宮中行樂詞八首其八 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白149


宮中行樂詞八首 其八
水綠南薰殿。 花紅北闕樓。
水ゆたかに、みどりしたたる南薰殿。花は咲きほこり、紅に萌え聳えるような北闕楼。
鶯歌聞太液。 鳳吹繞瀛洲。
うぐいすの歌ごえは、大液池から聞こえてくる。鳳凰の簫の音は、蓬莱山を越え瀛洲の島を廻っている。
素女鳴珠佩。 天人弄彩毬。
宮中の素女は、身に佩びた真珠の飾りを鳴らしながら走りまわり、天の乙女は、美しい鞠を蹴ってたわむれている。
今朝風日好。 宜入未央游。
けさは、風も、日の光もすばらしい。こんな日こそ、未央宮に入って遊ぶことがふさわしい。


水ゆたかに、みどりしたたる南薰殿。花は咲きほこり、紅に萌え聳えるような北闕楼。
うぐいすの歌ごえは、大液池から聞こえてくる。鳳凰の簫の音は、蓬莱山を越え瀛洲の島を廻っている。
宮中の素女は、身に佩びた真珠の飾りを鳴らしながら走りまわり、天の乙女は、美しい鞠を蹴ってたわむれている。
けさは、風も、日の光もすばらしい。こんな日こそ、未央宮に入って遊ぶことがふさわしい。



宮中行楽詞 其の八
水は綠なり 南薫殿、花は紅なり 北闕楼。
鶯歌 太液に聞こえ、鳳吹 瀛洲を繞る。
素女は 珠佩を鳴らし、天人は 彩毬を弄す。
今朝 風日好し、宜しく未央に入りて遊ぶべし。




水綠南薰殿。 花紅北闕樓。
水ゆたかに、みどりしたたる南薰殿。花は咲きほこり、紅に萌え聳えるような北闕楼。
○南薫殿・北闕樓 いずれも唐代の長安の宮殿の名。北の見張り台のある楼閣。左右に石の高さ15メートル以上石壁がありその上に大きな宮殿のような楼閣が聳えるように建っていた玄武殿と玄武門をさす。



鶯歌聞太液。 鳳吹繞瀛洲。
うぐいすの歌ごえは、大液池から聞こえてくる。鳳凰の笙の音は、蓬莱山を越え瀛洲の島を廻っている。
太液 池の名。漢の太液池は漢の武帝が作った。池の南に建章宮という大宮殿を建て、池の中には高さ二十余丈の漸台というものを建て、長さ三文の石の鯨を刻んだ。また、池に三つの島をつくり、はるか東海にあって仙人が住むと信じられた瀛洲・蓬莱・方丈の象徴とした。漢の成帝はこの池に舟をうかべ、愛姫趙飛燕をのせて遊びたわむれた。唐代においても、漢代のそれをまねて、蓬莱殿の北に太液池をつくり、池の中の島を蓬莱山とよんだという。○鳳吹 笙(しょうのふえ)のこと。鳳のかたちをしている。○瀛洲 仙島の一つ。別に蓬莱、方丈がある。



素女鳴珠佩。 天人弄彩毬。
宮中の素女は、身に佩びた真珠の飾りを鳴らしながら走りまわり、天の乙女は、美しい鞠を蹴ってたわむれている。
素女 仙女の名。瑟(琴に似た楽器)をひくのが上手といわれる。○珠佩 真珠のおびもの。礼服の装飾で、玉を貫いた糸を数本つないで腰から靴の先まで垂れ、歩くとき鳴るようにしたもの。宮中に入るものすべてのものがつけていた。階級によって音が違った。○天人 仙女。天上にすむ美女。天の乙女。○彩毬 美しい模様の鞠。



今朝風日好。 宜入未央游。
けさは、風も、日の光もすばらしい。こんな日こそ、未央宮に入って遊ぶことがふさわしい。
未央 漢の皇居の正殿の名。中国、漢代に造られた宮殿。高祖劉邦(りゅうほう)が長安の竜首山上に造営したもの。唐代には宮廷の内に入った。