浙江省紹興市。かってこここに都をおいた越の国は呉の国と激しい戦いを繰り広げた。李白は、呉の国姑蘇台を見て、この地を訪れた。
kubochi01筆者近所の公園

李白 9    越中覧古

越王勾践破呉帰、義士還家尽錦衣。
宮女如花満春殿、只今惟有鷓鴣飛。

越王勾践は呉を破って凱旋し
忠義の士は家に錦の衣で帰ってきた。
宮女は花のように春の宮殿を満開にし
いまはただ、そこには鷓鴣しゃこの飛び交うばかり。

 越王の句践が呉を破って凱旋してきた。忠義の義士たちも錦の衣を着飾って、故郷に帰ってきた。
宮中の女性達は、美しい花のように宮殿に満ち溢れている。
しかし、今はただ、栄華の跡に切ない鳴き声を響かせて鷓鴣飛び回るばかり。

 現在、街の郊外高台に越王の宮殿は復元街に復元されている。李白が詠んだこの詩は、「臥薪嘗胆」の故事で有名な越と呉の戦いの歴史を背景にしている。
 紀元前5世紀、呉の国王が父の仇を討つため毎日薪の上に寝て、越への恨みを忘れまいとした。「恨み」それは呉に越の国王が追い詰めとらえられ、鞭で打たれ、瀕死の中で許しを乞うたことである。この屈辱を忘れまいと越の国王は苦い肝を日々嘗め続けた。そして、雪辱の日を迎える。

越王勾践(こうせん)  呉を破りて帰る
義士家に還るに尽(ことごと)く錦衣(きんい)す
宮女は花の如く春殿(しゅんでん)に満ち  
只今は惟(た)だ鷓鴣(しゃこ)の飛ぶ有るのみ

 宿敵を打ち破り、意気揚々と凱旋する越の国王。故郷に錦を飾る家来たち。
 宮中では、麗しき美女たちが舞い踊る。李白は次第に調子を上げて詠う。
 ところが鷓鴣がなき、飛び回ることで現実の世界に引き戻されてしまう。李白お得意の詩調である。

 鷓鴣はキジ科の鳥で、その鳴き声は悲しげである。およそ1300年前の臥薪嘗胆と栄華、鷓鴣は現実の悲しさに引き戻す格好の題材である。こういう対比は李白の鮮やかさということになる。


shako145自然大博物館(小学館)

韻は、帰、衣、飛。

越中覧古
越王勾践破呉帰、義士還家尽錦衣。
宮女如花満春殿、只今惟有鷓鴣飛。

越王勾践(こうせん)  呉を破って帰る
義士  家に還りて尽(ことごと)く錦衣(きんい)す
宮女は花の如く春殿(しゅんでん)に満ち  
只  今は惟(た)だ鷓鴣(しゃこ)の飛ぶ有り

李白の詩 連載中 7/12現在 75首

2011・6・30 3000首掲載
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