夜泊黄山聞殷十四呉吟 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -266
(夜黄山に泊して殷十四の呉吟を聞く)

頌春00

夜泊黄山聞殷十四呉吟
ある夜、黄山に泊って殷兄弟順の十四番目の呉歌を吟じたのを聞いいた。
昨夜誰爲具會吟、風生萬壑振空林。
ゆうべ、呉の地方の歌曲をうたっていたのは誰だったのか。風が谷という谷に吹き荒れ、葉を落しきった林に吹いたのだ。
龍驚不敢水中臥、猿嘯時間巌下音。
隠れ、寝ていた竜はびっくりして目をさまし、じっと寝ていることができなかった。猿の寂しいけど鋭いなき声が、時をおいて何度も、岩の下から聞こえてきた。
我宿黄山碧渓月、聴之却罷松間琴。
わたしはここ黄山に泊まった緑静かな渓谷の中で月を見て、この鳴き声を聞いていると今まで松の木の間で引いていた琴を止めてしまうほどだった。
朝来果是滄州逸、酤酒提盤飯霜栗。
けさになってから、はたしてそれは滄州にすむ隠者がおこしていた仕業であるとわかった。隠者には酒である、そこで酒を買い、肴をいれた皿をさげ持ち、粟飯を用意して訪ねたのだ。
半酣更發江海聲、客愁頓向杯中失。

黄山に宿をとったわたしは、碧の谷川の月を見ていたが、酒が半ばまわってくると、かれはさらにまた、自由なうた声を響かせうならせはじめた。その歌を耳にすると、旅の愁がいっぺんに、琴の手を頓挫して、杯の中にむかって消え失せさせてくれた。 


夜黄山に泊して殷十四の呉吟を聞く

昨夜 誰か呉会の吟を為す、風は万壑(ばんがく)に生じて 空林に振う。

竜は驚いて敢て水中に臥さず、猿は嘯いて時に聞く巌下の音。

我は宿す黄山碧渓(へきけい)の月、之を聴いて却って罷む 松間の琴。

朝来 果して是れ 滄洲の逸、酒をい盤を提げ 霜栗を飯す。

半酣 更に発す 江海の声、客愁 頓(とみ)に杯中に向って失す

56moon


夜泊黄山聞殷十四呉吟 現代語訳と訳註
(本文)

昨夜誰爲具會吟、風生萬壑振空林。
龍驚不敢水中臥、猿嘯時間巌下音。
我宿黄山碧渓月、聴之却罷松間琴。
朝来果是滄州逸、酤酒提盤飯霜栗。
半酣更發江海聲、客愁頓向杯中失。

(下し文)
昨夜 誰か呉会の吟を為す、風は万壑(ばんがく)に生じて 空林に振う。
竜は驚いて敢て水中に臥さず、猿は嘯いて時に聞く巌下の音。
我は宿す黄山碧渓(へきけい)の月、之を聴いて却って罷む 松間の琴。
朝来 果して是れ 滄洲の逸、酒を酤い盤を提げ 霜栗を飯す。
半酣 更に発す 江海の声、客愁 頓(とみ)に杯中に向って失す

(現代語訳)
ある夜、黄山に泊って殷兄弟順の十四番目の呉歌を吟じたのを聞いいた。
ゆうべ、呉の地方の歌曲をうたっていたのは誰だったのか。風が谷という谷に吹き荒れ、葉を落しきった林に吹いたのだ。
隠れ、寝ていた竜はびっくりして目をさまし、じっと寝ていることができなかった。猿の寂しいけど鋭いなき声が、時をおいて何度も、岩の下から聞こえてきた。
けさになってから、はたしてそれは滄州にすむ隠者がおこしていた仕業であるとわかった。隠者には酒である、そこで酒を買い、肴をいれた皿をさげ持ち、粟飯を用意して訪ねたのだ。
黄山に宿をとったわたしは、碧の谷川の月を見ていたが、酒が半ばまわってくると、かれはさらにまた、自由なうた声を響かせうならせはじめた。その歌を耳にすると、旅の愁がいっぺんに、琴の手を頓挫して、杯の中にむかって消え失せさせてくれた。 


(訳注)
夜泊黄山聞殷十四呉吟

ある夜、黄山に泊って殷兄弟順の十四番目の呉歌を吟じたのを聞いいた。
黄山 いまの安徽省当塗県にあり、むかし浮邱翁という者が鷄をここで飼ったと伝えられ、又の名を浮邱やまという。○殷十四 この人のくわしい事跡は不明。十四は、中国の大家族の中で、いとこをふくめた兄弟の順番を示す。殷家の十四番目の息子である。○呉吟 呉の国の歌曲。


昨夜誰爲具會吟、風生萬壑振空林
ゆうべ、呉の地方の歌曲をうたっていたのは誰だったのか。風が谷という谷に吹き荒れ、葉を落しきった林に吹いたのだ。
呉会 呉郡と会稽郡。すなわち、いまの江蘇省南部と浙江省北部。長江下流の南側、いわゆる江南の地方と蘇州と銭塘江流域、紹興がその中心地。〇万壑 万の谷。


龍驚不敢水中臥、猿嘯時間巌下音。
隠れ、寝ていた竜はびっくりして目をさまし、じっと寝ていることができなかった。猿の寂しいけど鋭いなき声が、時をおいて何度も、岩の下から聞こえてきた。
 架空の動物。水中に臥しているが、時を得て雲をよび天に昇るという。○猿嘯 猿のなき声。キァーキィーッツという鋭い声。

我宿黄山碧渓月、聴之却罷松間琴。
わたしはここ黄山に泊まった緑静かな渓谷の中で月を見て、この鳴き声を聞いていると今まで松の木の間で引いていた琴を止めてしまうほどだった。

朝来果是滄州逸、酤酒提盤飯霜栗。
けさになってから、はたしてそれは滄州にすむ隠者がおこしていた仕業であるとわかった。隠者には酒である、そこで酒を買い、肴をいれた皿をさげ持ち、粟飯を用意して訪ねたのだ。
朝来 朝になって。○滄州 東方の海上にあると信じられた仙人の島。○逸 隠者。○ 酒を買う。○飯霜栗 晩秋、霜のふる頃に熟した粟を、飯にまぜて炊く。


半酣更發江海聲、客愁頓向杯中失。
黄山に宿をとったわたしは、碧の谷川の月を見ていたが、酒が半ばまわってくると、かれはさらにまた、自由なうた声を響かせうならせはじめた。その歌を耳にすると、旅の愁がいっぺんに、琴の手を頓挫して、杯の中にむかって消え失せさせてくれた。 
江海声 自由な境涯にいる人のうた聲。長江、大海の上で気ままに歌うことを表す。○ 息に。



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