宮中行樂詞八首 其二 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白143



宮中行樂詞八首 其二
柳色黃金嫩、梨花白雪香。
芽をふき出したばかりの柳の色は、黄金のようにかがやき、しかも見るからにやわらかく若い(玄宗皇帝)。梨の花は、まっ白な雪のよう、しかも、よい香をはなっている(楊太真)。
玉樓巢翡翠、珠殿鎖鴛鴦。
宝玉でかざりたてた楼閣には、うつくしい羽根をもつかわせみの巣がある。真珠をちりばめた御殿には、夫婦仲むつまじいおしどりが、とじこもりの場所である。
選妓隨雕輦、徵歌出洞房。
天子はすぐれた宮妓の者をえらばれ、手ぐるまのあとについて歩くよう命じられる。また、歌手をよびよせて、奥の部屋にいたものに出て来るよう命じられる。
宮中誰第一、飛燕在昭陽。

宮中において美人といえば、誰が第一だろうか。飛燕だ、宮中のはなやいだ昭陽殿に在られるのだ。



芽をふき出したばかりの柳の色は、黄金のようにかがやき、しかも見るからにやわらかく若い(玄宗皇帝)。梨の花は、まっ白な雪のよう、しかも、よい香をはなっている(楊太真)。
宝玉でかざりたてた楼閣には、うつくしい羽根をもつかわせみの巣がある。真珠をちりばめた御殿には、夫婦仲むつまじいおしどりが、とじこもりの場所である。
天子はすぐれた宮妓の者をえらばれ、手ぐるまのあとについて歩くよう命じられる。また、歌手をよびよせて、奥の部屋にいたものに出て来るよう命じられる。
宮中において美人といえば、誰が第一だろうか。飛燕だ、宮中のはなやいだ昭陽殿に在られるのだ。


宮中行楽詞 其の二
柳色(りゅうしょく)  黄金にして嫩(やわら)か、梨花(りか)  白雪(はくせつ)にして香(かんば)し。
玉楼(ぎょくろう)には翡翠(ひすい)巣くい、珠殿(しゅでん)には鴛鴦(えんおう)を鎖(とざ)す。
妓(ぎ)を選んで雕輦(ちょうれん)に随わしめ、歌を徴(め)して洞房(どうぼう)を出(い)でしむ。
宮中(きゅうちゅう)  誰か第一なる、飛燕(ひえん)  昭陽(しょうよう)に在り。

 

柳色黃金嫩、梨花白雪香。
芽をふき出したばかりの柳の色は、黄金のようにかがやき、しかも見るからにやわらかく若い(玄宗皇帝)。梨の花は、まっ白な雪のよう、しかも、よい香をはなっている(楊太真)。
柳色 男性を示唆する柳で玄宗。楊は女性を示す。○ 物がまだ新しく、若くて、弱い状態。○梨花 女性を示唆する、楊太真(貴楊妃)。



玉樓巢翡翠、珠殿鎖鴛鴦。
宝玉でかざりたてた楼閣には、うつくしい羽根をもつかわせみの巣がある。真珠をちりばめた御殿には、夫婦仲むつまじいおしどりが、とじこもりの場所である。
○玉楼 宝玉でかざり立てた楼閣。○翡翠 かわせみ。うつくしい羽根の鳥。○珠殿 真珠をちりばめた御殿。○鴛鴦 おしどり。おす(鴛)と、めす(鴦)と仲むつまじい鳥。

 

選妓隨雕輦、徵歌出洞房。
天子はすぐれた宮妓の者をえらばれ、手ぐるまのあとについて歩くよう命じられる。また、歌手をよびよせて、奥の部屋にいたものに出て来るよう命じられる。
 宮妓、種種の妓芸を演じて人をたのしませる俳優のこと。○雕輦 彫刻をほどこした手ぐるま。〇洞房 奥ぶかい部屋。



宮中誰第一、飛燕在昭陽。
宮中において美人といえば、誰が第一だろうか。飛燕だ、宮中のはなやいだ昭陽殿に在られるのだ。
○飛燕 漢の成帝の愛姫、超飛燕。もとは長安の生れで身分は低かったが、歌や舞がうまく、やせ型の美人で、その軽やかな舞はツバメが飛ぶようであったから、飛燕とよばれた。ある時、おしのびで遊びに出た成帝の目にとまり、その妹とともに宮中に召され、帝の寵愛を一身にあつめた。十余年、彼女は日夜、帝を誘惑したので、しまいに帝は精根つきはてで崩御した。晩年、彼女は不遇となり、さいごには自殺した。彼女は漢代随一の美女とされている。また、やせた美人の代表は漢の趙飛燕、ふとった美人の代表は唐の楊貴妃とされているが、唐詩において趙飛燕をうたうとき、多くの易合、玄宗の後宮における第一人者、楊貴妃そのひとを暗に指す。もっともこの時期は楊太真で、李白が都を追われた後、楊貴妃となる。○昭陽 趙飛燕がすんでいた宮殿の名。