漢詩李白 218 經亂後將避地剡中留贈崔宣城 安史の乱と李白(4) Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350-218 -#3



#1
雙鵝飛洛陽。五馬渡江徼。
何意上東門。胡雛更長嘯。
中原走豺虎。烈火焚宗廟。
太白晝經天。頹陽掩余照。
王城皆蕩覆。世路成奔峭。
四海望長安。顰眉寡西笑。
蒼生疑落葉。白骨空相吊。
連兵似雪山。破敵誰能料。
我垂北溟翼。且學南山豹。』
#2
崔子賢主人。歡娛每相召。
胡牀紫玉笛。卻坐青云叫。
楊花滿州城。置酒同臨眺。
忽思剡溪去。水石遠清妙。
雪盡天地明。風開湖山貌。
悶為洛生詠。醉發吳越調。』

 
-#3
經亂後將避地剡中留贈崔宣城
赤霞動金光。日足森海嶠。
北の方から起した赤い霞に覆われて天子の御威光まですみにおいやった、日一日と海と山を森のように蹂躙している。
獨散萬古意。閑垂一溪釣。
わたしはひとりさまざまにある思いを振り捨てて、閑(しづか)にここ剡渓において釣糸を垂れるのである。
猿近天上啼。人移月邊棹。
猿が近くまできて大空まで響きわたるような声で啼いている、人は月が川面に映る当たりで棹(さをさ)している。
無以墨綬苦。來求丹砂要。
君のように県令のしるし墨綬(ボクジュ)においての苦労するだけだ、官を辞してここに来て隠遁して丹砂の要である「道」を探求しようではないか。
華發長折腰。將貽陶公誚。』
 
白髪の頭をして、最敬礼をして長く腰を折るようなことを続けていると、まさに陶淵明からの批判を残すことをしているだけではないか。


乱を経たるの後将に地を剡中に避けんとし留めて崔宣城に贈る
双鵝 洛陽に飛び、五馬 江徼(コウキョウ)を渡る
なんぞ意(おも)はん上東門、胡雛(コスウ)さらに長嘯せんとは。
中原 豺虎を走らせ、烈火 宗廟を焚く。
太白 昼 天を経(わた)り、頽陽 余照を掩(おほ)ふ。 
王城みな蕩覆し、世路 奔峭となる。
四海 長安を望み、眉を嚬(ひそ)めて西笑寡(すくな)し。
蒼生 落葉と疑ひ、白骨むなしくあひ弔ふ。
兵を連ねて雪山に似たり、敵を破ることたれかよく料(はか)らん。
われ北溟の翼を垂れ、しばらく南山の豹を学ぶ。』
崔子は賢主人、歓媒つねにあひ召す。
胡牀 紫玉の笛、かへって青雲に坐して叫ぶ。
楊花 州城に満ち、酒を置いてともに臨眺す。
ただちまち剡溪に去るを思ふ、水石 遠く清妙なり。
雪 天地明らかに盡す、風は湖山の貌を開く。
悶えて洛生の詠をなし、酔うて呉越の調を発す。』

赤霞 金光を動かし、日足 海に森たり。

ひとり万古の意を散じ、閑(しづか)に一渓の釣を垂る。

猿近天上啼 猿は天上に近づいて啼き、人は月辺に移って棹(さをさ)す。

墨綬(ボクジュ)の苦をもって、来りて丹砂の要を求むるなかれ。

華髪 長く腰を折らば、まさに陶公の誚(そしり)を貽(のこ)さんとす。』



經亂後將避地剡中留贈崔宣城 -#3 現代語訳と訳註
(本文)

經亂後將避地剡中留贈崔宣城
赤霞動金光。日足森海嶠。
獨散萬古意。閑垂一溪釣。
猿近天上啼。人移月邊棹。
無以墨綬苦。來求丹砂要。
華發長折腰。將貽陶公誚。』 

(下し文)
赤霞 金光を動かし、日足 海嶠に森たり。
ひとり万古の意を散じ、閑(しづか)に一渓の釣を垂る。
猿近天上啼 猿は天上に近づいて啼き、人は月辺に移って棹(さをさ)す。
墨綬(ボクジュ)の苦をもって、来りて丹砂の要を求むるなかれ。
華髪 長く腰を折らば、まさに陶公の誚(そしり)を貽(のこ)さんとす。

(現代語訳)
北の方から起した赤い霞に覆われて天子の御威光まですみにおいやった、日一日と海と山を森のように蹂躙している。
わたしはひとりさまざまにある思いを振り捨てて、閑(しづか)にここ剡渓において釣糸を垂れるのである。
猿が近くまできて大空まで響きわたるような声で啼いている、人は月が川面に映る当たりで棹(さをさ)している。
君のように県令のしるし墨綬(ボクジュ)においての苦労するだけだ、官を辞してここに来て隠遁して丹砂の要である「道」を探求しようではないか。
白髪の頭をして、最敬礼をして長く腰を折るようなことを続けていると、まさに陶淵明からの批判を残すことをしているだけではないか。


(訳註)
赤霞動金光。日足森海嶠。

北の方から起した赤い霞に覆われて天子の御威光まですみにおいやった、日一日と海と山を森のように蹂躙している。
海嶠。海と山。


獨散萬古意。閑垂一溪釣。
わたしはひとりさまざまにある思いを振り捨てて、閑(しづか)にここ剡渓において釣糸を垂れるのである。


猿近天上啼。人移月邊棹。
猿が近くまできて大空まで響きわたるような声で啼いている、人は月が川面に映る当たりで棹(さをさ)している。

無以墨綬苦。來求丹砂要。
君のように県令のしるし墨綬(ボクジュ)においての苦労するだけだ、官を辞してここに来て隠遁して丹砂の要である「道」を探求しようではないか。
墨綬 県令のしるし。○丹砂要。丹砂から不老長生の薬を作る要訣。


華發長折腰。將貽陶公誚。』 
白髪の頭をして、最敬礼をして長く腰を折るようなことを続けていると、まさに陶淵明からの批判を残すことをしているだけではないか。
華發 白髪頭○長折腰 役人の深いお辞儀。最敬礼。○ 残す。 ○陶公誚 陶淵明からの批判。


(解説)

 この詩は「王城皆蕩覆」といっているから、長安陥落後のものと思われる。叛乱軍の猖獗は江南をも恐怖に陥れた。
この詩の前半は叛乱軍に陥った人民の苦痛を述べ、王朝軍がすべきことをしていない、作戦、統率がとれいいないことを、後半では剡溪の静かで、隠遁するにはもってこいの様子をあらわしていてして、太公望のように釣り糸を垂らすべき時期とし、陶淵明のようにさっさと辞職せよといって崔太守をもここへ誘うのである。


本文

#1
雙鵝飛洛陽。五馬渡江徼。
何意上東門。胡雛更長嘯。
中原走豺虎。烈火焚宗廟。
太白晝經天。頹陽掩余照。
王城皆蕩覆。世路成奔峭。
四海望長安。顰眉寡西笑。
蒼生疑落葉。白骨空相吊。
連兵似雪山。破敵誰能料。
我垂北溟翼。且學南山豹。』
#2
崔子賢主人。歡娛每相召。
胡牀紫玉笛。卻坐青云叫。
楊花滿州城。置酒同臨眺。
忽思剡溪去。水石遠清妙。
雪盡天地明。風開湖山貌。
悶為洛生詠。醉發吳越調。』
 
-#3
經亂後將避地剡中留贈崔宣城
赤霞動金光。日足森海嶠。
獨散萬古意。閑垂一溪釣。
猿近天上啼。人移月邊棹。
無以墨綬苦。來求丹砂要。
華發長折腰。將貽陶公誚。』 

現代語訳
#1
晋の孝懐帝の時、二羽の鵝があらわれ国が乱れる前兆となった。その鵝が洛陽に飛びに飛んできた、それぞれ難を逃れたが、そのご五王は江南にのがれた故事があるように長江を渡りの国境の帆に逃げるのだ。
どんな思いがあって洛陽城の門を破り陥落させたのか、そして皇帝罠乗るとはなんにもわからない胡の子供の様なものではないか、ああ、本当に情けない。
王朝の主たる地域の平原を豺虎のように暴行略奪の限りを尽くしている 街の至る所に火をかけ、尊い宗廟までを焚くことをしている。
革命の兆、金星が真昼でも天空を渡っていくのが見えたという、夕日のような明かりが点を焦がし、いつまでも夜空を赤く染めているのである。
歴代の王朝の都であったところの城郭みな破壊され、ひっくり返えされている、天下の道はどこにおいてもあわただしく、騒がしさが厳しい状況なのだ。
四方の果てまでこんな有様で、長安の様子をを望み見てみる、誰もが眉をひそめている、かっては世界の中心国際都市手反映し、「西笑」といって一番楽しい所としていたのにその場所もなくなっているという。
青々と生い茂って生えている樹木さえ、落葉したのかと間違えてしまう、屍は白骨となり、誰も弔うものがいなくてむなしく白骨同士で弔いをしているのだ。
攻め入った兵は連ん綿と続いて入場し、まるで雪山になったかのようである。こうした叛乱軍を打ち破ることができる能力を持ったもの誰かいないのか。
わたしとしては少しの間、図南の鵬翼を休めることにする、そうして、しばらく南山の豹のこじをを学び、まず叛乱軍に見つからず、情勢分析を行うことから始めよう。』
#2
崔殿は世の中のことよくわかる賢人である宴主なのだ、よろこびたのしむことをするのにいつも気の合う人を招待している。
腰掛けがある、紫のかがやいている笛がある、そうして希望に燃えて青雲の志を胸に坐って思いのたけを叫ぶのである。
柳が芽を吹き柳絮が飛ぶ花さき乱れる剡中の城である。盛大に酒宴を催すことでここに集まり花を眺め、青雲の志に挑むのである。
そんなに時がたたないうちに官を辞して剡溪に来ることを考えたらどうか、ここ剡溪は水の流れ、石渓、はるか先まで清々しいものであるのだ。
雪という世の筋道は天地の暗いところまで明らかにしている、風という世論の力は湖山の貌というべき悪奴らをやっつけたい。
洛陽の書生の詩歌を詠音するにもなやみもだえている、呉や越の国の音調を発して酔うのである。
#3
北の方から起した赤い霞に覆われて天子の御威光まですみにおいやった、日一日と海と山を森のように蹂躙している。
わたしはひとりさまざまにある思いを振り捨てて、閑(しづか)にここ剡渓において釣糸を垂れるのである。
猿が近くまできて大空まで響きわたるような声で啼いている、人は月が川面に映る当たりで棹(さをさ)している。
君のように県令のしるし墨綬(ボクジュ)においての苦労するだけだ、官を辞してここに来て隠遁して丹砂の要である「道」を探求しようではないか。
白髪の頭をして、最敬礼をして長く腰を折るようなことを続けていると、まさに陶淵明からの批判を残すことをしているだけではないか。


下し文
乱を経たるの後将に地を剡中に避けんとし留めて崔宣城に贈る
双鵝 洛陽に飛び、五馬 江徼(コウキョウ)を渡る
なんぞ意(おも)はん上東門、胡雛(コスウ)さらに長嘯せんとは。
中原 豺虎を走らせ、烈火 宗廟を焚く。
太白 昼 天を経(わた)り、頽陽 余照を掩(おほ)ふ。 
王城みな蕩覆し、世路 奔峭となる。
四海 長安を望み、眉を嚬(ひそ)めて西笑寡(すくな)し。
蒼生 落葉と疑ひ、白骨むなしくあひ弔ふ。
兵を連ねて雪山に似たり、敵を破ることたれかよく料(はか)らん。
われ北溟の翼を垂れ、しばらく南山の豹を学ぶ。』
#2
崔子は賢主人、歓媒つねにあひ召す。
胡牀 紫玉の笛、かへって青雲に坐して叫ぶ。
楊花 州城に満ち、酒を置いてともに臨眺す。
ただちまち剡溪に去るを思ふ、水石 遠く清妙なり。
雪 天地明らかに盡す、風は湖山の貌を開く。
悶えて洛生の詠をなし、酔うて呉越の調を発す。
#3
赤霞 金光を動かし、日足 海嶠に森たり。
ひとり万古の意を散じ、閑(しづか)に一渓の釣を垂る。
猿近天上啼 猿は天上に近づいて啼き、人は月辺に移って棹(さをさ)す。
墨綬(ボクジュ)の苦をもって、来りて丹砂の要を求むるなかれ。
華髪 長く腰を折らば、まさに陶公の誚(そしり)を貽(のこ)さんとす。