登單父陶少府半月台 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白191

この詩は李白とも友人で杜甫も親しくしていた孔が病気に託して官をやめてかえり、これから江東の単父の方へでかえるのを送り、同時に李白におくるために此の詩を作った。

送孔巢父謝病歸游江東,兼呈李白 杜甫26
『南尋禹穴見李白,道甫問訊今何如。』
(南 禹穴を尋ねて李白を見ば、道え 甫 問訊す今何如と』)

孟諸沢の東北にあった宋州單父県単父(山東省単県)という街の東楼に上って酒宴に興じている。

秋猟孟諸夜帰置酒単父東楼観妓 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白182
また別に李白に同じ東樓において詠った「單父東樓秋夜送族弟沈之秦」がある。この東樓と今回取り上げる半月台は同じところであろう。孟諸沢の秋の山が海のようであるといい、思いを江南の会稽山、鏡湖へ馳せる。


登單父陶少府半月台
陶公有逸興,不與常人俱。
陶公は趣向に長ておられる、とても一般の文人官僚と一緒にされるものではない。
築台像半月,回向高城隅。
高楼の台地を半月の形に築きあげられた。廻って見たり、正面から見たりして高楼の隅々まで行った。
置酒望白雲,商飆起寒梧。
この半月型の台地に酒をもってきて大空の白雲を眺めていたい。秋の西風、吹き上げる大風、青桐はすっかり葉を落として立っている。
秋山入遠海,桑柘羅平蕪。
すっかり秋の気配の山というのははるか遠い海原に入っていくことだ。桑と山ぐわの葉があり、雑草がどこまでも被っているのだ
水色淥且明,令人思鏡湖。
水面にうつるのは清らかな緑色でありその上明るく輝いている。これは誰が見ても賀知章翁の鏡湖と見まごうはずである。
終當過江去,愛此暫踟躕。

しかしこうしてみていると江南を流浪してそうして長安方面にはもう帰りたくない、暫くはこの地を愛しているので、ここを離れるのにためらいがある。



陶公 逸興有り,常人 俱にあたわず。

築台 半月を像り,回りて向う高城の隅。

置酒 白雲に望む,商飆 寒くして梧を 起す。

秋山 遠海に入り、桑柘 平蕪に羅(つら)なる。 

水色 淥(ろく)かつ明 人をして鏡湖を思はしむ。

つひにまさに江を過ぎて去るべきも、ここを愛してしばらく踟躕(ちちゅう)す。





陶公有逸興,不與常人俱。
陶公は趣向に長ておられる、とても一般の文人官僚と一緒にされるものではない。



築台像半月,回向高城隅。
高楼の台地を半月の形に築きあげられた。廻って見たり、正面から見たりして高楼の隅々まで行った。

置酒望白雲,商飆起寒梧。
この半月型の台地に酒をもってきて大空の白雲を眺めていたい。秋の西風、吹き上げる大風、青桐はすっかり葉を落として立っている。
 あきかぜ、にしかぜ、星座のひとつ ○ひょう つむじかぜ、吹き上げる大風。 ○ あおぎり。落葉樹

 
秋山入遠海 桑柘羅平蕪
すっかり秋の気配の山というのははるか遠い海原に入っていくことだ。桑と山ぐわの葉があり、雑草がどこまでも被っているのだ
桑柘(そうしゃ)桑とやまぐは。○平蕪 平らかな雑草の茂った地。

水色淥且明 令人思鏡湖
水面にうつるのは清らかな緑色でありその上明るく輝いている。これは誰が見ても賀知章翁の鏡湖と見まごうはずである。
清らか。澄みきった水の緑を言う。 ○鏡湖 浙江省の紹興にある湖。李白が朝廷に上がって間もなく賀知章が官を辞して、天子から賜ったもの。

終當過江去 愛此暫踟躕
しかしこうしてみていると江南を流浪してそうして長安方面にはもう帰りたくない、暫くはこの地を愛しているので、ここを離れるのにためらいがある。
踟躕  ためらう。


○韻 興、、隅。/梧、蕪、湖。/去、