前有樽酒行二首 其一  李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白350- 203




前有樽酒行二首 其一
春風東來忽相過、金樽淥酒生微波。
春のかおりの女たちが東のほうからやって来た。女たちと一緒の聖人たちはこがねの樽にたたえた酒に、かすかな波がたっている。
落花紛紛楷覺多、美人欲酔朱顔酡。
女たちは花びらがはらはらとしだいに多く散りかかるのである。妓女たちは、化粧して着飾っていて、酔いごこちによりほんのり顔を赤らめている。
青軒桃李能幾何、流光欺人忽蹉跎。
東の庭の青い車、桃李の花のように人は集まり、なにもしないでいていつまであつまっているだろうか。流れる時間は、人をあざけるようにアッというまに過ぎてしまう。
君起舞、日西夕。
君、起ちあがって踊れ。太陽は西に沈むじゃないか。
當年意気不肯傾、白髪如絲歎何益。

わかいころの志、意気はおとろえたくないものなのだ。白髪が糸のようになってから嘆いてみても、何の役に立つというのか。


前有樽酒行二首 其の一

春風東より来って 忽ち相過ぐ、金樽の酒 徴波を生ず。

落花紛紛として 楷やに多きを覺ゆ、美人酔わんと欲して 朱顔たり。

青軒の桃李 能く幾何ぞ、流光人を欺いて 忽ち蹉たり。

君起って舞え、日西に夕なり。

当年の意気 肯て傾かず、白髪糸の如し 歎ずるも何の益かあらん。




前有樽酒行二首 其一 現代訳と訳註
雑言古詩

(本文)
春風東來忽相過、金樽淥酒生微波。
落花紛紛楷覺多、美人欲酔朱顔酡。
青軒桃李能幾何、流光欺人忽蹉跎。
君起舞、日西夕。
當年意気不肯傾、白髪如絲歎何益。

(下し文)
春風東より来って 忽ち相過ぐ、金樽の淥酒 徴波を生ず。
落花紛紛として 楷やに多きを覺ゆ、美人酔わんと欲して 朱顔酡たり。
青軒の桃李 能く幾何ぞ、流光人を欺いて 忽ち蹉跎たり。
君起って舞え、日西に夕なり。
当年の意気 肯て傾かず、白髪糸の如し 歎ずるも何の益かあらん。

(現代語訳)
春のかおりの女たちが東のほうからやって来た。女たちと一緒の聖人たちはこがねの樽にたたえた酒に、かすかな波がたっている。
女たちは花びらがはらはらとしだいに多く散りかかるのである。妓女たちは、化粧して着飾っていて、酔いごこちによりほんのり顔を赤らめている。
東の庭の青い車、桃李の花のように人は集まり、なにもしないでいていつまであつまっているだろうか。流れる時間は、人をあざけるようにアッというまに過ぎてしまう。
君、起ちあがって踊れ。太陽は西に沈むじゃないか。

わかいころの志、意気はおとろえたくないものなのだ。白髪が糸のようになってから嘆いてみても、何の役に立つというのか。


(訳註)
前有樽酒行二首 其一
春風東來忽相過、金樽淥酒生微波。
春のかおりの女たちが東のほうからやって来た。女たちと一緒の聖人たちはこがねの樽にたたえた酒に、かすかな波がたっている。
春風東來 春風は東風であり、東來するものである。同じくで同じことを示すわけがなく。性的な始まり、性的欲望を生むものと解釈すべきである。○淥酒 濁り酒がと賢人清酒は聖人。濁り酒は道士の飲むもの、清酒は儒者の飲むもの。○微波 かすかな波がたつ。波は東風によるものなのか、何によっておこる波なのか。
 
落花紛紛楷覺多、美人欲酔朱顔酡。
女たちは花びらがはらはらとしだいに多く散りかかるのである。妓女たちは、化粧して着飾っていて、酔いごこちによりほんのり顔を赤らめている。
○紛紛 いりみだれて散るさま。○ だんだん。○美人 宮妓、芸妓。○朱顔酡 「酡」は酒を飲んで顔が赤くなった様子。


青軒桃李能幾何、流光欺人忽蹉跎。
東の庭の青い車、桃李の花のように人は集まり、なにもしないでいていつまであつまっているだろうか。流れる時間は、人をあざけるようにアッというまに過ぎてしまう。
青軒 青い色を塗った軒、高貴な人の車。青色を塗った東側の娼屋。○桃李 桃と梨。何をしなくても人が集まるさま。○蹉跎 時間がたちまち経過してしまう形容。


君起舞、日西夕。
君、起ちあがって踊れ。太陽は西に沈むじゃないか。


當年意気不肯傾、白髪如絲歎何益。
わかいころの志、意気はおとろえたくないものなのだ。白髪が糸のようになってから嘆いてみても、何の役に立つというのか。
不肯傾 おとろえたくないものなの・傾 尽きていく。かたよる。かたむく。さけをのむ。


○韻 過、波、酡、跎。/夕、益。