清平調詞 三首 其三 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白162

清平調詞其三 
名花傾國兩相歡、長得君王帶笑看。 
名高い牡丹の花と傾国の美女が、たがいにその美を歓びあう。君王は楽しげに眺めて、いつまでも微笑みをかえしておられる。
解釋春風無限恨、沈香亭北倚欄干。 
その無限の恨みを解きほぐすかのように春風がふいてくる、紫檀、黒檀で作られた沈香亭の奥まったところ、欄杵に身を倚せた美しい建物に溶け込んだ妃は美しい。


名高い牡丹の花と傾国の美女が、たがいにその美を歓びあう。君王は楽しげに眺めて、いつまでも微笑みをかえしておられる。
その無限の恨みを解きほぐすかのように春風がふいてくる、紫檀、黒檀で作られた沈香亭の奥まったところ、欄杵に身を倚せた美しい建物に溶け込んだ妃は美しい。


清平調詞 其の三
名花 傾国両つながら相い歓ぶ
長えに 君王の 笑いを帯びて看るを得たり
解釈す 春風無限の恨み
沈香亭北 閲千に侍る


その三。
名花傾國兩相歡、長得君王帶笑看。
名高い牡丹の花と傾国の美女が、たがいにその美を歓びあう。君王は楽しげに眺めて、いつまでも微笑みをかえしておられる。
傾国 絶世の美女をいう。漢の武帝の寵臣、名歌手として知られた李延年の歌、
北方有佳人,
絶世而獨立。
一顧傾人城,
再顧傾人國。
寧不知傾城與傾國,
佳人難再得。
「北方に佳人有り、絶世にして独立す。一たび顧みれば人の城を傾け、再び顧みれば人の国を傾く」に基づく。李延年は自分の妹を「傾国の美女」として武帝に勧めた。後にその妹は「李夫人」となる。
白居易「長恨歌」、李商隠「柳」「北斉二首其一」(小燐)にもみえる。国を傾けるほどの美人という意味にマイナスの意味を感じない中国人的表現である。美しいことへの最大限の表現であるが、結果的に国を傾けてしまうことを使うとよくないことを暗示するのが日本的であるのかもしれない。しかし、西施についても李延年の妹「李夫人」についても後世の詩で、ただ美人だけの意味では使用していない。趙飛燕について、家柄が低い家系である後に、平民に落とされたものに比較したこと、貴族社会で最大の屈辱であることは理解できる。李延年も兄弟、趙飛燕の姉妹、北斎の小燐も姉妹で寵愛された。やはり李白は、ただ、お抱え詩人の地位に不満を持ち、宮中で長くは続かないことを感じ取っていたのだろう。○君王 天子とは訳せない。もう少し小さい国の王、戦国、六朝の王に使用する場合が多い。



解釋春風無限恨、沈香亭北倚欄干。 
その無限の恨みを解きほぐすかのように春風がふいてくる、紫檀、黒檀で作られた沈香亭の奥まったところ、欄杵に身を倚せた美しい建物に溶け込んだ妃は美しい。
解釋 解きほぐす。解き明かす。理解する。解き放す。 ○春風無限恨 春風がもたらす様々な鬱屈の情。○沈香亭 沈香(水に沈む堅く重い香木)で作ったのでこう名づけられた建物。興慶宮の芝池の東南に在った。現在も興慶公園の沈香亭として復元されている。〇  身をもたせる。よりかかる。
長安城郭015


韻   歓、看、干。
宮島(3)



親友の杜甫も、「李十二日に寄せる、二十韻」
昔年有狂客,號爾謫仙人。筆落驚風雨,詩成泣鬼神。
聲名從此大,汩沒一朝伸。文彩承殊渥,流傳必絕倫。
龍舟移棹晚,獸錦奪袍新。白日來深殿,青雲滿後塵。
乞歸優詔許,遇我夙心親。未負幽棲誌,兼全寵辱身。
劇談憐野逸。嗜酒見天真,醉舞梁園夜,行歌泗水春。』

に、「筆落とせば風雨を驚かせ、詩成れば鬼神か泣かしむ」といい、かの賀知章が「烏夜噂」を嘆賞して「鬼神を泣かしむ」といったことを含みつつ、李白の詩を激賞している。そして、「文采は殊寵を承け、流伝すれば必ず絶倫たり」といって、天子の「殊寵を承け」たことを歌っている。真実を歌う杜甫のごとき人がいうほどだから、玄宗の特別の寵愛があったことは確かであろう