漢詩李白 217 經亂後將避地剡中留贈崔宣城 安史の乱と李白(4) Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350- 217-#2


經亂後將避地剡中留贈崔宣城
#1
雙鵝飛洛陽。五馬渡江徼。
何意上東門。胡雛更長嘯。
中原走豺虎。烈火焚宗廟。
太白晝經天。頹陽掩余照。
王城皆蕩覆。世路成奔峭。
四海望長安。顰眉寡西笑。
蒼生疑落葉。白骨空相吊。
連兵似雪山。破敵誰能料。
我垂北溟翼。且學南山豹。』

#2
崔子賢主人。歡娛每相召。
崔殿は世の中のことよくわかる賢人である宴主なのだ、よろこびたのしむことをするのにいつも気の合う人を招待している。
胡牀紫玉笛。卻坐青云叫。
腰掛けがある、紫のかがやいている笛がある、そうして希望に燃えて青雲の志を胸に坐って思いのたけを叫ぶのである。
楊花滿州城。置酒同臨眺。
柳が芽を吹き柳絮が飛ぶ花さき乱れる剡中の城である。盛大に酒宴を催すことでここに集まり花を眺め、青雲の志に挑むのである。
忽思剡溪去。水石遠清妙。
そんなに時がたたないうちに官を辞して剡溪に来ることを考えたらどうか、ここ剡溪は水の流れ、石渓、はるか先まで清々しいものであるのだ。
雪盡天地明。風開湖山貌。
雪という世の筋道は天地の暗いところまで明らかにしている、風という世論の力は湖山の貌というべき悪奴らをやっつけたい。
悶為洛生詠。醉發吳越調。』

洛陽の書生の詩歌を詠音するにもなやみもだえている、呉や越の国の音調を発して酔うのである

#3
赤霞動金光。日足森海嶠。
獨散萬古意。閑垂一溪釣。
猿近天上啼。人移月邊棹。
無以墨綬苦。來求丹砂要。
華發長折腰。將貽陶公誚。』

 

乱を経たるの後将に地を剡中に避けんとし留めて崔宣城に贈る
双鵝 洛陽に飛び、五馬 江徼(コウキョウ)を渡る
なんぞ意(おも)はん上東門、胡雛(コスウ)さらに長嘯せんとは。
中原 豺虎を走らせ、烈火 宗廟を焚く。
太白 昼 天を経(わた)り、頽陽 余照を掩(おほ)ふ。 
王城みな蕩覆し、世路 奔峭となる。
四海 長安を望み、眉を嚬(ひそ)めて西笑寡(すくな)し。
蒼生 落葉と疑ひ、白骨むなしくあひ弔ふ。
兵を連ねて雪山に似たり、敵を破ることたれかよく料(はか)らん。
われ北溟の翼を垂れ、しばらく南山の豹を学ぶ。』


崔子は賢主人、歓媒つねにあひ召す。
胡牀 紫玉の笛、かへって青雲に坐して叫ぶ。
楊花 州城に満ち、酒を置いてともに臨眺す。
ただちまち剡溪に去るを思ふ、水石 遠く清妙なり。
雪 天地明らかに盡す、風は湖山の貌を開く。
悶えて洛生の詠をなし、酔うて呉越の調を発す。』

赤霞 金光を動かし、日足 海嶠に森たり。
ひとり万古の意を散じ、閑(しづか)に一渓の釣を垂る。
猿近天上啼 猿は天上に近づいて啼き、人は月辺に移って棹(さをさ)す。
墨綬(ボクジュ)の苦をもって、来りて丹砂の要を求むるなかれ。
華髪 長く腰を折らば、まさに陶公の誚(そしり)を貽(のこ)さんとす。


經亂後將避地剡中留贈崔宣城 現代語訳と訳註 #2
(本文)#2

崔子賢主人。歡娛每相召。
胡牀紫玉笛。卻坐青云叫。
楊花滿州城。置酒同臨眺。
忽思剡溪去。水石遠清妙。
雪盡天地明。風開湖山貌。
悶為洛生詠。醉發吳越調。』
 
 (下し文)
崔子は賢主人、歓娛つねにあひ召す。
胡牀 紫玉の笛、かへって青雲に坐して叫ぶ。
楊花 州城に満ち、酒を置いてともに臨眺す。
ただちまち剡溪に去るを思ふ、水石 遠く清妙なり。
雪 天地明らかに盡す、風は湖山の貌を開く。
悶えて洛生の詠をなし、酔うて呉越の調を発す。
 
(現代語訳)
崔殿は世の中のことよくわかる賢人である宴主なのだ、よろこびたのしむことをするのにいつも気の合う人を招待している。
腰掛けがある、紫のかがやいている笛がある、そうして希望に燃えて青雲の志を胸に坐って思いのたけを叫ぶのである。
柳が芽を吹き柳絮が飛ぶ花さき乱れる剡中の城である。盛大に酒宴を催すことでここに集まり花を眺め、青雲の志に挑むのである。
そんなに時がたたないうちに官を辞して剡溪に来ることを考えたらどうか、ここ剡溪は水の流れ、石渓、はるか先まで清々しいものであるのだ。
雪という世の筋道は天地の暗いところまで明らかにしている、風という世論の力は湖山の貌というべき悪奴らをやっつけたい。
洛陽の書生の詩歌を詠音するにもなやみもだえている、呉や越の国の音調を発して酔うのである。


(訳註)

崔子賢主人。歡娛每相召。』
崔殿は世の中のことよくわかる賢人である宴主なのだ、よろこびたのしむことをするのにいつも気の合う人を招待している。
歡娛 よろこびたのしむこと。


胡牀紫玉笛。卻坐青云叫。
腰掛けがある、紫のかがやいている笛がある、そうして希望に燃えて青雲の志を胸に坐って思いのたけを叫ぶのである。
胡牀 中国北方の胡国から伝えられたという、一人用の腰掛け。戸外の行事の席や休息のために用いた。 
 
楊花滿州城。置酒同臨眺。
柳が芽を吹き柳絮が飛ぶ花さき乱れる剡中の城である。盛大に酒宴を催すことでここに集まり花を眺め、青雲の志に挑むのである。
楊花 しだれ柳、○置 盛大に酒宴を催すこと。また、酒宴のこと。・「置酒」は酒宴を開くこと。「高会」は盛大な宴会のこと。 臨眺 見晴らし。ながめ。「眺望・遠眺・臨眺」 [解字] 形声。「目」+音符「兆」(=左右に分ける)。視線を左右に走らせて遠くを見る意。ここでは前の聯の「坐青云叫」をうけているので、安禄山の叛乱に対してどう考えどうするのか話し合おうといことになる。ここで、置酒、賢人、青云、臨眺という語が関連している。


忽思剡溪去。水石遠清妙。
そんなに時がたたないうちに官を辞して剡溪に来ることを考えたらどうか、ここ剡溪は水の流れ、石渓、はるか先まで清々しいものであるのだ。

雪盡天地明。風開湖山貌。
雪という世の筋道は天地の暗いところまで明らかにしている、風という世論の力は湖山の貌というべき悪奴らをやっつけたい。


悶為洛生詠。醉發吳越調。
洛陽の書生の詩歌を詠音するにもなやみもだえている、呉や越の国の音調を発して酔うのである。
洛生詠 洛陽の書生の詠音重濁。○吳越調 呉や越の国の音調。

召。叫。眺。妙。貌。調。