太原早秋
歲落眾芳歇,時當大火流。
霜威出塞早,雲色渡河秋。
夢繞邊城月,心飛故國樓。
思歸若汾水,無日不悠悠。
(洛陽で知り合った元演が帰省するのに誘われて太原までの長途の旅をし、その地で客中の情を詠った詩)今年もすでに、半ばを過ぎて下り坂であり、いろんな花が散り去って無くなってしまい、時今しも大火が西流して、秋景色に変わっていく。
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232 《(改訂版)巻21-6 太原早秋 (歲落眾芳歇)》Index-15 Ⅱ― 10- 735年開元二十三年35歳 <232> Ⅰ李白詩1475 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5923
年:734年開元二十二年35歳
卷別: 卷一八一 文體: 五言律詩
詩題: 太原早秋
作地點: 太原府(河東道 / 太原府 / 太原府)
及地點: 太原府 (河東道 太原府 太原府) 別名:太原、并州
太原早秋
(洛陽で知り合った元演が帰省するのに誘われて太原までの長途の旅をし、その地で客中の情を詠った詩)
歲落眾芳歇,時當大火流。
今年もすでに、半ばを過ぎて下り坂であり、いろんな花が散り去って無くなってしまい、時今しも大火が西流して、秋景色に変わっていく。
霜威出塞早,雲色渡河秋。
霜が降りる寒さは、塞の城壁の外では一段と猛威を振るい、雲の色は汾水をわたって黄河色の秋がひろがっている。
夢繞邊城月,心飛故國樓。
ここに滞留すれば、我が夢はこの辺城地の月を巡り、こころは故郷の高殿のほうへと飛んでいく。
思歸若汾水,無日不悠悠。
こうして、帰えりたいと思う気持ちは、汾水の流れの先に向かうのと同じように、悠々として、一日として憂いが尽きる日などない
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(太原の早秋)
歳落ちて衆芳歇【や】み、時は大火の流るるに當る。
霜威 塞を出でて早く、雲色河を渡って秋なり。
夢は繞る 邊城の月、心は飛ぶ 故國の樓。
歸らんと思うて 汾水の若し、日として悠悠たらざるは無し。
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『太原早秋』 現代語訳と訳註解説
(本文)
太原早秋
歲落眾芳歇,時當大火流。
霜威出塞早,雲色渡河秋。
夢繞邊城月,心飛故國樓。
思歸若汾水,無日不悠悠。
(下し文)
(太原の早秋)
歳落ちて衆芳歇【や】み、時は大火の流るるに當る。
霜威 塞を出でて早く、雲色河を渡って秋なり。
夢は繞る 邊城の月、心は飛ぶ 故國の樓。
歸らんと思うて 汾水の若し、日として悠悠たらざるは無し。
(現代語訳)
(洛陽で知り合った元演が帰省するのに誘われて太原までの長途の旅をし、その地で客中の情を詠った詩)
今年もすでに、半ばを過ぎて下り坂であり、いろんな花が散り去って無くなってしまい、時今しも大火が西流して、秋景色に変わっていく。
霜が降りる寒さは、塞の城壁の外では一段と猛威を振るい、雲の色は汾水をわたって黄河色の秋がひろがっている。
ここに滞留すれば、我が夢はこの辺城地の月を巡り、こころは故郷の高殿のほうへと飛んでいく。
こうして、帰えりたいと思う気持ちは、汾水の流れの先に向かうのと同じように、悠々として、一日として憂いが尽きる日などない
(訳注)
太原早秋
(洛陽で知り合った元演が帰省するのに誘われて太原までの長途の旅をし、その地で客中の情を詠った詩)
この年の盛りも過ぎて多くの花が散り去った、時はまさに火星が西に流れる秋だ。城壁の外では霜が猛威を振るい、雲の色が黄河に反映するさまは秋の気配を感じさせる
我が夢はこの辺地の城を巡っている月のようにさまよい、心は故郷の高殿のほうへと飛んでいく。帰ろうと思えばその思いは汾水の流れのように、一日としてはるかな憂いにとらわれぬ日はない
735年李白は35歳のとき、安陸を離れて洛陽に旅し、続けて太原を訪れた。洛陽で知り合った帰省する元演に誘われて太原までの長途の旅をした。この詩はその太源に滞在中かかれた詩で、唯一残っているものである。
歲落眾芳歇、時當大火流。
今年もすでに、半ばを過ぎて下り坂であり、いろんな花が散り去って無くなってしまい、時今しも大火が西流して、秋景色に変わっていく。
○歲落 年の盛りも過ぎて下り坂になる。
○眾芳 眾は衆。たくさんの花。
○大火流 火星。さそり座の首星アンタレスの中国名。真夏の星の代名詞。
霜威出塞早、云色渡河秋。
霜が降りる寒さは、塞の城壁の外では一段と猛威を振るい、雲の色は汾水をわたって黄河色の秋がひろがっている。
○出塞 異民族から守る塞を示すが、ここでは太原のまちの城壁を示す。南から来た李白にとって、北の果ての街の早霜に驚いたのだろう。
○云色 雲の色
○河秋 秋模様の黄河。このあたりの黄河は文字通り、黄色に濁った大河であり、秋の枯葉の黄色とあわせたもので河まで秋になった。
夢繞邊城月、心飛故國樓。
ここに滞留すれば、我が夢はこの辺城地の月を巡り、こころは故郷の高殿のほうへと飛んでいく。
○故國樓 故国とあるが故郷とする。故郷の高殿。この時、李白は故郷とはどこか、どこの高殿を指すのか。生活様式の違いに驚いたのだろう。蜀と江南の違いとは全く違ったものだったのだろう。
思歸若汾水、無日不悠悠。
こうして、帰えりたいと思う気持ちは、汾水の流れの先に向かうのと同じように、悠々として、一日として憂いが尽きる日などない
○汾水 汾水は黄河から太原に別れた支流であり、見るものすべて故郷につながったのか。
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歳落ちて衆芳歇【や】み、時は大火の流るるに當る。
霜威 塞を出でて早く、雲色河を渡って秋なり。
夢は繞る 邊城の月、心は飛ぶ 故國の樓。
歸らんと思うて 汾水の若し、日として悠悠たらざるは無し。