待酒不至 李白 103
五言律詩「酒を待てど至らず」


待酒不至
酒を待てど至らず
玉壺系青絲、沽酒來何遲。
きれいな酒壺は蓋を青絲で結わえている。世間で売っている酒が来るのが何と遅いことか。(お目当ての女性が酒を持ってくるのが遅い)
山花向我笑、正好銜杯時。
山花が私に微笑みかけるこの頃、まさにこのような時は酒を飲むのが一番だ。(女性の笑い顔には酒が一番良い)
晚酌東窗下、流鶯復在茲。
晩酌は月をみる東の窓辺がよく、その上鶯の鳴き声はますます趣きを加える。(東窗に対して、西の窓辺、閨があり、鶯は女性で潤いが増す)
春風與醉客、今日乃相宜。
春風と醉客とが、今日という日は酒を飲むのに合っている。
(女性に自分は全く相性が良い)

酒を待てど至らず
きれいな酒壺は蓋を青絲で結わえている。世間で売っている酒が来るのが何と遅いことか。(お目当ての女性が酒を持ってくるのが遅い)
山花が私に微笑みかけるこの頃、まさにこのような時は酒を飲むのが一番だ。(女性の笑い顔には酒が一番良い)
晩酌は月をみる東の窓辺がよく、その上鶯の鳴き声はますます趣きを加える。(東窗に対して、西の窓辺、閨があり、鶯は女性で潤いが増す)
春風と醉客とが、今日という日は酒を飲むのに合っている。
(女性に自分は全く相性が良い)


酒を待てど至らず
玉壺 青絲に繫ぎ、沽酒 何ぞ遲れて來る
山花 我に笑って向う、正に好む杯時銜ふくむを。
晩酌す 東窗の下、流鶯 復た茲に在り
春風 醉客にあたうる、今日乃ち相ひ宜し。


玉壺系青絲、沽酒來何遲。
きれいな酒壺は蓋を青絲で結わえている。世間で売っている酒が来るのが何と遅いことか。(お目当ての女性が酒を持ってくるのが遅い)
玉壺 丸い形の酒壺。輝く綺麗な人。○青絲 青い糸。細い柳の枝。李白「將進酒」では黒髪をきれいに整髪しているさま。○沽酒 世間で売られている酒。酒を買ってこいではない。仙界の高楼にいる李白は持ってこさせているのである。

山花向我笑、正好銜杯時。
山花が私に微笑みかけるこの頃、まさにこのような時は酒を飲むのが一番だ。(女性の笑い顔には酒が一番良い)
 くつわ。口にくわえる。


晚酌東窗下、流鶯復在茲。
晩酌は月をみる東の窓辺がよく、その上鶯の鳴き声はますます趣きを加える。
(東窗に対して、西の窓辺、閨があり、鶯は女性で潤いが増す)


春風與醉客、今日乃相宜。
春風と醉客とが、今日という日は酒を飲むのに合っている。
(女性に自分は全く相性が良い)


○韻 絲、遲、時、茲、宜。

 普通に読むと、「前半では買いにやらせた酒がなかなか来ないこということにいらだつさまが描かれ、後半では春風に吹かれながら心地よく酔う楽しみが語られている。」とされるが、玉、壺、花、笑、好、銜、窓、鶯、茲、春、相。すべて、女性を詠う際に使われる語である。儒教的な考えでこの詩を見ると酒の事しか歌っていないものが、悦楽も人生の大切な要件であるという見方からすれば、ありきたりの詩が、断然に違った世界を見せるのである。李白の詩の素晴らしさがここにあるといってもおかしくないのではないだろうか。