金陵の渡津から70km前後いったところに潤州(江蘇省鎮江市)の渡津がある。ここから大運河が南方向、呉越に伸びる。李白は平江(江蘇省蘇州市)に立ち寄った。ここは春秋時代の呉の都城があった地である。
 江南の景勝地で、国の命運を左右した美女に思いをはせる。

 李白8  蘇台覧古           

旧苑荒台楊柳新、菱歌清唱不勝春。
只今惟有西江月、曾照呉王宮裏人。

古い庭園 荒れた楼台に芽吹く柳は新しく
菱摘む娘らの清らかな歌声こそが 春なのだ
いまはただ西の川面に照る月だけど
かつて呉王の宮殿の  美女を照らした月なのだ


 古い庭園、荒れ果てた高楼台に柳だけが新しい芽をつけている。菱の実を摘む娘たちの清らかな歌声が聞こえてくる。
 そんな歌声を聴くと私は感傷的な思いに耐えられなくなる。今も昔も変わらないものは、西湖の水面に映る月の光、この月は千年以上前、呉王の宮殿の絶世の美女(西施)を照らし出したのだ。

 李白の時代からおよそ1300年前、春秋時代の呉の国王は、自らの宮殿「姑蘇台」を築いた。李白はその宮殿跡にたたずみ、往時の繁栄を偲んでいると、聞こえてきたのはあの娘たちの歌声であった。


 春、そこはかとない思いにふける李白に娘たちの声はもの哀しさを感じさせるものだった。峨眉山に残した彼女を照らす月の光を、絶世の美女西施に照らすと置き換え詠った李白の名作である。(西施は四大美女の一人)

 李白は後年、金陵や呉越の地を幾度も訪れている。この詩はその40代の作とされているが、蜀を旅たち、金陵や呉越に到着し、この景勝地に来ていることで、ここに掲載した。

韻は、新、春、人。

蘇台覧古
旧苑荒台楊柳新、菱歌清唱不勝春。
只今惟有西江月、曾照呉王宮裏人。

旧苑(きゅうえん)  荒台(こうだい) 楊柳新たなり
菱歌(りょうか)の清唱(せいしょう)  春に勝(た)えず
只  今は惟(た)だ西江(せいこう)の月有り
曾(かつ)て照らす  呉王宮裏(ごおうきゅうり)の人

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上記サイト 漢文委員会  漢詩ZERO倶楽部 >李白詩>李白詩(8~12)に掲載


李白の詩 連載中 7/12現在 75首

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