贈韋侍御黄裳 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -267

頌春00

贈韋侍御黄裳
韋黄裳侍御に贈る
太華生長松,亭亭凌霜雪。
五岳の一、華山には高い老松が生えている。男として高く聳(そび)え立って、霜や雪をしのいで強いものである。
天與百尺高,豈爲微飆折。
天により百尺もの高さを与えられたが。 どうして微風で折れるというものであるものか。
桃李賣陽艷,路人行且迷。
私とあなたの元には徳を慕て人が自然と集まって来るのであり、女はモモやスモモは、艶やかであることを売り物にする。道行く人々というものはしばしば迷うものである。 
春光掃地盡,碧葉成黄泥。
万物が芽吹き育つ春の日ざしの気節というものは、いつかは地を払ってすっかりなくなるのだ。美しくみずみずしい緑色の葉であったものも、やがて落ちて大地の黄色い泥、人も塵泥となるものなのだ。 
願君學長松,慎勿作桃李。
お願いしたい、あなたは高い松の木が大きくなるまでにどれほどの時間を経ているかということを学んでほしい。どうか本来のモモやスモモであってほしいが、表面の美しさだけを追い求めるということだけは慎んでほしい。
受屈不改心,然後知君子。
屈辱を受け、無実の罪を冤(こうむ)ることがあったのですが心を変えることなかった。そういう試煉を経てみると、君子というものの値打ちが分かるのだ。

韋侍御黄裳に贈る       

太華に 長松 生じ,亭亭として 霜雪を 凌(しの)ぐ。
天  百尺(ひゃくせき)の高さを 與ふるも,豈(あ)に  微飆(びべう)の爲に 折れんや。
桃李 陽艷を 賣り,路人 行きて且(まさ)に 迷はんとす。
春光 地を 掃(は)き 盡(つ)くさば,碧葉  黄泥と成る。
願はくは 君 長松に學びて,慎(つつし)みて 桃李と作(な)る勿(なか)れ。
屈を 受くれども 心を 改めず,然(しか)る後に 君子なるを知る。


rika03


贈韋侍御黄裳 現代語訳と訳註
(本文)
贈韋侍御黄裳
太華生長松,亭亭凌霜雪。
天與百尺高,豈爲微飆折。
桃李賣陽艷,路人行且迷。
春光掃地盡,碧葉成黄泥。
願君學長松,慎勿作桃李。
受屈不改心,然後知君子。


(下し文) 韋侍御黄裳に贈る       
太華に  長松 生じ,亭亭として  霜雪を 凌(しの)ぐ。
天  百尺(ひゃくせき)の高さを 與ふるも,豈(あ)に  微飆(びべう)の爲に 折れんや。
桃李  陽艷を 賣り,路人  行きて 且(まさ)に 迷はんとす。
春光  地を 掃(は)き 盡(つ)くさば,碧葉  黄泥と 成る。
願はくは 君  長松に學びて,慎(つつし)みて  桃李と 作(な)る勿(なか)れ。
屈を 受くれども  心を 改めず,然(しか)る後に  君子なるを知る。


(現代語訳)
韋黄裳侍御に贈る
五岳の一、華山には高い老松が生えている。男として高く聳(そび)え立って、霜や雪をしのいで強いものである。
天により百尺もの高さを与えられたが。 どうして微風で折れるというものであるものか。
私とあなたの元には徳を慕て人が自然と集まって来るのであり、女はモモやスモモは、艶やかであることを売り物にする。道行く人々というものはしばしば迷うものである。 
万物が芽吹き育つ春の日ざしの気節というものは、いつかは地を払ってすっかりなくなるのだ。美しくみずみずしい緑色の葉であったものも、やがて落ちて大地の黄色い泥、人も塵泥となるものなのだ。 
お願いしたい、あなたは高い松の木が大きくなるまでにどれほどの時間を経ているかということを学んでほしい。どうか本来のモモやスモモであってほしいが、表面の美しさだけを追い求めるということだけは慎んでほしい。
屈辱を受け、無実の罪を冤(こうむ)ることがあったのですが心を変えることなかった。そういう試煉を経てみると、君子というものの値打ちが分かるのだ。


(訳注)
贈韋侍御黄裳

韋黄裳侍御に贈る
韋侍御黄裳 韋は姓、侍御は官職、黄裳は名。 ○侍御:天子の側に仕える官。○この作品は、韋黄裳が昇州刺史から蘇州刺史・浙西節度使となって行く時に、李白が贈ったもので、韋黄裳は落ち込んでいたのを、激励したものである。


太華生長松、亭亭凌霜雪。
五岳の一、華山には高い老松が生えている。男として高く聳(そび)え立って、霜や雪をしのいで強いものである。
太華 華山。五岳の一。陝西省華県の西、渭南県の東、長安と洛陽の間に聳(そび)える高峰。大華山。西岳。 ○ 生(は)えている。 ○長松 老松。大きくなった松。贈る韋黄裳を男性の象徴としての意味をもつ者。○亭亭 高く聳(そび)え立つさま。また、遠く遥かなさま。ここでは、前者の意。 ○ おしのける。しのぐ。 ○霜雪 霜と雪。霜や雪。厳しく困難な環境の譬喩。


天與百尺高、豈爲微飆折。
天により百尺もの高さを与えられたが。 どうして微風で折れるというものであるものか。
 天(が)。造物主(が)。神(が)。生まれながら(に)。 ○与える。 ○百尺 とても高い表現。25~30メートル程の高さ。○豈爲 どうして…のこととなろうか。 ○微飆 微風。


桃李賣陽艷、路人行且迷。
私とあなたの元には徳を慕て人が自然と集まって来るのであり、女はモモやスモモは、艶やかであることを売り物にする。道行く人々というものはしばしば迷うものである。 
桃李 モモとスモモ。モモやスモモ。「桃李不言、下自成渓。」(桃李言わざれども下自ずから蹊を成す』
桃や李(すもも)は何も言わないが、花の美しさに惹かれて多くの人が集まってくるから、木の下には自然と道ができる。徳望のある人のところには、自(みずか)ら求めなくても、その徳を慕て人が自然と集まって来ることの喩え。と同時に女性の象徴としての意味もかけている。 ○ 宣伝する。売り物にする。ひけらかす。得意になる。 ・陽艷 うわべが艶(あで)やかである。派手やかである。○路人 道行く人。往来する人。行人。赤の他人。 ○しようとする。まさに…んとす。同時進行を表す。かつ。短時間を表す。しばし。ここでは、最前者の意。 


春光掃地盡、碧葉成黄泥。
万物が芽吹き育つ春の日ざしの気節というものは、いつかは地を払ってすっかりなくなるのだ。美しくみずみずしい緑色の葉であったものも、やがて落ちて大地の黄色い泥、人も塵泥となるものなのだ。 
春光 万物が芽吹き育つ春の日ざし。春の風光。暖かい春の景色。 ○掃地 すっかりなくなる。地を払う。○ しつくす。すっかり。○碧葉 緑色の(美しくみずみずしい)葉。 ○ …となる。ここでは、葉が散って、腐葉土となること。 ○黄泥 大地の黄色い泥。人も塵と化すことを示す。


願君學長松、慎勿作桃李。
お願いしたい、あなたは高い松の木が大きくなるまでにどれほどの時間を経ているかということを学んでほしい。どうか本来のモモやスモモであってほしいが、表面の美しさだけを追い求めるということだけは慎んでほしい。
願君 あなたにお願いするが、(あなたは)…。○慎勿 どうか…しないようにしていただきたい。慎んで……なかれ。 ○(…と)なる。 ○桃李 ここでは、陽艷で浮華の物として使われている。


受屈不改心、然後知君子。
屈辱を受け、無実の罪を冤(こうむ)ることがあったのですが心を変えることなかった。そういう試煉を経てみると、君子というものの値打ちが分かるのだ。
受屈 いじめられる。虐待を受ける。屈辱を受ける。無実の罪を冤(こうむ)る。 ○不改心 心を変えない。「受屈不改心,然後知君子」前出『論語』子罕篇の「歳寒,然後知松柏之後凋也」。 ○然後 そうした後。 ○君子 立派な人士。自分が仕えたいと願える人物。 



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