自代内贈 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#1

李白が妻に代って詠じた詩である。


自代内贈 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#1
自代内贈 #2 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#2
自代内贈 #3 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#3

自代內贈
寶刀截流水。無有斷絕時。
宝刀でもって流水をたちきったとしても、断絶するのは瞬間で、きれるものではない。
妾意逐君行。纏綿亦如之。」
私の思いというものはあなたに従い衝いてゆくもの、纏わりついた綿のように心にまつわりついて離れない。
別來門前草。秋黃春轉碧。
別れてこのかた、私はあなたを待つ、門前の草のようなものです。 秋は黄色の草になり枯れ、そして春になればまた碧(みどり)なる。それの繰り返し。
掃盡更還生。萋萋滿行跡。
草を抜いて掃除をするように、あなたへの思いを消そうとするのですが、なおさら生えてくるように思いが募るばかり。それは萋萋として草が茂って来て、あなたの旅立ちの跡をいっぱいにしている。
鳴鳳始相得。雄驚雌各飛。」-#
1
つがいの鳳凰はいっしょに鳴いて、はじめは互いに心を通い合わせていた。雄の鳳凰は驚いて、雌もつづいておのおの飛びあがるのです

游云落何山。一往不見歸。估客發大樓。知君在秋浦。
梁苑空錦衾。陽台夢行雨。妾家三作相。失勢去西秦。
猶有舊歌管。淒清聞四鄰。」-#2
曲度入紫云。啼無眼中人。妾似井底桃。開花向誰笑。
君如天上月。不肯一回照。 窺鏡不自識。別多憔悴深。
安得秦吉了。為人道寸心。」-#3

時。之。/碧。跡。飛。/歸。浦。雨。秦。鄰。/云。人。/笑。照。/深。心。

自ら内に代りて贈る
#-1
宝刀流水を截(た)つとも、断絶の時あるなし。
妾が意 君を逐うて行く、纏綿(てんめん)またかくのごとし。
別れてこのかた門前の草 秋は黄に春はまた碧(みどり)なり。
掃い尽せば更にまた生じ 萋萋(せいせい)として行跡に満つ。
鳴鳳 はじめあい得しが 雄驚いて雌おのおの飛ぶ。

#-2
遊雲いづれの山にか落つ 一たび往いて帰るを見ず。
估客大楼を発し 知る 君が秋浦にあるを。
梁苑むなしく錦衾 陽台 行雨を夢む。
妾が家は三たび相となりしが 勢を失って西秦を去る。
なほ旧歌管あり 凄清 四鄰に聞ゆ。

#-3
曲度(キョクド)  紫雲に入り 啼いて眼中の人なし。
妾は井底の桃のごとく 花を開けども誰に向ってか笑まむ。
妾は井底の桃のごとく 花を開けども誰に向ってか笑まむ。
君は天上の月のごとく あへて一たびも廻照せず。
鏡を窺ふもみづからも識らず 別多くして憔悴(ショウスイ)深し。
いづくんぞ秦吉了 人のために寸心を道(い)はしめん。

宮島(5)

自代内贈#1 現代語訳と訳註
(本文)#1

寶刀截流水。無有斷絕時。妾意逐君行。纏綿亦如之。」
別來門前草。秋黃春轉碧。掃盡更還生。萋萋滿行跡。
鳴鳳始相得。雄驚雌各飛。」

(下し文)#1
宝刀流水を截つとも、断絶の時あるなし。
妾が意 君を逐うて行く、纏綿(テンメン)またかくのごとし。
別れてこのかた門前の草 秋は黄(?)に春はまた碧(みどり)なり。
掃い尽せば更にまた生じ 萋萋(せいせい)として行跡に満つ。
鳴鳳 はじめあい得しが 雄驚いて雌おのおの飛ぶ。

(現代語訳)#1
宝刀でもって流水をたちきったとしても、断絶するのは瞬間で、きれるものではない。
私の思いというものはあなたに従い衝いてゆくもの、纏わりついた綿のように心にまつわりついて離れない。
別れてこのかた、私はあなたを待つ、門前の草のようなものです。 秋は黄色の草になり枯れ、そして春になればまた碧(みどり)なる。それの繰り返し。
草を抜いて掃除をするように、あなたへの思いを消そうとするのですが、なおさら生えてくるように思いが募るばかり。それは萋萋として草が茂って来て、あなたの旅立ちの跡をいっぱいにしている。
つがいの鳳凰はいっしょに鳴いて、はじめは互いに心を通い合わせていた。雄の鳳凰は驚いて、雌もつづいておのおの飛びあがるのです。


(訳注)#1
自代内贈
 
自ら内に代りて贈る


寶刀截流水。無有斷絕時。
宝刀でもって流水をたちきったとしても、断絶するのは瞬間で、きれるものではない。
 [音]セツ(漢) [訓]たつ きるずばりとたち切る。「截然・截断/断截・直截・半截」 ◆「截」を「サイ」と読むのは「裁」などとの混同による。 .


妾意逐君行。纏綿亦如之。」
私の思いというものはあなたに従い衝いてゆくもの、纏わりついた綿のように心にまつわりついて離れない。
妾意 私の思い。・妾は女性がかわいらしく自分のことを言う時に使う。めかけではない。・意はおもい。○纏綿 まつわり離れがたいさま。1 からみつくこと。「蔦(つた)が木に纏綿する」「選手の移籍に纏綿する問題」 2 複雑に入り組んでいること。心にまつわりついて離れないさま。「情緒纏綿として去りがたい」


別來門前草。秋黃春轉碧。
別れてこのかた、私はあなたを待つ、門前の草のようなものです。 秋は黄色の草になり枯れ、そして春になればまた碧(みどり)なる。それの繰り返し。
門前草 自分の家の門前の草。待つ身の表現として使われる。○それの繰り返し。○ 青々とした緑で覆われるさま。は性的な意味のこもった語である。


掃盡更還生。萋萋滿行跡。
草を抜いて掃除をするように、あなたへの思いを消そうとするのですが、なおさら生えてくるように思いが募るばかり。それは萋萋として草が茂って来て、あなたの旅立ちの跡をいっぱいにしている。
掃盡 草を抜いて掃除をするように、あなたへの思いを消そうとする。○更還生 なおさら生えてくるように思いが募るばかり。○萋萋 草の茂った様。


鳴鳳始相得。雄驚雌各飛。」
つがいの鳳凰はいっしょに鳴いて、はじめは互いに心を通い合わせていた。雄の鳳凰は驚いて、雌もつづいておのおの飛びあがるのです。
鳴鳳 鳳凰が鳴く。つがいでいるのが基本の鳥。○始相得 はじめは互いに心を通い合わせているさま。