侍從宜春苑奉詔賦龍池柳色初青聽新鶯百囀歌   李白 131
(宜春苑に侍従し、詔を奉じて、龍池の柳色はじめて青く、新鴬の百囀を聴くの歌を賦す)

李白は初めての春を絶頂で迎えた。この詩は、宮廷内の各宮殿を皇帝に随行したのであろう、その模様を詠って、初めから最後まで後宮内の様々な宮殿を示している。

侍從宜春苑奉詔賦龍池柳色初青聽新鶯百囀歌
宜春苑に侍従し、詔を奉じて、龍池の柳色はじめて青く、新鴬の百囀を聴くの歌を賦す
東風已綠瀛洲草。紫殿紅樓覺春好。
春を呼ぶ風、東風はすでに東方の仙人の島の瀛洲の草園の木々を緑にしている、後宮の紫殿、紅楼、すべてに 春の景色がひろがっている。
池南柳色半青春。縈煙裊娜拂綺城。』
池の南水辺の柳の色も黄緑から青々としてきた、春霞はただよいはじめしなやかに長安城を覆った。
垂絲百尺挂雕楹。
しだれ柳はその枝を百尺ものながさで彫刻で飾った楼の軒先にかかっている。
上有好鳥相和鳴。間關早得春風情。
上に気の合う鳥たちはそれぞれで啼くと合唱しているようだ、鳥のさえずりに女たちの声が混じり、はやくも春風による情を得ている。
春風卷入碧云去。千門萬戶皆春聲。
春風は、巻いて冬雲にわけ入って去っていった、城郭の千門、 城内の万戸、みんな春の声になった。
是時君王在鎬京。五云垂暉耀紫清。
この時 君王は長安鎬京にいらっしゃるので、五雲も暉(ひかり)を垂れて天空の真ん中で耀(かがや)いている。
仗出金宮隨日轉。天回玉輦繞花行。
仗(ジョウ)を持つ警護の者たちは金鑾殿を出て皇帝に付き添って回ってゆく。皇帝は宝玉の輦(レン)をころがして花々を繞って御行なされる。
始向蓬萊看舞鶴。還過芷若聽新鶯。
はじめ蓬萊殿に向っていく舞姫たちを看(み) た、また茝石(シジャク)殿を過ぎたら新らしい歌手の歌を聴いた。
新鶯飛繞上林苑。愿入簫韶雜鳳笙。
新歌手は次々に宮殿にゆき上林苑のなかを繞っている、簫韶(ショウショウ) 舜の楽に入って鳳笙の合奏の中に一緒に歌おうとしている。


侍從宜春苑奉詔賦龍池柳色初青聽新鶯百囀歌 李白131
(宜春苑に侍従し、詔を奉じて、龍池の柳色はじめて青く、新鴬の百囀を聴くの歌を賦す)
春を呼ぶ風、東風はすでに東方の仙人の島の瀛洲の草園の木々を緑にしている、後宮の紫殿、紅楼、すべてに 春の景色がひろがっている。
池の南水辺の柳の色も黄緑から青々としてきた、春霞はただよいはじめしなやかに長安城を覆った。
しだれ柳はその枝を百尺ものながさで彫刻で飾った楼の軒先にかかっている。
上に気の合う鳥たちはそれぞれで啼くと合唱しているようだ、鳥のさえずりに女たちの声が混じり、はやくも春風による情を得ている。
春風は、巻いて冬雲にわけ入って去っていった、城郭の千門、 城内の万戸、みんな春の声になった。
この時 君王は長安鎬京にいらっしゃるので、五雲も暉(ひかり)を垂れて天空の真ん中で耀(かがや)いている。
仗(ジョウ)を持つ警護の者たちは金鑾殿を出て皇帝に付き添って回ってゆく。皇帝は宝玉の輦(レン)をころがして花々を繞って御行なされる。
はじめ蓬萊殿に向っていく舞姫たちを看(み) た、また茝石(シジャク)殿を過ぎたら新らしい歌手の歌を聴いた。
新歌手は次々に宮殿にゆき上林苑のなかを繞っている、簫韶(ショウショウ) 舜の楽に入って鳳笙の合奏の中に一緒に歌おうとしている。



(宜春苑に侍従し、詔を奉じて、龍池の柳色はじめて青く、新鴬の百囀を聴くの歌を賦す)
東風すでに緑にす瀛洲の草、紫殿 紅楼 春の好きを覚ゆ。
池南の柳色なかば青青、烟を縈(めぐ)らせ裊娜(ジョウダ)として綺城を払ふ。
垂糸百尺雕楹(チョウエイ)に挂(かか)り。
上に好鳥のあひ和して鳴くあり、間関はやくも得たり春風の情。
春風 巻いて碧雲に入って去り、千門 万戸みな春声。
この時 君王は鎬京(コウケイ)にゐませば、五雲も暉(ひかり)を垂れて紫清に耀(かがや)く。
仗(ジョウ)は金宮を出でて日に随って転じ、天は玉輦(レン)を回 (めぐら)して花を繞って行く。
はじめ蓬萊に向って舞鶴を看(み)、また茝石(シジャク※ 13)を過ぎて新鴬を聴く。
 新鴬は飛びて上林苑を繞り、簫韶(ショウショウ) に入って鳳笙に雑(まじは)らんと願ふ。

唐朝 大明宮01

東風已綠瀛洲草。紫殿紅樓覺春好。
春を呼ぶ風、東風はすでに東方の仙人の島の瀛洲の草園の木々を緑にしている、後宮の紫殿、紅楼、すべてに 春の景色がひろがっている。
東風 春風。○瀛洲 東方海上にある仙人の住む山、蓬莱山、方丈山、瀛州山。○紫殿 後宮の中には紫宸殿、紫蘭殿など翰林院からすべて東側にあるもの


池南柳色半青春。縈煙裊娜拂綺城。』
池の南水辺の柳の色も黄緑から青々としてきた、春霞はただよいはじめしなやかに長安城を覆った。
半青春 萌木色。黄緑。○縈煙 春霞。○裊娜 しなやかな様。○綺城 美しい長安城


垂絲百尺挂雕楹、
上有好鳥相和鳴、間關早得春風情。

しだれ柳はその枝を百尺ものながさで彫刻で飾った楼の軒先にかかっている。
上に気の合う鳥たちはそれぞれで啼くと合唱しているようだ、鳥のさえずりに女たちの声が混じり、はやくも春風による情を得ている

垂糸 しだれ柳の枝。○雕楹(チョウエイ) 楼閣の彫刻で飾った軒先○間関 鳥の相和して鳴くさま。ここは、後宮の女たちの声を示す。 ○春風情 春風に誘われて男女の混じりあい。


春風卷入碧云去。千門萬戶皆春聲。
春風は、巻いて冬雲にわけ入って去っていった、城郭の千門、 城内の万戸、みんな春の声になった。
碧雲 暗い雲。冬の雲。


是時君王在鎬京。五云垂暉耀紫清。
この時 君王は長安鎬京にいらっしゃるので、五雲も暉(ひかり)を垂れて天空の真ん中で耀(かがや)いている。
鎬京 春秋戦国のころの宮廷の場所で長安の古称 ○五云 仙界の五色のうつくしい雲。 ○垂暉 かがやきひかりの輪が尾を引くさま。 ○耀紫清 空のまんなか


仗出金宮隨日轉。天回玉輦繞花行。
仗(ジョウ)を持つ警護の者たちは金鑾殿を出て皇帝に付き添って回ってゆく。皇帝は宝玉の輦(レン)をころがして花々を繞って御行なされる。
 杖の先に剣がついている宮廷の警護専門の武器。○金宮 金鑾殿 ○玉輦 宝飾で飾った皇帝の御車。
 
始向蓬萊看舞鶴。還過芷若聽新鶯。
はじめ蓬萊殿に向っていく舞姫たちを看(み) た、また茝石(シジャク)殿を過ぎたら新らしい歌手の歌を聴いた。
蓬萊 宮廷にも大液池という大きな池がありその中島を蓬莱山している。ここでは、道教に言う東方に浮かぶ仙人の山である。


新鶯飛繞上林苑。愿入簫韶雜鳳笙。
新歌手は次々に宮殿にゆき上林苑のなかを繞っている、簫韶(ショウショウ) 舜の楽に入って鳳笙の合奏の中に一緒に歌おうとしている。
新鶯 新しい歌手。 ○ 真面目である。誠実である。 ○簫韶 舜の楽 ○鳳笙 鳳凰の飾りのある笛。
上林苑 後宮内の大液池の周りの庭園。