五言古詩
春日獨酌 二首 其二 105


春日獨酌 二首 其二
我有紫霞想、緬懷滄洲間。
私は老荘思想、神仙の思想を志している、常々はるかさきの隠者の棲む滄洲を思っている。
且對一壺酒、澹然萬事閑。
その上に一壷の酒に対してするなら、何もこだわらず、物事に自然にふるまうほどの心静かなものである。
橫琴倚高松、把酒望遠山。
琴をたずさえて、高松の木に寄りかかり、 酒を把って遠山を眺めている。
長空去鳥沒、落日孤雲還。
大空に鳥は去り姿も見えなくなった、夕日は沈み、雲が流れて行った。
但恐光景晚、宿昔成秋顏。

ただ恐れるのは、景色は暮れていくものだし、 紅顔は、老顔に変ずることである。



私は老荘思想、神仙の思想を志している、常々はるかさきの隠者の棲む滄洲を思っている。
その上に一壷の酒に対してするなら、何もこだわらず、物事に自然にふるまうほどの心静かなものである。
琴をたずさえて、高松の木に寄りかかり、 酒を把って遠山を眺めている。
大空に鳥は去り姿も見えなくなった、夕日は沈み、雲が流れて行った。
ただ恐れるのは、景色は暮れていくものだし、 紅顔は、老顔に変ずることである。


其の二
我 紫霞想 有り、
緬(はるか)に 滄洲の間を懐(なつか)しむ。
且つ 一壷の酒に対し、澹然(たんぜん)として万事閑なり。 
琴を横たずさえて高松に倚り、酒を把って遠山を望む。
長空 鳥去って没し、 日落ち 雲孤り還る。
但だ恐る 光景 晩(くれ)、宿昔 秋顔を成すを。



我有紫霞想、緬懷滄洲間。
私は老荘思想、神仙の思想を志している、常々はるかさきの隠者の棲む滄洲を思っている。
紫霞想 老子をも示す。紫霞は仙人の宮殿を言う。この場合紫が老荘思想で、霞は神仙思想とする。 また紫は天子を示す。また。・ 遙かな。 ・滄州 河が湾曲して洲になっているところ。隠者の棲む場所。


且對一壺酒、澹然萬事閑。
その上に一壷の酒に対してするなら、何もこだわらず、物事に自然にふるまうほどの心静かなものである。
澹然 物事にこだわらない自然にふるまう道教の教え。


橫琴倚高松、把酒望遠山。
琴をたずさえて、高松の木に寄りかかり、 酒を把って遠山を眺めている。


長空去鳥沒、落日孤雲還。
大空に鳥は去り姿も見えなくなった、夕日は沈み、雲が流れて行った。


但恐光景晚、宿昔成秋顏。
ただ恐れるのは、景色は暮れていくものだし、 紅顔は、老顔に変ずることである。
光景 景色。ひかり。ありさま。  ・宿昔 以前。むかし。昔は紅顔であった。  ・秋顔 老顔。