陰陽清濁穆羽相和兮,若夔牙之調琴。

棄其剞劂兮,王爾投其鉤繩。

雖方征僑與偓佺兮,猶彷彿其若夢。

(17)#6-1

於是事變物化,目駭耳回,蓋天子穆然,

珍臺閒館,琁題玉英,蜎蠖濩之中。

惟夫所以澄心清魂,儲精垂思,

感動天地,逆釐三神者。

(18)#6-2

迺搜逑索偶,皋伊之徒冠倫魁能,函甘棠之惠,挾東征之意,相與齊乎陽靈之宮。靡薜荔而為席兮,折瓊枝以為芳。噏清雲之流瑕兮,飲若木之露英。

(19)#6-3

集虖禮神之囿,登虖頌祇之堂。建光燿之長兮,昭華覆之威威。攀琁璣而下視兮,行遊目虖三危。陳衆車於東阬兮,肆玉釱而下馳。

(20)#6-4

漂龍淵而還九垠兮,窺地底而上回。風傱傱而扶轄兮,鸞鳳紛其御蕤。梁弱水之濎濙兮,躡不周之逶蛇。想西王母欣然而上壽兮,屏玉女而卻虙妃。

(21)#6-5

玉女亡所眺其清矑兮,虙妃曾不得施其蛾眉。方擥道德之精剛兮,眸神明與之為資。

 

(22)#7-1

於是欽柴宗祈,燎熏皇天,招繇泰壹。舉洪頤,樹靈旗,樵蒸焜上,配藜四施。東燭滄海,西燿流沙,北幽都,南煬丹厓。

(23)#7-2

玄瓚觩秬鬯泔淡,肸嚮豐融,懿懿芬芬。炎感黃龍兮,熛訛碩麟。選巫咸兮叫帝閽,開天庭兮延羣神。儐暗藹兮降清壇,瑞穰穰兮委如山。

(24)#8

於是事畢功弘,回車而歸。度三巒兮偈棠黎。天閫決兮地垠開,八荒協兮萬國諧。登長平兮雷鼓磕,天聲起兮勇士厲。雲飛揚兮雨滂沛,于胥德兮麗萬世。

 

(25)#9-1

亂曰:崇崇圜丘,隆隱天兮。

登降峛崺,單垣兮。

增宮差,駢嵯峨兮。

嶙峋,洞無厓兮。

上天之縡,杳旭卉兮。

(26)#9-2

聖皇穆穆,信厥對兮。

徠祇郊禋,神所依兮,

俳佪招搖,靈𨒈兮。

煇光眩燿,隆厥福兮。

子子孫孫,長亡極兮。

 

 

甘泉賦 幷序

(ならびに序)
孝成帝時,客有薦雄文似相如者。

孝成皇帝の時代である。ある上京してきた人物が、私、揚雄の文章が、司馬相如に似ているとして帝に推薦してくれた。

上方郊祀甘泉泰畤、汾陰后土,

そんな時に帝は、甘泉の泰畤と汾陰の后土で、天地の神を祀られた。

以求繼嗣,召雄待詔承明之庭。

世継ぎを得ようとされていた。私、揚雄は帝に召され、承明盧でお言葉を持つ身分となった。

正月,從上甘泉還,

正月になって、帝に随従いして甘泉宮に詣で、都に帰った。

奏甘泉賦以風。其辭曰:

それから「甘泉の賦」を奏上し、それとなくお諌めをした。その文章は以下のように申し述べたのもである。

 

(2)#1-1

惟漢十世,將郊上玄,

漢の十世の成帝におかれては、まずもって大神を祭ることをされた。

定泰畤,雍神休,尊明號,

それで泰畤を復興され、神より幸いをさずかることで、自らの名を高められんとされたのだ。

同符三皇,錄功五帝,

古代三皇に肩を並べられ、五帝の業績を兼ね備えんとされたのである。

卹胤錫羨,拓迹開統。

また、多くの子孫にめぐまれて、血統を長く伝えようとされたのである。

於是迺命羣僚,歷吉日,

こうしたことにおいて、成帝は、百官に命じられ、吉日を選ばせられた。

協靈辰,星陳而天行。

人日のように良い時間に祭祀が行われるようにされ甘泉宮に出発する際、公卿百官は天の星々のごとく並び進んだのである。
 

惟れ漢の十世,將に上玄を郊して,

泰畤【たいじ】を定め,神休に雍【たす】けられて,明號【めいごう】を尊くし,

符を三皇に同じくして,功を五帝に錄【す】べ,

胤【あとつぎ】を卹【うれ】え羨【ゆた】かなるを錫【たまわ】り,迹を拓き統を開かんとす。

是れに於いて迺【すなわ】ち羣僚【ぐんりょう】に命じ,吉日を歷【えら】び,

靈辰【れいしん】に協【かな】わしむ,星のごとく陳【つら】なりて天のごとく行【めぐ】る。

 幻日環01









『甘泉賦』 現代語訳と訳註

(本文) (2)#1-1

惟漢十世,將郊上玄,

定泰畤,雍神休,尊明號,

同符三皇,錄功五帝,

卹胤錫羨,拓迹開統。

於是迺命羣僚,歷吉日,

協靈辰,星陳而天行。

 

 

(下し文) (2)#1-1

惟れ漢の十世,將に上玄を郊して,

泰畤【たいじ】を定め,神休に雍【たす】けられて,明號【めいごう】を尊くし,

符を三皇に同じくして,功を五帝に錄【す】べ,

胤【あとつぎ】を卹【うれ】え羨【ゆた】かなるを錫【たまわ】り,迹を拓き統を開かんとす。

是れに於いて迺【すなわ】ち羣僚【ぐんりょう】に命じ,吉日を歷【えら】び,

靈辰【れいしん】に協【かな】わしむ,星のごとく陳【つら】なりて天のごとく行【めぐ】る。

 

 

(現代語訳)

漢の十世の成帝におかれては、まずもって大神を祭ることをされた。

それで泰畤を復興され、神より幸いをさずかることで、自らの名を高められんとされたのだ。

古代三皇に肩を並べられ、五帝の業績を兼ね備えんとされたのである。

また、多くの子孫にめぐまれて、血統を長く伝えようとされたのである。

こうしたことにおいて、成帝は、百官に命じられ、吉日を選ばせられた。
人日のように良い時間に祭祀が行われるようにされ甘泉宮に出発する際、公卿百官は天の星々のごとく並び進んだのである。

 

 

(訳注) (2)#1-1

惟漢十世,將郊上玄,

漢の十世の成帝におかれては、まずもって大神を祭ることをされた。

・漢の十世皇帝 成帝皇太子時代の元帝と王政君の間に生まれる。この時期、元帝は父宣帝の不興を買い廃嫡の瀬戸際であったが、後嗣である成帝が生まれたため廃嫡は沙汰止みとなる。宣帝は後嗣誕生を喜び、成帝に「太孫」(皇太孫という程度の意)という字を与えた。

元帝の崩御にともない即位、宣帝以来中書を担当し政治に多大な影響を及ぼしてきた宦官勢力の弱体化には成功したが、それに代わり外戚勢力、殊に生母・孝元皇太后(王政君)の実家・王氏一族が深く朝政に関与し、後の王莽による簒奪の要因となっている。

 

定泰畤,雍神休,尊明號,

それで泰畤を復興され、神より幸いをさずかることで、自らの名を高められんとされたのだ。

・泰畤 前112(元鼎5)には,雲陽(