張衡《西京賦》(17) 後宮の御殿には黄金飾りの石盤、玉の階があり、そしてその前に丹塗りの庭はすべて赤一色なのである。珊瑚や琳・碧の美石や玉、それに瓀や珉の玉の類は、色沢光彩、さまざまにあやをなしてかがやく。見たこともない珍宝が、それからそれへとつらなって、光りかがやくさまは、あたかも仙女の住む崑崙の庭と見まごうばかりだ。後宮のつくりは、万事天子の宮殿ほどに広くはないが、ぜいたく極まる豪華さは、至尊の天子にまさっている。
2014年2月28日 | の紀頌之5つのブログ | ||||
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場 | |||||
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩 LiveDoorブログ |
張平子(張衡)《西京賦》(17)#7-2 文選 賦<114―(17)>31分割68回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1054 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3818 | ||||
孟浩然 詩 index | 李白詩index | 謝霊運 詩 index | ● | ● | 諸葛亮(孔明)出師表 |
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ | |||||
Ⅱ中唐詩・晩唐詩 LiveDoorブログ |
|||||
李商隠詩 (1) | 李商隠詩 (2) | ● | ● | ● | ● |
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。" | |||||
Ⅲ杜甫詩1000詩集 LiveDoorブログ | 廣徳2年764-36-4 《太子張舍人遺織成褥段―#4》 ふたたび成都 杜甫<667-#4> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3820 杜甫詩1000-667-#4-958/1500 777 | ||||
杜甫詩 作時(1) 青年李白 | 杜甫詩 作時(2)青年期・就活 | ● | ● | ● | ● |
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集 不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている | |||||
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ | |||||
●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集 | |||||
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor | 13-3《 虞美人六首 其三 》顧太尉敻(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-455-13-(3) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3822 | ||||
薛濤の全詩 | 花間集(1) | 花間集(2) | 花間集(3) | 花間集(4) | 花間集(5) |
魚玄機全詩 | ● | ● | ● | ● | ● |
温庭筠66首 花間集1・2巻 | 皇甫松11首 花間集二巻 | 韋莊47首 花間集二巻 | 薛昭蘊19首 花間集三巻 | 牛嶠31首 花間集三・四巻 | 張泌27首 花間集四巻 |
毛文錫31首 花間集5巻 | 牛希濟11首 花間集5巻 | 欧陽烱17首 花間集5・6巻 | 和凝20首 花間集6巻 | 顧夐56首 花間集6・7巻 | 孫光憲47首 花間集7・8巻 |
魏承班15首 花間集8・9巻 | 鹿虔扆6首 花間集9巻 | 閻選8首 花間集9巻 | 尹鶚6首 花間集9巻 | 毛熙震29首 花間集9・10巻 | 李珣39首 花間集10巻 |
■最近の人気の文・賦・詩・詞(漢詩の5ブログ各部門) | |||||
杜甫全詩 | 韓愈全詩 | 李白全集 | 文選 | 古詩源 | 花間集 |
張平子(張衡)《西京賦》(17)#7-2 文選 賦<114―(17)>31分割68回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1054 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3818
#7(華麗な後宮)-1
後宮則昭陽飛翔,增成合驩,
(華麗な後宮) 後宮には、昭陽殿・飛翔殿・増成殿・合辞殿とあり、
蘭林披香,鳳皇鴛鸞。
つづいて蘭林殿・披香殿・凰皇殿・鴛鸞殿がある。
羣窈窕之華麗,嗟內顧之所觀。
いかにも柔軟優美で華麗な女官がむらがり集まって、ここで、感嘆しては後をふりかえり、目をとめて美人たちが見るところである。
故其館室次舍,采飾纖縟。
だから後宮の館室、それに宿衛の官舎も休暇の宿舎も、五彩の色で飾り、織細で手がこんでいる。
裛以藻繡,文以朱綠。
木地は中に包みこむように、藻草模様でもって彫刻し、朱と縁とであざやかに彩色する。
#7-2
翡翠火齊,絡以美玉。
翡翠と火斉の玉は、美玉で幾重にもからまり、まとわりつく。
流懸黎之夜光,綴隨珠以為燭。
夜光る美玉の懸黎は流光をはなち、明月の随侯の玉は綴り合わせて燭とする。
金戺玉階,彤庭煇煇。
後宮の御殿には黄金飾りの石盤、玉の階があり、そしてその前に丹塗りの庭はすべて赤一色なのである。
珊瑚琳碧,瓀珉璘彬。
珊瑚や琳・碧の美石や玉、それに瓀や珉の玉の類は、色沢光彩、さまざまにあやをなしてかがやく。
珍物羅生,煥若崑崙。
見たこともない珍宝が、それからそれへとつらなって、光りかがやくさまは、あたかも仙女の住む崑崙の庭と見まごうばかりだ。
雖厥裁之不廣,侈靡踰乎至尊。
後宮のつくりは、万事天子の宮殿ほどに広くはないが、ぜいたく極まる豪華さは、至尊の天子にまさっている。
#7
後宮には則ち 昭陽 飛翔,增成 合驩【ごうかん】,
蘭林 披香,鳳皇 鴛鸞あり。
窈窕の華麗を羣む,嗟 內に顧みて之れ觀る所なり。
故に其の館室 次舍は,采飾 纖縟【せんじょく】あり。
裛【つつ】むに藻繡【そうしゅう】以てし,文【あやな】るに朱綠を以てす。
翡翠 火齊【かせい】,絡【まと】うに美玉を以てす。
懸黎の夜光を流し,隨珠を綴りて以て燭と為す。
金戺【きんい】玉階,彤庭【とうてい】煇煇たり。
珊瑚 琳碧【りんぺき】,瓀珉【ぜんびん】璘彬【りんぴん】たり。
珍物 羅生し,煥として崑崙の若し。
厥の裁【つくり】之れ廣からずと雖も,侈靡【しび】至尊に踰ゆ。

『西京賦』 現代語訳と訳註
(本文)
#7-2
翡翠火齊,絡以美玉。
流懸黎之夜光,綴隨珠以為燭。
金戺玉階,彤庭煇煇。
珊瑚琳碧,瓀珉璘彬。
珍物羅生,煥若崑崙。
雖厥裁之不廣,侈靡踰乎至尊。
(下し文)
翡翠 火齊【かせい】,絡【まと】うに美玉を以てす。
懸黎の夜光を流し,隨珠を綴りて以て燭と為す。
金戺【きんい】玉階,彤庭【とうてい】煇煇たり。
珊瑚 琳碧【りんぺき】,瓀珉【ぜんびん】璘彬【りんぴん】たり。
珍物 羅生し,煥として崑崙の若し。
厥の裁【つくり】之れ廣からずと雖も,侈靡【しび】至尊に踰ゆ。
(現代語訳)
翡翠と火斉の玉は、美玉で幾重にもからまり、まとわりつく。
夜光る美玉の懸黎は流光をはなち、明月の随侯の玉は綴り合わせて燭とする。
後宮の御殿には黄金飾りの石盤、玉の階があり、そしてその前に丹塗りの庭はすべて赤一色なのである。
珊瑚や琳・碧の美石や玉、それに瓀や珉の玉の類は、色沢光彩、さまざまにあやをなしてかがやく。
見たこともない珍宝が、それからそれへとつらなって、光りかがやくさまは、あたかも仙女の住む崑崙の庭と見まごうばかりだ。
後宮のつくりは、万事天子の宮殿ほどに広くはないが、ぜいたく極まる豪華さは、至尊の天子にまさっている。
(訳注)
#7-2
翡翠火齊,絡以美玉。
翡翠と火斉の玉は、美玉で幾重にもからまり、まとわりつく。
○火齊 玫瑰と【ばいかい】ともいう。紫色で光りかがやき、軽く雲母に似る。「西都の賦」に見える。
○絡 いく重にもからませてまとうこと。
流懸黎之夜光,綴隨珠以為燭。
夜光る美玉の懸黎は流光をはなち、明月の随侯の玉は綴り合わせて燭とする。
○懸黎 美玉の壁で夜光の壁と同じように光るから、夜光を流すとした。
○随珠 随侯の玉。随侯は周の姫姓の諸侯、大蛇の傷を治療した礼に大珠を口にふくんできた。
金戺玉階,彤庭煇煇。
後宮の御殿には黄金飾りの石盤、玉の階があり、そしてその前に丹塗りの庭はすべて赤一色なのである。
珊瑚琳碧,瓀珉璘彬。
珊瑚や琳・碧の美石や玉、それに瓀や珉の玉の類は、色沢光彩、さまざまにあやをなしてかがやく。
○琳碧 ともに美石、ただし琳を美玉と緑の美石。
○瓀 玉に似た美石。
○珉 上に同じ。
○璘彬 玉の光色が文(瑚)をなしいろいろ入りまじるさま(醇注)。
珍物羅生,煥若崑崙。
見たこともない珍宝が、それからそれへとつらなって、光りかがやくさまは、あたかも仙女の住む崑崙の庭と見まごうばかりだ。
○珍物 珍は宝、宝玉。
○羅生 段々にそれからそれへと列をなしてならび、玉の形と色とが現れ出ること。
○崑崙「西北の美なる者に、崑崙の璆(きゅう)琳、琅、玕あり」(『爾雅』釈地)。また「崑崙に、珠樹、文玉樹、玗琪樹、琅玕樹あり」(『山海経』の海内西経)。『山海経』 は樹木の名称なるも玉や美石の名産地として崑崙山は目された。
雖厥裁之不廣,侈靡踰乎至尊。
後宮のつくりは、万事天子の宮殿ほどに広くはないが、ぜいたく極まる豪華さは、至尊の天子にまさっている。
○裁 体制、つくり方。「其の裁制、事事至尊より狭小なりと雖も、其靡麗の好みは乃つて之に過ぐ」。