漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之のブログ 女性詩、漢詩・建安六朝・唐詩・李白詩 1000首:李白集校注に基づき時系列に訳注解説

李白の詩を紹介。青年期の放浪時代。朝廷に上がった時期。失意して、再び放浪。李白の安史の乱。再び長江を下る。そして臨終の歌。李白1000という意味は、目安として1000首以上掲載し、その後、系統別、時系列に整理するということ。 古詩、謝霊運、三曹の詩は既掲載済。女性詩。六朝詩。文選、玉臺新詠など、李白詩に影響を与えた六朝詩のおもなものは既掲載している2015.7月から李白を再掲載開始、(掲載約3~4年の予定)。作品の作時期との関係なく掲載漏れの作品も掲載するつもり。李白詩は、時期設定は大まかにとらえる必要があるので、従来の整理と異なる場合もある。現在400首以上、掲載した。今、李白詩全詩訳注掲載中。

▼絶句・律詩など短詩をだけ読んでいたのではその詩人の良さは分からないもの。▼長詩、シリーズを割席しては理解は深まらない。▼漢詩は、諸々の決まりで作られている。日本人が読む漢詩の良さはそういう決まり事ではない中国人の自然に対する、人に対する、生きていくことに対する、愛することに対する理想を述べているのをくみ取ることにあると思う。▼詩人の長詩の中にその詩人の性格、技量が表れる。▼李白詩からよこみちにそれているが、途中で孟浩然を45首程度(掲載済)、謝霊運を80首程度(掲載済み)。そして、女性古詩。六朝、有名な賦、その後、李白詩全詩訳注を約4~5年かけて掲載する予定で整理している。
その後ブログ掲載予定順は、王維、白居易、の順で掲載予定。▼このほか同時に、Ⅲ杜甫詩のブログ3年の予定http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-tohoshi/、唐宋詩人のブログ(Ⅱ李商隠、韓愈グループ。)も掲載中である。http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/,Ⅴ晩唐五代宋詞・花間集・玉臺新詠http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-godaisoui/▼また漢詩理解のためにHPもいくつかサイトがある。≪ kanbuniinkai ≫[検索]で、「漢詩・唐詩」理解を深めるものになっている。
◎漢文委員会のHP http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/profile1.html
Author:漢文委員会 紀 頌之です。
大病を患い大手術の結果、半年ぶりに復帰しました。心機一転、ブログを開始します。(11/1)
ずいぶん回復してきました。(12/10)
訪問ありがとうございます。いつもありがとうございます。
リンクはフリーです。報告、承諾は無用です。
ただ、コメント頂いたても、こちらからの返礼対応ができません。というのも、
毎日、6 BLOG,20000字以上活字にしているからです。
漢詩、唐詩は、日本の詩人に大きな影響を残しました。
だからこそ、漢詩をできるだけ正確に、出来るだけ日本人の感覚で、解釈して,紹介しています。
体の続く限り、広げ、深めていきたいと思っています。掲載文について、いまのところ、すべて自由に使ってもらって結構ですが、節度あるものにして下さい。
どうぞよろしくお願いします。

2013年10月

司馬相如 《上林賦 》(29)―#10-4  文選 賦<110-#10-4>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩934 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3218

司馬相如《上林賦 (29) 武帝の上林苑とそこにくりひろげられる天子の狩猟のさまを,壮麗な美文で描きあげる。漢を代表する文学様式〈賦〉は,事実上この作品によって完成された。

 

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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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司馬相如 《上林賦

(29)#10-4  文選 賦<110-10413分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩934 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3218

 

 

梁王の死後,失職して四川の臨卭(りんぎよう)に帰り,不遇をかこっていたが,やがて〈子虚の賦〉が武帝の目にとまって,都に召し出され,宮廷文人の列に加わった。彼の文名を決定づけたのは,長編の韻文〈天子游猟の賦〉(《文選》では〈子虚の賦〉〈上林の賦〉の2部に分けられる)で,武帝の上林苑とそこにくりひろげられる天子の狩猟のさまを,壮麗な美文で描きあげる。漢を代表する文学様式〈賦〉は,事実上この作品によって完成された。

 

 

10-1

「於是乘輿弭節徘徊,翔往來。

さて、この上林苑において天子は車馬に乗りあちこちを回って、そして、旋回し、そして、行きつ戻りつして、

睨部曲之進退,覽將帥之變態。

巡り行き、部隊の動き具合いや、指揮官たちの様々な姿をご覧になる。

然後侵淫促節,倐遠去;

その後、次第に、馬の歩調を速められ、たちまちのうちに、遠方へ駆け去って行かれる。

流離輕禽,蹴履狡獸;

小鳥たちをけちらし、すばやい獣たちを踏み倒し、

𨎥白鹿,捷狡兔;

白い鹿を車軸に当て、すばやい兎を捕獲される。
軼赤電,遺光耀,

さらに、赤い妖光を追い越し、その光を後ろに見て、

追怪物,出宇宙。

怪しい鳥獣を追い求め、天地の果てを超えて進まる。

 

10-2

彎蕃弱,滿白羽;

古代からの良弓の蕃弱の弓をひき、白羽の矢を引き絞り

射游梟,櫟蜚遽。

走る梟羊、飛ぶ遽を射とめられるのである。

擇肉而後發,先中而命處;

天子の弓の腕前は、どの場所の肉に矢を当てるかを決めてから、矢を放たれ、その矢が命中する前に、その場所を口にされるほどである。

弦矢分,藝殪仆。

矢が弦を離れるやいなや、的となった鳥獣は倒れ伏すのだ。

然後揚節而上浮,凌驚風,

その後、天子は、馬あしを上に向け、空に浮かび昇られ、疾風を越え、

歷駭猋,乘虛無,與神俱。

つむじ風を横切り、虚空に上り、神霊に出会われる。

 

10-3

藺玄鶴,亂昆鷄;

そこでは、黒い鶴を踏みつけ、昆鶉の群れを乱し、

遒孔鸞,促鵕䴊

孔雀と鸞鳥に追いつき、鵕䴊を捕らえ、

拂翳鳥,捎鳳凰;

鳳の一種である翳鳥を払いのけ、鳳凰を打ち、

捷鵷雛,揜焦明。

鵷雛を促え、焦明を抑えてとるのである。

道盡塗殫,迴車而還;

やがて、道が窮まると、車を廻らせてお帰りになる。

招搖乎襄羊,降集乎北紘;

ゆったりと巡り行き、北の果てに、天から下り立ち、

率乎直指,晻乎反

そこから、上林苑まで、まっすぐに向かい、速やかにお戻りになる。

 

10-4

蹶石闕,歷封巒;

石闕観を越え、封巒観を過ぎ、

過鳷鵲,望露寒;

鳷鵲観をぬけ、露寒観を眺めつつ、

下棠梨,息宜春。

棠梨観へと下り、宜春宮に休まれ、

西馳宣曲,濯鷁牛首;

西を指して宜曲宮に急ぎ、牛首池に船を浮かべ、

登龍臺,掩細柳;

龍台に登り、細柳観に留まられるのである。

 

10-5

觀士大夫之勤略,鈞獵者之所得獲,

徒車之所𨏼轢,步騎之所蹂

人臣之所蹈藉,與其窮極倦𠙆

驚憚讋伏,不被創刃而死者,

佗佗藉藉,填阬滿谷,揜平彌澤。

 

10-1

「是に於いて乘輿 節を弭【なび】かして徘徊し,翔【こうしょう】として往來す。

部曲の進退を睨【み】,將帥の變態を覽る。

然る後 侵淫【しんいん】として節を促やかに,倐【しゅくけい】として遠く去る。

輕禽【けいきん】を流離し,狡獸【こうじゅう】を蹴履【しゅくり】す。

白鹿を𨎥【す】り,狡兔【こうと】を捷る。

 

10-2

赤電を軼【す】き,光耀【こうよう】を【のこ】し

怪物を追い,宇宙より出づ。

蕃弱【はんじゃく】を【ひ】きて,白羽を滿し、

游梟【ゆうきょう】を射,櫟蜚遽【ひきょ】を【う】つ

肉を擇【えら】びて而して後に發ち,中【あた】るにだちて而して處を命ず。

弦矢【げんし】分れて,藝【まと】【たお】れ【ふ】す

然る後 節を揚げて而して上り浮かべ,驚風を凌ぐ。

駭猋【がいひょう】を【へ】,虛無に乘り,神と俱にす。

 

10-3

玄鶴【げんかく】を【ふ】み,昆鷄を亂り、

孔鸞【こうらん】を【せめと】り鵕䴊【しゅんぎ】を【せめと】り。

翳鳥【えいちょう】を拂い,鳳凰を捎【う】ち、

鵷雛【えんすう】を捷【と】り,焦明【しょうめい】を揜【おお】う。

道盡き塗殫【つ】きて,車を迴らせて還える。

招搖【しょうよう】乎【こ】として襄羊【じょうよう】し,乎として北紘に降集す。

 

10-4

率乎【そつこ】として直に指し,晻乎【えんこ】として反り【おか】う。

石闕【せきけつ】を蹶【ふ】み,封巒【ほうらん】を歷【へ】、

鳷鵲【しじゃく】を過【よぎ】り,露寒を望み、

棠梨【とうり】に下り,宜春【ぎしゅん】に息う。

西のかた宣曲に馳せ,鷁【げき】を牛首に濯う。

 

10-5

龍臺に登り,細柳に掩【とど】まる。

士大夫の勤略を觀て,獵者【りょうしゃ】の得獲【とくかく】する所を鈞【ひと】しくする,

徒車の𨏼【ふ】み【ふ】む所と,步騎の蹂【ふ】み【にし】る所と

人臣の蹈【ふ】藉【ふ】む所と,其の窮極 倦𠙆【けんげき】し

驚憚【きょうたん】讋伏【しょうふく】し,創刃を被らずしてに死する者に與り

佗佗【たた】藉藉【せきせき】として,阬【たに】に【み】ち谷に滿ちて,平【はら】を【おお】い澤を彌【わた】れり

終南山03 

 

『上林賦』(29)#10-4 現代語訳と訳註

(本文) 10-4

蹶石闕,歷封巒;

過鳷鵲,望露寒;

下棠梨,息宜春。

西馳宣曲,濯鷁牛首;

登龍臺,掩細柳;

 

 

(下し文) 10-4

率乎【そつこ】として直に指し,晻乎【えんこ】として反り【おか】う。

石闕【せきけつ】を蹶【ふ】み,封巒【ほうらん】を歷【へ】、

鳷鵲【しじゃく】を過【よぎ】り,露寒を望み、

棠梨【とうり】に下り,宜春【ぎしゅん】に息う。

西のかた宣曲に馳せ,鷁【げき】を牛首に濯う。

 

 

(現代語訳)

石闕観を越え、封巒観を過ぎ、

鳷鵲観をぬけ、露寒観を眺めつつ、

棠梨観へと下り、宜春宮に休まれ、

西を指して宜曲宮に急ぎ、牛首池に船を浮かべ、

龍台に登り、細柳観に留まられるのである。

 

 

(訳注) 10-4

蹶石闕,歷封巒、

石闕観を越え、封巒観を過ぎ、

 

過鳷鵲,望露寒、

鳷鵲観をぬけ、露寒観を眺めつつ、

蹶石闕……望露寒 石闕封巒鳷鵲露寒の四老は、武帝が建元年間に建てた楼観で、雲陽県の甘泉宮の外ではあるが、苑内に造られた。

秦の始皇帝が前220年に首都咸陽(かんよう)の北西の甘泉山(陝西省淳化県)に築いた離宮の林光宮に始まる。漢の武帝が建元年間(140‐前135)に高光宮,迎風館,通天台などを増築し,周囲19(7.7km)12宮,11台などを甘泉宮と総称した。別に山谷に沿って雲陽に至る周囲540(219km)の甘泉苑を設け,仙人,石闕(せきけつ),封巒(ほうらん),鳷鵲(しじやく)諸観など宮殿台閣100ヵ所以上があった。

 

下棠梨,息宜春。

棠梨観へと下り、宜春宮に休まれ、

棠梨 甘泉宮の離宮であるが、『三輔黄圖』によれば、甘泉苑垣外、雲陽の南三十里に在ったという。

○宜春 『三輔黄圖』によれば、もと秦の離宮で、長安城の東南、杜県の東(陝西省西安の東南) に在ったという。

 

西馳宣曲,濯鷁牛首、

西を指して宜曲宮に急ぎ、牛首池に船を浮かべ、

 

登龍臺,掩細柳、

龍台に登り、細柳観に留まられるのである。

○西馳宜曲…‥掩細柳 宣曲は宮殿の名、昆明地の西に在った。牛首は池の名で、上林苑の西端に在った。龍台は楼観の名で、灃水の西岸、渭水に近い所に在った。細柳は楼観の名で、昆明池の南に在った。なお、『三輔黄園』によれば、上林苑には池が10か所あったという。ここまでの文章は、天子が天上から北の涯に降り、甘泉宮を経て、上林苑に戻る道程を述べたもの。

『三輔黄園』とは中国,長安(現,西安)を中心にその近郊に位置する三輔(京兆尹(けいちよういん),左馮翊(さひようよく),右扶風(ゆうふふう))の地域の,主として漢代の古跡を記述した地理書。宮殿,苑囿(えんゆう),陵墓などの来歴を述べ,ときにそうした場所にまつわる伝説も引用される。筆者は不明。原本は南北朝期にできたと考えられるが,中唐以降の付加になる部分もある。テキストには,古書の引用で現行本を対校したものがいくつかあるが,陳直《三輔黄図校正》が最も新しい成果である。長安付近図00上林苑01

司馬相如《上林賦 》(28)―#10-3  文選 賦<110-#10-3>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩933 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3213

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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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司馬相如《上林賦

(28)#10-3  文選 賦<110-10313分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩933 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3213

 

 

10-1

「於是乘輿弭節徘徊,翔往來。

さて、この上林苑において天子は車馬に乗りあちこちを回って、そして、旋回し、そして、行きつ戻りつして、

睨部曲之進退,覽將帥之變態。

巡り行き、部隊の動き具合いや、指揮官たちの様々な姿をご覧になる。

然後侵淫促節,倐遠去;

その後、次第に、馬の歩調を速められ、たちまちのうちに、遠方へ駆け去って行かれる。

流離輕禽,蹴履狡獸;

小鳥たちをけちらし、すばやい獣たちを踏み倒し、

𨎥白鹿,捷狡兔;

白い鹿を車軸に当て、すばやい兎を捕獲される。
軼赤電,遺光耀,

さらに、赤い妖光を追い越し、その光を後ろに見て、

追怪物,出宇宙。

怪しい鳥獣を追い求め、天地の果てを超えて進まる。

 

10-2

彎蕃弱,滿白羽;

古代からの良弓の蕃弱の弓をひき、白羽の矢を引き絞り

射游梟,櫟蜚遽。

走る梟羊、飛ぶ遽を射とめられるのである。

擇肉而後發,先中而命處;

天子の弓の腕前は、どの場所の肉に矢を当てるかを決めてから、矢を放たれ、その矢が命中する前に、その場所を口にされるほどである。

弦矢分,藝殪仆。

矢が弦を離れるやいなや、的となった鳥獣は倒れ伏すのだ。

然後揚節而上浮,凌驚風,

その後、天子は、馬あしを上に向け、空に浮かび昇られ、疾風を越え、

歷駭猋,乘虛無,與神俱。

つむじ風を横切り、虚空に上り、神霊に出会われる。

 

10-3

藺玄鶴,亂昆鷄;

そこでは、黒い鶴を踏みつけ、昆鶉の群れを乱し、

遒孔鸞,促鵕䴊

孔雀と鸞鳥に追いつき、鵕䴊を捕らえ、

拂翳鳥,捎鳳凰;

鳳の一種である翳鳥を払いのけ、鳳凰を打ち、

捷鵷雛,揜焦明。

鵷雛を促え、焦明を抑えてとるのである。

道盡塗殫,迴車而還;

やがて、道が窮まると、車を廻らせてお帰りになる。

招搖乎襄羊,降集乎北紘;

ゆったりと巡り行き、北の果てに、天から下り立ち、

率乎直指,晻乎反

そこから、上林苑まで、まっすぐに向かい、速やかにお戻りになる。

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10-4

蹶石闕,歷封巒;

過鳷鵲,望露寒;

下棠梨,息宜春。

西馳宣曲,濯鷁牛首;

登龍臺,掩細柳;

 

10-5

觀士大夫之勤略,鈞獵者之所得獲,

徒車之所𨏼轢,步騎之所蹂

人臣之所蹈藉,與其窮極倦𠙆

驚憚讋伏,不被創刃而死者,

佗佗藉藉,填阬滿谷,揜平彌澤。

 

10-1

「是に於いて乘輿 節を弭【なび】かして徘徊し,翔【こうしょう】として往來す。

部曲の進退を睨【み】,將帥の變態を覽る。

然る後 侵淫【しんいん】として節を促やかに,倐【しゅくけい】として遠く去る。

輕禽【けいきん】を流離し,狡獸【こうじゅう】を蹴履【しゅくり】す。

白鹿を𨎥【す】り,狡兔【こうと】を捷る。

 

10-2

赤電を軼【す】き,光耀【こうよう】を【のこ】し

怪物を追い,宇宙より出づ。

蕃弱【はんじゃく】を【ひ】きて,白羽を滿し、

游梟【ゆうきょう】を射,櫟蜚遽【ひきょ】を【う】つ

肉を擇【えら】びて而して後に發ち,中【あた】るにだちて而して處を命ず。

弦矢【げんし】分れて,藝【まと】【たお】れ【ふ】す

然る後 節を揚げて而して上り浮かべ,驚風を凌ぐ。

駭猋【がいひょう】を【へ】,虛無に乘り,神と俱にす。

 

10-3

玄鶴【げんかく】を【ふ】み,昆鷄を亂り、

孔鸞【こうらん】を【せめと】り鵕䴊【しゅんぎ】を【せめと】り。

翳鳥【えいちょう】を拂い,鳳凰を捎【う】ち、

鵷雛【えんすう】を捷【と】り,焦明【しょうめい】を揜【おお】う。

道盡き塗殫【つ】きて,車を迴らせて還える。

招搖【しょうよう】乎【こ】として襄羊【じょうよう】し,乎として北紘に降集す。

 

10-4

率乎【そつこ】として直に指し,晻乎【えんこ】として反り【おか】う。

石闕【せきけつ】を蹶【ふ】み,封巒【ほうらん】を歷【へ】、

鳷鵲【しじゃく】を過【よぎ】り,露寒を望み、

棠梨【とうり】に下り,宜春【ぎしゅん】に息う。

西のかた宣曲に馳せ,鷁【げき】を牛首に濯う。

 

10-5

龍臺に登り,細柳に掩【とど】まる。

士大夫の勤略を觀て,獵者【りょうしゃ】の得獲【とくかく】する所を鈞【ひと】しくする,

徒車の𨏼【ふ】み【ふ】む所と,步騎の蹂【ふ】み【にし】る所と

人臣の蹈【ふ】藉【ふ】む所と,其の窮極 倦𠙆【けんげき】し

驚憚【きょうたん】讋伏【しょうふく】し,創刃を被らずしてに死する者に與り

佗佗【たた】藉藉【せきせき】として,阬【たに】に【み】ち谷に滿ちて,平【はら】を【おお】い澤を彌【わた】れり

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『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 10-3

藺玄鶴,亂昆鷄;

遒孔鸞,促鵕䴊

拂翳鳥,捎鳳凰;

捷鵷雛,揜焦明。

道盡塗殫,迴車而還;

招搖乎襄羊,降集乎北紘;

率乎直指,晻乎反

 

 

(下し文) 10-3

玄鶴【げんかく】を藺【ふ】み,昆鷄を亂り、

孔鸞【こうらん】を遒【せめと】り,鵕䴊【しゅんぎ】を促【せめと】り。

翳鳥【えいちょう】を拂い,鳳凰を捎【う】ち、

鵷雛【えんすう】を捷【と】り,焦明【しょうめい】を揜【おお】う。

道盡き塗殫【つ】きて,車を迴らせて還える。

招搖【しょうよう】乎【こ】として襄羊【じょうよう】し,乎として北紘に降集す。

 

 

(現代語訳)

そこでは、黒い鶴を踏みつけ、昆鶉の群れを乱し、

孔雀と鸞鳥に追いつき、鵕䴊を捕らえ、

鳳の一種である翳鳥を払いのけ、鳳凰を打ち、

鵷雛を促え、焦明を抑えてとるのである。

やがて、道が窮まると、車を廻らせてお帰りになる。

ゆったりと巡り行き、北の果てに、天から下り立ち、

そこから、上林苑まで、まっすぐに向かい、速やかにお戻りになる。

 

 

(訳注) 10-3

藺玄鶴,亂昆鷄;

そこでは、黒い鶴を踏みつけ、昆鶉の群れを乱し、

○昆鶏 張稗によれば、鶴に似て、貰白色の鳥。

 

遒孔鸞,促鵕䴊

孔雀と鸞鳥に追いつき、鵕䴊を捕らえ、

鵕䴊 『漢書』音義が曰う:「鵕䴊鳥名である。毛羽を以て冠を飾り,貝を以て帶を飾る。」とあるもの。

 

拂翳鳥,捎鳳凰、

鳳の一種である翳鳥を払いのけ、鳳凰を打ち、

○翳鳥 『山海繹』「海内経」に、「北海の内、蛇山なるもの有り、五采の鳥有り、飛べば一郷を蔽ふ。名を翳鳥という」とあるもの。鳳の一種。

 

捷鵷雛,揜焦明。

鵷雛を促え、焦明を抑えてとるのである。

○焦明 南方の霊鳥。

 

道盡塗殫,迴車而還、

やがて、道が窮まると、車を廻らせてお帰りになる。

 

招搖乎襄羊,降集乎北紘、

ゆったりと巡り行き、北の果てに、天から下り立ち、

○消揺乎襄羊 消揺も襄羊も、ともに疊韻語で、きままにさまよう形容。

 

率乎直指,晻乎反

そこから、上林苑まで、まっすぐに向かい、速やかにお戻りになる。
上林苑01 

司馬相如 《上林賦 》(27)―#10-2  文選 賦<110-#10-2>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩932 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3208

司馬相如 《上林賦 (27) 古代からの良弓の蕃弱の弓をひき、白羽の矢を引き絞り、走る梟羊、飛ぶ遽を射とめられるのである。天子の弓の腕前は、どの場所の肉に矢を当てるかを決めてから、矢を放たれ、その矢が命中する前に、その場所を口にされるほどである。

 

司馬相如《上林賦(27)#10-2  文選 賦<110-10213分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩932 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ

 


2013年10月29日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《上林賦 》(27)―#10-2  文選 賦<110-#10-2>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩932 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3208
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《次潼關上都統相公》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <845>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3209韓愈詩-217
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 

杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠


司馬相如 《上林賦 

10-1

「於是乘輿弭節徘徊,翔往來。

さて、この上林苑において天子は車馬に乗りあちこちを回って、そして、旋回し、そして、行きつ戻りつして、

睨部曲之進退,覽將帥之變態。

巡り行き、部隊の動き具合いや、指揮官たちの様々な姿をご覧になる。

然後侵淫促節,倐遠去;

その後、次第に、馬の歩調を速められ、たちまちのうちに、遠方へ駆け去って行かれる。

流離輕禽,蹴履狡獸;

小鳥たちをけちらし、すばやい獣たちを踏み倒し、

𨎥白鹿,捷狡兔;

白い鹿を車軸に当て、すばやい兎を捕獲される。
軼赤電,遺光耀,

さらに、赤い妖光を追い越し、その光を後ろに見て、

追怪物,出宇宙。

怪しい鳥獣を追い求め、天地の果てを超えて進まる。

 

10-2

彎蕃弱,滿白羽;

古代からの良弓の蕃弱の弓をひき、白羽の矢を引き絞り

射游梟,櫟蜚遽。

走る梟羊、飛ぶ遽を射とめられるのである。

擇肉而後發,先中而命處;

天子の弓の腕前は、どの場所の肉に矢を当てるかを決めてから、矢を放たれ、その矢が命中する前に、その場所を口にされるほどである。

弦矢分,藝殪仆。

矢が弦を離れるやいなや、的となった鳥獣は倒れ伏すのだ。

然後揚節而上浮,凌驚風,

その後、天子は、馬あしを上に向け、空に浮かび昇られ、疾風を越え、

歷駭猋,乘虛無,與神俱。

つむじ風を横切り、虚空に上り、神霊に出会われる。

 

10-3

藺玄鶴,亂昆鷄;

遒孔鸞,促鵕䴊

拂翳鳥,捎鳳凰;

捷鵷雛,揜焦明。

道盡塗殫,迴車而還;

招搖乎襄羊,降集乎北紘;

率乎直指,晻乎反

 

10-4

蹶石闕,歷封巒;

過鳷鵲,望露寒;

下棠梨,息宜春。

西馳宣曲,濯鷁牛首;

登龍臺,掩細柳;

 

10-5

觀士大夫之勤略,鈞獵者之所得獲,

徒車之所𨏼轢,步騎之所蹂

人臣之所蹈藉,與其窮極倦𠙆

驚憚讋伏,不被創刃而死者,

佗佗藉藉,填阬滿谷,揜平彌澤。

 

10-1

「是に於いて乘輿 節を弭【なび】かして徘徊し,翔【こうしょう】として往來す。

部曲の進退を睨【み】,將帥の變態を覽る。

然る後 侵淫【しんいん】として節を促やかに,倐【しゅくけい】として遠く去る。

輕禽【けいきん】を流離し,狡獸【こうじゅう】を蹴履【しゅくり】す。

白鹿を𨎥【す】り,狡兔【こうと】を捷る。

 

10-2

赤電を軼【す】き,光耀【こうよう】を【のこ】し

怪物を追い,宇宙より出づ。

蕃弱【はんじゃく】を【ひ】きて,白羽を滿し、

游梟【ゆうきょう】を射,櫟蜚遽【ひきょ】を【う】つ

肉を擇【えら】びて而して後に發ち,中【あた】るにだちて而して處を命ず。

弦矢【げんし】分れて,藝【まと】【たお】れ【ふ】す

然る後 節を揚げて而して上り浮かべ,驚風を凌ぐ。

駭猋【がいひょう】を【へ】,虛無に乘り,神と俱にす。

 

10-3

玄鶴【げんかく】を【ふ】み,昆鷄を亂り、

孔鸞【こうらん】を【せめと】り鵕䴊【しゅんぎ】を【せめと】り。

翳鳥【えいちょう】を拂い,鳳凰を捎【う】ち、

鵷雛【えんすう】を捷【と】り,焦明【しょうめい】を揜【おお】う。

道盡き塗殫【つ】きて,車を迴らせて還える。

招搖【しょうよう】乎【こ】として襄羊【じょうよう】し,乎として北紘に降集す。

 

10-4

率乎【そつこ】として直に指し,晻乎【えんこ】として反り【おか】う。

石闕【せきけつ】を蹶【ふ】み,封巒【ほうらん】を歷【へ】、

鳷鵲【しじゃく】を過【よぎ】り,露寒を望み、

棠梨【とうり】に下り,宜春【ぎしゅん】に息う。

西のかた宣曲に馳せ,鷁【げき】を牛首に濯う。

 

10-5

龍臺に登り,細柳に掩【とど】まる。

士大夫の勤略を觀て,獵者【りょうしゃ】の得獲【とくかく】する所を鈞【ひと】しくする,

徒車の𨏼【ふ】み【ふ】む所と,步騎の蹂【ふ】み【にし】る所と

人臣の蹈【ふ】藉【ふ】む所と,其の窮極 倦𠙆【けんげき】し

驚憚【きょうたん】讋伏【しょうふく】し,創刃を被らずしてに死する者に與り

佗佗【たた】藉藉【せきせき】として,阬【たに】に【み】ち谷に滿ちて,平【はら】を【おお】い澤を彌【わた】れり

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『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 10-2

彎蕃弱,滿白羽;

射游梟,櫟蜚遽。

擇肉而後發,先中而命處;

弦矢分,藝殪仆。

然後揚節而上浮,凌驚風,

歷駭猋,乘虛無,與神俱。

 

 

(下し文) 10-2

赤電を軼【す】き,光耀【こうよう】を【のこ】し

怪物を追い,宇宙より出づ。

蕃弱【はんじゃく】を【ひ】きて,白羽を滿し、

游梟【ゆうきょう】を射,櫟蜚遽【ひきょ】を【う】つ

肉を擇【えら】びて而して後に發ち,中【あた】るにだちて而して處を命ず。

弦矢【げんし】分れて,藝【まと】【たお】れ【ふ】す

然る後 節を揚げて而して上り浮かべ,驚風を凌ぐ。

駭猋【がいひょう】を【へ】,虛無に乘り,神と俱にす。

 

 

(現代語訳)

古代からの良弓の蕃弱の弓をひき、白羽の矢を引き絞り

走る梟羊、飛ぶ遽を射とめられるのである。

天子の弓の腕前は、どの場所の肉に矢を当てるかを決めてから、矢を放たれ、その矢が命中する前に、その場所を口にされるほどである。

矢が弦を離れるやいなや、的となった鳥獣は倒れ伏すのだ。

その後、天子は、馬あしを上に向け、空に浮かび昇られ、疾風を越え、

つむじ風を横切り、虚空に上り、神霊に出会われる。

 

 

(訳注) 10-2

彎蕃弱,滿白羽、

古代からの良弓の蕃弱の弓をひき、白羽の矢を引き絞り

○蕃弱 夏后氏の時の良弓の名。繁弱とも書く。

 

射游梟,櫟蜚遽。

走る梟羊、飛ぶ遽を射とめられるのである。

○游梟 游は悪鳥なり、故に之を射つ、といい、ふくろう(母を食うといわれた)と解している。別に、梟羊〈ひひ)と解すとする。

○蜚遽 天上の神獣で、鹿頭にして龍身であるという。なお、『淮南子』「氾論」の高誘注に、臭羊は山の精なり、遽の類に似るとあるので、ここの二句は、同類の怪獣を列挙し、游と蜚(飛)を対にしたものである。

 

擇肉而後發,先中而命處;

天子の弓の腕前は、どの場所の肉に矢を当てるかを決めてから、矢を放たれ、その矢が命中する前に、その場所を口にされるほどである。

 

弦矢分,藝殪仆。

矢が弦を離れるやいなや、的となった鳥獣は倒れ伏すのだ。

 

然後揚節而上浮,凌驚風,

その後、天子は、馬あしを上に向け、空に浮かび昇られ、疾風を越え、

 

歷駭猋,乘虛無,與神俱。

つむじ風を横切り、虚空に上り、神霊に出会われる。
長安付近図00 

司馬相如 《上林賦 》(26)―#10-1  文選 賦<110-#10-1>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩931 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3203

司馬相如《上林賦 (26) さて、この上林苑において天子は車馬に乗りあちこちを回って、そして、旋回し、そして、行きつ戻りつして、巡り行き、部隊の動き具合いや、指揮官たちの様々な姿をご覧になる。

 


(26)#10-1  文選 賦<110-10113分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩931 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3203

 

 

10-1

「於是乘輿弭節徘徊,翔往來。

さて、この上林苑において天子は車馬に乗りあちこちを回って、そして、旋回し、そして、行きつ戻りつして、

睨部曲之進退,覽將帥之變態。

巡り行き、部隊の動き具合いや、指揮官たちの様々な姿をご覧になる。

然後侵淫促節,倐遠去;

その後、次第に、馬の歩調を速められ、たちまちのうちに、遠方へ駆け去って行かれる。

流離輕禽,蹴履狡獸;

小鳥たちをけちらし、すばやい獣たちを踏み倒し、

𨎥白鹿,捷狡兔;

白い鹿を車軸に当て、すばやい兎を捕獲される。
軼赤電,遺光耀,

さらに、赤い妖光を追い越し、その光を後ろに見て、

追怪物,出宇宙。

怪しい鳥獣を追い求め、天地の果てを超えて進まる。

 

10-2

彎蕃弱,滿白羽;

射游梟,櫟蜚遽。

擇肉而後發,先中而命處;

弦矢分,藝殪仆。

然後揚節而上浮,凌驚風,

歷駭猋,乘虛無,與神俱。

 

10-3

藺玄鶴,亂昆鷄;

遒孔鸞,促鵕䴊

拂翳鳥,捎鳳凰;

捷鵷雛,揜焦明。

道盡塗殫,迴車而還;

招搖乎襄羊,降集乎北紘;

率乎直指,晻乎反

 

10-4

蹶石闕,歷封巒;

過鳷鵲,望露寒;

下棠梨,息宜春。

西馳宣曲,濯鷁牛首;

登龍臺,掩細柳;

 

10-5

觀士大夫之勤略,鈞獵者之所得獲,

徒車之所𨏼轢,步騎之所蹂

人臣之所蹈藉,與其窮極倦𠙆

驚憚讋伏,不被創刃而死者,

佗佗藉藉,填阬滿谷,揜平彌澤。

 

10-1

「是に於いて乘輿 節を弭【なび】かして徘徊し,翔【こうしょう】として往來す。

部曲の進退を睨【み】,將帥の變態を覽る。

然る後 侵淫【しんいん】として節を促やかに,倐【しゅくけい】として遠く去る。

輕禽【けいきん】を流離し,狡獸【こうじゅう】を蹴履【しゅくり】す。

白鹿を𨎥【す】り,狡兔【こうと】を捷る。

 

10-2

赤電を軼【す】き,光耀【こうよう】を【のこ】し

怪物を追い,宇宙より出づ。

蕃弱【はんじゃく】を【ひ】きて,白羽を滿し、

游梟【ゆうきょう】を射,櫟蜚遽【ひきょ】を【う】つ

肉を擇【えら】びて而して後に發ち,中【あた】るにだちて而して處を命ず。

弦矢【げんし】分れて,藝【まと】【たお】れ【ふ】す

然る後 節を揚げて而して上り浮かべ,驚風を凌ぐ。

駭猋【がいひょう】を【へ】,虛無に乘り,神と俱にす。

 

10-3

玄鶴【げんかく】を【ふ】み,昆鷄を亂り、

孔鸞【こうらん】を【せめと】り鵕䴊【しゅんぎ】を【せめと】り。

翳鳥【えいちょう】を拂い,鳳凰を捎【う】ち、

鵷雛【えんすう】を捷【と】り,焦明【しょうめい】を揜【おお】う。

道盡き塗殫【つ】きて,車を迴らせて還える。

招搖【しょうよう】乎【こ】として襄羊【じょうよう】し,乎として北紘に降集す。

 

10-4

率乎【そつこ】として直に指し,晻乎【えんこ】として反り【おか】う。

石闕【せきけつ】を蹶【ふ】み,封巒【ほうらん】を歷【へ】、

鳷鵲【しじゃく】を過【よぎ】り,露寒を望み、

棠梨【とうり】に下り,宜春【ぎしゅん】に息う。

西のかた宣曲に馳せ,鷁【げき】を牛首に濯う。

 

10-5

龍臺に登り,細柳に掩【とど】まる。

士大夫の勤略を觀て,獵者【りょうしゃ】の得獲【とくかく】する所を鈞【ひと】しくする,

徒車の𨏼【ふ】み【ふ】む所と,步騎の蹂【ふ】み【にし】る所と

人臣の蹈【ふ】藉【ふ】む所と,其の窮極 倦𠙆【けんげき】し

驚憚【きょうたん】讋伏【しょうふく】し,創刃を被らずしてに死する者に與り

佗佗【たた】藉藉【せきせき】として,阬【たに】に【み】ち谷に滿ちて,平【はら】を【おお】い澤を彌【わた】れり

 

 nat0022

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 10-1

「於是乘輿弭節徘徊,翔往來。

睨部曲之進退,覽將帥之變態。

然後侵淫促節,倐遠去;

流離輕禽,蹴履狡獸;

𨎥白鹿,捷狡兔;

軼赤電,遺光耀,

追怪物,出宇宙。

 

 

(下し文)

10-2

赤電を軼【す】き,光耀【こうよう】を遺【のこ】し,

怪物を追い,宇宙より出づ。

蕃弱【はんじゃく】を彎【ひ】きて,白羽を滿し、

游梟【ゆうきょう】を射,櫟蜚遽【ひきょ】を【う】つ。

肉を擇【えら】びて而して後に發ち,中【あた】るに先だちて而して處を命ず。

弦矢【げんし】分れて,藝【まと】殪【たお】れ仆【ふ】す。

然る後 節を揚げて而して上り浮かべ,驚風を凌ぐ。

駭猋【がいひょう】を歷【へ】,虛無に乘り,神と俱にす。

 

(現代語訳)

さて、この上林苑において天子は車馬に乗りあちこちを回って、そして、旋回し、そして、行きつ戻りつして、

巡り行き、部隊の動き具合いや、指揮官たちの様々な姿をご覧になる。

その後、次第に、馬の歩調を速められ、たちまちのうちに、遠方へ駆け去って行かれる。

小鳥たちをけちらし、すばやい獣たちを踏み倒し、

白い鹿を車軸に当て、すばやい兎を捕獲される。
さらに、赤い妖光を追い越し、その光を後ろに見て、

怪しい鳥獣を追い求め、天地の果てを超えて進まる。

 

 

(訳注) #10-1

「於是乘輿弭節徘徊,翔往來。

さて、この上林苑において天子は車馬に乗りあちこちを回って、旋回し、行きつ戻りつして、

乘輿 天子の車馬、轉じて行幸中の天子を指していふ。

○弭 1 弓の両端。弓弭(ゆはず)2 矢の端の、弓の弦につがえる切り込みのある部分。矢筈(やはず)3 相撲で、親指と他の指を広げ、矢筈の形にした手。

 (翼を広げたまま)旋回する,滑空する.

 

睨部曲之進退,覽將帥之變態。

巡り行き、部隊の動き具合いや、指揮官たちの様々な姿をご覧になる。

 

然後侵淫促節,倐遠去;

その後、次第に、馬の歩調を速められ、たちまちのうちに、遠方へ駆け去って行かれる。

○倐 たちまち,あっという間に.突然,たちまち.

 はるか、 とおい、 もとめる.

 

流離輕禽,蹴履狡獸;

小鳥たちをけちらし、すばやい獣たちを踏み倒し、

 

𨎥白鹿,捷狡兔;

白い鹿を車軸に当て、すばやい兎を捕獲される。

 

軼赤電,遺光耀,

さらに、赤い妖光を追い越し、その光を後ろに見て、

 

追怪物,出宇宙。

怪しい鳥獣を追い求め、天地の果てを超えて進まる。

 01boudake5

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(25)―#93  文選 賦<110-9313分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩930 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3198

 

 

(23)―#91 

「於是乎背秋涉冬,天子校獵。

さて、秋が過ぎて冬に入るころ、天子は、上林苑で、柵をめぐらせ、狩りを挙行される。

乘鏤象,六玉虯,

天子の乗る、彫刻のある象車は、六頭の玉で飾られた虯に引かれて、

拖蜺旌,靡雲旗;

虹の旗や雲の旗をなびかせている。

前皮軒,後道游。

行列の先頭には、虎の皮で飾った車が進み、その後に、五台の道草、九台の潜幸が続き、天子の前駆けを務める。

孫叔奉轡,衛公參乘;

天子の車では、公孫賀が中央で手綱をとり、衛青が右に陪乗している。

扈從橫行,出乎四校之中。

群れ従う兵士たちは、きままに動き回り、四方にめぐらせた柵からはみ出している。

鼓嚴簿,縱獵者;

おごそかな行列の中で合図の太鼓が打ち鳴らされ、狩猟の参加者を出動させる。

江江為阹,泰山為櫓。

この広大な狩り場は、黄河・長江が柵となり、泰山が物見櫓となっている。

「是に於てか秋に背きて冬を涉り,天子校獵【こうりょう】す。

鏤象【ろうしょう】に乘り,玉虯【ぎょくきゅう】を六にし,

蜺旌【げいせい】拖【ひ】き,雲旗を靡【なび】かせ、

皮軒を前にし,道游を後【しりえ】にす。

孫叔【そんしゅく】轡を奉じ,衛公【えいこう】參乘【さんじょう】す。

扈從【こじゅう】橫行して,乎四校の中より出づ。

嚴簿【げんぼ】に鼓みうちて,縱獵者【りょうしゃ】を【はな】つ。

江江 阹【さえ】と為し,泰山 櫓と為す。

 

 (24)―#92 

車騎雷起,殷天動地;

車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、

先後陸離,離散別追,

そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。

淫淫裔裔、緣陵流澤,雲布雨施。

度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

生貔豹,搏豺狼;

彼らは、貔(虎豹の一種)や豹を生け捕り、豺や狼を打ち倒し、

手熊羆,足野羊。

熊や羆を手で押さえ、野羊を足で踏みつける。

蒙鶡蘇,絝白虎;

そのいでたちは、鴎の尾羽根を頭につけ、白虎の皮をはかまとし、

被班文,跨野馬。

虎のまだらな皮の服を着、野生の馬にまたがっている。

車騎 雷【いかづち】のごとくに起きて,殷天に【さか】り地を動【ゆる】がす。

先後 陸離として,離散して別れ追う。

淫淫裔裔として、陵に緣り澤に流れ,雲のごとく布き雨のごとくに施す。

貔豹【ひひょう】を生けどり,豺狼【さいろう】を搏ち、

熊羆【ゆうひ】を手もとり,野羊を足もてふむ。

鶡蘇【かつそ】を蒙【こうむ】り,白虎を絝【はかま】にし、

班文を被り,野馬に跨る。

 

(25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

三嵕山のような三峰の険しい山を越え、ごつごつした坂を下って行き、

徑峻赴險,越壑厲水。

高く険しい峰を横切り、激しい水の流れの谷川を渡って行く。

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

怪獣の飛廉を打ち殺し、獬豸を翻弄し、獼猴のような蝦蛤を組みふせて、

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

猛氏を鋋(小矛)で刺し、騕褭を搦めとり、大いのししを射とめる。 

箭不苟害,解脰陷腦;

彼らの放つ矢は、獲物を傷つけるだけということはなく、必ず首筋を断ち、頭に突き刺さる。

弓不虛發,應聲而倒。

彼らが弓を射れば、必ず命中し、弦の昔に合わせて、獲物が倒れるのだ。

三嵕【さんそう】の危に陵【のぼ】り,磧歷【せきれき】の坻【さか】を下る。

峻なる徑り 險しきに赴き,壑を越え 厲【はげ】しき水をわたる。

飛廉を推【う】ち,獬豸【かいち】弄び 蝦蛤【かこう】を格【う】ち,

鋋猛氏【もうし】を【ほこ】でもって、騕褭【ようじょう】を羂【ほだ】し,封豕【ほうし】を射る。

【や】 【かりそめ】にも害せず,脰【うなじ】を解き 腦【なづき】を【おととし】いる。

弓 虛【むなし】く【はな】たず,聲に應じて倒る。


長安付近図00上林苑01 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

徑峻赴險,越壑厲水。

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

箭不苟害,解脰陷腦;

弓不虛發,應聲而倒。

 

 

 

(下し文) (25)―#93 

三嵕【さんそう】の危に陵【のぼ】り,磧歷【せきれき】の坻【さか】を下る。

峻なる徑り 險しきに赴き,壑を越え 厲【はげ】しき水をわたる。

飛廉を推【う】ち,獬豸【かいち】弄び 蝦蛤【かこう】を格【う】ち,

鋋猛氏【もうし】を【ほこ】でもって、騕褭【ようじょう】を羂【ほだ】し,封豕【ほうし】を射る。

【や】 【かりそめ】にも害せず,脰【うなじ】を解き 腦【なづき】を【おととし】いる。

弓 虛【むなし】く【はな】たず,聲に應じて倒る。

 

 

 

(現代語訳)

三嵕山のような三峰の険しい山を越え、ごつごつした坂を下って行き、

高く険しい峰を横切り、激しい水の流れの谷川を渡って行く。

怪獣の飛廉を打ち殺し、獬豸を翻弄し、獼猴のような蝦蛤を組みふせて、

猛氏を鋋(小矛)で刺し、騕褭を搦めとり、大いのししを射とめる。 

彼らの放つ矢は、獲物を傷つけるだけということはなく、必ず首筋を断ち、頭に突き刺さる。

彼らが弓を射れば、必ず命中し、弦の昔に合わせて、獲物が倒れるのだ。

 

 

(訳注) (25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

三嵕山のような三峰の険しい山を越え、ごつごつした坂を下って行き、

〇三嵕 三嵕は三聚の山(峯が三つ並んだ山) で、聞喜県(山西省間喜)の山名に類似したもの。。

○磧歷 小石が多くて平らでない形容の畳韻語。

 

徑峻赴險,越壑厲水。

高く険しい峰を横切り、激しい水の流れの谷川を渡って行く。

○厲水 激しい水の流れ。厲:(1) 厳格な,厳しい.(2) 厳粛な,いかめしい.(3) 激しい,猛々しい.(4)耐え難い,激しい,

 

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

怪獣の飛廉を打ち殺し、獬豸を翻弄し、獼猴のような蝦蛤を組みふせて、

○飛廉 怪獣の名。郭嘆によれば、龍雀のことで、鳥身鹿頭という。

○獬豸 鹿に似て一角で、人君の刑罰が公平であると、この獣が朝廷に生じ、不正な者につきかかるという。

○蝦蛤 『博物志』に「蜀山の南の」向山の上に物有り、獼猴の如く、長(たけ)七尺、能く人行し健走す。名を蝦獲という」とあるものだろうという。

 

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

猛氏を鋋(小矛)で刺し、騕褭を搦めとり、大いのししを射とめる。 

○猛氏 「蜀中に獣有り、状熊の如くして小さく、毛浅くして光沢有り。猛氏と名づく」という。『山海経』「西山経」の猛豹のことで、「能く蛇を食らひ、銅鉄を食らふ」とある。

騕褭 金の鬣、赤色で、一日に万里を行く馬。

○封 大いのしし。

 

箭不苟害,解脰陷腦。

彼らの放つ矢は、獲物を傷つけるだけということはなく、必ず首筋を断ち、頭に突き刺さる。

○箭 古代の矢。1 武器・狩猟具の一。弓の弦(つる)につがえ、距離を隔てた目的物を射るもの。木または竹で作った棒状のもので、一方の端に羽をつけ、他方の端に鏃(やじり)をつける。「―をつがえる」2 木材や石など、かたいもの。

○苟 1 仮にも。かりそめにも。2 もしも。万一。3.いいかげんに

○脰 うなじ(項・脰)とは首の後ろ部分を指す。襟首(えりくび)・首筋・うなぜ、とも言う。脰は偏に月、旁に豆の字。うなじの中央のくぼみを「盆の窪(ぼんのくぼ)」という

 

弓不虛發,應聲而倒。

彼らが弓を射れば、必ず命中し、弦の昔に合わせて、獲物が倒れるのだ。

司馬相如《上林賦 》(24)―#9-2  文選 賦<110-#9-2>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩929 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3193

司馬相如《上林賦 (24) 車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

 

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司馬相如《上林賦

(24)―#92  文選 賦<110-9213分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩929 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3193

 

 

(23)―#91 

「於是乎背秋涉冬,天子校獵。

さて、秋が過ぎて冬に入るころ、天子は、上林苑で、柵をめぐらせ、狩りを挙行される。

乘鏤象,六玉虯,

天子の乗る、彫刻のある象車は、六頭の玉で飾られた虯に引かれて、

拖蜺旌,靡雲旗;

虹の旗や雲の旗をなびかせている。

前皮軒,後道游。

行列の先頭には、虎の皮で飾った車が進み、その後に、五台の道草、九台の潜幸が続き、天子の前駆けを務める。

孫叔奉轡,衛公參乘;

天子の車では、公孫賀が中央で手綱をとり、衛青が右に陪乗している。

扈從橫行,出乎四校之中。

群れ従う兵士たちは、きままに動き回り、四方にめぐらせた柵からはみ出している。

鼓嚴簿,縱獵者;

おごそかな行列の中で合図の太鼓が打ち鳴らされ、狩猟の参加者を出動させる。

江江為阹,泰山為櫓。

この広大な狩り場は、黄河・長江が柵となり、泰山が物見櫓となっている。

 

「是に於てか秋に背きて冬を涉り,天子校獵【こうりょう】す。

鏤象【ろうしょう】に乘り,玉虯【ぎょくきゅう】を六にし,

蜺旌【げいせい】拖【ひ】き,雲旗を靡【なび】かせ、

皮軒を前にし,道游を後【しりえ】にす。

孫叔【そんしゅく】轡を奉じ,衛公【えいこう】參乘【さんじょう】す。

扈從【こじゅう】橫行して,乎四校の中より出づ。

嚴簿【げんぼ】に鼓みうちて,縱獵者【りょうしゃ】を【はな】つ。

江江 阹【さえ】と為し,泰山 櫓と為す。

 

 (24)―#92 

車騎雷起,殷天動地;

車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、

先後陸離,離散別追,

そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。

淫淫裔裔、緣陵流澤,雲布雨施。

度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

生貔豹,搏豺狼;

彼らは、貔(虎豹の一種)や豹を生け捕り、豺や狼を打ち倒し、

手熊羆,足野羊。

熊や羆を手で押さえ、野羊を足で踏みつける。

蒙鶡蘇,絝白虎;

そのいでたちは、鴎の尾羽根を頭につけ、白虎の皮をはかまとし、

被班文,跨野馬。

虎のまだらな皮の服を着、野生の馬にまたがっている。

車騎 雷【いかづち】のごとくに起きて,殷天に【さか】り地を動【ゆる】がす。

先後 陸離として,離散して別れ追う。

淫淫裔裔として、陵に緣り澤に流れ,雲のごとく布き雨のごとくに施す。

貔豹【ひひょう】を生けどり,豺狼【さいろう】を搏ち、

熊羆【ゆうひ】を手もとり,野羊を足もてふむ。

鶡蘇【かつそ】を蒙【こうむ】り,白虎を絝【はかま】にし、

班文を被り,野馬に跨る。

 

(25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

徑峻赴險,越壑厲水。

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

箭不苟害,解脰陷腦;

弓不虛發,應聲而倒。

終南山04 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (24)―#92 

車騎雷起,殷天動地

先後陸離,離散別追

淫淫裔裔;緣陵流澤,雲布雨施。

生貔豹,搏豺狼

手熊羆,足野羊。

蒙鶡蘇,絝白虎

被班文,跨野馬。

 

 

(下し文) (24)―#92 

車騎 雷【いかづち】のごとくに起きて,殷天に【さか】り地を動【ゆる】がす。

先後 陸離として,離散して別れ追う。

淫淫裔裔として、陵に緣り澤に流れ,雲のごとく布き雨のごとくに施す。

貔豹【ひひょう】を生けどり,豺狼【さいろう】を搏ち、

熊羆【ゆうひ】を手もとり,野羊を足もてふむ。

鶡蘇【かつそ】を蒙【こうむ】り,白虎を絝【はかま】にし、

班文を被り,野馬に跨る。

 

 

(現代語訳)

車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、

そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。

度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

彼らは、貔(虎豹の一種)や豹を生け捕り、豺や狼を打ち倒し、

熊や羆を手で押さえ、野羊を足で踏みつける。

そのいでたちは、鴎の尾羽根を頭につけ、白虎の皮をはかまとし、

虎のまだらな皮の服を着、野生の馬にまたがっている。

 

sunrise002 

(訳注) (24)―#92 

車騎雷起,殷天動地

車や騎馬は、雷鳴のような響きをあげ、天地を震わせてゆく、

 

先後陸離,離散別追。

そして、それを先に、後にと、分散して、別々に獲物を追って行く。

 

淫淫裔裔;緣陵流澤,雲布雨施。

度を過し、遠いところまであふれるように進み、丘に沿い、谷に流れる様子は、雲が広がり、雨が降りそそぐようである。

・淫淫 淫:度が過ぎる。度を過ごして熱中する。

・裔裔 裔:1 遠い子孫。「後裔・神裔・苗裔・末裔・余裔」2 遠い辺境。

 

生貔豹,搏豺狼、

彼らは、貔(虎豹の一種)や豹を生け捕り、極悪非道の豺や狼を打ち倒し、

・貔 (1) 中国伝説上の熊に似た虎豹.(2)勇猛な軍隊.

・豺 やまいぬ獣の名。アカオオカミ。転じて、非道・非情の悪人のたとえ。「豺狼(さいろう)

 

手熊羆,足野羊。

熊や羆を手で押さえ、野羊を足で踏みつける。

・羆 ヒグマとは、クマ科の哺乳類。体長約2メートル。体色は灰褐色・赤褐色・黒褐色と変化に富む。性質は荒い。冬は穴で冬眠する。日本では北海道にエゾヒグマがすむ。

 

蒙鶡蘇,絝白虎、

そのいでたちは、鴎の尾羽根を頭につけ、白虎の皮をはかまとし、

○鶡蘇 鶡は雉に似た鳥で、闘って死んでもしりぞかない。そこで、その蘇(尾の羽根)を帽子にして冠る。

 上林苑01

被班文,跨野馬。

虎のまだらな皮の服を着、野生の馬にまたがっている。

司馬相如 《上林賦 》(23)―#9-1  文選 賦<110-#9-1>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩928 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3188

司馬相如 《上林賦 (23) さて、秋が過ぎて冬に入るころ、天子は、上林苑で、柵をめぐらせ、狩りを挙行される。天子の乗る、彫刻のある象車は、六頭の玉で飾られた虯に引かれて、虹の旗や雲の旗をなびかせている。行列の先頭には、虎の皮で飾った車が進み、その後に、五台の道草、九台の潜幸が続き、天子の前駆けを務める。

 

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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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司馬相如 《上林賦

(23)―#91  文選 賦<110-9113分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩928 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3188

 

 

 

#9

(23)―#91 

「於是乎背秋涉冬,天子校獵。

さて、秋が過ぎて冬に入るころ、天子は、上林苑で、柵をめぐらせ、狩りを挙行される。

乘鏤象,六玉虯,

天子の乗る、彫刻のある象車は、六頭の玉で飾られた虯に引かれて、

拖蜺旌,靡雲旗;

虹の旗や雲の旗をなびかせている。

前皮軒,後道游。

行列の先頭には、虎の皮で飾った車が進み、その後に、五台の道草、九台の潜幸が続き、天子の前駆けを務める。

孫叔奉轡,衛公參乘;

天子の車では、公孫賀が中央で手綱をとり、衛青が右に陪乗している。

扈從橫行,出乎四校之中。

群れ従う兵士たちは、きままに動き回り、四方にめぐらせた柵からはみ出している。

鼓嚴簿,縱獵者;

おごそかな行列の中で合図の太鼓が打ち鳴らされ、狩猟の参加者を出動させる。

江江為阹,泰山為櫓。

この広大な狩り場は、黄河・長江が柵となり、泰山が物見櫓となっている。

 

「是に於てか秋に背きて冬を涉り,天子校獵【こうりょう】す。

鏤象【ろうしょう】に乘り,玉虯【ぎょくきゅう】を六にし,

蜺旌【げいせい】拖【ひ】き,雲旗を靡【なび】かせ、

皮軒を前にし,道游を後【しりえ】にす。

孫叔【そんしゅく】轡を奉じ,衛公【えいこう】參乘【さんじょう】す。

扈從【こじゅう】橫行して,乎四校の中より出づ。

嚴簿【げんぼ】に鼓みうちて,縱獵者【りょうしゃ】を【はな】つ。

江江 阹【さえ】と為し,泰山 櫓と為す。

 

(24)―#92 

車騎雷起,殷天動地;

先後陸離,離散別追,淫淫裔裔;

緣陵流澤,雲布雨施。

生貔豹,搏豺狼;

手熊羆,足野羊。

蒙鶡蘇,絝白虎;

被班文,跨野馬。

 

(25)―#93 

陵三嵕之危,下磧歷之坻;

徑峻赴險,越壑厲水。

推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,

鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。

箭不苟害,解脰陷腦;

弓不虛發,應聲而倒。

01boudake5 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (23)―#91 

「於是乎背秋涉冬,天子校獵。

乘鏤象,六玉虯,

拖蜺旌,靡雲旗;

前皮軒,後道游。

孫叔奉轡,衛公參乘;

扈從橫行,出乎四校之中。

鼓嚴簿,縱獵者;

江江為阹,泰山為櫓。

 

 

(下し文) (23)―#91 

「是に於てか秋に背きて冬を涉り,天子校獵【こうりょう】す。

鏤象【ろうしょう】に乘り,玉虯【ぎょくきゅう】を六にし,

蜺旌【げいせい】拖【ひ】き,雲旗を靡【なび】かせ、

皮軒を前にし,道游を後【しりえ】にす。

孫叔【そんしゅく】轡を奉じ,衛公【えいこう】參乘【さんじょう】す。

扈從【こじゅう】橫行して,乎四校の中より出づ。

嚴簿【げんぼ】に鼓みうちて,縱獵者【りょうしゃ】を【はな】つ。

江江 阹【さえ】と為し,泰山 櫓と為す。

 

 

(現代語訳)

さて、秋が過ぎて冬に入るころ、天子は、上林苑で、柵をめぐらせ、狩りを挙行される。

天子の乗る、彫刻のある象車は、六頭の玉で飾られた虯に引かれて、

虹の旗や雲の旗をなびかせている。

行列の先頭には、虎の皮で飾った車が進み、その後に、五台の道草、九台の潜幸が続き、天子の前駆けを務める。

天子の車では、公孫賀が中央で手綱をとり、衛青が右に陪乗している。

群れ従う兵士たちは、きままに動き回り、四方にめぐらせた柵からはみ出している。

おごそかな行列の中で合図の太鼓が打ち鳴らされ、狩猟の参加者を出動させる。

この広大な狩り場は、黄河・長江が柵となり、泰山が物見櫓となっている。

 

 

(訳注)

「於是乎背秋涉冬,天子校獵。

さて、秋が過ぎて冬に入るころ、天子は、上林苑で、柵をめぐらせ、狩りを挙行される。

○校猟 柵を狩り場の周囲に設けて、獣を逃がさないようにしてから、狩りを行うこと。

 

乘鏤象,六玉虯,

天子の乗る、彫刻のある象車は、六頭の玉で飾られた虯に引かれて、

○鏤象 彫刻で飾られ、天子の車の一種で、象牙で飾られたもの。

○玉虯 上文の青龍と同様、馬を虯になぞらえたもの。馬具を玉で飾っているので、こう表現した。

 

拖蜺旌,靡雲旗。

虹の旗や雲の旗をなびかせている。

 

前皮軒,後道游。

行列の先頭には、虎の皮で飾った車が進み、その後に、五台の道草、九台の潜幸が続き、天子の前駆けを務める。

○前皮軒、後道游 皮軒(虎の皮で飾った車)が行列の先頭に立ち、道草五乗と游車九乗がその後に続き、天子の車の前駆けとなる。道草と游車が天子の車の後に続くという意味ではない。『漢旧儀』によれば、道草五乗と游車九乗の制度は実際にあった。

 

孫叔奉轡,衛公參乘。

天子の車では、公孫賀が中央で手綱をとり、衛青が右に陪乗している。

○孫叔奉轡、衛公参乘 孫叔は太僕の公孫賀、字は子叔のこと。衛公は、大将軍衛青(?〜前106)のこと。呉仁傑ほか、古の名御者である。

 

扈從橫行,出乎四校之中。

群れ従う兵士たちは、きままに動き回り、四方にめぐらせた柵からはみ出している。

 

鼓嚴簿,縱獵者。

おごそかな行列の中で合図の太鼓が打ち鳴らされ、狩猟の参加者を出動させる。

○厳簿 厳粛な鹵簿(天子の行列)のこと。

 

江江為阹,泰山為櫓。

この広大な狩り場は、黄河・長江が柵となり、泰山が物見櫓となっている。

 nat0022

司馬相如《上林賦 》(22)#8-2 文選 賦<110-#8-2>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩927 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3183

司馬相如《上林賦 》(22 猿たちは、高いところに梁のようにかかった枝を渡り、ひときわ高い樹に登ってゆき、垂れた枝につかまりながら、枝のすき間を跳びぬけて行く。やがて、高い所でばらばらに散らばり、群れを乱して遠くへ去っていく。このような離宮・別館がこんな輩のために、数百どころか数千箇所に設けられ、

 

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司馬相如《上林賦

》(22)#8-2 文選 賦<110-8213分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩927 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3183

 

 

21)#8-1 

「於是乎玄猿素雌,蜼玃飛𧕫,蛭蜩蠼猱,

この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。

豰蛫,棲息乎其間。

漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

長嘯哀鳴,翩幡互經,

長く声をひいて、悲しげに鳴き、幡が翻るように身軽に飛び回ってすれちがっている。

夭蟜枝格,偃蹇杪顛。

枝の間や梢の先で、きままに体を屈伸させ、猿歩行したかと思うとこぬれで転車をする。

21)#8-1 

「是に於てか 玄猿【げんえん】素雌【そし】,蜼玃【いかく】飛𧕫【ひるい】,蛭蜩【てつちょう】蠼猱【かくどう】,

【ざんこ】豰蛫【こくき】,其の間に棲息す。

長く嘯【うそぶ】き哀しみ鳴いて,翩幡【へんぱん】として互いに經。

枝格【しかく】に夭蟜【ようきょう】し,杪顛【びょうてん】に偃蹇【えんけん】す

22)#8-2 

梁,騰殊榛;

猿たちは、高いところに梁のようにかかった枝を渡り、ひときわ高い樹に登ってゆき、

捷垂條,掉希間。

垂れた枝につかまりながら、枝のすき間を跳びぬけて行く。

牢落陸離,爛漫遠遷。

やがて、高い所でばらばらに散らばり、群れを乱して遠くへ去っていく。

若此輩者,數百千處。

このような離宮・別館がこんな輩のために、数百どころか数千箇所に設けられ、

遊往來,宮宿館舍;

天子はその間を、楽しみながら往来し、それぞれの離宮・別館に宿をとられる。

庖廚不徙,後宮不移,百官備具。

調理場の役人も、後宮の宮女も、それぞれの場所にそなわっているので、天子について移り歩く必要がない。どの場所にも、天子の世話をする百官がそろって待機しているのである。

22)#8-2 

梁を隃【こ】え,殊榛【しゅしん】に【のぼ】り。

垂條【すいじょう】を【と】り,希間に掉【つ】く

牢落 陸離として,爛漫 遠く遷る。

此の若き輩者,數百 千處あり。

【ごゆう】往來して,宮に宿り館に舍【やど】る。

庖廚【ほうちゅう】【うつ】さず,後宮 移らず,百官備わり具【そな】われり

花蕊夫人006 

 

『上林賦』(22) 現代語訳と訳註

(本文) 22)#8-2 

梁,騰殊榛;

捷垂條,掉希間。

牢落陸離,爛漫遠遷。

若此輩者,數百千處。

遊往來,宮宿館舍;

庖廚不徙,後宮不移,百官備具。

 

 

(下し文) 22)#8-2 

梁を隃【こ】え,殊榛【しゅしん】に騰【のぼ】り。

垂條【すいじょう】を捷【と】り,希間に掉【つ】く。

牢落 陸離として,爛漫 遠く遷る。

此の若き輩者,數百 千處あり。

遊【ごゆう】往來して,宮に宿り館に舍【やど】る。

庖廚【ほうちゅう】徙【うつ】さず,後宮 移らず,百官備わり具【そな】われり。

 

 

(現代語訳)

猿たちは、高いところに梁のようにかかった枝を渡り、ひときわ高い樹に登ってゆき、

垂れた枝につかまりながら、枝のすき間を跳びぬけて行く。

やがて、高い所でばらばらに散らばり、群れを乱して遠くへ去っていく。

このような離宮・別館がこんな輩のために、数百どころか数千箇所に設けられ、

天子はその間を、楽しみながら往来し、それぞれの離宮・別館に宿をとられる。

調理場の役人も、後宮の宮女も、それぞれの場所にそなわっているので、天子について移り歩く必要がない。どの場所にも、天子の世話をする百官がそろって待機しているのである。

 

 

(訳注) 22)#8-2 

梁,騰殊榛;

猿たちは、高いところに梁のようにかかった枝を渡り、ひときわ高い樹に登ってゆき、

 

捷垂條,掉希間。

垂れた枝につかまりながら、枝のすき間を跳びぬけて行く。

 

牢落陸離,爛漫遠遷。

やがて、高い所でばらばらに散らばり、群れを乱して遠くへ去っていく。

○牢落陸離 牢落も陸離も、ばらばらに分散する形容の双声語で、互いに双声の関係にもある。牢落:⒈廖落;荒。⒉稀疏。⒊孤寂;无所寄托。

○爛漫 群れを乱して走る形容の畳韻語。

 

若此輩者,數百千處。

このような離宮・別館がこんな輩のために、数百どころか数千箇所に設けられ、

 

遊往來,宮宿館舍;

天子はその間を、楽しみながら往来し、それぞれの離宮・別館に宿をとられる。

 

庖廚不徙,後宮不移,百官備具。

調理場の役人も、後宮の宮女も、それぞれの場所にそなわっているので、天子について移り歩く必要がない。どの場所にも、天子の世話をする百官がそろって待機しているのである。

miyajima596 

司馬相如 《上林賦 》(21)#8-1 文選 賦<110-#8-1>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩926 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3178

司馬相如 《上林賦 》(21この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

 

2013年10月23日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《上林賦 》(21)#8-1 文選 賦<110-#8-1>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩926 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3178
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor668 《歲暮》 蜀中転々 杜甫 <574>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3180 杜甫詩1000-574-830/1500
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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司馬相如 《上林賦

》(21)#8-1 文選 賦<110-8113分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩926 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3178

 

 

21)#8-1 

「於是乎玄猿素雌,蜼玃飛𧕫,蛭蜩蠼猱,

この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。

豰蛫,棲息乎其間。

漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

長嘯哀鳴,翩幡互經,

長く声をひいて、悲しげに鳴き、幡が翻るように身軽に飛び回ってすれちがっている。

夭蟜枝格,偃蹇杪顛。

枝の間や梢の先で、きままに体を屈伸させ、猿歩行したかと思うとこぬれで転車をする。

22)#8-2 

梁,騰殊榛;

捷垂條,掉希間。

牢落陸離,爛漫遠遷。

若此輩者,數百千處。

遊往來,宮宿館舍;

庖廚不徙,後宮不移,百官備具。

21)#8-1 

「是に於てか 玄猿【げんえん】素雌【そし】,蜼玃【いかく】飛𧕫【ひるい】,蛭蜩【てつちょう】蠼猱【かくどう】,

【ざんこ】豰蛫【こくき】,其の間に棲息す。

長く嘯【うそぶ】き哀しみ鳴いて,翩幡【へんぱん】として互いに經。

枝格【しかく】に夭蟜【ようきょう】し,杪顛【びょうてん】に偃蹇【えんけん】す

22)#8-2 

梁を隃【こ】え,殊榛【しゅしん】に【のぼ】り。

垂條【すいじょう】を【と】り,希間に掉【つ】く

牢落 陸離として,爛漫 遠く遷る。

此の若き輩者,數百 千處あり。

【ごゆう】往來して,宮に宿り館に舍【やど】る。

庖廚【ほうちゅう】【うつ】さず,後宮 移らず,百官備わり具【そな】われり

 nat0022

 

『上林賦』(21) 現代語訳と訳註

(本文) 21)#8-1 

「於是乎玄猿素雌,蜼玃飛𧕫,蛭蜩蠼猱,

豰蛫,棲息乎其間。

長嘯哀鳴,翩幡互經,

夭蟜枝格,偃蹇杪顛。

 

 

(下し文) 21)#8-1 

「是に於てか 玄猿【げんえん】素雌【そし】,蜼玃【いかく】飛𧕫【ひるい】,蛭蜩【てつちょう】蠼猱【かくどう】,

【ざんこ】豰蛫【こくき】,其の間に棲息す。

長く嘯【うそぶ】き哀しみ鳴いて,翩幡【へんぱん】として互いに經。

枝格【しかく】に夭蟜【ようきょう】し,杪顛【びょうてん】に偃蹇【えんけん】す

 

 

(現代語訳)

この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。

漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

長く声をひいて、悲しげに鳴き、幡が翻るように身軽に飛び回ってすれちがっている。

枝の間や梢の先で、きままに体を屈伸させ、猿歩行したかと思うとこぬれで転車をする。

 

 

(訳注) 21)#8-1 

「於是乎玄猿素雌,蜼玃飛𧕫,蛭蜩蠼猱,

この樹々のつくる林には、黒い猿・白い雌猿、蜼(くもざる)・玃(おおざる)・飛𧕫(むささび)・蛭蜩(とびざる)・蠼猱(きいろいさる)といろんなさるがいる。

○蛭蜩蠼猱 蛭について、『山海経』「大荒北経」の「蜚蜼有り、四巽」を引くが、詳細は不明。同じく「東山経」には「龍姪【りゅうてつ】なる獣が見え、其の状狐の如くして九首九尾、虎爪あり」ともいう。蜩について、蝉(せみ)と解するが、内容にそぐわない。『史記索隠』に引く『神異経』に「西方の深山に獣有り、毛色猴の如く、能く高木に縁る。其の名を蜩という。蠼猱は、獮猴に似て黄色いもの。この(21)句、段は猿について言うもの。

 

豰蛫,棲息乎其間。

漸胡・穀といろんな猿が、ここの林にひっそりと棲んでいる。

豰蛫 胡は獮猴に似て、頭上に髦があり、腰から後ろが黒い。穀は鼬に似て大きく、腰から後ろが黄色で、獮猴を食べる。

 

長嘯哀鳴,翩幡互經,

長く声をひいて、悲しげに鳴き、幡が翻るように身軽に飛び回ってすれちがっている。

○幡(ばん/はた・旛)とは、布などを材料として高く掲げて目印や装飾とした道具のことで仏教祭祀の場で用いられた。

 

夭蟜枝格,偃蹇杪顛。

枝の間や梢の先で、きままに体を屈伸させ、猿歩行したかと思うとこぬれで転車をする。

夭蟜 猿などがきままに屈伸する形容の畳韻語。

○偃蹇 天婿と双声の関係にある畳韻語で、猿歩行のこと。

 木の幹や枝の先。木の先端。木末(こぬれ)
渓谷003 

司馬相如 《上林賦 》(20)#7-4 文選 賦<110-#7-4>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩925 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3173

司馬相如 《上林賦 》(20枝が上に伸び出た枝は、風にまかせて揺れ動き、枝がこすれ合ってザワザワと昔をたてる。鐘や響き音など笛が奏でられているかのようだ。樹々は高さも様々で、ふぞろいな林となり、後宮をとりまいている、

 

2013年10月22日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《上林賦

》(20)#7-4 文選 賦<110-#7-413分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩925 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3173

 

 

#7-1

「於是乎盧橘夏熟,黃甘橙楱;

そしてまた、ここには、夏に熟する盧橘をはじめ、黄柑(こうじみかん)・橙(だいだい)・楱(橘の類)・

枇杷橪柿,奈厚朴;

枇杷(びわ)・橪(こなつめ)・柿・亭(やまなし)・柰(からなし)・厚朴(ほおのき)・

棗楊梅,櫻桃蒲陶;

棗(さるがき)・楊梅(やまもも)・桜桃(ゆすらめ)・蒲陶(ぶどう)

隱夫薁棣,荅遝離支;

隠夫・薁(にわうめ)棣(にわうめ)荅遝離支(れいし)が植えられている。

羅乎後宮,列乎北園;

後宮につらなり、北の園に列をなしている。

丘陵,下平原;

その後は外の丘陵につづいてひろがり、平原にも及んでいる。

#7-1

「是に於てか、盧橘【ろきつ】夏に熟して,黃甘 橙楱【とうそう】、

枇杷【びわ】橪柿【えんし】,【ていだい】厚朴【こうはく】、

【えいそう】楊梅【ようばい】,櫻桃【おうとう】蒲陶【ぶどう】、

隱夫【いんぷ】薁棣【いくてい】,荅遝【とうとう】離支あり。

後宮に羅【つら】なり,北園に列なる。

丘陵に【はびこ】りて,平原に下る。

#7-2

揚翠葉,扤紫莖;

緑の葉を伸ばし、紫の茎を揺らし、

發紅華,垂朱榮;

桃色の花を開き、深紅の花ぶさを下げている、

煌煌扈扈,照曜鉅野。

そして、鮮やかに輝いて、広い野原に照り映えている。

沙棠櫟櫧,華楓枰櫨;

他の樹木としては、裟菜(やまなし)・櫟(くぬぎ)・櫧(いちいがし)・華(かば)・楓(からかえで)・枰(いちょう)・櫨(はぜ)があり、

留落胥邪,仁頻並閭,

留(ざくろ)・落あきにれ)・胥邪(しゅろ)・仁頻(びんろう)・幷閭(しゅろ)・

欃檀木蘭,豫章女貞。

欃檀・木蘭(もくれん)・豫章(くすのき)・女貞(ねずみもち)が生えている。

翠葉【すいよう】を揚げ,紫莖【しけい】を扤【うごか】し;

紅華を發き,朱榮【しゅえい】を垂れたり;

煌煌【こうこう】扈扈【ここ】として,鉅野【きょや】に照曜【しょうよう】す。

沙棠【さどう】櫟櫧【れきしょ】,華楓【かふう】枰櫨【へいろ】;

留落【りゅうらく】胥邪【しょや】,仁頻【じんびん】並閭【へいりょ】,

欃檀【ざんだん】木蘭【もくらん】,豫章【よしょう】女貞【じょてい】あり。

#7-3

長千仞,大連抱;

高さは千仞、太さは何人かが手をつないで、やっと囲めるほどである。

誇條直暢,實葉葰楙。

枝はまっすぐに張り出し、実も葉も豊かに茂っている。
攢立叢倚,連卷欐佹;

樹々は集まり、寄りそって立ち、屈曲したものがからみ重なり合っている。

崔錯骪,坑衡砢;

交錯してまがりうねり、あるいは、重なりながらまっすぐ伸びている。

垂條扶疎,落英幡纚。

垂れ下った枝は広く伸び、散る花びらは風に舞う。

長さ千仞【せんじん】,大いさ連抱【れんぽう】なり。

誇條【かじょう】直ぐに暢【の】び,實葉【じつよう】葰楙【しゅんぼう】なり。

攢【あつ】まり立ち叢【あつ】まり倚り,連卷【れんけん】欐佹【りき】たり。

崔錯【さいさく】【はつい】として,坑衡【こうこう】【あら】たり。

垂條【しじょう】扶疎【ふそ】として,落英【らくえい】幡纚【はんし】たり

#7-4

紛溶蔘,猗柅從風;

枝が上に伸び出た枝は、風にまかせて揺れ動き、枝がこすれ合ってザワザワと昔をたてる。

瀏蒞芔歙,蓋象金石之聲,

鐘や響き音など笛が奏でられているかのようだ。

管籥之音,池茈虒,旋還乎後宮。

樹々は高さも様々で、ふぞろいな林となり、後宮をとりまいている、

雜襲纍輯,被山緣谷,

雑に重なりむらがって、山を覆い、谷に沿い、坂を下って、沢に及んでいる。

循坂下隰,視之無端,究之無窮。

これを眺めても端がなく、見極めようとしても、限りなく広がっている。

#7-4

紛溶【ふんよう】蔘【しょうしん】として,猗柅【いじ】として風に從い、瀏蒞【りゅうり】芔歙【ききゅう】たり。

蓋し金石の聲,管籥【かんやく】の音に象【おど】る。

池【しち】茈虒【しち】として,後宮に旋還す。

雜襲【ざつしゅう】纍輯【るいしゅう】して,山に被【こうむ】り谷に緣り、坂に循【そ】い隰【さわ】に下り。

之を視るに端無く,之を究【きわ】むるに窮り無し。

 

終南山04 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文)

#7-4

紛溶蔘,猗柅從風;瀏蒞芔歙。

蓋象金石之聲,管籥之音。

池茈虒,旋還乎後宮。

雜襲纍輯,被山緣谷,循坂下隰

視之無端,究之無窮。

 

 

(下し文) #7-4

紛溶【ふんよう】蔘【しょうしん】として,猗柅【いじ】として風に從い、瀏蒞【りゅうり】芔歙【ききゅう】たり。

蓋し金石の聲,管籥【かんやく】の音に象【おど】る。

池【しち】茈虒【しち】として,後宮に旋還す。

雜襲【ざつしゅう】纍輯【るいしゅう】して,山に被【こうむ】り谷に緣り、坂に循【そ】い隰【さわ】に下り。

之を視るに端無く,之を究【きわ】むるに窮り無し。

 

 

(現代語訳)

枝が上に伸び出た枝は、風にまかせて揺れ動き、枝がこすれ合ってザワザワと昔をたてる。

鐘や響き音など笛が奏でられているかのようだ。

樹々は高さも様々で、ふぞろいな林となり、後宮をとりまいている、

雑に重なりむらがって、山を覆い、谷に沿い、坂を下って、沢に及んでいる。

これを眺めても端がなく、見極めようとしても、限りなく広がっている。

 

 

(訳注)

#7-4

紛溶蔘,猗柅從風;瀏蒞芔歙。

枝が上に伸び出た枝は、風にまかせて揺れ動き、枝がこすれ合ってザワザワと昔をたてる。

紛溶 紛溶もも、枝が伸び出る形容。後者は双声語。

瀏蒞芔歙 枝がすれ合っておこす、ざわざわとした音。部位も芔歙も双声語。

 

蓋象金石之聲,管籥之音。

鐘や響き音など笛が奏でられているかのようだ。

 

池茈虒,旋還乎後宮。

樹々は高さも様々で、ふぞろいな林となり、後宮をとりまいている、

池茈虒 傑池も茈虒も畳韻語であるが、両者は、同音同義で、高低がふぞろいな形容。

 

雜襲纍輯,被山緣谷,循坂下隰,

雑に重なりむらがって、山を覆い、谷に沿い、坂を下って、沢に及んでいる。

纍輯 よせあつまる。むらがる。

 

視之無端,究之無窮。

これを眺めても端がなく、見極めようとしても、限りなく広がっている。
上林苑01 

司馬相如 《上林賦 》(19)#7-3 文選 賦<110-#7-3>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩924 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3168

司馬相如 《上林賦 》(19高さは千仞、太さは何人かが手をつないで、やっと囲めるほどである。枝はまっすぐに張り出し、実も葉も豊かに茂っている。樹々は集まり、寄りそって立ち、屈曲したものがからみ重なり合っている。

 

2013年10月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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》(19)#7-3 文選 賦<110-#7-313分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩924 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3168


 

 

#7-1

「於是乎盧橘夏熟,黃甘橙楱;

そしてまた、ここには、夏に熟する盧橘をはじめ、黄柑(こうじみかん)・橙(だいだい)・楱(橘の類)・

枇杷橪柿,奈厚朴;

枇杷(びわ)・橪(こなつめ)・柿・亭(やまなし)・柰(からなし)・厚朴(ほおのき)・

棗楊梅,櫻桃蒲陶;

棗(さるがき)・楊梅(やまもも)・桜桃(ゆすらめ)・蒲陶(ぶどう)

隱夫薁棣,荅遝離支;

隠夫・薁(にわうめ)棣(にわうめ)荅遝離支(れいし)が植えられている。

羅乎後宮,列乎北園;

後宮につらなり、北の園に列をなしている。

丘陵,下平原;

その後は外の丘陵につづいてひろがり、平原にも及んでいる。

#7-1

「是に於てか、盧橘【ろきつ】夏に熟して,黃甘 橙楱【とうそう】、

枇杷【びわ】橪柿【えんし】,【ていだい】厚朴【こうはく】、

【えいそう】楊梅【ようばい】,櫻桃【おうとう】蒲陶【ぶどう】、

隱夫【いんぷ】薁棣【いくてい】,荅遝【とうとう】離支あり。

後宮に羅【つら】なり,北園に列なる。

丘陵に【はびこ】りて,平原に下る。

#7-2

揚翠葉,扤紫莖;

緑の葉を伸ばし、紫の茎を揺らし、

發紅華,垂朱榮;

桃色の花を開き、深紅の花ぶさを下げている、

煌煌扈扈,照曜鉅野。

そして、鮮やかに輝いて、広い野原に照り映えている。

沙棠櫟櫧,華楓枰櫨;

他の樹木としては、裟菜(やまなし)・櫟(くぬぎ)・櫧(いちいがし)・華(かば)・楓(からかえで)・枰(いちょう)・櫨(はぜ)があり、

留落胥邪,仁頻並閭,

留(ざくろ)・落あきにれ)・胥邪(しゅろ)・仁頻(びんろう)・幷閭(しゅろ)・

欃檀木蘭,豫章女貞。

欃檀・木蘭(もくれん)・豫章(くすのき)・女貞(ねずみもち)が生えている。

翠葉【すいよう】を揚げ,紫莖【しけい】を扤【うごか】し;

紅華を發き,朱榮【しゅえい】を垂れたり;

煌煌【こうこう】扈扈【ここ】として,鉅野【きょや】に照曜【しょうよう】す。

沙棠【さどう】櫟櫧【れきしょ】,華楓【かふう】枰櫨【へいろ】;

留落【りゅうらく】胥邪【しょや】,仁頻【じんびん】並閭【へいりょ】,

欃檀【ざんだん】木蘭【もくらん】,豫章【よしょう】女貞【じょてい】あり。

#7-3

長千仞,大連抱;

高さは千仞、太さは何人かが手をつないで、やっと囲めるほどである。

誇條直暢,實葉葰楙。

枝はまっすぐに張り出し、実も葉も豊かに茂っている。
攢立叢倚,連卷欐佹;

樹々は集まり、寄りそって立ち、屈曲したものがからみ重なり合っている。

崔錯骪,坑衡砢;

交錯してまがりうねり、あるいは、重なりながらまっすぐ伸びている。

垂條扶疎,落英幡纚。

垂れ下った枝は広く伸び、散る花びらは風に舞う。

長さ千仞【せんじん】,大いさ連抱【れんぽう】なり。

誇條【かじょう】直ぐに暢【の】び,實葉【じつよう】葰楙【しゅんぼう】なり。

攢【あつ】まり立ち叢【あつ】まり倚り,連卷【れんけん】欐佹【りき】たり。

崔錯【さいさく】【はつい】として,坑衡【こうこう】【あら】たり。

垂條【しじょう】扶疎【ふそ】として,落英【らくえい】幡纚【はんし】たり

#7-4

紛溶蔘,猗柅從風;

瀏蒞芔歙,蓋象金石之聲,

管籥之音,池茈虒,旋還乎後宮。

雜襲纍輯,被山緣谷,

循坂下隰,視之無端,究之無窮。

#7-4

紛溶【ふんよう】蔘【しょうしん】として,猗柅【いじ】として風に從い、瀏蒞【りゅうり】芔歙【ききゅう】たり。

蓋し金石の聲,管籥【かんやく】の音に象【おど】る。

池【しち】茈虒【しち】として,後宮に旋還す。

雜襲【ざつしゅう】纍輯【るいしゅう】して,山に被【こうむ】り谷に緣り、坂に循【そ】い隰【さわ】に下り。

之を視るに端無く,之を究【きわ】むるに窮り無し。

 nat0022

 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文)

#7-3

長千仞,大連抱;

誇條直暢,實葉葰楙。

攢立叢倚,連卷欐佹;

崔錯骪,坑衡砢;

垂條扶疎,落英幡纚。

 

 

(下し文) #7-3

長さ千仞【せんじん】,大いさ連抱【れんぽう】なり。

誇條【かじょう】直ぐに暢【の】び,實葉【じつよう】葰楙【しゅんぼう】なり。

攢【あつ】まり立ち叢【あつ】まり倚り,連卷【れんけん】欐佹【りき】たり。

崔錯【さいさく】【はつい】として,坑衡【こうこう】【あら】たり。

垂條【しじょう】扶疎【ふそ】として,落英【らくえい】幡纚【はんし】たり

 

 

(現代語訳)

高さは千仞、太さは何人かが手をつないで、やっと囲めるほどである。

枝はまっすぐに張り出し、実も葉も豊かに茂っている。

樹々は集まり、寄りそって立ち、屈曲したものがからみ重なり合っている。

交錯してまがりうねり、あるいは、重なりながらまっすぐ伸びている。

垂れ下った枝は広く伸び、散る花びらは風に舞う。

 

 

(訳注) #7-3

長千仞,大連抱;

高さは千仞、太さは何人かが手をつないで、やっと囲めるほどである。

千仞 山などがきわめて高いこと 。谷や海などがきわめて深いこと。

 

誇條直暢,實葉葰楙。

枝はまっすぐに張り出し、実も葉も豊かに茂っている。

葰楙 豊かに繁っている。

 

攢立叢倚,連卷欐佹;

樹々は集まり、寄りそって立ち、屈曲したものがからみ重なり合っている。

○連卷欐佹 連卷は、屈曲する形容の畳韻語。磯億は、重なり合うこと。胡昭燐は、欐佹の二音を合すると累となると指摘している。

 

崔錯骪,坑衡砢;

交錯してまがりうねり、あるいは、重なりながらまっすぐ伸びている。

○崖錯 崔錯は交錯する形容の双声語。は、うねり曲がる形容。

○抗衡 抗衝は、まっすぐ伸びる形容の双声語。は、重なり合い支え合う形容の畳韻語。

 

垂條扶疎,落英幡纚。

垂れ下った枝は広く伸び、散る花びらは風に舞う。

○幡纚 夙にのって飛び回る形容。
終南山04 


2013年10月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《上林賦 》(18)#7-2 文選 賦<110-#7-2>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩923 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3163

司馬相如《上林賦 》(18他の樹木としては、裟菜(やまなし)・櫟(くぬぎ)・櫧(いちいがし)・華(かば)・楓(からかえで)・枰(いちょう)・櫨(はぜ)があり、留(ざくろ)・落あきにれ)・胥邪(しゅろ)・仁頻(びんろう)・幷閭(しゅろ)・欃檀・木蘭(もくれん)・豫章(くすのき)・女貞(ねずみもち)が生えている。

 

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
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》(18)#7-2 文選 賦<110-#7-213分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩923 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3163

 

 

#7-1

「於是乎盧橘夏熟,黃甘橙楱;

そしてまた、ここには、夏に熟する盧橘をはじめ、黄柑(こうじみかん)・橙()だいだい・楱(橘の類)・

枇杷橪柿,奈厚朴;

枇杷(びわ)・橪(こなつめ)・柿・亭(やまなし)・柰(からなし)・厚朴(ほおのき)・

棗楊梅,櫻桃蒲陶;

棗(さるがき)・楊梅(やまもも)・桜桃(ゆすらめ)・蒲陶(ぶどう)

隱夫薁棣,荅遝離支;

隠夫・薁(にわうめ)棣(にわうめ)荅遝離支(れいし)が植えられている。

羅乎後宮,列乎北園;

後宮につらなり、北の園に列をなしている。

丘陵,下平原;

その後は外の丘陵につづいてひろがり、平原にも及んでいる。

#7-1

「是に於てか、盧橘【ろきつ】夏に熟して,黃甘 橙楱【とうそう】、

枇杷【びわ】橪柿【えんし】,【ていだい】厚朴【こうはく】、

【えいそう】楊梅【ようばい】,櫻桃【おうとう】蒲陶【ぶどう】、

隱夫【いんぷ】薁棣【いくてい】,荅遝【とうとう】離支あり。

後宮に羅【つら】なり,北園に列なる。

丘陵に【はびこ】りて,平原に下る。

#7-2

揚翠葉,扤紫莖;

緑の葉を伸ばし、紫の茎を揺らし、

發紅華,垂朱榮;

桃色の花を開き、深紅の花ぶさを下げている、

煌煌扈扈,照曜鉅野。

そして、鮮やかに輝いて、広い野原に照り映えている。

沙棠櫟櫧,華楓枰櫨;

他の樹木としては、裟菜(やまなし)・櫟(くぬぎ)・櫧(いちいがし)・華(かば)・楓(からかえで)・枰(いちょう)・櫨(はぜ)があり、

留落胥邪,仁頻並閭,

留(ざくろ)・落あきにれ)・胥邪(しゅろ)・仁頻(びんろう)・幷閭(しゅろ)・

欃檀木蘭,豫章女貞。

欃檀・木蘭(もくれん)・豫章(くすのき)・女貞(ねずみもち)が生えている。

翠葉【すいよう】を揚げ,紫莖【しけい】を扤【うごか】し;

紅華を發き,朱榮【しゅえい】を垂れたり;

煌煌【こうこう】扈扈【ここ】として,鉅野【きょや】に照曜【しょうよう】す。

沙棠【さどう】櫟櫧【れきしょ】,華楓【かふう】枰櫨【へいろ】;

留落【りゅうらく】胥邪【しょや】,仁頻【じんびん】並閭【へいりょ】,

欃檀【ざんだん】木蘭【もくらん】,豫章【よしょう】女貞【じょてい】あり。

#7-3

長千仞,大連抱;

誇條直暢,實葉葰楙。

攢立叢倚,連卷欐佹;

崔錯骪,坑衡砢;

垂條扶疎,落英幡纚。

#7-4

紛溶蔘,猗柅從風;

瀏蒞芔歙,蓋象金石之聲,

管籥之音,池茈虒,旋還乎後宮。

雜襲纍輯,被山緣谷,

循坂下隰,視之無端,究之無窮。

柑橘002 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) #7-2

揚翠葉,扤紫莖;

發紅華,垂朱榮;

煌煌扈扈,照曜鉅野。

沙棠櫟櫧,華楓枰櫨;

留落胥邪,仁頻並閭,

欃檀木蘭,豫章女貞。

 

 

 

(下し文) #7-2

翠葉【すいよう】を揚げ,紫莖【しけい】を扤【うごか】し;

紅華を發き,朱榮【しゅえい】を垂れたり;

煌煌【こうこう】扈扈【ここ】として,鉅野【きょや】に照曜【しょうよう】す。

沙棠【さどう】櫟櫧【れきしょ】,華楓【かふう】枰櫨【へいろ】;

留落【りゅうらく】胥邪【しょや】,仁頻【じんびん】並閭【へいりょ】,

欃檀【ざんだん】木蘭【もくらん】,豫章【よしょう】女貞【じょてい】あり。

 

 

 

(現代語訳)

緑の葉を伸ばし、紫の茎を揺らし、

桃色の花を開き、深紅の花ぶさを下げている、

そして、鮮やかに輝いて、広い野原に照り映えている。

他の樹木としては、裟菜(やまなし)・櫟(くぬぎ)・櫧(いちいがし)・華(かば)・楓(からかえで)・枰(いちょう)・櫨(はぜ)があり、

留(ざくろ)・落あきにれ)・胥邪(しゅろ)・仁頻(びんろう)・幷閭(しゅろ)・

欃檀・木蘭(もくれん)・豫章(くすのき)・女貞(ねずみもち)が生えている。

 

 

(訳注) #7-2

揚翠葉,扤紫莖;

緑の葉を伸ばし、紫の茎を揺らし、

 

發紅華,垂朱榮;

桃色の花を開き、深紅の花ぶさを下げている、

 

 

煌煌扈扈,照曜鉅野。

そして、鮮やかに輝いて、広い野原に照り映えている。

○煌煌扈扈 光り輝く形容。煌と扈は、双声の関係。

 

沙棠櫟櫧,華楓枰櫨;

他の樹木としては、裟菜(やまなし)・櫟(くぬぎ)・櫧(いちいがし)・華(かば)・楓(からかえで)・枰(いちょう)・櫨(はぜ)があり、

○沙棠 沙は棠(やまなし)の如く、花は黄色、実は赤く、味は李の如く、核(たね)が無いという。

 

留落胥邪,仁頻並閭,

留(ざくろ)・落あきにれ)・胥邪(しゅろ)・仁頻(びんろう)・幷閭(しゅろ)・

○留落 「ざくろ」と「落は穫(あきにれ)なり」 。

○胥邪 幷閭(しゅろ)に似て、皮は索(なわ〉を作ることができる。

 

欃檀木蘭,豫章女貞。

欃檀・木蘭(もくれん)・豫章(くすのき)・女貞(ねずみもち)が生えている。

〇欃檀 檀の一種。
 からなし01

司馬相如 《上林賦 》(17)#7-1 文選 賦<110-#7-1>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩922 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3158

司馬相如《上林賦 》(17そしてまた、ここには、夏に熟する盧橘をはじめ、黄柑(こうじみかん)・橙()だいだい・楱(橘の類)・枇杷(びわ)・橪(こなつめ)・柿・亭(やまなし)・柰(からなし)・厚朴(ほおのき)・棗(さるがき)・楊梅(やまもも)・桜桃(ゆすらめ)・蒲陶(ぶどう)・隠夫・薁(にわうめ)棣(にわうめ)荅遝離支(れいし)が植えられている。

 


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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《上林賦

 

 

#7-1

「於是乎盧橘夏熟,黃甘橙楱;

そしてまた、ここには、夏に熟する盧橘をはじめ、黄柑(こうじみかん)・橙()だいだい・楱(橘の類)・

枇杷橪柿,奈厚朴;

枇杷(びわ)・橪(こなつめ)・柿・亭(やまなし)・柰(からなし)・厚朴(ほおのき)・

棗楊梅,櫻桃蒲陶;

棗(さるがき)・楊梅(やまもも)・桜桃(ゆすらめ)・蒲陶(ぶどう)

隱夫薁棣,荅遝離支;

隠夫・薁(にわうめ)棣(にわうめ)荅遝離支(れいし)が植えられている。

羅乎後宮,列乎北園;

後宮につらなり、北の園に列をなしている。

丘陵,下平原;

その後は外の丘陵につづいてひろがり、平原にも及んでいる。

#7-2

揚翠葉,扤紫莖;

發紅華,垂朱榮;

煌煌扈扈,照曜鉅野。

沙棠櫟櫧,華楓枰櫨;

留落胥邪,仁頻並閭,

欃檀木蘭,豫章女貞。

#7-3

長千仞,大連抱;

誇條直暢,實葉葰楙。

攢立叢倚,連卷欐佹;

崔錯骪,坑衡砢;

垂條扶疎,落英幡纚。

#7-4

紛溶蔘,猗柅從風;

瀏蒞芔歙,蓋象金石之聲,

管籥之音,池茈虒,旋還乎後宮。

雜襲纍輯,被山緣谷,

循坂下隰,視之無端,究之無窮。

終南山04 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) #7-1

「於是乎盧橘夏熟,黃甘橙楱;

枇杷橪柿,奈厚朴;

棗楊梅,櫻桃蒲陶;

隱夫薁棣,荅遝離支;

羅乎後宮,列乎北園;

丘陵,下平原;

 

 

 

(下し文) #7-1

「是に於てか、盧橘【ろきつ】夏に熟して,黃甘 橙楱【とうそう】、

枇杷【びわ】橪柿【えんし】,【ていだい】厚朴【こうはく】、

【えいそう】楊梅【ようばい】,櫻桃【おうとう】蒲陶【ぶどう】、

隱夫【いんぷ】薁棣【いくてい】,荅遝【とうとう】離支あり。

後宮に羅【つら】なり,北園に列なる。

丘陵に【はびこ】りて,平原に下る。

 

 

(現代語訳)

そしてまた、ここには、夏に熟する盧橘をはじめ、黄柑(こうじみかん)・橙()だいだい・楱(橘の類)・

枇杷(びわ)・橪(こなつめ)・柿・亭(やまなし)・柰(からなし)・厚朴(ほおのき)・

棗(さるがき)・楊梅(やまもも)・桜桃(ゆすらめ)・蒲陶(ぶどう)

隠夫・薁(にわうめ)棣(にわうめ)荅遝離支(れいし)が植えられている。

後宮につらなり、北の園に列をなしている。

その後は外の丘陵につづいてひろがり、平原にも及んでいる。

 

 

(訳注) #7-1

「於是乎盧橘夏熟,黃甘橙楱;

そしてまた、ここには、夏に熟する盧橘をはじめ、黄柑(こうじみかん)・橙()だいだい・楱(橘の類)・

○盧橘夏熟 応邵の引く『伊尹書』に「箕山の東、青鳥(あるいは青馬)の有する所、盧き橘夏に熟す」とある。『史記索隠』の引く『広州記』によれば、盧橘は皮が厚く、九月に実を結ぶ時は真っ赤で、翌年二月に青黒くなり、その夏に熟すという。金柑のこと。

 

枇杷橪柿,奈厚朴;

枇杷(びわ)・橪(こなつめ)・柿・亭(やまなし)・柰(からなし)・厚朴(ほおのき)・

 

棗楊梅,櫻桃蒲陶;

棗(さるがき)・楊梅(やまもも)・桜桃(ゆすらめ)・蒲陶(ぶどう)

 

隱夫薁棣,荅遝離支;

隠夫・薁(にわうめ)棣(にわうめ)荅遝離支(れいし)が植えられている。

○隱夫 夫移のことで、棠棣(にわうめ)の類という。

○荅遝 李に似て、蜀に産すという。

 

羅乎後宮,列乎北園;

後宮につらなり、北の園に列をなしている。

 

丘陵,下平原;

その後は外の丘陵につづいてひろがり、平原にも及んでいる。
 楊梅ヤマモモ000

》(17)#7-1 文選 賦<110-#7-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩922 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3158

司馬相如 《上林賦 》(16)#6-3 文選 賦<110-#6-3>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩921 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3153

司馬相如 《上林賦 》(16大岩が組みあげられて、川岸が崖となっており、それは、傾斜して深くそばだっていて、高く嶮しくそそり立って、切り立ったように険しい。この組み石の間には、玫瑰や碧琳や珊瑚などが群れ集まっている。

 

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 司馬相如 《上林賦
》(16)#6-3 文選 賦<110-#6-313分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩921 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3153

 

16回目

14)#6-1

「於是乎離宮別館,彌山跨谷;

この苑内には、天子の離宮・別館が、山を覆い、谷をまたいで建てられている。

高廊四注,重坐曲閣;

高い回廊が四方に延び、二層になった、曲がった閣道がある。

華榱璧璫,輦道纚屬;

たる木は美しく飾られ、先端には璧玉がつけられ、輦で通れる広い廊下が、長く連なっている。

周流,長途中宿。

歩廊は、あまねく行きわたり、あまりの長さに、途中で一泊しなければならない。

夷嵕築堂,累臺增成,巖窔洞房。

山を平らに削って堂を築き、何層にも重なった楼台が高くそびえ、一方、岩盤の奥深くには、地下室が穿たれている。

「是に於てか離宮別館ありて,彌山に【わた】り跨谷に【また】がる。

高廊 四に注ぎ,重坐 曲閣あり。

華榱【かすい】璧璫【へきとう】ありて,輦道【れんどう】纚屬【しぞく】せり。

【ほえん】周流して,長途に中ごろ宿す。

【やま】を【たい】らげて堂を築き,累臺【るいだい】增成【ぞうせい】して,巖窔【がんよう】洞房【どうぼう】あり

15)#6-2

俯杳眇而無見,仰攀橑而捫天;

建物の中からぼく下を見ると、かすんで何も見えず、上を見上げると、たる木に取りすがれば、天をなでることもできそうに思える。

奔星更於閨闥,宛虹拖於楯軒。

流星は門の中を通り過ぎ、虹の橋が欄干にかかる。

青龍蚴蟉於東廂,象輿婉蟬於西清;

東の脇部屋で青龍が身をよじらせ、西の静かな脇部屋では、象車が優雅に動いている。

靈圉燕於閒館,偓佺之倫暴於南榮;

仙人の群れが、閑静な館内に休息しているかと思えば、偓佺の仲間たちが、南の屋根で日にあたっている。

醴泉涌於清室,通川過於中庭。

甘い泉が、清らかな部屋から湧き出し、川となって中庭を横切っている。

俯せば杳眇【ようびょう】として見ゆること無く,仰げば橑【たるき】を攀じて天を捫ず。

奔星【ほんせい】閨闥【けいたつ】に更【へ】,宛虹【えんこう】楯軒【じゅんけん】に拖【ひ】く。

青龍 東廂【とうしょう】に蚴蟉【ゆうきゅう】たり,象輿【しょうよ】西清に婉蟬【えんぜん】たり。

靈圉【れいぎょ】閒館に燕し,偓佺【あくぜん】が倫【ともがら】南榮に暴【のびょう】せり。

醴泉【れいせん】清室に涌き,通川 中庭に過ぐ。

 

16)#6-3

盤石振崖,嶔巖倚傾,

大岩が組みあげられて、川岸が崖となっており、それは、傾斜して深くそばだっていて、

嵯峨嶫,刻削崢嶸;

高く嶮しくそそり立って、切り立ったように険しい。

玫瑰碧琳,珊瑚叢生。

この組み石の間には、玫瑰や碧琳や珊瑚などが群れ集まっている。

玉旁唐,玢豳文鱗,

の広く平らな表面には、美しい紋様が見られる。

赤瑕駮犖,雜插其間;

赤玉がところどころにいり混じり、その間に挿むようである。

鼂采琬琰,和氏出焉。

鼂采・琬琰・和氏の璧も姿を見せている。

盤石 崖を振【ととの】え,嶔巖【かんがん】として倚り傾き,

嵯峨 嶫【しょうぎょう】として,刻削【こくさく】崢嶸【そうこう】たり。

玫瑰【ばいかい】碧琳【そうりん】ありて,珊瑚【さんご】叢【あつま】り生【お】いたり。

玉【びんぎょく】旁唐【ほうとう】として,玢豳【ふんひん】たる文鱗【ぶんりん】あり,

赤瑕【せきか】駮犖【はくらく】として,其の間に雜插【ざつそう】す。

鼂采【ちょうさい】琬琰【えんえん】,和氏【かし】出でたり。

 

 上林苑01

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 16)#6-3

盤石振崖,嶔巖倚傾,

嵯峨嶫,刻削崢嶸;

玫瑰碧琳,珊瑚叢生。

玉旁唐,玢豳文鱗,

赤瑕駮犖,雜插其間;

鼂采琬琰,和氏出焉。

 

 

(下し文) 16)#6-3

盤石 崖を振【ととの】え,嶔巖【かんがん】として倚り傾き,

嵯峨 嶫【しょうぎょう】として,刻削【こくさく】崢嶸【そうこう】たり。

玫瑰【ばいかい】碧琳【そうりん】ありて,珊瑚【さんご】叢【あつま】り生【お】いたり。

玉【びんぎょく】旁唐【ほうとう】として,玢豳【ふんひん】たる文鱗【ぶんりん】あり,

赤瑕【せきか】駮犖【はくらく】として,其の間に雜插【ざつそう】す。

鼂采【ちょうさい】琬琰【えんえん】,和氏【かし】出でたり。

 

 

(現代語訳)

大岩が組みあげられて、川岸が崖となっており、それは、傾斜して深くそばだっていて、

高く嶮しくそそり立って、切り立ったように険しい。

この組み石の間には、玫瑰や碧琳や珊瑚などが群れ集まっている。

の広く平らな表面には、美しい紋様が見られる。

赤玉がところどころにいり混じり、その間に挿むようである。

鼂采・琬琰・和氏の璧も姿を見せている。

 

 

(訳注) 16)#6-3

盤石振崖,嶔巖倚傾,

大岩が組みあげられて、川岸が崖となっており、それは、傾斜して深くそばだっていて、

 

嵯峨嶫,刻削崢嶸;

高く嶮しくそそり立って、切り立ったように険しい。

嵯峨 嵯峨もも、山の峰が険しくそそり立つ形容の畳韻語。たがいに双声の関係にある。

○刻削崢嶸 刻削は、岩が切り立っていること、崢嶸は、畳韻語で、深く険しい形容。

 

玫瑰碧琳,珊瑚叢生。

この組み石の間には、玫瑰や碧琳や珊瑚などが群れ集まっている。

○玫瑰碧琳 ともに美玉の名。「子虚の賦」参照。

 

玉旁唐,玢豳文鱗,

の広く平らな表面には、美しい紋様が見られる。

玉旁唐 玉は美玉の名。「子虚の賦」参照。旁唐は平らに広がる形容の畳韻語。

○玢豳文鱗 玢豳は、紋様の美しい形容で双声語。文鱗は、鱗のように美しい紋様。

 

赤瑕駮犖,雜插其間;

赤玉がところどころにいり混じり、その間に挿むようである。

赤瑕駮犖 赤瑕は赤玉。駮犖は、ところどころにいり雑っている形容の畳韻語。

 

鼂采琬琰,和氏出焉。

鼂采・琬琰・和氏の璧も姿を見せている。

○鼂采琬琰、和氏出焉 晁は古の朝の字。朝采は美玉で、毎朝、白虹の気があり、光彩が立ち上る。故に朝采という。琬琰は美玉の名。和氏の璧は、卞和が得た美玉である (以上顏師古による)。『尚書』「顧命」の鄭玄江によれは、琬琰は直径一尺二寸の壁玉という。卞和は楚の人で、美玉の原石を発見して、楚王に献じた(『韓非子』「和氏」)。

DCF00005 

司馬相如 《上林賦 》(15)#6-2 文選 賦<110-#6-2>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩920 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3148

司馬相如 《上林賦 》(15 仙人の群れが、閑静な館内に休息しているかと思えば、偓佺の仲間たちが、南の屋根で日にあたっている。甘い泉が、清らかな部屋から湧き出し、川となって中庭を横切っている。

 

 

2013年10月17日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《上林賦 》(15)#6-2 文選 賦<110-#6-2>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩920 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3148
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《過鴻溝》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <833>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3149韓愈詩-205
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor《嚴氏溪放歌行》 蜀中転々 杜甫 <571>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3150 杜甫詩1000-571-824/1500 40923
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor感恩多二首 二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-321-6-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3152
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

魚玄機 詩 全首130賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876

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主に花間集から

温庭筠 70『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620

韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617

皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082

牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

 


『花間集』継続中

 
司馬相如 《上林賦
》(15)#6-2 文選 賦<110-#6-213分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩920 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3148

 

 

14)#6-1

「於是乎離宮別館,彌山跨谷;

この苑内には、天子の離宮・別館が、山を覆い、谷をまたいで建てられている。

高廊四注,重坐曲閣;

高い回廊が四方に延び、二層になった、曲がった閣道がある。

華榱璧璫,輦道纚屬;

たる木は美しく飾られ、先端には璧玉がつけられ、輦で通れる広い廊下が、長く連なっている。

周流,長途中宿。

歩廊は、あまねく行きわたり、あまりの長さに、途中で一泊しなければならない。

夷嵕築堂,累臺增成,巖窔洞房。

山を平らに削って堂を築き、何層にも重なった楼台が高くそびえ、一方、岩盤の奥深くには、地下室が穿たれている。

「是に於てか離宮別館ありて,彌山に【わた】り跨谷に【また】がる。

高廊 四に注ぎ,重坐 曲閣あり。

華榱【かすい】璧璫【へきとう】ありて,輦道【れんどう】纚屬【しぞく】せり。

【ほえん】周流して,長途に中ごろ宿す。

【やま】を【たい】らげて堂を築き,累臺【るいだい】增成【ぞうせい】して,巖窔【がんよう】洞房【どうぼう】あり

15)#6-2

俯杳眇而無見,仰攀橑而捫天;

建物の中からぼく下を見ると、かすんで何も見えず、上を見上げると、たる木に取りすがれば、天をなでることもできそうに思える。

奔星更於閨闥,宛虹拖於楯軒。

流星は門の中を通り過ぎ、虹の橋が欄干にかかる。

青龍蚴蟉於東廂,象輿婉蟬於西清;

東の脇部屋で青龍が身をよじらせ、西の静かな脇部屋では、象車が優雅に動いている。

靈圉燕於閒館,偓佺之倫暴於南榮;

仙人の群れが、閑静な館内に休息しているかと思えば、偓佺の仲間たちが、南の屋根で日にあたっている。

醴泉涌於清室,通川過於中庭。

甘い泉が、清らかな部屋から湧き出し、川となって中庭を横切っている。

俯せば杳眇【ようびょう】として見ゆること無く,仰げば橑【たるき】を攀じて天を捫ず。

奔星【ほんせい】閨闥【けいたつ】に更【へ】,宛虹【えんこう】楯軒【じゅんけん】に拖【ひ】く。

青龍 東廂【とうしょう】に蚴蟉【ゆうきゅう】たり,象輿【しょうよ】西清に婉蟬【えんぜん】たり。

靈圉【れいぎょ】閒館に燕し,偓佺【あくぜん】が倫【ともがら】南榮に暴【のびょう】せり。

醴泉【れいせん】清室に涌き,通川 中庭に過ぐ。

 

16)#6-3

盤石振崖,嶔巖倚傾,

嵯峨嶫,刻削崢嶸;

玫瑰碧琳,珊瑚叢生。

玉旁唐,玢豳文鱗,

赤瑕駮犖,雜插其間;

鼂采琬琰,和氏出焉。

盤石 崖を振【ととの】え,嶔巖【かんがん】として倚り傾き,

嵯峨 嶫【しょうぎょう】として,刻削【こくさく】崢嶸【そうこう】たり。

玫瑰【ばいかい】碧琳【そうりん】ありて,珊瑚【さんご】叢【あつま】り生【お】いたり。

玉【びんぎょく】旁唐【ほうとう】として,玢豳【ふんひん】たる文鱗【ぶんりん】あり,

赤瑕【せきか】駮犖【はくらく】として,其の間に雜插【ざつそう】す。

鼂采【ちょうさい】琬琰【えんえん】,和氏【かし】出でたり。

 

泰山の夕日02 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文)15)#6-2

俯杳眇而無見,仰攀橑而捫天。

奔星更於閨闥,宛虹拖於楯軒。

青龍蚴蟉於東廂,象輿婉蟬於西清。

靈圉燕於閒館,偓佺之倫暴於南榮。

醴泉涌於清室,通川過於中庭。

 

 

(下し文) 15)#6-2

俯せば杳眇【ようびょう】として見ゆること無く,仰げば橑【たるき】を攀じて天を捫ず。

奔星【ほんせい】閨闥【けいたつ】に更【へ】,宛虹【えんこう】楯軒【じゅんけん】に拖【ひ】く。

青龍 東廂【とうしょう】に蚴蟉【ゆうきゅう】たり,象輿【しょうよ】西清に婉蟬【えんぜん】たり。

靈圉【れいぎょ】閒館に燕し,偓佺【あくぜん】が倫【ともがら】南榮に暴【のびょう】せり。

醴泉【れいせん】清室に涌き,通川 中庭に過ぐ。

 

 

(現代語訳)

建物の中からぼく下を見ると、かすんで何も見えず、上を見上げると、たる木に取りすがれば、天をなでることもできそうに思える。

流星は門の中を通り過ぎ、虹の橋が欄干にかかる。

東の脇部屋で青龍が身をよじらせ、西の静かな脇部屋では、象車が優雅に動いている。

仙人の群れが、閑静な館内に休息しているかと思えば、偓佺の仲間たちが、南の屋根で日にあたっている。

甘い泉が、清らかな部屋から湧き出し、川となって中庭を横切っている。

 

 

(訳注) 15)#6-2

俯杳眇而無見,仰攀橑而捫天;

建物の中からぼく下を見ると、かすんで何も見えず、上を見上げると、たる木に取りすがれば、天をなでることもできそうに思える。

 

奔星更於閨闥,宛虹拖於楯軒。

流星は門の中を通り過ぎ、虹の橋が欄干にかかる。

閨闥 宮殿の中の小門。

○宛虹 屈曲した虹。

○楯軒 欄干。

 

 

青龍蚴蟉於東廂,象輿婉蟬於西清;

東の脇部屋で青龍が身をよじらせ、西の静かな脇部屋では、象車が優雅に動いている。

青龍蚴蟉於東廂 青竜は、天子の車をひく馬のことである。は箱に同じ。隣部屋のこと。蚴蟉は、龍などがうねる様子を表す疊韻語。

象輿婉蟬於西清 象輿は「山象輿を出す。瑞応の車なり」 というように、太平の瑞祥として、山中で自然に形作られた車。金根車の類。婉蟬は、しなやかな動きの形容の畳韻語。西清は、西の箱(わきべや)の清浄な処。

 

 

靈圉燕於閒館,偓佺之倫暴於南榮;

仙人の群れが、閑静な館内に休息しているかと思えば、偓佺の仲間たちが、南の屋根で日にあたっている。

○霊 大勢の仙人たちの意。

○偓佺 『列仙傳』にみえる仙人の名。松のみを食べ、体に毛を生じ、空を飛び、馬に追いついたという古代傳中の仙人。

甘泉賦

帷弸其拂汨兮,稍暗暗而靚深。

陰陽清濁穆羽相和兮,若夔牙之調琴。

棄其剞劂兮,王爾投其鉤繩。

雖方征僑與偓佺兮,猶彷彿其若夢。

 

 

醴泉涌於清室,通川過於中庭。

甘い泉が、清らかな部屋から湧き出し、川となって中庭を横切っている。

宮島(8)

司馬相如 《上林賦 》(14)#6-1 文選 賦<110-#6-1>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩919 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3143

司馬相如 《上林賦 》(14この苑内には、天子の離宮・別館が、山を覆い、谷をまたいで建てられている。高い回廊が四方に延び、二層になった、曲がった閣道がある。

2013年10月16日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《上林賦 》(14)#6-1 文選 賦<110-#6-1>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩919 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3143
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《閒遊,二首之二》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <832>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3144韓愈詩-204
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 感恩多 一 牛嶠【ぎゅうきょう】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-320-6-#7 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3147
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

魚玄機 詩 全首130賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876

薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227

主に花間集から

温庭筠 70『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620

韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617

皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082

牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

 

『花間集』継続中

 

司馬相如 《上林賦 》(14)#6-1 文選 賦<110-#6-113分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩919 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3143

 

 

14)#6-1

「於是乎離宮別館,彌山跨谷;

この苑内には、天子の離宮・別館が、山を覆い、谷をまたいで建てられている。

高廊四注,重坐曲閣;

高い回廊が四方に延び、二層になった、曲がった閣道がある。

華榱璧璫,輦道纚屬;

たる木は美しく飾られ、先端には璧玉がつけられ、輦で通れる広い廊下が、長く連なっている。

周流,長途中宿。

歩廊は、あまねく行きわたり、あまりの長さに、途中で一泊しなければならない。

夷嵕築堂,累臺增成,巖窔洞房。

山を平らに削って堂を築き、何層にも重なった楼台が高くそびえ、一方、岩盤の奥深くには、地下室が穿たれている。


15)#6-2

俯杳眇而無見,仰攀橑而捫天;

奔星更於閨闥,宛虹拖於楯軒。

青龍蚴蟉於東廂,象輿婉蟬於西清;

靈圉燕於閒館,偓佺之倫暴於南榮;

醴泉涌於清室,通川過於中庭。

俯せば杳眇【ようびょう】として見ゆること無く,仰げば橑【たるき】を攀じて天を捫ず。

奔星【ほんせい】閨闥【けいたつ】に更【へ】,宛虹【えんこう】楯軒【じゅんけん】に拖【ひ】く。

青龍 東廂【とうしょう】に蚴蟉【ゆうきゅう】たり,象輿【しょうよ】西清に婉蟬【えんぜん】たり。

靈圉【れいぎょ】閒館に燕し,偓佺【あくぜん】が倫【ともがら】南榮に暴【のびょう】せり。

醴泉【れいせん】清室に涌き,通川 中庭に過ぐ。

 

16)#6-3

盤石振崖,嶔巖倚傾,

嵯峨嶫,刻削崢嶸;

玫瑰碧琳,珊瑚叢生。

玉旁唐,玢豳文鱗,

赤瑕駮犖,雜插其間;

鼂采琬琰,和氏出焉。

盤石 崖を振【ととの】え,嶔巖【かんがん】として倚り傾き,

嵯峨 嶫【しょうぎょう】として,刻削【こくさく】崢嶸【そうこう】たり。

玫瑰【ばいかい】碧琳【そうりん】ありて,珊瑚【さんご】叢【あつま】り生【お】いたり。

玉【びんぎょく】旁唐【ほうとう】として,玢豳【ふんひん】たる文鱗【ぶんりん】あり,

赤瑕【せきか】駮犖【はくらく】として,其の間に雜插【ざつそう】す。

鼂采【ちょうさい】琬琰【えんえん】,和氏【かし】出でたり。

上林苑01 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 14)#6-1

「於是乎離宮別館,彌山跨谷;

高廊四注,重坐曲閣;

華榱璧璫,輦道纚屬;

周流,長途中宿。

夷嵕築堂,累臺增成,巖窔洞房。

 

 

(下し文) 14)#6-1

「是に於てか離宮別館ありて,彌山に【わた】り跨谷に【また】がる。

高廊 四に注ぎ,重坐 曲閣あり。

華榱【かすい】璧璫【へきとう】ありて,輦道【れんどう】纚屬【しぞく】せり。

【ほえん】周流して,長途に中ごろ宿す。

【やま】を【たい】らげて堂を築き,累臺【るいだい】增成【ぞうせい】して,巖窔【がんよう】洞房【どうぼう】あり

 

 

(現代語訳)

この苑内には、天子の離宮・別館が、山を覆い、谷をまたいで建てられている。

高い回廊が四方に延び、二層になった、曲がった閣道がある。

たる木は美しく飾られ、先端には璧玉がつけられ、輦で通れる広い廊下が、長く連なっている。

歩廊は、あまねく行きわたり、あまりの長さに、途中で一泊しなければならない。

山を平らに削って堂を築き、何層にも重なった楼台が高くそびえ、一方、岩盤の奥深くには、地下室が穿たれている。

 

 

(訳注) 14)#6-1

「於是乎離宮別館,彌山跨谷;

この苑内には、天子の離宮・別館が、山を覆い、谷をまたいで建てられている。

 

高廊四注,重坐曲閣;

高い回廊が四方に延び、二層になった、曲がった閣道がある。

 

華榱璧璫,輦道纚屬;

たる木は美しく飾られ、先端には璧玉がつけられ、輦で通れる広い廊下が、長く連なっている。

○華榱璧璫 美しく飾ったたるきがあり、璧玉が璫(たるきの端にあてる飾り)とされていること。金を壁の形に切って、璫としているという。

 

周流,長途中宿。

歩廊は、あまねく行きわたり、あまりの長さに、途中で一泊しなければならない。

 

夷嵕築堂,累臺增成,巖窔洞房。

山を平らに削って堂を築き、何層にも重なった楼台が高くそびえ、一方、岩盤の奥深くには、地下室が穿たれている。
漢文委員会紀頌之タイトル 

司馬相如 《上林賦 》(13)#5-2 文選 賦<110-#5-2>13分割38回Ⅱ李白に影響を与えた詩918 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3138

司馬相如 《上林賦 》(13また北部では、真夏でも地面が凍って裂け、川に氷がはった上を歩いて渡れる。そこに棲む獣は、麒麟(きりん)・角端(むじな)・騊駼(野馬)・橐駝(らくだ)・蛩蛩(野馬)・驒騱(うま)・駃騠(ろば)・驢騾(らば)である。

 

2013年10月15日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
LiveDoor
司馬相如 《上林賦 》(13)#5-2 文選 賦<110-#5-2>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩918 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3138
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《閒遊,二首之一》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <831>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3139韓愈詩-203
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor664 《閬州東樓筵奉送十一舅往青城縣,得昏字》 蜀中転々 杜甫 <570>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3140 杜甫詩1000-570-822/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142
 
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

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温庭筠 70『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620

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『花間集』継続中

 

司馬相如 《上林賦 》(13#5-2 文選 賦<110-#5-213分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩918 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3138

 

 

12#5-1

「於是乎、周覽泛觀,

さてここで、上林苑の全体を、あまねく見物してまわってみる。

縝紛軋芴,芒芒怳忽,

すると、色々な物がいり乱れ、見極めることもできず、ぼうっとして、目もくらむようである。

視之無端,察之無涯。

ここを眺めるとどこまであるのが、端がなく、そしてここを考察してみても端の崖もないのである。

日出東沼,入乎西陂。

その広大さは、太陽が、苑内の東の沼から上り、西の池に沈むほどである。

其南則隆冬生長,涌水躍波;

上林苑の南部では、真冬でも草木が生良し、川は凍りもせずに波立って流れる。

12#5-1

「是に於てか、周【あまね】く覽て泛【あまね】く觀るに,

縝紛【ちんふん】軋芴【あつふつ】として,芒芒怳忽【えつこつ】たり,

之を視るに端【はし】無く,之を察る涯【はて】無し。

日 東沼より出で,西陂に入る。

其の南には則ち隆冬に生長して,涌水躍波【やくは】あり。

 

13#5-2

其獸則旄貘犛,沈牛麈麋;

そこに棲む獣は、(野牛)・旄牛(からうし)・貘(白豹)・犛(黒牛)・沈牛(水牛)・塵(おおじか)・麋(なれじか);

赤首圜題,窮奇象犀。

赤首・園題・窮奇・象・犀である。

其北則盛夏含凍裂地,涉冰揭河;

また北部では、真夏でも地面が凍って裂け、川に氷がはった上を歩いて渡れる。

其獸則麒麟角端,騊駼橐駝,

そこに棲む獣は、麒麟(きりん)・角端(むじな)・騊駼(野馬)・橐駝(らくだ)・

蛩蛩驒騱,駃騠驢騾。

蛩蛩(野馬)・驒騱(うま)・駃騠(ろば)・驢騾(らば)である。

 

13#5-2

其の獸は則ち【ようぼう】貘犛【ばくり】,沈牛 麈麋【しゅび】

赤首 圜題【えんだい】,窮奇 象犀【ぞうさい】

其の北には則ち盛夏に凍を含みて地を裂き,冰を涉りて河を揭【わた】り。

其の獸は則ち麒麟 角端,騊駼【とうと】橐駝【たくだ】

蛩蛩 驒騱【てんけい】,駃騠【けつてい】驢騾【ろら】あり

 

駿馬04 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 13#5-2

其獸則旄貘犛,沈牛麈麋;

赤首圜題,窮奇象犀。

其北則盛夏含凍裂地,涉冰揭河;

其獸則麒麟角端,騊駼橐駝,

蛩蛩驒騱,駃騠驢騾。

 

 

 

(下し文) 13#5-2

其の獸は則ち旄【ようぼう】貘犛【ばくり】,沈牛【ちんぎゅう】麈麋【しゅび】;

赤首【せきしゅ】圜題【えんだい】,窮奇【きゅうき】象犀【ぞうさい】あり。

其の北には則ち盛夏に凍を含みて地を裂き,冰を涉りて河を揭【わた】る。

其の獸は則ち麒麟【きりん】角端【かくたん】,騊駼【とうと】橐駝【たくだ】,

蛩蛩【きょうきょう】驒騱【てんけい】,駃騠【けつてい】驢騾【ろら】あり。

 

 

 

(現代語訳)

そこに棲む獣は、(野牛)・旄牛(からうし)・貘(白豹)・犛(黒牛)・沈牛(水牛)・塵(おおじか)・麋(なれじか);

赤首・園題・窮奇・象・犀である。

また北部では、真夏でも地面が凍って裂け、川に氷がはった上を歩いて渡れる。

そこに棲む獣は、麒麟(きりん)・角端(むじな)・騊駼(野馬)・橐駝(らくだ)・

蛩蛩(野馬)・驒騱(うま)・駃騠(ろば)・驢騾(らば)である。

 

(訳注) 13#5-2

其獸則旄貘犛,沈牛麈麋;

そこに棲む獣は、(野牛)・旄牛(からうし)・貘(白豹)・犛(黒牛)・沈牛(水牛)・塵(おおじか)・麋(なれじか);

 

 

赤首圜題,窮奇象犀。

赤首・園題・窮奇・象・犀である。

○赤首題 赤首は、『山海経』「東山経」に「北号の山に獣有り、其の状狼の如く、赤首鼠目、名を猫狙と臼ふ」とあるものか、同じく「中山経」に「即公の山に獣有り、其の状亀の如くして白身赤首」とあるものが、可能性としてあげられる。園題について、「題は額なり」と言う。額の円い動物ということ。

○窮奇 窮奇は、状は牛に似て、はりねずみのような毛が生え、吠える犬のように鳴き、人を食うという。また、『山海経』「海内北経」によれは、「状は虎の如く巽有り、人を食ふに首より始む」という。

 

其北則盛夏含凍裂地,涉冰揭河;

また北部では、真夏でも地面が凍って裂け、川に氷がはった上を歩いて渡れる。

 

其獸則麒麟角端,騊駼橐駝,

そこに棲む獣は、麒麟(きりん)・角端(むじな)・騊駼(野馬)・橐駝(らくだ)・

○麒麟角端 麒麟はに似た一角の霊獣。角のないのが麒、あるのがとも、牡が麒で牝がともいう。角端はむじな、あるいはこぶたに似て、角が鼻の上にあり、弓とすることができる。

騊駼 騊駼は「子虚の賦」の騊駼と同じ野馬の類。

 

蛩蛩驒騱,駃騠驢騾。

蛩蛩(野馬)・驒騱(うま)・駃騠(ろば)・驢騾(らば)である。

蛩蛩驒騱 蛩蛩は「子虚の賦」に見えた野馬の類。驒騱騠驢(牡馬と牝の子)の類い。

駃騠驢騾 駃騠は牡馬と牝の子。は、ろば。は、らば(牝馬と牡の子)。

 長安付近図00

司馬相如 《上林賦 》(12)#5-1 文選 賦<110-#5-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩917 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3133

司馬相如 《上林賦 》(12ここを眺めるとどこまであるのが、端がなく、そしてここを考察してみても端の崖もないのである。その広大さは、太陽が、苑内の東の沼から上り、西の池に沈むほどである。上林苑の南部では、真冬でも草木が生良し、川は凍りもせずに波立って流れる。

 

2013年10月14日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《上林賦 》(12)#5-1 文選 賦<110-#5-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩917 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3133
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《和侯協律詠筍》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <830>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3134韓愈詩-202-#5
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor夢江南二首其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-318-5-#57-(9)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3137
 
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
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孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 
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魚玄機 詩 全首130賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876

薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227

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皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082

牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

 

『花間集』継続中

 
司馬相如 《上林賦

》(12#5-1 文選 賦<110-#5-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩917 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3133

 

 

12#5-1

「於是乎、周覽泛觀,

さてここで、上林苑の全体を、あまねく見物してまわってみる。

縝紛軋芴,芒芒怳忽,

すると、色々な物がいり乱れ、見極めることもできず、ぼうっとして、目もくらむようである。

視之無端,察之無涯。

ここを眺めるとどこまであるのが、端がなく、そしてここを考察してみても端の崖もないのである。

日出東沼,入乎西陂。

その広大さは、太陽が、苑内の東の沼から上り、西の池に沈むほどである。

其南則隆冬生長,涌水躍波;

上林苑の南部では、真冬でも草木が生良し、川は凍りもせずに波立って流れる。

13#5-2

其獸則旄貘犛,沈牛麈麋;

赤首圜題,窮奇象犀。

其北則盛夏含凍裂地,涉冰揭河;

其獸則麒麟角端,騊駼橐駝,

蛩蛩驒騱,駃騠驢騾。

 

12#5-1

「是に於てか、周【あまね】く覽て泛【あまね】く觀るに,

縝紛【ちんふん】軋芴【あつふつ】として,芒芒怳忽【えつこつ】たり,

之を視るに端【はし】無く,之を察る涯【はて】無し。

日 東沼より出で,西陂に入る。

其の南には則ち隆冬に生長して,涌水躍波【やくは】あり。

13#5-2

其の獸は則ち【ようぼう】貘犛【ばくり】,沈牛 麈麋【しゅび】

赤首 圜題【えんだい】,窮奇 象犀【ぞうさい】

其の北には則ち盛夏に凍を含みて地を裂き,冰を涉りて河を揭【わた】り。

其の獸は則ち麒麟 角端,騊駼【とうと】橐駝【たくだ】

蛩蛩 驒騱【てんけい】,駃騠【けつてい】驢騾【ろら】あり

終南山03

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 12#5-1

「於是乎、周覽泛觀,

縝紛軋芴,芒芒怳忽,

視之無端,察之無涯。

日出東沼,入乎西陂。

其南則隆冬生長,涌水躍波;

 

 

(下し文) 12#5-1

「是に於てか、周【あまね】く覽て泛【あまね】く觀るに,

縝紛【ちんふん】軋芴【あつふつ】として,芒芒怳忽【えつこつ】たり,

之を視るに端【はし】無く,之を察る涯【はて】無し。

日 東沼より出で,西陂に入る。

其の南には則ち隆冬に生長して,涌水躍波【やくは】あり。

 

 

(現代語訳)

さてここで、上林苑の全体を、あまねく見物してまわってみる。

すると、色々な物がいり乱れ、見極めることもできず、ぼうっとして、目もくらむようである。

ここを眺めるとどこまであるのが、端がなく、そしてここを考察してみても端の崖もないのである。

その広大さは、太陽が、苑内の東の沼から上り、西の池に沈むほどである。

上林苑の南部では、真冬でも草木が生良し、川は凍りもせずに波立って流れる。

 

 

(訳注) 12#5-1

「於是乎、周覽泛觀,

さてここで、上林苑の全体を、あまねく見物してまわってみる。

〇周覽泛觀 上林苑のことをいう。長安の西方にあった大庭園。秦の始皇帝が創設し、漢の武帝が拡張した。周囲約150キロに及び、内に苑36、宮12、観25を設け、世界の珍獣・奇草を集めたという。

 

縝紛軋芴,芒芒怳忽,

すると、色々な物がいり乱れ、見極めることもできず、ぼうっとして、目もくらむようである。

〇縝紛軋芴 物がいり乱れて見極められない形容。

 

視之無端,察之無涯。

ここを眺めるとどこまであるのが、端がなく、そしてここを考察してみても端の崖もないのである。

 

日出東沼,入乎西陂。

その広大さは、太陽が、苑内の東の沼から上り、西の池に沈むほどである。

 

其南則隆冬生長,涌水躍波;

上林苑の南部では、真冬でも草木が生良し、川は凍りもせずに波立って流れる。

〇其南則 上林苑の南部をいう。漢の長安と終南山との間の場所を云う。
長安付近図00 

司馬相如 《上林賦 》(11)#4-3 文選 賦<110-#4-3>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩916 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3128

司馬相如 《上林賦 》(11その他、掲車・杜衡(かんあおい)・蘭・槀本(かさもち)・射千、それに、紫の薑(しょうが)・蘘荷(みょうが)・蔵持・杜若(やぶみみょうが)・蓀(あやめ)・鮮支・黄礫・蒋・苧・嵩高(大きなはますげ)が生えている。


2013年10月13日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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司馬相如 《上林賦 》(11)#4-3 文選 賦<110-#4-3>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩916 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3128
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor女冠子四首 其四 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-317-5-#57-(8)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3132
 
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

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『花間集』継続中

 

司馬相如 《上林賦 》(11#4-3 文選 賦<110-#4-39分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩916 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3128



9#4-1

「於是乎崇山矗矗,巃崔嵬;

その一方、中岳の嵩山という高い山々は天を指し、険しく高く聳えている。

深林巨木,嶄巖嵾嵳。

深い森の大木に覆われ、稜線はぎざぎざと鋭っている。

九嵕嶻嶭,南山峩峩;

九峰山は、周囲を削りたてたようであり、終南山は険しく高い。

巖阤甗錡,嶊崣崛崎。

岩山の斜面は、上がはり出した形で切り立っており、高く突き出している。

振溪通谷,蹇溝瀆,

山々の間には、渓谷が刻まれ、屈曲した谷川が流れている。

谽呀豁,阜陵別隝。

峡谷は深く広がり、丘陵を、孤立した島のようにわけている。

9#4-1

「是に於いてか 崇山矗矗【ちくちく】,巃【ろうしょう】崔嵬【さいぎ】;

深林 巨木あり,嶄巖【ざんがん】嵾嵳【しんし】たり。

九嵕【きゅうそう】嶻嶭【せつけつ】として,南山 峩峩【がが】たり。

巖阤 甗錡【けんき】として,嶊崣【さいい】崛崎【くつき】たり。

溪を振【おさ】め谷を通じ,蹇【けんさん】たる溝瀆【こうとく】あり。

谽呀【かんか】豁【かつが】として,阜陵【ふりょう】別隝【べつとう】たり。

 

10#4-2

崴嵬廆,丘虛堀

峯々は高く険しく、丘陵は高く低く、上下しつつ、つづく。

隱轔鬱,登降陁靡、陂池豸。

山の峰がでこぼこして、のぼったりくだったりなだらかに延び、斜めに、斜めに下っていく。

沇溶淫鬻,散渙夷陸;

ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。

亭皋千里,靡不被築。

ここに、平坦な湿原が千里も続き、すべて、つきならされたように平らである。

掩以綠蕙,被以江蘺,

この平野は、縁の青草・江面に覆われ、

糅以蕪,雜以留夷。

魔蕪・留夷が混じり生えている。

 

10#4-2

崴嵬【いき】廆【わいかい】として,丘虛【きゅうきょ】堀【くつらい】たり。

隱轔【いんりん】鬱【うつるい】として,登り降りて陁靡【しび】として、陂池【ひち】豸【ひち】たり。

沇溶【いよう】淫鬻【いんいく】として,夷陸【いりく】散渙【さんかん】す。

亭皋【ていこう】千里にして,築を被らしめずと靡【い】うことなし。

掩うに綠蕙【りょくけい】を以ってし,被【かぶ】するに江蘺【こうり】以てす,

糅【まじ】うる蕪【びぶ】を以てす,雜うるに留夷を以す。

 

11#4-3

布結縷,攢戾莎;

結縷が広がり、莎草が叢生している。

揭車蘅蘭,槀本射干;

その他、掲車・杜衡(かんあおい)・蘭・槀本(かさもち)・射千、

茈薑蘘荷,葴持若蓀;

それに、紫の薑(しょうが)・蘘荷(みょうが)・蔵持・杜若(やぶみみょうが)・蓀(あやめ)・

鮮支黃礫,蔣芧青薠;

鮮支・黄礫・蒋・苧・嵩高(大きなはますげ)が生えている。

布濩閎澤,延蔓太原。

これらの植物は、広大な湿地や平原に、どこまでも生い茂っており、

離靡廣衍,應風披靡;

すき間なく広がり、風に吹かれて揺れ動き、

吐芳揚烈,郁郁菲菲、衆香發越。

激しい香気をあげ、さまざまな、かぐわしい香りが発散される。

肸蠁布寫,

それは四方に溢れて流れ、厚くたちこめるのである。

11#4-3

結縷を布き,戾莎【れいさ】を攢【あつ】む。

揭車【けいしゃ】蘅蘭【こうらん】,槀本【こうほん】射干【やかん】、

茈薑【しょうよう】蘘荷【じょうか】,葴持【しんとう】若蓀【じゃくそん】、

鮮支 黃礫【こうれき】,蔣芧【しょうちょ】青薠【せいはん】あり。

閎澤【こうたく】に布濩【ふご】し,太原に延蔓せり。

離靡【りび】廣衍【こうえん】として,風に應じて披靡【ひび】とし、

芳を吐き烈を揚げ,郁郁【いくいく】菲菲【ひひ】として、衆香 發越す。

肸蠁【さつきょう】布寫【ふしゃ】し,𦖈薆【あんあい】茀【ひつぼつ】たり。

DCF00003



『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 11#4-3

布結縷,攢戾莎;

揭車蘅蘭,槀本射干;

茈薑蘘荷,葴持若蓀;

鮮支黃礫,蔣芧青薠;

布濩閎澤,延蔓太原。

離靡廣衍,應風披靡;

吐芳揚烈,郁郁菲菲、衆香發越。

肸蠁布寫,𦖈茀。



(下し文) (11#4-3

結縷を布き,戾莎【れいさ】を攢【あつ】む。

揭車【けいしゃ】蘅蘭【こうらん】,槀本【こうほん】射干【やかん】、

茈薑【しょうよう】蘘荷【じょうか】,葴持【しんとう】若蓀【じゃくそん】、

鮮支 黃礫【こうれき】,蔣芧【しょうちょ】青薠【せいはん】あり。

閎澤【こうたく】に布濩【ふご】し,太原に延蔓せり。

離靡【りび】廣衍【こうえん】として,風に應じて披靡【ひび】とし、

芳を吐き烈を揚げ,郁郁【いくいく】菲菲【ひひ】として、衆香 發越す。

肸蠁【さつきょう】布寫【ふしゃ】し,𦖈【あんあい】茀【ひつぼつ】たり。



 (現代語訳)

結縷が広がり、莎草が叢生している。

その他、掲車・杜衡(かんあおい)・蘭・槀本(かさもち)・射千、

それに、紫の薑(しょうが)・蘘荷(みょうが)・蔵持・杜若(やぶみみょうが)・蓀(あやめ)・

鮮支・黄礫・蒋・苧・嵩高(大きなはますげ)が生えている。

これらの植物は、広大な湿地や平原に、どこまでも生い茂っており、

すき間なく広がり、風に吹かれて揺れ動き、

激しい香気をあげ、さまざまな、かぐわしい香りが発散される。

それは四方に溢れて流れ、厚くたちこめるのである。



(訳注) 11#4-3

布結縷,攢戾莎;

結縷が広がり、莎草が叢生している。

〇結縷 結縷草。コウライシバ。イネ科の多年草.

〇攢 集める,集めまとめる攒钱金を集める.聚:群がる,密集する.

〇戾莎 莎草/蚊帳吊草【かやつりぐさ】1 カヤツリグサ科の一年草。畑や荒れ地に生え、高さ約40センチ。茎は三角柱、葉は線形。夏、茎の先に葉状の長い苞(ほう)をもつ黄褐色の穂を出す。茎を裂くと四辺形となり、蚊帳をつったように見える。



揭車蘅蘭,槀本射干;

その他、掲車・杜衡(かんあおい)・蘭・槀本(かさもち)・射千、

揭車 香草の名。『爾雅』「釈草」では「薙申」に作る。



茈薑蘘荷,葴持若蓀;

それに、紫の薑(しょうが)・蘘荷(みょうが)・蔵持・杜若(やぶみみょうが)・蓀(あやめ)・

葴持若蓀 蔵特について、張揖は、二親(不明)」と言っている。「子鹿の胱」の「蔵彿」については、張揖は二つの物に分け、歳を馬藍と解していたが、ここでは蔵拝を一つの語と見たため、不明としている。なお、蔵相を蔵郡と同じ物と考えたり1その誤記と考えたりする説もある。若は杜若(諾一。藻は、『史記索隠』に引く跳氏の説によれば、菖蒲に似て脊云曇の無いもので、渓澗中に生ずるという。

蓀あやめ【菖蒲・渓蓀】①アヤメ科の多年草。日本の全域に自生。葉は剣状で地下茎から群がり生える。高さ約60センチメートル。五,六月頃花茎を出し頂端に径約8センチメートルの青紫色または白色のハナショウブに似た花をつける。外花被片に紫色の横脈がある。ハナアヤメ。 [季] 夏。 〔「渓蓀」とも書く。ハナショウブ・カキツバタは同科同属の別種,ショウブは別科〕②サトイモ科のショウブの古名。和歌では「文目(あやめ)」にかけて用いることが多い。あやめぐさ。[季] 夏。 「今日さへや引く人もなきみがくれに生ふる-のねのみなかれむ/源氏 蛍」 「五月,-ふく比/徒然 19」③アヤメやハナショウブの花のような青みの紫色。



鮮支黃礫,蔣芧青薠;

鮮支・黄礫・蒋・苧・嵩高(大きなはますげ)が生えている。

○鮮支黄礫 鮮支は香草の名。燕支(燕脂に同じ。紅をとる草)のことではないかと考えている。董礫も香草の名。黄色に染めることのできる戻草〈小鮒草こぶなくさ)のこと



布濩閎澤,延蔓太原。

これらの植物は、広大な湿地や平原に、どこまでも生い茂っており、

○閎澤 広大な湿地。



離靡廣衍,應風披靡;

すき間なく広がり、風に吹かれて揺れ動き、

○離靡 絶えまなく広がる形容の畳韻語。



吐芳揚烈,郁郁菲菲、衆香發越。

激しい香気をあげ、さまざまな、かぐわしい香りが発散される。

 

肸蠁布寫,𦖈茀。

それは四方に溢れて流れ、厚くたちこめるのである。

肸蠁 香りが四方に広がる形容の双声語。

𦖈 𦖈薆もも、双声語で、香気が盛んにたちこめる形容。

Ta唐 長安近郊圖  新02

司馬相如 《上林賦 》(10)#4-2 文選 賦<110-#4-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩915 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3123

司馬相如 《上林賦》(10ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。ここに、平坦な湿原が千里も続き、すべて、つきならされたように平らである。この平野は、縁の青草・江面に覆われ、魔蕪・留夷が混じり生えている。

   2013年10月12日

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女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 
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9#4-1

「於是乎崇山矗矗,巃崔嵬;

その一方、中岳の嵩山という高い山々は天を指し、険しく高く聳えている。

深林巨木,嶄巖嵾嵳。

深い森の大木に覆われ、稜線はぎざぎざと鋭っている。

九嵕嶻嶭,南山峩峩;

九峰山は、周囲を削りたてたようであり、終南山は険しく高い。

巖阤甗錡,嶊崣崛崎。

岩山の斜面は、上がはり出した形で切り立っており、高く突き出している。

振溪通谷,蹇溝瀆,

山々の間には、渓谷が刻まれ、屈曲した谷川が流れている。

谽呀豁,阜陵別隝。

峡谷は深く広がり、丘陵を、孤立した島のようにわけている。

9#4-1

「是に於いてか 崇山矗矗【ちくちく】,巃【ろうしょう】崔嵬【さいぎ】;

深林 巨木あり,嶄巖【ざんがん】嵾嵳【しんし】たり。

九嵕【きゅうそう】嶻嶭【せつけつ】として,南山 峩峩【がが】たり。

巖阤 甗錡【けんき】として,嶊崣【さいい】崛崎【くつき】たり。

溪を振【おさ】め谷を通じ,蹇【けんさん】たる溝瀆【こうとく】あり。

谽呀【かんか】豁【かつが】として,阜陵【ふりょう】別隝【べつとう】たり。

 

10#4-2

崴嵬廆,丘虛堀

峯々は高く険しく、丘陵は高く低く、上下しつつ、つづく。

隱轔鬱,登降陁靡、陂池豸。

山の峰がでこぼこして、のぼったりくだったりなだらかに延び、斜めに、斜めに下っていく。

沇溶淫鬻,散渙夷陸;

ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。

亭皋千里,靡不被築。

ここに、平坦な湿原が千里も続き、すべて、つきならされたように平らである。

掩以綠蕙,被以江蘺,

この平野は、縁の青草・江面に覆われ、

糅以蕪,雜以留夷。

魔蕪・留夷が混じり生えている。

 

10#4-2

崴嵬【いき】廆【わいかい】として,丘虛【きゅうきょ】堀【くつらい】たり。

隱轔【いんりん】鬱【うつるい】として,登り降りて陁靡【しび】として、陂池【ひち】豸【ひち】たり。

沇溶【いよう】淫鬻【いんいく】として,夷陸【いりく】散渙【さんかん】す。

亭皋【ていこう】千里にして,築を被らしめずと靡【い】うことなし。

掩うに綠蕙【りょくけい】を以ってし,被【かぶ】するに江蘺【こうり】以てす,

糅【まじ】うる蕪【びぶ】を以てす,雜うるに留夷を以す。

 

11#4-3

布結縷,攢戾莎;

揭車蘅蘭,槀本射干;

茈薑蘘荷,葴持若蓀;

鮮支黃礫,蔣芧青薠;

布濩閎澤,延蔓太原。

離靡廣衍,應風披靡;

吐芳揚烈,郁郁菲菲、衆香發越。

肸蠁布寫,𦖈茀。

 

11#4-3

結縷を布き,戾莎【れいさ】を攢【あつ】む。

揭車【けいしゃ】蘅蘭【こうらん】,槀本【こうほん】射干【やかん】、

茈薑【しょうよう】蘘荷【じょうか】,葴持【しんとう】若蓀【じゃくそん】、

鮮支 黃礫【こうれき】,蔣芧【しょうちょ】青薠【せいはん】あり。

閎澤【こうたく】に布濩【ふご】し,太原に延蔓せり。

離靡【りび】廣衍【こうえん】として,風に應じて披靡【ひび】とし、

芳を吐き烈を揚げ,郁郁【いくいく】菲菲【ひひ】として、衆香 發越す。

肸蠁【さつきょう】布寫【ふしゃ】し,𦖈【あんあい】茀【ひつぼつ】たり。

haqro04 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文)10#4-2

崴嵬廆,丘虛堀

隱轔鬱,登降陁靡、陂池豸。

沇溶淫鬻,散渙夷陸;

亭皋千里,靡不被築。

掩以綠蕙,被以江蘺,

糅以蕪,雜以留夷。

 

 

(下し文)

10#4-2

崴嵬【いき】廆【わいかい】として,丘虛【きゅうきょ】堀【くつらい】たり。

隱轔【いんりん】鬱【うつるい】として,登り降りて陁靡【しび】として、陂池【ひち】豸【ひち】たり。

沇溶【いよう】淫鬻【いんいく】として,夷陸【いりく】散渙【さんかん】す。

亭皋【ていこう】千里にして,築を被らしめずと靡【い】うことなし。

掩うに綠蕙【りょくけい】を以ってし,被【かぶ】するに江蘺【こうり】以てす,

糅【まじ】うる蕪【びぶ】を以てす,雜うるに留夷を以す。

 

 

(現代語訳)

峯々は高く険しく、丘陵は高く低く、上下しつつ、つづく。

山の峰がでこぼこして、のぼったりくだったりなだらかに延び、斜めに、斜めに下っていく。

ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。

ここに、平坦な湿原が千里も続き、すべて、つきならされたように平らである。

この平野は、縁の青草・江面に覆われ、

魔蕪・留夷が混じり生えている。

 

 

(訳注) 10#4-2

崴嵬廆,丘虛堀

峯々は高く険しく、丘陵は高く低く、上下しつつ、つづく。

崴嵬 山々が高く険しい形容。巌融も膿兜も畳韻語。で、互いに双声の関係

○丘虚堀 丘虚も堀鼻も、隆々がでこぼこしている形容。丘虚は双声語。

 

隱轔鬱,登降陁靡、陂池豸。

山の峰がでこぼこして、のぼったりくだったりなだらかに延び、斜めに、斜めに下っていく。

○隠燐鬱膿 隠燐と鬱膿は、双声の関係にあり、山の峰がでこぼこしている形容。鬱膿は畳韻語。

○陁靡 ななめのさまがゆっくりとしている。

陂池 陂池も、山の斜面がなだらかに下っていく形容で、ともに壁韻語であり、たがいに双声の関係にある。

 

沇溶淫鬻,散渙夷陸;

ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。

沇溶淫鬻 沈潜も淫欝も、豊かな水がゆっくり流れる形容で、ともに双声語であり、たがいに双声の関係にもある。

 

亭皋千里,靡不被築。

ここに、平坦な湿原が千里も続き、すべて、つきならされたように平らである。

 

掩以綠蕙,被以江蘺,

この平野は、縁の青草・江面に覆われ、

○江蘺 おんなかずら。

 

糅以蕪,雜以留夷。

魔蕪・留夷が混じり生えている。

 おんなかずら。

 芍薬。
Ta唐 長安近郊圖  新02 




司馬相如 《上林賦 》(9)#4-1 文選 賦<110-#4-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩914 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3118 (9)#4-1

司馬相如 《上林賦 》(9その一方、中岳の嵩山という高い山々は天を指し、険しく高く聳えている。深い森の大木に覆われ、稜線はぎざぎざと鋭っている。九峰山は、周囲を削りたてたようであり、終南山は険しく高い。

 

2013年10月11日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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司馬相如 《上林賦

》(9#4-1 文選 賦<110-#4-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩914 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3118      9#4-1

 

 

9#4-1

「於是乎崇山矗矗,巃崔嵬;

その一方、中岳の嵩山という高い山々は天を指し、険しく高く聳えている。

深林巨木,嶄巖嵾嵳。

深い森の大木に覆われ、稜線はぎざぎざと鋭っている。

九嵕嶻嶭,南山峩峩;

九峰山は、周囲を削りたてたようであり、終南山は険しく高い。

巖阤甗錡,嶊崣崛崎。

岩山の斜面は、上がはり出した形で切り立っており、高く突き出している。

振溪通谷,蹇溝瀆,

山々の間には、渓谷が刻まれ、屈曲した谷川が流れている。

谽呀豁,阜陵別隝。

峡谷は深く広がり、丘陵を、孤立した島のようにわけている。

9#4-1

「是に於いてか 崇山矗矗【ちくちく】,巃【ろうしょう】崔嵬【さいぎ】;

深林 巨木あり,嶄巖【ざんがん】嵾嵳【しんし】たり。

九嵕【きゅうそう】嶻嶭【せつけつ】として,南山 峩峩【がが】たり。

巖阤 甗錡【けんき】として,嶊崣【さいい】崛崎【くつき】たり。

溪を振【おさ】め谷を通じ,蹇【けんさん】たる溝瀆【こうとく】あり。

谽呀【かんか】豁【かつが】として,阜陵【ふりょう】別隝【べつとう】たり。

 

10#4-2

崴嵬廆,丘虛堀

隱轔鬱,登降陁靡、陂池豸。

沇溶淫鬻,散渙夷陸;

亭皋千里,靡不被築。

掩以綠蕙,被以江蘺,

糅以蕪,雜以留夷。

11#4-3

布結縷,攢戾莎;

揭車蘅蘭,槀本射干;

茈薑蘘荷,葴持若蓀;

鮮支黃礫,蔣芧青薠;

布濩閎澤,延蔓太原。

離靡廣衍,應風披靡;

吐芳揚烈,郁郁菲菲、衆香發越。

肸蠁布寫,𦖈茀。

 

 

10#4-2

崴嵬【いき】廆【わいかい】として,丘虛【きゅうきょ】堀【くつらい】たり。

隱轔【いんりん】鬱【うつるい】として,登り降りて陁靡【しび】として、陂池【ひち】豸【ひち】たり。

沇溶【いよう】淫鬻【いんいく】として,夷陸【いりく】散渙【さんかん】す。

亭皋【ていこう】千里にして,築を被らしめずと靡【い】うことなし。

掩うに綠蕙【りょくけい】を以ってし,被【かぶ】するに江蘺【こうり】以てす,

糅【まじ】うる蕪【びぶ】を以てす,雜うるに留夷を以す。

 

11#4-3

結縷を布き,戾莎【れいさ】を攢【あつ】む。

揭車【けいしゃ】蘅蘭【こうらん】,槀本【こうほん】射干【やかん】、

茈薑【しょうよう】蘘荷【じょうか】,葴持【しんとう】若蓀【じゃくそん】、

鮮支 黃礫【こうれき】,蔣芧【しょうちょ】青薠【せいはん】あり。

閎澤【こうたく】に布濩【ふご】し,太原に延蔓せり。

離靡【りび】廣衍【こうえん】として,風に應じて披靡【ひび】とし、

芳を吐き烈を揚げ,郁郁【いくいく】菲菲【ひひ】として、衆香 發越す。

肸蠁【さつきょう】布寫【ふしゃ】し,𦖈【あんあい】茀【ひつぼつ】たり。

華山000 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 9#4-1

「於是乎崇山矗矗,巃崔嵬;

深林巨木,嶄巖嵾嵳。

九嵕嶻嶭,南山峩峩;

巖阤甗錡,嶊崣崛崎。

振溪通谷,蹇溝瀆,

谽呀豁,阜陵別隝。

 

 

(下し文) 9#4-1

「是に於いてか 崇山矗矗【ちくちく】,巃【ろうしょう】崔嵬【さいぎ】;

深林 巨木あり,嶄巖【ざんがん】嵾嵳【しんし】たり。

九嵕【きゅうそう】嶻嶭【せつけつ】として,南山 峩峩【がが】たり。

巖阤 甗錡【けんき】として,嶊崣【さいい】崛崎【くつき】たり。

溪を振【おさ】め谷を通じ,蹇【けんさん】たる溝瀆【こうとく】あり。

谽呀【かんか】豁【かつが】として,阜陵【ふりょう】別隝【べつとう】たり。

 

 

(現代語訳)

その一方、中岳の嵩山という高い山々は天を指し、険しく高く聳えている。

深い森の大木に覆われ、稜線はぎざぎざと鋭っている。

九峰山は、周囲を削りたてたようであり、終南山は険しく高い。

岩山の斜面は、上がはり出した形で切り立っており、高く突き出している。

山々の間には、渓谷が刻まれ、屈曲した谷川が流れている。

峡谷は深く広がり、丘陵を、孤立した島のようにわけている。

 

 

(訳注) 9#4-1

「於是乎崇山矗矗,巃崔嵬;

その一方、中岳の嵩山という高い山々は天を指し、険しく高く聳えている。

○崇山 中国の河南省鄭州市登封にある中岳。

○矗矗 【ちくちく】 高く聳えるさま。

○巃崔嵬 山が高くて険しい形容。寵腹も崖親も畳韻語。

 

深林巨木,嶄巖嵾嵳。

深い森の大木に覆われ、稜線はぎざぎざと鋭っている。

○嶄巖嵾嵳 嶄巖は、山の嶺が鋭い形容の畳韻語。嵾嵳は、嶺がふぞろいの様子で、双声語。

 

九嵕嶻嶭,南山峩峩;

九峰山は、周囲を削りたてたようであり、終南山は険しく高い。

〇九嵕嶻嶭 九嵕山は、陝西省礼泉の東北に在り、長安の西北に当たる。嶻嶭は、削ったように険しい形容の畳韻語。

○南川峩峩 南山は、長安の南に横たわる秦嶺山脈、特にその終南山を指す。峩峩は高く険しい様子。

 

巖阤甗錡,嶊崣崛崎。

岩山の斜面は、上がはり出した形で切り立っており、高く突き出している。

巖阤甗錡 巖阤は、岩山の断崖。甗錡は、上が大きく下が小さい形で、斜めにそばだつこと。

○嶊崣崛崎 高々とそびえている形容。

 

振溪通谷,蹇溝瀆,

山々の間には、渓谷が刻まれ、屈曲した谷川が流れている。

 屈曲している形容の畳韻語。

 

谽呀豁,阜陵別隝。

峡谷は深く広がり、丘陵を、孤立した島のようにわけている。

谽呀豁 谷が大きく空虚に広がる形容。谽呀も豁も双声語。

○阜陵 小高い土山・丘陵、:島(しま)は、大陸の面積より小さく、四方を水域に囲まれた陸地。

 渓谷003

司馬相如《上林賦 》(8)#3-2 文選 賦<110-#3-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩913 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3113

司馬相如《上林賦 》(8さらに、鴻(白鳥)・鷫・鵠・鴇・(野生のがちょう)・属玉がおり、野鴨に似た交精・荊郢問(湖北)の水鳥で旋目・鴨の一種煩鶩・鶏に似た脚をもつ庸渠がいて、魚虎に似た箴疵・鵁(あおさぎ)・鵜が、川面に群れ浮かぶ。

 

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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司馬相如《上林賦 》(8)#3-2 文選 賦<110-#3-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩913 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3113
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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司馬相如《上林賦

》(8#3-2 文選 賦<110-#3-29分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩913 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3113

 

 

7#3-1 

「於是乎蛟龍赤螭,䱎䲛漸離,

この河には、鮫・龍・赤い螭・䱎䲛(まぐろの類)・漸離。

鰬魠,禺禺鰨.

(大うなぎ)・・禺禺・・鰨(山椒魚)が棲んでおり、

揵鰭掉尾,振鱗奮翼,潛處乎深巖。

ひれを立て、尾を揺らし、鱗をふるわせ、胸びれを動かし、岩根の底深くひそんでいる。

魚鱉讙聲,萬物衆夥.

魚や亀や、多くの生物が集まり、ザワザワと声をたてている。

明月珠子,的皪江靡.
明月のような真珠が、川辺に輝きをあげ、
蜀石黃碝,水玉磊砢/

蜀石・黄碝・水晶が、積み重なっている。

磷磷爛爛,采色澔汗,叢積乎其中。

きらきらと光り、色とりどりに照り輝き、川の中に重なり集まっている。

8#3-2


鴻鷫鵠鴇,鵞屬玉,

さらに、鴻(白鳥)・鷫・鵠・鴇・(野生のがちょう)・属玉がおり、

交精旋目,煩鶩庸渠,

野鴨に似た交精・荊郢問(湖北)の水鳥で旋目・鴨の一種煩鶩・鶏に似た脚をもつ庸渠がいて

箴疵鵁盧,羣浮乎其上。

魚虎に似た箴疵・鵁(あおさぎ)・鵜が、川面に群れ浮かぶ。

汎淫泛濫,隨風澹淡,

ゆらゆらと浮かび、風にまかせてゆったいと漂うのである。

與波搖蕩,掩薄水渚,

波に従って上下し、水辺の渚を覆い尽くしている。

唼喋菁藻,咀嚼菱藕。

そして、水草をついばんだり、菱の実や蓮の板をかみくだいたりしている。

7#3-1 

「是に於いてか蛟龍赤螭【せきち】,䱎䲛【こうぼう】漸離【ざんり】

【ぎょうよう】鰬魠【けんたく】,禺禺【ぎょうぎょう】【きょとう】あり。

【ひれ】を【あ】げ尾を掉【うご】かし,鱗を振るい翼を奮い,深巖に潛處す。

魚鱉【ぎょべつ】讙聲【かんせい】あり,萬物 衆夥【しゅうか】なり;。

明月の珠子,的皪江の靡【ほとり】に【てきれき】たり。

蜀石 黃碝【こうぜん】,水玉 磊砢【らいら】たり。

磷磷【りんりん】爛爛【らんらん】として,采色澔汗【こうかん】たりて,其の中に叢積す。

 

8#3-2 

鴻鷫【こうしゅく】鵠鴇【こくほう】,【かが】屬玉【しょくぎょく】

交精 旋目,煩鶩【はんぼく】庸渠【ようきょ】

箴疵【しんし】鵁盧【こうろ】ありて,其の上に羣浮【ぐんふ】す。汎淫【はんいん】泛濫【はんらん】し,風に隨いて澹淡【たんたん】たり。

波と搖蕩して,水渚に掩薄【えんおあく】す。

菁藻を唼喋【そうとう】し,菱藕【りょうごう】を咀嚼【そしゃく】す

 

 Ta唐 長安近郊圖  新02

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) 8#3-2

鴻鷫鵠鴇,鵞屬玉,交精旋目,煩鶩庸渠,箴疵鵁盧,羣浮乎其上。汎淫泛濫,隨風澹淡,與波搖蕩,掩薄水渚,唼喋菁藻,咀嚼菱藕。

 

 

(下し文) 8#3-2 

鴻鷫【こうしゅく】鵠鴇【こくほう】,鵞【かが】屬玉【しょくぎょく】,

交精 旋目,煩鶩【はんぼく】庸渠【ようきょ】,

箴疵【しんし】鵁盧【こうろ】ありて,其の上に羣浮【ぐんふ】す。汎淫【はんいん】泛濫【はんらん】し,風に隨いて澹淡【たんたん】たり。

波と搖蕩して,水渚に掩薄【えんおあく】す。

菁藻を唼喋【そうとう】し,菱藕【りょうごう】を咀嚼【そしゃく】す。

 

 

(現代語訳)

さらに、鴻(白鳥)・鷫・鵠・鴇・(野生のがちょう)・属玉がおり、

野鴨に似た交精・荊郢問(湖北)の水鳥で旋目・鴨の一種煩鶩・鶏に似た脚をもつ庸渠がいて

魚虎に似た箴疵・鵁(あおさぎ)・鵜が、川面に群れ浮かぶ。

ゆらゆらと浮かび、風にまかせてゆったいと漂うのである。

波に従って上下し、水辺の渚を覆い尽くしている。

そして、水草をついばんだり、菱の実や蓮の板をかみくだいたりしている。

haqro04 

 

(訳注)

鴻鷫鵠鴇,鵞屬玉,

さらに、鴻(白鳥)・鷫・鵠・鴇・(野生のがちょう)・属玉がおり、

○鴻 おおとり。白鳥。

○鷫 鷫は鷫鵊のこと。雁の一種。

○鵠鴇 鵠:「くぐい」鳥の名。ハクチョウ。「鴻鵠(こうこく) 2 弓の的。的の中心。鴇:「とき」

 野生のがちょう。

屬玉 郭嘆によれは、鴨に似て大きく、首が長く臼が赤く、紫紺色のもの。

 

交精旋目,煩鶩庸渠,

野鴨に似た交精・荊郢問(湖北)の水鳥で旋目・鴨の一種煩鶩・鶏に似た脚をもつ庸渠がいて

交精旋目 交精は野鴨に似て脚が長く、毛冠があり、火災を避ける。旋目は、荊郢問(湖北)の水鳥で、鷺より大きくて尾が短く、色は紅白で目が深くくぼみ、まわりの毛が皆長くて旋いているものがあるという。

○煩鶩庸渠 煩鶩は、鴨の一種。庸渠は鳧に似て灰色、鶏に似た脚をもつ。

 

箴疵鵁盧,羣浮乎其上。

魚虎に似た箴疵・鵁(あおさぎ)・鵜が、川面に群れ浮かぶ。

箴疵 魚虎に似て蒼黒色である。なお、魚虎は江港間の水鳥で、翠鳥の小さいもの。

○鵁盧 鵁:あおさぎ。盧:鵜

 

汎淫泛濫,隨風澹淡,

ゆらゆらと浮かび、風にまかせてゆったいと漂うのである。

○汎淫 ゆらゆらと水の上に浮かんでいる様子を云う。

○澹淡 水がゆったりとたゆたうさま。

 

與波搖蕩,掩薄水渚,

波に従って上下し、水辺の渚を覆い尽くしている。

 

唼喋菁藻,咀嚼菱藕。

そして、水草をついばんだり、菱の実や蓮の板をかみくだいたりしている。

○唼喋  群れを成した魚・水鳥などがえさを食べる音.
鶻 

司馬相如 《上林賦 》(10)#4-2 文選 賦<110-#4-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩915 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3123

司馬相如 《上林賦 》(10山の峰がでこぼこして、のぼったりくだったりなだらかに延び、斜めに、斜めに下っていく。ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。




司馬相如 《上林賦
》(10#4-2 文選 賦<110-#4-29分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩915 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3123

 

 

9#4-1

「於是乎崇山矗矗,巃崔嵬;

その一方、中岳の嵩山という高い山々は天を指し、険しく高く聳えている。

深林巨木,嶄巖嵾嵳。

深い森の大木に覆われ、稜線はぎざぎざと鋭っている。

九嵕嶻嶭,南山峩峩;

九峰山は、周囲を削りたてたようであり、終南山は険しく高い。

巖阤甗錡,嶊崣崛崎。

岩山の斜面は、上がはり出した形で切り立っており、高く突き出している。

振溪通谷,蹇溝瀆,

山々の間には、渓谷が刻まれ、屈曲した谷川が流れている。

谽呀豁,阜陵別隝。

峡谷は深く広がり、丘陵を、孤立した島のようにわけている。

9#4-1

「是に於いてか 崇山矗矗【ちくちく】,巃【ろうしょう】崔嵬【さいぎ】;

深林 巨木あり,嶄巖【ざんがん】嵾嵳【しんし】たり。

九嵕【きゅうそう】嶻嶭【せつけつ】として,南山 峩峩【がが】たり。

巖阤 甗錡【けんき】として,嶊崣【さいい】崛崎【くつき】たり。

溪を振【おさ】め谷を通じ,蹇【けんさん】たる溝瀆【こうとく】あり。

谽呀【かんか】豁【かつが】として,阜陵【ふりょう】別隝【べつとう】たり。

 

10#4-2

崴嵬廆,丘虛堀

峯々は高く険しく、丘陵は高く低く、上下しつつ、つづく。

隱轔鬱,登降陁靡、陂池豸。

山の峰がでこぼこして、のぼったりくだったりなだらかに延び、斜めに、斜めに下っていく。

沇溶淫鬻,散渙夷陸;

ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。

亭皋千里,靡不被築。

ここに、平坦な湿原が千里も続き、すべて、つきならされたように平らである。

掩以綠蕙,被以江蘺,

この平野は、縁の青草・江面に覆われ、

糅以蕪,雜以留夷。

魔蕪・留夷が混じり生えている。

 

10#4-2

崴嵬【いき】廆【わいかい】として,丘虛【きゅうきょ】堀【くつらい】たり。

隱轔【いんりん】鬱【うつるい】として,登り降りて陁靡【しび】として、陂池【ひち】豸【ひち】たり。

沇溶【いよう】淫鬻【いんいく】として,夷陸【いりく】散渙【さんかん】す。

亭皋【ていこう】千里にして,築を被らしめずと靡【い】うことなし。

掩うに綠蕙【りょくけい】を以ってし,被【かぶ】するに江蘺【こうり】以てす,

糅【まじ】うる蕪【びぶ】を以てす,雜うるに留夷を以す。

 

11#4-3

布結縷,攢戾莎;

揭車蘅蘭,槀本射干;

茈薑蘘荷,葴持若蓀;

鮮支黃礫,蔣芧青薠;

布濩閎澤,延蔓太原。

離靡廣衍,應風披靡;

吐芳揚烈,郁郁菲菲、衆香發越。

肸蠁布寫,𦖈茀。

 

11#4-3

結縷を布き,戾莎【れいさ】を攢【あつ】む。

揭車【けいしゃ】蘅蘭【こうらん】,槀本【こうほん】射干【やかん】、

茈薑【しょうよう】蘘荷【じょうか】,葴持【しんとう】若蓀【じゃくそん】、

鮮支 黃礫【こうれき】,蔣芧【しょうちょ】青薠【せいはん】あり。

閎澤【こうたく】に布濩【ふご】し,太原に延蔓せり。

離靡【りび】廣衍【こうえん】として,風に應じて披靡【ひび】とし、

芳を吐き烈を揚げ,郁郁【いくいく】菲菲【ひひ】として、衆香 發越す。

肸蠁【さつきょう】布寫【ふしゃ】し,𦖈【あんあい】茀【ひつぼつ】たり。

 DCF00005

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文)10#4-2

崴嵬廆,丘虛堀

隱轔鬱,登降陁靡、陂池豸。

沇溶淫鬻,散渙夷陸;

亭皋千里,靡不被築。

掩以綠蕙,被以江蘺,

糅以蕪,雜以留夷。

 

 

(下し文)

10#4-2

崴嵬【いき】廆【わいかい】として,丘虛【きゅうきょ】堀【くつらい】たり。

隱轔【いんりん】鬱【うつるい】として,登り降りて陁靡【しび】として、陂池【ひち】豸【ひち】たり。

沇溶【いよう】淫鬻【いんいく】として,夷陸【いりく】散渙【さんかん】す。

亭皋【ていこう】千里にして,築を被らしめずと靡【い】うことなし。

掩うに綠蕙【りょくけい】を以ってし,被【かぶ】するに江蘺【こうり】以てす,

糅【まじ】うる蕪【びぶ】を以てす,雜うるに留夷を以す。

 

 

(現代語訳)

峯々は高く険しく、丘陵は高く低く、上下しつつ、つづく。

山の峰がでこぼこして、のぼったりくだったりなだらかに延び、斜めに、斜めに下っていく。

ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。

ここに、平坦な湿原が千里も続き、すべて、つきならされたように平らである。

この平野は、縁の青草・江面に覆われ、

魔蕪・留夷が混じり生えている。

 

 

(訳注) 10#4-2

崴嵬廆,丘虛堀

峯々は高く険しく、丘陵は高く低く、上下しつつ、つづく。

崴嵬 山々が高く険しい形容。巌融も膿兜も畳韻語。で、互いに双声の関係

○丘虚堀 丘虚も堀鼻も、隆々がでこぼこしている形容。丘虚は双声語。

 

隱轔鬱,登降陁靡、陂池豸。

山の峰がでこぼこして、のぼったりくだったりなだらかに延び、斜めに、斜めに下っていく。

○隠燐鬱膿 隠燐と鬱膿は、双声の関係にあり、山の峰がでこぼこしている形容。鬱膿は畳韻語。

○陁靡 ななめのさまがゆっくりとしている。

陂池 陂池も、山の斜面がなだらかに下っていく形容で、ともに壁韻語であり、たがいに双声の関係にある。

 

沇溶淫鬻,散渙夷陸;

ここでは、谷川の流れは豊かでゆったりとしたものとなり、山々は、平地に散らばって消えて行く。

沇溶淫鬻 沈潜も淫欝も、豊かな水がゆっくり流れる形容で、ともに双声語であり、たがいに双声の関係にもある。

 

亭皋千里,靡不被築。

ここに、平坦な湿原が千里も続き、すべて、つきならされたように平らである。

 

掩以綠蕙,被以江蘺,

この平野は、縁の青草・江面に覆われ、

○江蘺 おんなかずら。

 

糅以蕪,雜以留夷。

魔蕪・留夷が混じり生えている。

 おんなかずら。

 芍薬。
 pla024

司馬相如 《上林賦 》(7)#3-1 文選 賦<110-#3-1>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩912 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3108

司馬相如 《上林賦 》(7ひれを立て、尾を揺らし、鱗をふるわせ、胸びれを動かし、岩根の底深くひそんでいる。魚や亀や、多くの生物が集まり、ザワザワと声をたてている。

 

2013109

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司馬相如 《上林賦 》(7#3-1 文選 賦<110-#3-19分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩912 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3108

 

7#3-1 

「於是乎蛟龍赤螭,䱎䲛漸離,

この河には、鮫・龍・赤い螭・䱎䲛(まぐろの類)・漸離。

鰬魠,禺禺鰨.

(大うなぎ)・・禺禺・・鰨(山椒魚)が棲んでおり、

揵鰭掉尾,振鱗奮翼,潛處乎深巖。

ひれを立て、尾を揺らし、鱗をふるわせ、胸びれを動かし、岩根の底深くひそんでいる。

魚鱉讙聲,萬物衆夥.

魚や亀や、多くの生物が集まり、ザワザワと声をたてている。

明月珠子,的皪江靡.
明月のような真珠が、川辺に輝きをあげ、
蜀石黃碝,水玉磊砢/

蜀石・黄碝・水晶が、積み重なっている。

磷磷爛爛,采色澔汗,叢積乎其中。

きらきらと光り、色とりどりに照り輝き、川の中に重なり集まっている。

 

8#3-2

鴻鷫鵠鴇,鵞屬玉,交精旋目,煩鶩庸渠,箴疵鵁盧,羣浮乎其上。汎淫泛濫,隨風澹淡,與波搖蕩,掩薄水渚,唼喋菁藻,咀嚼菱藕。

7#3-1 

「是に於いてか蛟龍赤螭【せきち】,䱎䲛【こうぼう】漸離【ざんり】

【ぎょうよう】鰬魠【けんたく】,禺禺【ぎょうぎょう】【きょとう】あり。

【ひれ】を【あ】げ尾を掉【うご】かし,鱗を振るい翼を奮い,深巖に潛處す。

魚鱉【ぎょべつ】讙聲【かんせい】あり,萬物 衆夥【しゅうか】なり;。

明月の珠子,的皪江の靡【ほとり】に【てきれき】たり。

蜀石 黃碝【こうぜん】,水玉 磊砢【らいら】たり。

磷磷【りんりん】爛爛【らんらん】として,采色澔汗【こうかん】たりて,其の中に叢積す。

 

8#3-2 

鴻鷫【こうしゅく】鵠鴇【こくほう】,【かが】屬玉【しょくぎょく】

交精 旋目,煩鶩【はんぼく】庸渠【ようきょ】

箴疵【しんし】鵁盧【こうろ】ありて,其の上に羣浮【ぐんふ】す。汎淫【はんいん】泛濫【はんらん】し,風に隨いて澹淡【たんたん】たり。

波と搖蕩して,水渚に掩薄【えんおあく】す。

菁藻を唼喋【そうとう】し,菱藕【りょうごう】を咀嚼【そしゃく】す

 Ta唐 長安近郊圖  新02

 

 

『上林賦』(7#3-1  現代語訳と訳註

(本文) 7#3-1 

「於是乎蛟龍赤螭,䱎䲛漸離,鰬魠,禺禺鰨;揵鰭掉尾,振鱗奮翼,潛處乎深巖。魚鱉讙聲,萬物衆夥;明月珠子,的皪江靡;蜀石黃碝,水玉磊砢;磷磷爛爛,采色澔汗,叢積乎其中。

 

 

(下し文)

7#3-1 

「是に於いてか蛟龍赤螭【せきち】,䱎䲛【こうぼう】漸離【ざんり】

【ぎょうよう】鰬魠【けんたく】,禺禺【ぎょうぎょう】【きょとう】あり。

【ひれ】を【あ】げ尾を掉【うご】かし,鱗を振るい翼を奮い,深巖に潛處す。

魚鱉【ぎょべつ】讙聲【かんせい】あり,萬物 衆夥【しゅうか】なり;。

明月の珠子,的皪江の靡【ほとり】に【てきれき】たり。

蜀石 黃碝【こうぜん】,水玉 磊砢【らいら】たり。

磷磷【りんりん】爛爛【らんらん】として,采色澔汗【こうかん】たりて,其の中に叢積す。

 

 

 

(現代語訳)

この河には、鮫・龍・赤い螭・䱎䲛(まぐろの類)・漸離。

(大うなぎ)・・禺禺・・鰨(山椒魚)が棲んでおり、

ひれを立て、尾を揺らし、鱗をふるわせ、胸びれを動かし、岩根の底深くひそんでいる。

魚や亀や、多くの生物が集まり、ザワザワと声をたてている。

明月のような真珠が、川辺に輝きをあげ、
蜀石・黄碝・水晶が、積み重なっている。

きらきらと光り、色とりどりに照り輝き、川の中に重なり集まっている。

 

 

(訳注) 7#3-1

「於是乎蛟龍赤螭,䱎䲛漸離,

この河には、鮫・龍・赤い蛸・䱎䲛(まぐろの類)・漸離。

漸離 司馬彪が「魚の名なり」と注するのみ。マグロの類い。

 

鰬魠,禺禺鰨。

(大うなぎ)・・禺禺・・鰨(山椒魚)が棲んでおり、

禺禺 郭嘆は、「禺禺魚は、皮に毛が有り、貴地に黒文がある。鮭は比日魚で、状は牛の肝に似、細かい鱗で紫色、両つながら相合して乃ち行くことを得。鰯は鮨魚なり。鮎〈醗Jに似て四足有り。声は嬰児の如し」と言う。

 

揵鰭掉尾,振鱗奮翼,潛處乎深巖。

ひれを立て、尾を揺らし、鱗をふるわせ、胸びれを動かし、岩根の底深くひそんでいる。

 

魚鱉讙聲,萬物衆夥;

魚や亀や、多くの生物が集まり、ザワザワと声をたてている。

 

明月珠子,的皪江靡;

明月のような真珠が、川辺に輝きをあげ、

 

蜀石黃碝,水玉磊砢;

蜀石・黄碝・水晶が、積み重なっている。

○蜀石黃碝、水玉磊砢 蜀石は石の玉に次ぐもの。黄碝は、黄色い碝石(氷のように白く、半ば赤味を帯びた石。「子虚の賦」に既出)。水玉は、水精のこと。森村は、石が積み重なる形容の双声語。

 

磷磷爛爛,采色澔汗,叢積乎其中。

きらきらと光り、色とりどりに照り輝き、川の中に重なり集まっている。

○澔汗 照り輝く形容の双声語。
DCF00003 

司馬相如 《上林賦 》(6)#2-4 文選 賦<110-#2-4>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩911 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3103

司馬相如 《上林賦 》(6音もたてずひっそりとして、きままに流れ去って、戻ることはない。こうして、勢いの弱まった川の流れは、際限なく広がる大河となり、ゆっくりと巡り進み、白くきらきらと輝きながら、東の大湖に流れ込み、周囲の池を溢れさせる。

 

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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

司馬相如 《上林賦 》(6#2-4 文選 賦<110-#2-49分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩911 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3103

 

 

 

(3)#2-1

「且夫齊楚之事又烏足道乎!

それに、斉や楚の事物など、論ずるに値するものでもあるまい。

君未覩夫巨麗也,獨不聞天子之上林乎?

あなた方は、あの壮大な、天子の狩り場たる上林苑のことを、見聞きしたことがないのだろうか。

左蒼梧,右西極,

上林苑は、東は葺悟、西は西極まで広がり、

丹水更其南,紫淵徑其北。

丹水が南側を流れ、紫淵が北側を通っている。

終始灞滻,出入涇渭;

㶚水と滻水は、苑内に包括され、涇水と渭水が横切って流れる。

酆鎬潦潏,紆餘委蛇,經營乎其

酆水・鎬水・潦水・潏水が、うねうねと、苑内に巡り流れている。

 

(3)#2-1

「且つ夫れ齊楚の事 又烏【いず】くんぞ道うに足らんや!

君未だ夫れ巨麗を覩ざるや,獨り天子の上林を聞かずや?

蒼梧を左にし,西極を右にせり。

丹水 其の南を更て,紫淵 其の北に徑れり。

灞滻【はさん】を終始し,涇渭【けいい】を出入す;

酆鎬【ほうこう】潦潏【ろうけつ】,紆餘【うよ】委蛇【いい】として,乎其の經營す

 

(4)#2-2

蕩蕩乎八川分流,相背而異態,

これらの八つの滔滔たる流れは、一互いに離れ、様子も異なる。

東西南北,馳騖往來;

東西に、南北に、激しく流れて往来している。

出乎椒丘之闕,行乎洲淤之浦;

椒丘の谷間はもんをつうかするようなところから出るようで、中州も多くあり、淵と岸辺に行きつく。

經乎桂林之中,過乎泱漭之野。

桂林の中を過って、果てしなく広々とした野原を横切る。

汨乎混流,順阿而下。

急流は溢れ流れ、山ひだに沿って下っていく。

 (4)#2-2

蕩蕩【とうとう】乎【こ】たる八川分かれ流れて,相い背いて態をに異す,

東西 南北,馳騖【ちぶ】往來す。

椒丘【しょうきゅう】の闕より出でて,洲淤【しゅうよ】の浦に行く。

桂林の中を經【わた】り,泱漭【おうもう】の野に過ぐ。

汨乎【いつこ】として混流し,阿【くま】に順いて下る。

 

 

(5)#2-3

赴隘陜之口,觸穹石。

岸が両側から迫った所をぬけ、巨石に当たり、

激堆埼、怫乎暴怒,洶涌滂湃;

砂燐にぶつかる。沸きたち、怒り狂い、水ははね上がってあふれ、

滭弗汨,偪側泌

沸きかえって流れ、押し合い、ぶつかり合う。

橫流逆折,轉騰滂濞沆

脇に流れ、逆さに流れ、転倒して激突する。勢いよく揺れ動く。

穹隆雲橈,宛潬膠戾,

大きく高くうねり、渦をまき、斜めに落ちる。

踰波趨浥,蒞蒞下瀨;

はね上がった波は淵に流れこみ、チョロチョロと浅瀬にそそぐ。

批巖衝擁,犇揚滯沛;

岩頭を撃ち、入り江に当たり、勢いよく流れる。

臨坻注壑,瀺霣墜;

島にぶつかり、谷に流れこみ、サラサラと落ちて行く。

 

(5)#2-3

隘陜【あいきょう】の口に赴き,穹石に觸れ,堆埼【たいき】に激【そそ】ぐ。

怫乎【ふつこ】暴怒【ぼうど】し,洶涌【きょうよう】滂湃【ほうはい】たり。

滭弗【ひつふつ】【ひつこつ】として,偪側【ひつそく】【ひつしつ】たり。

【よこしま】に流れ逆【さかしま】に折れ,轉騰して【べつれつ】たり

滂濞【ほうひ】【こうがい】として、穹隆【きゅうりゅう】雲橈【うんとう】として,宛潬【えんぜん】膠戾【こうれい】たり。

踰波【ゆは】【ふち】に【おもむ】き,蒞蒞【りり】瀨に下る。

巖を批【う】ち【くま】を,犇揚【ほんよう】滯沛【ていはい】として

【しま】に壑に注ぎ,瀺【ざんしゃく】として霣墜【いんつい】す。

 

 

 (6)#2-4

沉沉隱隱,砰磅訇磕;

深く深く豊かに水をたたえ、ゴウゴウと音をたて、

潏潏淈淈,潗鼎沸;

こんこんと湧き起こり、鼎の中で煮え立っているようだ。

馳波跳沫,汨漂疾;

波をあげ、しぶきを飛ばし、激しい勢いで流れ、遠くへ流れて行ってしまう。

悠遠長懷,寂漻無聲,肆乎永歸。

音もたてずひっそりとして、きままに流れ去って、戻ることはない。

然後灝潢漾,安翔徐徊,

こうして、勢いの弱まった川の流れは、際限なく広がる大河となり、ゆっくりと巡り進み、

翯乎滈滈,東注太湖,衍溢陂池。

白くきらきらと輝きながら、東の大湖に流れ込み、周囲の池を溢れさせる。

 

(6)#2-4

沉沉【ちんちん】隱隱,砰磅【ほうほう】訇磕【こうかい】たり。

潏潏【けつけつ】淈淈【こつこつ】として,潗【とうしゅう】として鼎のごとく沸く。

波を馳せ沫【しぶき】を跳ばし,汨【いつきゅう】として漂【うか】び疾【と】く。

悠遠【ゆうえん】として長く懷【かえ】り,寂漻【せきりょう】として聲無く,肆乎【しこ】として永く歸る。

然る後に灝【こうよう】潢漾【こうよう】,安【しず】かに翔【めぐ】り徐【しず】かに徊【めぐ】る,

翯乎【かくこ】滈滈【こうこう】として,東のかた太湖に注いで,陂池【ひち】に衍溢【えんいつ】す。

 長安付近図00

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (6)#2-4

沉沉隱隱,砰磅訇磕;

潏潏淈淈,潗鼎沸;

馳波跳沫,汨漂疾;

悠遠長懷,寂漻無聲,肆乎永歸。

然後灝潢漾,安翔徐徊,

翯乎滈滈,東注太湖,衍溢陂池。

 

 

(下し文) (6)#2-4

沉沉【ちんちん】隱隱,砰磅【ほうほう】訇磕【こうかい】たり。

潏潏【けつけつ】淈淈【こつこつ】として,潗【とうしゅう】として鼎のごとく沸く。

波を馳せ沫【しぶき】を跳ばし,汨【いつきゅう】として漂【うか】び疾【と】く。

悠遠【ゆうえん】として長く懷【かえ】り,寂漻【せきりょう】として聲無く,肆乎【しこ】として永く歸る。

然る後に灝【こうよう】潢漾【こうよう】,安【しず】かに翔【めぐ】り徐【しず】かに徊【めぐ】る,

翯乎【かくこ】滈滈【こうこう】として,東のかた太湖に注いで,陂池【ひち】に衍溢【えんいつ】す。

 

 

(現代語訳)

深く深く豊かに水をたたえ、ゴウゴウと音をたて、

こんこんと湧き起こり、鼎の中で煮え立っているようだ。

波をあげ、しぶきを飛ばし、激しい勢いで流れ、遠くへ流れて行ってしまう。

音もたてずひっそりとして、きままに流れ去って、戻ることはない。

こうして、勢いの弱まった川の流れは、際限なく広がる大河となり、ゆっくりと巡り進み、

白くきらきらと輝きながら、東の大湖に流れ込み、周囲の池を溢れさせる。

 

 

(訳注)(6)#2-4

沉沉隱隱,砰磅訇磕;

深く深く豊かに水をたたえ、ゴウゴウと音をたて、

・訇磕 大きな音や声の形容。

 

潏潏淈淈,潗鼎沸;

こんこんと湧き起こり、鼎の中で煮え立っているようだ。

潗 中に集まるように動く。

 

馳波跳沫,汨漂疾;悠遠長懷。

波をあげ、しぶきを飛ばし、激しい勢いで流れ、遠くへ流れて行ってしまう。

 

寂漻無聲,肆乎永歸。

音もたてずひっそりとして、きままに流れ去って、戻ることはない。

・寂漻 ひっそりとした状態。

 

然後灝潢漾,安翔徐徊,

こうして、勢いの弱まった川の流れは、際限なく広がる大河となり、ゆっくりと巡り進み、

・灝潢漾 勢いの弱まった川の流れのことをいう。

 

翯乎滈滈,東注太湖,衍溢陂池。

白くきらきらと輝きながら、東の大湖に流れ込み、周囲の池を溢れさせる。

太湖 太湖は、中華人民共和国の江蘇省南部と浙江省北部の境界にある大きな湖である。その景観の美しさで知られ、中国政府の国家重点風景名勝区に指定されている。 太湖は長江デルタに位置する。大運河ともつながり、多くの中小の河川が流れ込み、またここから蘇州を流れる蘇州河や上海を流れる黄浦江などの河川が発している。 
2巡行秦始皇帝 

司馬相如 《上林賦 》(5)#2-3 文選 賦<110-#2-3>13分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩910 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3098

司馬相如 《上林賦 》(5岸が両側から迫った所をぬけ、巨石に当たり、砂燐にぶつかる。沸きたち、怒り狂い、水ははね上がってあふれ、沸きかえって流れ、押し合い、ぶつかり合う。

 

2013年10月7日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

司馬相如 《上林賦 》(5#2-3 文選 賦<110-#2-313分割38回 Ⅱ李白に影響を与えた詩910 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3098

 

 

(3)#2-1

「且夫齊楚之事又烏足道乎!

それに、斉や楚の事物など、論ずるに値するものでもあるまい。

君未覩夫巨麗也,獨不聞天子之上林乎?

あなた方は、あの壮大な、天子の狩り場たる上林苑のことを、見聞きしたことがないのだろうか。

左蒼梧,右西極,

上林苑は、東は葺悟、西は西極まで広がり、

丹水更其南,紫淵徑其北。

丹水が南側を流れ、紫淵が北側を通っている。

終始灞滻,出入涇渭;

㶚水と滻水は、苑内に包括され、涇水と渭水が横切って流れる。

酆鎬潦潏,紆餘委蛇,經營乎其

酆水・鎬水・潦水・潏水が、うねうねと、苑内に巡り流れている。

 

(3)#2-1

「且つ夫れ齊楚の事 又烏【いず】くんぞ道うに足らんや!

君未だ夫れ巨麗を覩ざるや,獨り天子の上林を聞かずや?

蒼梧を左にし,西極を右にせり。

丹水 其の南を更て,紫淵 其の北に徑れり。

灞滻【はさん】を終始し,涇渭【けいい】を出入す;

酆鎬【ほうこう】潦潏【ろうけつ】,紆餘【うよ】委蛇【いい】として,乎其の經營す

 

(4)#2-2

蕩蕩乎八川分流,相背而異態,

これらの八つの滔滔たる流れは、一互いに離れ、様子も異なる。

東西南北,馳騖往來;

東西に、南北に、激しく流れて往来している。

出乎椒丘之闕,行乎洲淤之浦;

椒丘の谷間はもんをつうかするようなところから出るようで、中州も多くあり、淵と岸辺に行きつく。

經乎桂林之中,過乎泱漭之野。

桂林の中を過って、果てしなく広々とした野原を横切る。

汨乎混流,順阿而下。

急流は溢れ流れ、山ひだに沿って下っていく。

 (4)#2-2

蕩蕩【とうとう】乎【こ】たる八川分かれ流れて,相い背いて態をに異す,

東西 南北,馳騖【ちぶ】往來す。

椒丘【しょうきゅう】の闕より出でて,洲淤【しゅうよ】の浦に行く。

桂林の中を經【わた】り,泱漭【おうもう】の野に過ぐ。

汨乎【いつこ】として混流し,阿【くま】に順いて下る。

 

 

(5)#2-3

赴隘陜之口,觸穹石。

岸が両側から迫った所をぬけ、巨石に当たり、

激堆埼、怫乎暴怒,洶涌滂湃;

砂燐にぶつかる。沸きたち、怒り狂い、水ははね上がってあふれ、

滭弗汨,偪側泌

沸きかえって流れ、押し合い、ぶつかり合う。

橫流逆折,轉騰滂濞沆

脇に流れ、逆さに流れ、転倒して激突する。勢いよく揺れ動く。

穹隆雲橈,宛潬膠戾,

大きく高くうねり、渦をまき、斜めに落ちる。

踰波趨浥,蒞蒞下瀨;

はね上がった波は淵に流れこみ、チョロチョロと浅瀬にそそぐ。

批巖衝擁,犇揚滯沛;

岩頭を撃ち、入り江に当たり、勢いよく流れる。

臨坻注壑,瀺霣墜;

島にぶつかり、谷に流れこみ、サラサラと落ちて行く。

 

(5)#2-3

隘陜【あいきょう】の口に赴き,穹石に觸れ,堆埼【たいき】に激【そそ】ぐ。

怫乎【ふつこ】暴怒【ぼうど】し,洶涌【きょうよう】滂湃【ほうはい】たり。

滭弗【ひつふつ】【ひつこつ】として,偪側【ひつそく】【ひつしつ】たり。

【よこしま】に流れ逆【さかしま】に折れ,轉騰して【べつれつ】たり

滂濞【ほうひ】【こうがい】として、穹隆【きゅうりゅう】雲橈【うんとう】として,宛潬【えんぜん】膠戾【こうれい】たり。

踰波【ゆは】【ふち】に【おもむ】き,蒞蒞【りり】瀨に下る。

巖を批【う】ち【くま】を,犇揚【ほんよう】滯沛【ていはい】として

【しま】に壑に注ぎ,瀺【ざんしゃく】として霣墜【いんつい】す。

 幻日環01

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (5)#2-3

赴隘陜之口,觸穹石,

激堆埼,怫乎暴怒,洶涌滂湃;

滭弗汨,偪側泌

橫流逆折,轉騰洌,滂濞沆

穹隆雲橈,宛潬膠戾,

踰波趨浥,蒞蒞下瀨;

批巖衝擁,犇揚滯沛;

臨坻注壑,瀺霣墜;

 

 

(下し文)(5)#2-3

隘陜【あいきょう】の口に赴き,穹石に觸れ,堆埼【たいき】に激【そそ】ぐ。

怫乎【ふつこ】暴怒【ぼうど】し,洶涌【きょうよう】滂湃【ほうはい】たり。

滭弗【ひつふつ】汨【ひつこつ】として,偪側【ひつそく】泌【ひつしつ】たり。

橫【よこしま】に流れ逆【さかしま】に折れ,轉騰して洌【べつれつ】たり。

滂濞【ほうひ】沆【こうがい】として、穹隆【きゅうりゅう】雲橈【うんとう】として,宛潬【えんぜん】膠戾【こうれい】たり。

踰波【ゆは】浥【ふち】に趨【おもむ】き,蒞蒞【りり】瀨に下る。

巖を批【う】ち擁【くま】を衝き,犇揚【ほんよう】滯沛【ていはい】として;

坻【しま】に臨み壑に注ぎ,瀺【ざんしゃく】として霣墜【いんつい】す。

 

 

(現代語訳)

岸が両側から迫った所をぬけ、巨石に当たり、

砂燐にぶつかる。沸きたち、怒り狂い、水ははね上がってあふれ、

沸きかえって流れ、押し合い、ぶつかり合う。

脇に流れ、逆さに流れ、転倒して激突する。勢いよく揺れ動く。

大きく高くうねり、渦をまき、斜めに落ちる。

はね上がった波は淵に流れこみ、チョロチョロと浅瀬にそそぐ。

岩頭を撃ち、入り江に当たり、勢いよく流れる。

島にぶつかり、谷に流れこみ、サラサラと落ちて行く。

 

 

(訳注) (5)#2-3

赴隘陜之口,觸穹石,

岸が両側から迫った所をぬけ、巨石に当たり、

 

激堆埼,怫乎暴怒,洶涌滂湃;

砂燐にぶつかる。沸きたち、怒り狂い、水ははね上がってあふれ、

・洶涌 水が勢いよくわき出ること。また、波が立ち騒ぐこと。きょうよう。

・滂湃 1 水がみなぎり逆巻くさま。「たる波浪」2 物事が盛んな勢いでわき起こるさま

 

滭弗汨,偪側泌

沸きかえって流れ、押し合い、ぶつかり合う。

・滭弗 わきあがる。

汨 水がぶつかって音を立てて流れる。

・泌 狭いところを水が流れる、軽やかに流れる、水がちょろちょろと流れ出る、泉、泉の水、液体が小さな穴から流れ出る

 

橫流逆折,轉騰洌,滂濞沆

脇に流れ、逆さに流れ、転倒して激突する。勢いよく揺れ動く。

洌 鋭く激突する。

・滂濞沆 勢いよく揺れ動くこと。

 

穹隆雲橈,宛潬膠戾,

大きく高くうねり、渦をまき、斜めに落ちる。

・橈 他から力を加えられて弓なりに曲がる。しなう。「実の重みで枝が―・む」2 飽きて疲れる。心がくじける。

・潬 深淵

・膠戾 にかわ。もとにもどす。斜めに落ちる。

 

踰波趨浥,蒞蒞下瀨;

はね上がった波は淵に流れこみ、チョロチョロと浅瀬にそそぐ。

・蒞蒞 チョロチョロとながれる。

・下瀨 浅瀬にそそぐ。

 

批巖衝擁,犇揚滯沛;

岩頭を撃ち、入り江に当たり、勢いよく流れる。

・犇 1 大勢の人が1か所にすきまなく集まる。また、集まって騒ぎたてる。2 ぎしぎしと音がする。

・滯沛 (1)雨が盛んに降るさま。(2)盛大なさま。

 

臨坻注壑,瀺霣墜;

島にぶつかり、谷に流れこみ、サラサラと落ちて行く。

霣墜 サラサラと落ちて行く。
nat0002 

司馬相如 《上林賦 》(4)#2-2 文選 賦<110-#2-2>13分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩909 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3093

司馬相如 《上林賦 》(4これらの八つの滔滔たる流れは、一互いに離れ、様子も異なる。東西に、南北に、激しく流れて往来している。椒丘の谷間はもんをつうかするようなところから出るようで、中州も多くあり、淵と岸辺に行きつく。

 

2013年10月6日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《上林賦 》(4)#2-2 文選 賦<110-#2-2>13分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩909 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3093
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2 34曹植(曹子建) 《贈白馬王彪 其六》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3096 (10/06)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。 
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html 

 

司馬相如 《上林賦 》(4#2-2 文選 賦<110-#2-213分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩909 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3093

 

 

(3)#2-1

「且夫齊楚之事又烏足道乎!

それに、斉や楚の事物など、論ずるに値するものでもあるまい。

君未覩夫巨麗也,獨不聞天子之上林乎?

あなた方は、あの壮大な、天子の狩り場たる上林苑のことを、見聞きしたことがないのだろうか。

左蒼梧,右西極,

上林苑は、東は葺悟、西は西極まで広がり、

丹水更其南,紫淵徑其北。

丹水が南側を流れ、紫淵が北側を通っている。

終始灞滻,出入涇渭;

㶚水と滻水は、苑内に包括され、涇水と渭水が横切って流れる。

酆鎬潦潏,紆餘委蛇,經營乎其

酆水・鎬水・潦水・潏水が、うねうねと、苑内に巡り流れている。

 

(3)#2-1

「且つ夫れ齊楚の事 又烏【いず】くんぞ道うに足らんや!

君未だ夫れ巨麗を覩ざるや,獨り天子の上林を聞かずや?

蒼梧を左にし,西極を右にせり。

丹水 其の南を更て,紫淵 其の北に徑れり。

灞滻【はさん】を終始し,涇渭【けいい】を出入す;

酆鎬【ほうこう】潦潏【ろうけつ】,紆餘【うよ】委蛇【いい】として,乎其の經營す

 

(4)#2-2

蕩蕩乎八川分流,相背而異態,

これらの八つの滔滔たる流れは、一互いに離れ、様子も異なる。

東西南北,馳騖往來;

東西に、南北に、激しく流れて往来している。

出乎椒丘之闕,行乎洲淤之浦;

椒丘の谷間はもんをつうかするようなところから出るようで、中州も多くあり、淵と岸辺に行きつく。

經乎桂林之中,過乎泱漭之野。

桂林の中を過って、果てしなく広々とした野原を横切る。

汨乎混流,順阿而下。

急流は溢れ流れ、山ひだに沿って下っていく。

 (4)#2-2

蕩蕩【とうとう】乎【こ】たる八川分かれ流れて,相い背いて態をに異す,

東西 南北,馳騖【ちぶ】往來す。

椒丘【しょうきゅう】の闕より出でて,洲淤【しゅうよ】の浦に行く。

桂林の中を經【わた】り,泱漭【おうもう】の野に過ぐ。

汨乎【いつこ】として混流し,阿【くま】に順いて下る。

 

終南山03 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (4)#2-2

蕩蕩乎八川分流,相背而異態,

東西南北,馳騖往來;

出乎椒丘之闕,行乎洲淤之浦;

經乎桂林之中,過乎泱漭之野。

汨乎混流,順阿而下。

 

 

(下し文)

(4)#2-2

蕩蕩【とうとう】乎【こ】たる八川分かれ流れて,相い背いて態をに異す,

東西 南北,馳騖【ちぶ】往來す。

椒丘【しょうきゅう】の闕より出でて,洲淤【しゅうよ】の浦に行く。

桂林の中を經【わた】り,泱漭【おうもう】の野に過ぐ。

汨乎【いつこ】として混流し,阿【くま】に順いて下る。

 

 

(現代語訳)

これらの八つの滔滔たる流れは、一互いに離れ、様子も異なる。

東西に、南北に、激しく流れて往来している。

椒丘の谷間はもんをつうかするようなところから出るようで、中州も多くあり、淵と岸辺に行きつく。

桂林の中を過って、果てしなく広々とした野原を横切る。

急流は溢れ流れ、山ひだに沿って下っていく。

 

 

(訳注) (4)#2-2

蕩蕩乎八川分流,相背而異態,

これらの八つの滔滔たる流れは、一互いに離れ、様子も異なる。

八川分流 㶚水と滻水、涇水と渭水。酆水・鎬水・潦水・潏水の河川。

 

東西南北,馳騖往來;

東西に、南北に、激しく流れて往来している。

 

出乎椒丘之闕,行乎洲淤之浦;

椒丘の谷間はもんをつうかするようなところから出るようで、中州も多くあり、淵と岸辺に行きつく。

 

經乎桂林之中,過乎泱漭之野。

桂林の中を過って、果てしなく広々とした野原を横切る。

・桂林 1 カツラの林。また、美しい林。2 文人の仲間。桂林の一枝《晋の郤詵(げきしん)が進士に合格したとき、「桂林の一枝を得たにすぎない」と帝に言ったという「晋書」郤詵伝の故事から》わずかな出世。

・泱漭 

泱泱:(1) (水面が)広々とした,洋々たる.(2) 気宇壮大な,堂々たる.漭漭:果てしなく広大なさま.

 

汨乎混流,順阿而下。

急流は溢れ流れ、山ひだに沿って下っていく。

汨 汨汨【こつこつ】. 水が音をたてて流れるようす。汨没【こつぼつ.】しずみかくれること。 世に現れなくなること。落ちぶれること。
泰山の夕日02 

司馬相如 《上林賦 》(3)#2-1 文選 賦<110-#1-3>13分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩908 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3088

司馬相如 《上林賦 》(3上林苑は、東は葺悟、西は西極まで広がり、丹水が南側を流れ、紫淵が北側を通っている。㶚水と滻水は、苑内に包括され、涇水と渭水が横切って流れる。酆水・鎬水・潦水・潏水が、うねうねと、苑内に巡り流れている。

 

2013年10月5日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
 
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html 
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
 
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
 
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

司馬相如 《上林賦 》(3)#2-1 文選 賦<110-#1-3>13分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩908 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3088

 

 

(3)#2-1

「且夫齊楚之事又烏足道乎!

それに、斉や楚の事物など、論ずるに値するものでもあるまい。

君未覩夫巨麗也,獨不聞天子之上林乎?

あなた方は、あの壮大な、天子の狩り場たる上林苑のことを、見聞きしたことがないのだろうか。

左蒼梧,右西極,

上林苑は、東は葺悟、西は西極まで広がり、

丹水更其南,紫淵徑其北。

丹水が南側を流れ、紫淵が北側を通っている。

終始灞滻,出入涇渭;

㶚水と滻水は、苑内に包括され、涇水と渭水が横切って流れる。

酆鎬潦潏,紆餘委蛇,經營乎其

酆水・鎬水・潦水・潏水が、うねうねと、苑内に巡り流れている。

 

(3)#2-1

「且つ夫れ齊楚の事 又烏【いず】くんぞ道うに足らんや!

君未だ夫れ巨麗を覩ざるや,獨り天子の上林を聞かずや?

蒼梧を左にし,西極を右にせり。

丹水 其の南を更て,紫淵 其の北に徑れり。

灞滻【はさん】を終始し,涇渭【けいい】を出入す;

酆鎬【ほうこう】潦潏【ろうけつ】,紆餘【うよ】委蛇【いい】として,乎其の經營す

 (4)#2-2

蕩蕩乎八川分流,相背而異態,

東西南北,馳騖往來;

出乎椒丘之闕,行乎洲淤之浦;

經乎桂林之中,過乎泱漭之野。

汨乎混流,順阿而下。

(5)#2-3

赴隘陜之口,觸穹石,

激堆埼,怫乎暴怒,洶涌滂湃;

滭弗汨,偪側泌

橫流逆折,轉騰洌,滂濞沆

穹隆雲橈,宛潬膠戾,

踰波趨浥,蒞蒞下瀨;

批巖衝擁,犇揚滯沛;

臨坻注壑,瀺霣墜;

(6)#2-4

沉沉隱隱,砰磅訇磕;

潏潏淈淈,潗鼎沸;

馳波跳沫,汨漂疾;

悠遠長懷,寂漻無聲,肆乎永歸。

然後灝潢漾,安翔徐徊,

翯乎滈滈,東注太湖,衍溢陂池。

長安付近図00 

 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (3)#2-1

「且夫齊楚之事又烏足道乎!

君未覩夫巨麗也,獨不聞天子之上林乎?

左蒼梧,右西極,

丹水更其南,紫淵徑其北。

終始灞滻,出入涇渭;

酆鎬潦潏,紆餘委蛇,經營乎其

 

 

(下し文) (3)#2-1

「且つ夫れ齊楚の事 又烏【いず】くんぞ道うに足らんや!

君未だ夫れ巨麗を覩ざるや,獨り天子の上林を聞かずや?

蒼梧を左にし,西極を右にせり。

丹水 其の南を更て,紫淵 其の北に徑れり。

灞滻【はさん】を終始し,涇渭【けいい】を出入す;

酆鎬【ほうこう】潦潏【ろうけつ】,紆餘【うよ】委蛇【いい】として,乎其のに經營す。

 

 

(現代語訳)

それに、斉や楚の事物など、論ずるに値するものでもあるまい。

あなた方は、あの壮大な、天子の狩り場たる上林苑のことを、見聞きしたことがないのだろうか。

上林苑は、東は葺悟、西は西極まで広がり、

丹水が南側を流れ、紫淵が北側を通っている。

㶚水と滻水は、苑内に包括され、涇水と渭水が横切って流れる。

酆水・鎬水・潦水・潏水が、うねうねと、苑内に巡り流れている。

 

 

(訳注) (3)#2-1

「且夫齊楚之事又烏足道乎!

それに、斉や楚の事物など、論ずるに値するものでもあるまい。

 

君未覩夫巨麗也,獨不聞天子之上林乎?

あなた方は、あの壮大な、天子の狩り場たる上林苑のことを、見聞きしたことがないのだろうか。

 

左蒼梧,右西極,

上林苑は、東は葺悟、西は西極まで広がり、

 

丹水更其南,紫淵徑其北。

丹水が南側を流れ、紫淵が北側を通っている。

 

終始灞滻,出入涇渭;

㶚水と滻水は、苑内に包括され、涇水と渭水が横切って流れる。

・灞滻 㶚水と滻水 長安の東を北流して渭水にそそぐ。

・涇渭 涇水と渭水 渭水は長安の北側を西から東へながれ、清流であり、涇水は長安の東で渭水に合流する濁流の河川である。

 

 

酆鎬潦潏,紆餘委蛇,經營乎其

酆水・鎬水・潦水・潏水が、うねうねと、苑内に巡り流れている。

・酆鎬潦潏 長安の西側終南山、秦嶺山脈を源流にして北流して渭水に注ぐ四水を云う。・酆水・鎬水・潦水・潏水 である。
Ta唐 長安近郊圖  新02 

司馬相如 《上林賦 》(2)#1-2 文選 賦<110-#1-2>13分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩907 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3083

司馬相如 《上林賦 》(2そうして、諸侯の礼節をはっきりさせようともせず、ひたすら、狩猟の遊びの悪しきや、狩り場の広さについて言い争い、贅沢さで、相手に勝とうとしているし、過度に情欲にふけたり、放埓さにおいても相手をうわまわるのである。

 

2013年10月4日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《上林賦 》(2)#1-2 文選 賦<110-#1-2>13分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩907 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3083
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《和席八〔夔〕十二韻 〔元和十一年,夔與愈同掌制誥。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <820>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3084韓愈詩-197-#2
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor 660 《山寺〔自注:得開字,章留後同遊。〕》 蜀中転々 杜甫 <566-#2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3085 杜甫詩1000-566-#2-811/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2 32曹植(曹子建) 《贈白馬王彪 其四》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3086 (10/04)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 採蓮子二首  其二 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-308-5-#62  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3087
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332 
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於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html 
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html 
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。 
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
 
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html 
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html 
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
 
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
 
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

司馬相如 《上林賦 》(2#1-2 文選 賦<110-#1-213分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩907 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3083

 

 

(1)#1-1

亡是公聽然而笑曰:

(子虛と烏有先生のやりとりを聞いて)亡是公は、歯をのぞかせて笑い、こう語り始めた。

「楚則失矣,齊亦未為得也。

「楚の側の子虛はもとより誤っているが、斉の側の烏有先生も正しいとは言えない。

夫使諸侯納貢者,非為財幣,所以述職也;

そもそも、天子が諸侯に貢納を命ずるのは、財産を集めようとするのではなく、それを機会として、諸侯に、治めている地方の情態を.言上させるためである。

封疆畫界者,非為守禦,所以禁淫也。

また、諸侯の国々に境界を定めるのは、防衛のためではなく、節度を与えるためである。

今齊列為東藩而外私肅慎,捐國踰限,

今、斉の国は、東方の守りとして封ぜられているのに、私かに粛慎國と通じ、国を離れ、境を超える。

越海而田,其於義固未可也。

海を渡って狩りを行っている。諸侯の在り方からみて、まことに正しくないことである。

 

亡是【むぜ】公聽【こうちょう】然として笑いて曰く、「楚は則ち失せり,而して齊も亦た未だ得たりと為さず。

夫れ使諸侯をして納貢せしむるは,財幣の為に非らず,職を述ぶる所以なり。

疆を封じ界【さかい】を畫【かぎ】るは,守禦の為に非らず,淫すること禁ずる所以なり。

今 齊は列して東藩ろ為り、而も外に肅慎【しゅくしん】に私せり。

國を捐【す】てて限りを踰え,海を越えて田【かり】し,其れ義に於いて固【まこと】に未だ可ならず。

 

(2)#1-2

且二君之論,不務明君臣之義,

それに、両君の議論を聞いていると、君臣の在り方を明らかにし、

正諸侯之禮,徒事爭於遊戲之樂,

そうして、諸侯の礼節をはっきりさせようともせず、ひたすら、狩猟の遊びの悪しきや、狩り場の広さについて言い争い、

苑囿之大,欲以奢侈相勝,荒淫相越,

贅沢さで、相手に勝とうとしているし、過度に情欲にふけたり、放埓さにおいても相手をうわまわるのである。

此不可以揚名發譽,而適足以貶君自損也。

これでは、自らの名誉を高めることもできず、主君を辱め、自分も恥を得るのが関の山である。

 

且つ二君の論は,君臣の義を明らかにし,諸侯の禮を正さんことを務めず。

徒らに遊戲の樂しみ,苑囿の大いなるを爭わんことを事とす。

奢侈を以って相い勝ち,荒淫をもって相い越えんと欲っす。

此れを以って名を揚げ譽れを發す可からず,而して適に以って君を貶め自ら損するに足れり。

2巡行秦始皇帝 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (2)#1-2

且二君之論,不務明君臣之義,

正諸侯之禮,徒事爭於遊戲之樂,

苑囿之大,欲以奢侈相勝,荒淫相越,

此不可以揚名發譽,而適足以貶君自損也。

 

 

(下し文)

且つ二君の論は,君臣の義を明らかにし,諸侯の禮を正さんことを務めず。

徒らに遊戲の樂しみ,苑囿の大いなるを爭わんことを事とす。

奢侈を以って相い勝ち,荒淫をもって相い越えんと欲っす。

此れを以って名を揚げ譽れを發す可からず,而して適に以って君を貶め自ら損するに足れり。

 

 

(現代語訳)

それに、両君の議論を聞いていると、君臣の在り方を明らかにし、

そうして、諸侯の礼節をはっきりさせようともせず、ひたすら、狩猟の遊びの悪しきや、狩り場の広さについ

て言い争い、

贅沢さで、相手に勝とうとしているし、過度に情欲にふけたり、放埓さにおいても相手をうわまわるのである。

これでは、自らの名誉を高めることもできず、主君を辱め、自分も恥を得るのが関の山である。

 

 

(訳注)

「子虛」、「烏有」、「亡是公」という架空の二人物の問答で展開されるが、その名はいずれも「何もない」という意味に通じる。

 

(2)#1-2

且二君之論,不務明君臣之義、

それに、両君の議論を聞いていると、君臣の在り方を明らかにし、

 

正諸侯之禮,徒事爭於遊戲之樂,苑囿之大,

そうして、諸侯の礼節をはっきりさせようともせず、ひたすら、狩猟の遊びの悪しきや、狩り場の広さについ

て言い争い、

 

欲以奢侈相勝,荒淫相越,

贅沢さで、相手に勝とうとしているし、過度に情欲にふけたり、放埓さにおいても相手をうわまわるのである。

・奢侈 度を過ぎてぜいたくなこと。身分不相応に金を費やすこと。

・荒淫 殺伐とし、過度に情欲にふけること。道にはずれていること。法にはずれていること。

 

此不可以揚名發譽,而適足以貶君自損也。

これでは、自らの名誉を高めることもできず、主君を辱め、自分も恥を得るのが関の山である。

haqro04 

司馬相如 《上林賦 》(1)#1-1 文選 賦<110-#1-1>13分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩906 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3078

司馬相如 《上林賦 》(1(子虛と烏有先生のやりとりを聞いて)亡是公は、歯をのぞかせて笑い、こう語り始めた。「楚の側の子虛はもとより誤っているが、斉の側の烏有先生も正しいとは言えない。そもそも、天子が諸侯に貢納を命ずるのは、財産を集めようとするのではなく、それを機会として、諸侯に、治めている地方の情態を.言上させるためである。

 

2013年10月3日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
 
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html 
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
 
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
 
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

司馬相如 《上林賦 》(1#1-1 文選 賦<110-#1-113分割52回 Ⅱ李白に影響を与えた詩906 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3078

 

漢賦を集大成したといわれる司馬相如(BC179BC117)の代表作。賦と言えは、この作品が想起されると謂っても過言ではない。梁の孝千の客であった頃作った「子虚賦」が漢の武帝の目に止まって召し出され、その際、武帝のために改めて大子遊猟の賦を作ったのが本作品だとされる。『史記』と『漢書』ではこの二篇を一篇として載せているが、『文選』では「子虛賦」と「上林賦」の二篇に分けている。

「子虛」、「烏有」、「亡是公」という架空の二人物の問答で展開されるが、その名はいずれも「何もない」という意味に通じる。

 

(1)  #1-1

亡是公聽然而笑曰:「楚則失矣,齊亦未為得也。

夫使諸侯納貢者,非為財幣,所以述職也;

封疆畫界者,非為守禦,所以禁淫也。

今齊列為東藩而外私肅慎,捐國踰限,

越海而田,其於義固未可也。

(2)  #1-2

且二君之論,不務明君臣之義,

正諸侯之禮,徒事爭於遊戲之樂,

苑囿之大,欲以奢侈相勝,荒淫相越,

此不可以揚名發譽,而適足以貶君自損也。

 

#2

「且夫齊楚之事又烏足道乎!君未覩夫巨麗也,獨不聞天子之上林乎?左蒼梧,右西極,丹水更其南,紫淵徑其北。終始灞滻,出入涇渭;酆鎬潦潏,紆餘委蛇,經營乎其。蕩蕩乎八川分流,相背而異態,東西南北,馳騖往來;出乎椒丘之闕,行乎洲淤之浦;經乎桂林之中,過乎泱漭之野。汨乎混流,順阿而下,赴隘陜之口,觸穹石,激堆埼,怫乎暴怒,洶涌滂湃;滭弗汨,偪側泌;橫流逆折,轉騰洌,滂濞沆。穹隆雲橈,宛潬膠戾,踰波趨浥,蒞蒞下瀨;批巖衝擁,犇揚滯沛;臨坻注壑,瀺霣墜;沉沉隱隱,砰磅訇磕;潏潏淈淈,潗鼎沸;馳波跳沫,汨漂疾;悠遠長懷,寂漻無聲,肆乎永歸。然後灝潢漾,安翔徐徊,翯乎滈滈,東注太湖,衍溢陂池。

 

#3

  「於是乎蛟龍赤螭,䱎䲛漸離,鰬魠,禺禺鰨;揵鰭掉尾,振鱗奮翼,潛處乎深巖。魚鱉讙聲,萬物衆夥;明月珠子,的皪江靡;蜀石黃碝,水玉磊砢;磷磷爛爛,采色澔汗,叢積乎其中。鴻鷫鵠鴇,鵞屬玉,交精旋目,煩鶩庸渠,箴疵鵁盧,羣浮乎其上。汎淫泛濫,隨風澹淡,與波搖蕩,掩薄水渚,唼喋菁藻,咀嚼菱藕。

 

#4

  「於是乎崇山矗矗,巃崔嵬;深林巨木,嶄巖嵾嵳。九嵕嶻嶭,南山峩峩;巖阤甗錡,嶊崣崛崎。振溪通谷,蹇溝瀆,谽呀豁,阜陵別隝。崴嵬廆,丘虛堀,隱轔鬱,登降陁靡。陂池豸,沇溶淫鬻,散渙夷陸;亭皋千里,靡不被築。掩以綠蕙,被以江蘺,糅以蕪,雜以留夷;布結縷,攢戾莎;揭車蘅蘭,槀本射干;茈薑蘘荷,葴持若蓀;鮮支黃礫,蔣芧青薠;布濩閎澤,延蔓太原。離靡廣衍,應風披靡;吐芳揚烈,郁郁菲菲;衆香發越,肸蠁布寫,𦖈茀。

 

#5

  「於是乎周覽泛觀,縝紛軋芴,芒芒怳忽,視之無端,察之無涯。日出東沼,入乎西陂。其南則隆冬生長,涌水躍波;其獸則旄貘犛,沈牛麈麋;赤首圜題,窮奇象犀。其北則盛夏含凍裂地,涉冰揭河;其獸則麒麟角端,騊駼橐駝,蛩蛩驒騱,駃騠驢騾。

 

#6

  「於是乎離宮別館,彌山跨谷;高廊四注,重坐曲閣;華榱璧璫,輦道纚屬;步周流,長途中宿。夷嵕築堂,累臺增成,巖窔洞房。俯杳眇而無見,仰攀橑而捫天;奔星更於閨闥,宛虹拖於楯軒。青龍蚴蟉於東廂,象輿婉蟬於西清;靈圉燕於閒館,偓佺之倫暴於南榮;醴泉涌於清室,通川過於中庭。盤石振崖,嶔巖倚傾,嵯峨嶫,刻削崢嶸;玫瑰碧琳,珊瑚叢生。玉旁唐,玢豳文鱗,赤瑕駮犖,雜插其間;鼂采琬琰,和氏出焉。

 

#7

  「於是乎盧橘夏熟,黃甘橙楱;枇杷橪柿,奈厚朴;棗楊梅,櫻桃蒲陶;隱夫薁棣,荅遝離支;羅乎後宮,列乎北園;丘陵,下平原;揚翠葉,扤紫莖;發紅華,垂朱榮;煌煌扈扈,照曜鉅野。沙棠櫟櫧,華楓枰櫨;留落胥邪,仁頻並閭,欃檀木蘭,豫章女貞。長千仞,大連抱;誇條直暢,實葉葰楙。攢立叢倚,連卷欐佹;崔錯骪,坑衡砢;垂條扶疎,落英幡纚。紛溶蔘,猗柅從風;瀏蒞芔歙,蓋象金石之聲,管籥之音,池茈虒,旋還乎後宮。雜襲纍輯,被山緣谷,循坂下隰,視之無端,究之無窮。

 

#8

  「於是乎玄猿素雌,蜼玃飛𧕫,蛭蜩蠼猱,豰蛫,棲息乎其間。長嘯哀鳴,翩幡互經,夭蟜枝格,偃蹇杪顛。隃梁,騰殊榛;捷垂條,掉希間。牢落陸離,爛漫遠遷。若此輩者,數百千處。遊往來,宮宿館舍;庖廚不徙,後宮不移,百官備具。

 

#9

  「於是乎背秋涉冬,天子校獵。乘鏤象,六玉虯,拖蜺旌,靡雲旗;前皮軒,後道游。孫叔奉轡,衛公參乘;扈從橫行,出乎四校之中。鼓嚴簿,縱獵者;江江為阹,泰山為櫓。車騎雷起,殷天動地;先後陸離,離散別追,淫淫裔裔;緣陵流澤,雲布雨施。生貔豹,搏豺狼;手熊羆,足野羊。蒙鶡蘇,絝白虎;被班文,跨野馬。陵三嵕之危,下磧歷之坻;徑峻赴險,越壑厲水。推飛廉,弄獬豸格蝦蛤,鋋猛氏;羂騕褭,射封豕。箭不苟害,解脰陷腦;弓不虛發,應聲而倒。

 

10

  「於是乘輿弭節徘徊,翔往來;睨部曲之進退,覽將帥之變態。然後侵淫促節,倐遠去;流離輕禽,蹴履狡獸;𨎥白鹿,捷狡兔;軼赤電,遺光耀,追怪物,出宇宙。彎蕃弱,滿白羽;射游梟,櫟蜚遽。擇肉而後發,先中而命處;弦矢分,藝殪仆。然後揚節而上浮,凌驚風,歷駭猋,乘虛無,與神俱。藺玄鶴,亂昆鷄;遒孔鸞,促鵕䴊。拂翳鳥,捎鳳凰;捷鵷雛,揜焦明。道盡塗殫,迴車而還;招搖乎襄羊,降集乎北紘;率乎直指,晻乎反。蹶石闕,歷封巒;過鳷鵲,望露寒;下棠梨,息宜春。西馳宣曲,濯鷁牛首;登龍臺,掩細柳;觀士大夫之勤略,鈞獵者之所得獲,徒車之所𨏼轢,步騎之所蹂,人臣之所蹈藉,與其窮極倦𠙆,驚憚讋伏,不被創刃而死者,佗佗藉藉,填阬滿谷,揜平彌澤。

 

11

  「於是乎游戲懈怠,置酒乎顥天之臺,張樂乎膠葛之㝢;撞千石之鐘,立萬石之虡;建翠華之旗,樹靈鼉之鼓。奏陶唐氏之舞,聽葛天氏之歌;千人唱,萬人和;山陵為之震動,川穀為之蕩波。巴、宋、蔡,淮南、干遮,文成、顛歌。族居遞奏,金鼓迭起。鏗鎗闛鞈,洞心駭耳。荊、、鄭、衛之聲,韶、濩、武、象之樂,陰淫案衍之音;鄢、郢繽紛,激楚結風。俳優侏儒,狄鞮之倡;所以耳目、樂心意者,麗靡爛漫於前,靡曼美色於後。若夫青琴、宓妃之徒:殊離俗,妖冶閑都;靚莊刻飾,便嬛綽約,柔橈𡣬𡣬,嫵媚孅弱。曳獨繭之褕,眇閻易以戌削;便姍屑,與俗殊服。芬芳漚鬱,酷烈淑郁;皓齒粲爛,宜笑的皪。長眉連娟,微睇緜藐,色授魂與,心愉於側。

 

12

  「於是酒中樂酣,天子芒然而思,似若有亡曰:『嗟乎,此大奢侈!朕以覽聽餘閒,無事棄日,順天道以殺伐,時休息於此;恐後世靡麗,遂往而不返,非所以為繼嗣創業垂統也。』於是乎乃解酒罷獵,而命有司曰:『地可墾闢,悉為農郊,以贍氓隸;隤墻填塹,使山澤之人得至焉。實陂池而勿禁,虛宮館而勿仞。發倉廩以救貧窮,補不足;恤鰥寡,存孤獨。出德號,省刑罰;改制度,易服色;革正朔,與天下為始。』

 

13

  「於是歷吉日以齋戒,襲朝服,乘法駕;建華旗,鳴玉鸞;游乎六藝之囿,馳騖乎仁義之塗,覽觀春秋之林。射貍首,兼騶虞;弋玄鶴,舞干戚;載雲,揜羣雅;悲伐檀,樂『樂胥』。修容乎禮園,翔乎書圃。述易道,放怪獸;登明堂,坐清廟。恣羣臣,奏得失;四海之,靡不受獲。於斯之時,天下大,向風而聽,隨流而化;芔然興道而遷義,刑錯而不用;德隆於三皇,而功羨於五帝:若此,故獵乃可喜也。若夫終日馳騁,勞神苦形,疲車馬之用,抏士卒之精,費府庫之財,而無德厚之恩;務在獨樂,不顧衆庶。忘國家之政,貪雉兔之獲,則仁者不由也。從此觀之,齊、楚之事,豈不哀哉!地方不過千里,而囿居九百,是草木不得墾辟,而人無所食也。夫以諸侯之細,而樂萬乘之侈,僕恐百姓被其尤也。」

 

  於是二子愀然改容,超若自失,逡巡避席曰:「鄙人固陋,不知忌諱,乃今日見教,謹受命矣。

美女004 

 

(1)#1-1

亡是公聽然而笑曰:

(子虛と烏有先生のやりとりを聞いて)亡是公は、歯をのぞかせて笑い、こう語り始めた。

「楚則失矣,齊亦未為得也。

「楚の側の子虛はもとより誤っているが、斉の側の烏有先生も正しいとは言えない。

夫使諸侯納貢者,非為財幣,所以述職也;

そもそも、天子が諸侯に貢納を命ずるのは、財産を集めようとするのではなく、それを機会として、諸侯に、治めている地方の情態を.言上させるためである。

封疆畫界者,非為守禦,所以禁淫也。

また、諸侯の国々に境界を定めるのは、防衛のためではなく、節度を与えるためである。

今齊列為東藩而外私肅慎,捐國踰限,

今、斉の国は、東方の守りとして封ぜられているのに、私かに粛慎國と通じ、国を離れ、境を超える。

越海而田,其於義固未可也。

海を渡って狩りを行っている。諸侯の在り方からみて、まことに正しくないことである。

 

亡是【むぜ】公聽【こうちょう】然として笑いて曰く、「楚は則ち失せり,而して齊も亦た未だ得たりと為さず。

夫れ使諸侯をして納貢せしむるは,財幣の為に非らず,職を述ぶる所以なり。

疆を封じ界【さかい】を畫【かぎ】るは,守禦の為に非らず,淫すること禁ずる所以なり。

今 齊は列して東藩ろ為り、而も外に肅慎【しゅくしん】に私せり。

國を捐【す】てて限りを踰え,海を越えて田【かり】し,其れ義に於いて固【まこと】に未だ可ならず。

 

(2)#1-2

且二君之論,不務明君臣之義,

正諸侯之禮,徒事爭於遊戲之樂,

苑囿之大,欲以奢侈相勝,荒淫相越,

此不可以揚名發譽,而適足以貶君自損也。

 

且つ二君の論は,君臣の義を明らかにし,諸侯の禮を正さんことを務めず。

徒らに遊戲の樂しみ,苑囿の大いなるを爭わんことを事とす。

奢侈を以って相い勝ち,荒淫をもって相い越えんと欲っす。

此れを以って名を揚げ譽れを發す可からず,而して適に以って君を貶め自ら損するに足れり。

 

 

『上林賦』 現代語訳と訳註

(本文) (1)#1-1

亡是公聽然而笑曰:「楚則失矣,齊亦未為得也。

夫使諸侯納貢者,非為財幣,所以述職也;

封疆畫界者,非為守禦,所以禁淫也。

今齊列為東藩而外私肅慎,捐國踰限,

越海而田,其於義固未可也。

 

 

(下し文) (1)#1-1

亡是【むぜ】公聽【こうちょう】然として笑いて曰く、

「楚は則ち失せり,而して齊も亦た未だ得たりと為さず。

夫れ使諸侯をして納貢せしむるは,財幣の為に非らず,職を述ぶる所以なり。

疆を封じ界【さかい】を畫【かぎ】るは,守禦の為に非らず,淫すること禁ずる所以なり。

今 齊は列して東藩ろ為り、而も外に肅慎【しゅくしん】に私せり。

國を捐【す】てて限りを踰え,海を越えて田【かり】し,其れ義に於いて固【まこと】に未だ可ならず。

 

 

(現代語訳)

(子虛と烏有先生のやりとりを聞いて)亡是公は、歯をのぞかせて笑い、こう語り始めた。

「楚の側の子虛はもとより誤っているが、斉の側の烏有先生も正しいとは言えない。

そもそも、天子が諸侯に貢納を命ずるのは、財産を集めようとするのではなく、それを機会として、諸侯に、治めている地方の情態を.言上させるためである。

また、諸侯の国々に境界を定めるのは、防衛のためではなく、節度を与えるためである。

今、斉の国は、東方の守りとして封ぜられているのに、私かに粛慎國と通じ、国を離れ、境を超える。

海を渡って狩りを行っている。諸侯の在り方からみて、まことに正しくないことである。

 

 

(訳注) (1)#1-1

「子虛」、「烏有」、「亡是公」という架空の二人物の問答で展開されるが、その名はいずれも「何もない」という意味に通じる。

 

 

亡是公聽然而笑曰:

(子虛と烏有先生のやりとりを聞いて)亡是公は、歯をのぞかせて笑い、こう語り始めた。

 

 

「楚則失矣,齊亦未為得也。

「楚の側の子虛はもとより誤っているが、斉の側の烏有先生も正しいとは言えない。

 

夫使諸侯納貢者,非為財幣,所以述職也。

そもそも、天子が諸侯に貢納を命ずるのは、財産を集めようとするのではなく、それを機会として、諸侯に、治めている地方の情態を.言上させるためである。

・納貢 諸侯に貢納を命ずる

・財幣 貢物によって財産形成をする。

 

封疆畫界者,非為守禦,所以禁淫也。

また、諸侯の国々に境界を定めるのは、防衛のためではなく、節度を与えるためである。

 

今齊列為東藩而外私肅慎,捐國踰限。

今、斉の国は、東方の守りとして封ぜられているのに、私かに粛慎國と通じ、国を離れ、境を超える。

 

越海而田,其於義固未可也。

海を渡って狩りを行っている。諸侯の在り方からみて、まことに正しくないことである。

・田 畋:狩猟する。
DCF00003 

司馬相如 《子虚賦 》(26)#10-3 文選 賦<109-#10-3>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩905 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3073

司馬相如 《子虚賦 》(26 かの禹ですら、名前を能くしらないでしょうし、契ですら、その計策算を能くしたとは言えないこととなる。しかしながら、斉王は、諸侯の身分をわきまえられたため、遊びごとの楽しみや、狩り場の大きさなどは、わざと口にされなかったのです。

2013年10月2日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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司馬相如 《子虚賦 》(26)#10-3 文選 賦<109-#10-3>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩905 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3073
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

 

司馬相如 《子虚賦 》(26#10-3 文選 賦<109-#10-39分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩905 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3073

 

 

司馬 相如は、中国の前漢の頃の文章家である。蜀郡成都の人。字は長卿。名は、もと犬子と言った。 賦の名人として知られ、武帝に仕え、その才能を高く評価された。また妻である卓氏との恋愛も有名である。

 

武帝の宮廷へ

ところで、中央では景帝が死に、武帝が皇帝の位についていた。武帝は景帝と違って、文学を大変好んでいた。あるとき、武帝は「子虚の賦」を読んで、大いに感動し、「この賦の作者と同じ時代に生きられなかったのは残念だ」とまで言った。武帝は「子虚の賦」が、ずっと昔の人によって書かれたと思っていたのだ。司馬相如と同郷である側近の楊得意という者が、「子虚の賦」の作者が今生きている人間で、名を司馬相如というと武帝に教えた。

武帝は早速司馬相如を召した。そのとき、司馬相如は、「子虚の賦」が諸侯のことを書いた内容であり、天子(皇帝)にたてまつるのにはふさわしくないと言った。そして、司馬相如は天子にふさわしくなるように「子虚の賦」を改作して、「天子游獵賦(『文選』では「子虚賦」と「上林賦」に分割。「子虚・上林賦」と称されることが多い。)」として、武帝にたてまつった。武帝は大いに喜び、司馬相如を郞に復職させた。

 

 

(24)10-1

且齊東陼鉅海,南有琅邪,

それに、斉は、東は大海に臨み、南は琅邪山まで領有しています。

觀乎成山,射乎之罘;

成山に台を建て観察し、之罘山で狩りをおこなった。

浮勃澥,游孟諸。

渤海に船を浮かべ、孟諸の沢に遊びます。

邪與肅慎為鄰,右以湯谷為界,

東北に在る粛慎國と隣り合い、東は湯谷を境界としています。

 (25) #102

秋田乎青丘,傍偟乎海外,

秋には青丘に出かけて狩猟をするのであり、そのまま海外の遊覧を行ってくるのです。

吞若雲夢者八九,其於匈中曾不蔕芥。

斉の土地は広大で雲夢沢程度のものを、八個か九個呑みこんだとしても、胸にとげがつかえたほどにも感じないでしょう。

若乃俶儻瑰偉,異方殊類,

また斉は他方で、世にも珍しく、高くすぐれている物産は、性質も種類も多種多様なのだ。

珍怪鳥獸,萬端鱗崒,

珍鳥怪獣の類が、鱗のようにひしめき合っている。

 (26) #103

充仞其中者,不可勝記,

国中に満ちあふれ、記しつくすこともできないほどです。

禹不能名,契不能計。

かの禹ですら、名前を能くしらないでしょうし、契ですら、その計策算を能くしたとは言えないこととなる。

然在諸侯之位,不敢言游戲之樂,苑囿之大;

しかしながら、斉王は、諸侯の身分をわきまえられたため、遊びごとの楽しみや、狩り場の大きさなどは、わざと口にされなかったのです。

先生又見客,是以王辭不復,

加えて、あなたを賓客として扱われていたために、遠慮されて、反論されなかったのです。

何為無以應哉!」

どうして「言い返すことができなかつた」などといえましょう。

 

(24) #10-1

且つ齊は東のかた鉅海【きょかい】を陼【しきり】とし,南のかた琅邪【ろうや】を有【たも】てり,。

山に觀 乎【つく】り,之罘【しふ】に射る。

勃澥【ぼっかい】に浮かび,孟諸【もうちょ】に

【なな】めに肅慎【しゅくしんと】鄰たり,右は湯谷を以って界と為せり。

(25) #102

秋には青丘に田【かり】し,海外に傍偟【ほうこう】す

雲夢の若き者も八九を吞めども,其の匈中に於て曾て蔕芥【たいかい】にもせず

若し乃ち俶儻【てきとう】瑰偉【かいい】として,方を異にし類を殊にするは,

珍怪鳥獸,萬端にして鱗【うろこ】もごとく【あつま】る

(26) #103

其の中に充仞【じゅうじん】し,勝【あ】げて記す可からず。

禹も名つくること能わず,契も計【かぞ】うること能わず。

然れども諸侯の位に在りては,敢て游戲の樂しみ,苑囿【えんゆう】の大いなることを言わず。

先生 又た 客と見【せ】られたり,是を以って王辭して復【こた】えず

何んぞ以って應【こた】うること無しと為さんや!」

泰山の夕日02 

 

『子虛賦』 現代語訳と訳註

(本文) (26) #103

充仞其中者,不可勝記,

禹不能名,契不能計。

然在諸侯之位,不敢言游戲之樂,苑囿之大;

先生又見客,是以王辭不復,

何為無以應哉!」

 

 

(下し文) (26) #103

其の中に充仞【じゅうじん】し,勝【あ】げて記す可からず。

禹も名つくること能わず,契も計【かぞ】うること能わず。

然れども諸侯の位に在りては,敢て游戲の樂しみ,苑囿【えんゆう】の大いなることを言わず。

先生 又た 客と見【せ】られたり,是を以って王辭して復【こた】えず

何んぞ以って應【こた】うること無しと為さんや!」

 

 

(現代語訳)

国中に満ちあふれ、記しつくすこともできないほどです。

かの禹ですら、名前を能くしらないでしょうし、契ですら、その計策算を能くしたとは言えないこととなる。

しかしながら、斉王は、諸侯の身分をわきまえられたため、遊びごとの楽しみや、狩り場の大きさなどは、わざと口にされなかったのです。

加えて、あなたを賓客として扱われていたために、遠慮されて、反論されなかったのです。

どうして「言い返すことができなかつた」などといえましょう。

 

 

(訳注) (26) #103

充仞其中者,不可勝記,

国中に富が満ちあふれ、記しつくすこともできないほどです。

・充仞 【じゅうじん】満ちて一杯になること。みちみちていること。充満。

 

禹不能名,契不能計。

かの禹ですら、名前を能くしらないでしょうし、契ですら、その計策算を能くしたとは言えないこととなる。

・禹 紀元前2070年頃、中国古代の伝説的な帝で、夏朝の創始者。

・契 1 固く約束する。2 夫婦の約束を結ぶ。3 男女が肉体的な関係を結ぶ。4.占うために亀の甲を焼く。5. 契(せつ、Xie、生没年不詳)は、殷王朝の始祖といわれる伝説上の人物。

 

然在諸侯之位,不敢言游戲之樂,苑囿之大;

しかしながら、斉王は、諸侯の身分をわきまえられたため、遊びごとの楽しみや、狩り場の大きさなどは、わざと口にされなかったのです。

・囿 園、動物のいる園、庭園、囲い、囲いをする、区切られた領域、関わる、拘泥する、ものが集まる場所、見識が狭い。

 

先生又見客,是以王辭不復,

加えて、あなたを賓客として扱われていたために、遠慮されて、反論されなかったのです。

 

何為無以應哉!」

どうして「言い返すことができなかつた」などといえましょう。

 曹植51x51

司馬相如 《子虚賦 》(25)#10-2 文選 賦<109-#10-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩904 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3068

司馬相如 《子虚賦 》(25秋には青丘に出かけて狩猟をするのであり、そのまま海外の遊覧を行ってくるのです。斉の土地は広大で雲夢沢程度のものを、八個か九個呑みこんだとしても、胸にとげがつかえたほどにも感じないでしょう。

 

2013年10月1日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
LiveDoor
司馬相如 《子虚賦 》(25)#10-2 文選 賦<109-#10-2>9分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩904 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3068
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2 29曹植(曹子建) 《贈白馬王彪 其一》 魏詩 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3071 (10/01)
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html 
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html 
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html 
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。 
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。 
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html 
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html 
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。 
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。 
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。 
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

司馬相如 《子虚賦 》(25#10-2 文選 賦<109-#10-29分割26回 Ⅱ李白に影響を与えた詩904 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3068

 

 

武帝の宮廷へ

ところで、中央では景帝が死に、武帝が皇帝の位についていた。武帝は景帝と違って、文学を大変好んでいた。あるとき、武帝は「子虚の賦」を読んで、大いに感動し、「この賦の作者と同じ時代に生きられなかったのは残念だ」とまで言った。武帝は「子虚の賦」が、ずっと昔の人によって書かれたと思っていたのだ。司馬相如と同郷である側近の楊得意という者が、「子虚の賦」の作者が今生きている人間で、名を司馬相如というと武帝に教えた。

武帝は早速司馬相如を召した。そのとき、司馬相如は、「子虚の賦」が諸侯のことを書いた内容であり、天子(皇帝)にたてまつるのにはふさわしくないと言った。そして、司馬相如は天子にふさわしくなるように「子虚の賦」を改作して、「天子游獵賦(『文選』では「子虚賦」と「上林賦」に分割。「子虚・上林賦」と称されることが多い。)」として、武帝にたてまつった。武帝は大いに喜び、司馬相如を郞に復職させた。

 

 

(24)10-1

且齊東陼鉅海,南有琅邪,

それに、斉は、東は大海に臨み、南は琅邪山まで領有しています。

觀乎成山,射乎之罘;

成山に台を建て観察し、之罘山で狩りをおこなった。

浮勃澥,游孟諸。

渤海に船を浮かべ、孟諸の沢に遊びます。

邪與肅慎為鄰,右以湯谷為界,

東北に在る粛慎國と隣り合い、東は湯谷を境界としています。

 (25) #102

秋田乎青丘,傍偟乎海外,

秋には青丘に出かけて狩猟をするのであり、そのまま海外の遊覧を行ってくるのです。

吞若雲夢者八九,其於匈中曾不蔕芥。

斉の土地は広大で雲夢沢程度のものを、八個か九個呑みこんだとしても、胸にとげがつかえたほどにも感じないでしょう。

若乃俶儻瑰偉,異方殊類,

また斉は他方で、世にも珍しく、高くすぐれている物産は、性質も種類も多種多様なのだ。

珍怪鳥獸,萬端鱗崒,

珍鳥怪獣の類が、鱗のようにひしめき合っている。

 (26) #103

充仞其中者,不可勝記,

禹不能名,契不能計。

然在諸侯之位,不敢言游戲之樂,苑囿之大;

先生又見客,是以王辭不復,

何為無以應哉!」

 

(24) #10-1

且つ齊は東のかた鉅海【きょかい】を陼【しきり】とし,南のかた琅邪【ろうや】を有【たも】てり,。

山に觀 乎【つく】り,之罘【しふ】に射る。

勃澥【ぼっかい】に浮かび,孟諸【もうちょ】に

【なな】めに肅慎【しゅくしんと】鄰たり,右は湯谷を以って界と為せり。

(25) #102

秋には青丘に田【かり】し,海外に傍偟【ほうこう】す

雲夢の若き者も八九を吞めども,其の匈中に於て曾て蔕芥【たいかい】にもせず

若し乃ち俶儻【てきとう】瑰偉【かいい】として,方を異にし類を殊にするは,

珍怪鳥獸,萬端にして鱗【うろこ】もごとく【あつま】る

(26) #103

其の中に充仞【じゅうじん】し,勝【あ】げて記す可からず。

禹も名つくること能わず,契も計【かぞ】うること能わず。

然れども諸侯の位に在りては,敢て游戲の樂しみ,苑囿【えんゆう】の大いなることを言わず。

先生 又た 客と見【せ】られたり,是を以って王辭して復【こた】えず

何んぞ以って應【こた】うること無しと為さんや!」

DCF00005 

 

『子虛賦』 現代語訳と訳註

(本文) (25) #102

秋田乎青丘,傍偟乎海外,

吞若雲夢者八九,其於匈中曾不蔕芥。

若乃俶儻瑰偉,異方殊類,

珍怪鳥獸,萬端鱗崒,

 

  

(下し文) (25) #102

秋には青丘に田【かり】し,海外に傍偟【ほうこう】す

雲夢の若き者も八九を吞めども,其の匈中に於て曾て蔕芥【たいかい】にもせず

若し乃ち俶儻【てきとう】瑰偉【かいい】として,方を異にし類を殊にするは,

珍怪鳥獸,萬端にして鱗【うろこ】もごとく【あつま】る

 

  

(現代語訳)

秋には青丘に出かけて狩猟をするのであり、そのまま海外の遊覧を行ってくるのです。

斉の土地は広大で雲夢沢程度のものを、八個か九個呑みこんだとしても、胸にとげがつかえたほどにも感じないでしょう。

また斉は他方で、世にも珍しく、高くすぐれている物産は、性質も種類も多種多様なのだ。

珍鳥怪獣の類が、鱗のようにひしめき合っている。

 

 

(訳注) (25) #102

秋田乎青丘,傍偟乎海外,

秋には青丘に出かけて狩猟をするのであり、そのまま海外の遊覧を行ってくるのです。

・田 畋=狩猟。

 

吞若雲夢者八九,其於匈中曾不蔕芥。

斉の土地は広大で雲夢沢程度のものを、八個か九個呑みこんだとしても、胸にとげがつかえたほどにも感じないでしょう。

・雲夢者八九 斉の土地は広大で雲夢沢程度のものを、八個か九個呑みこんだ

若乃俶儻瑰偉,異方殊類

また斉は他方で、世にも珍しく、高くすぐれている物産は、性質も種類も多種多様なのだ。

・俶儻 才気が高くすぐれていること。他とかけはなれて度量が大きいこと。あるいは、独立して拘束されないこと。

・瑰偉 世にも珍しい。珍しくて貴重な宝。

 

珍怪鳥獸,萬端鱗崒,

珍鳥怪獣の類が、鱗のようにひしめき合っている。

・萬端 うろこじょうたくさんある様子

・鱗崒 鱗のようで嶮しい。
鶻 

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紀 頌之

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