答湖州迦葉司馬問白是何人 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -271

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答湖州迦葉司馬問白是何人

青蓮居士謫仙人。 酒肆藏名三十春。
湖州司馬何須問。 金粟如來是後身。

 

青蓮(せいれん)居士(こじ)謫仙人(たくせんにん)、 酒肆(しゅし) 名を藏すること三十春(さんじゅうしゅん)。
湖州(こしゅう)の司馬 何ぞ問いを須いん、金粟(こんぞく)如來(にょらい)是れ身を後にす。

 

 

答湖州迦葉司馬問白是何人 現代語訳と訳註

(本文)
青蓮居士謫仙人。 酒肆藏名三十春。
湖州司馬何須問。 金粟如來是後身。

 

(下し文)

青蓮(せいれん)居士(こじ)謫仙人(たくせんにん)、 酒肆(しゅし) 名を藏すること三十春(さんじゅうしゅん)。
湖州(こしゅう)の司馬 何ぞ問いを須いん、金粟(こんぞく)如來(にょらい)是れ身を後にす。

 

(現代語訳)
湖州の迦葉司馬が「李白はどんな人物か」とたずねたのに答える。
仏教を勉強して青蓮居士と名乗り、道教を勉強して道士となり賀知章公から謫仙人と称せられた、酒場にて酒を飲むこと三十度春の新酒を飲んでおり、その名で蔵ができるほどだ。
湖州の司馬どのは、わざわざわたしに問われてなんとされるのか、金粟如来の生まれかわり、維摩居士こそ、このわたくしであるように、いい米が実ってくれれば、いいお酒ができるというもので、もっと本質を見る勉強をなされよ。

 

(訳注)
答湖州迦葉司馬問白是何人

湖州の迦葉司馬が「李白はどんな人物か」とたずねたのに答える。
湖州 現在の浙江省呉興。1981年、呉興県を廃止して湖州市に併せる。唐代には、湖州とも呉輿とも呼ばれていた。戦国時代の楚考烈王15年(紀元前248年)、楚国の春申君(楚の相の敬称)黄歇が封ぜられ城を築き、菰城と名付ける(菰が多い為)。下菰城とも。○迦葉司馬 -「迦葉」という姓の司馬。摩訶迦葉(まかかしょう)「頭陀第一」と讃えられる仏教教団の重鎮。釈迦亡き後の教団を指導した。釈迦の弟子中「迦葉」の名を持つ者は多く、また各々それなりに軽からざる人物である。例えば、成道前からの修行仲間にして最初の仏弟子の1人である十力迦葉。或いは、釈迦に随従することになる出家の弟子1250人の内、実にその1000人を率いてそっくり入信した迦葉3兄弟、即ち優楼頻螺(うるびんら)迦葉・伽耶(がや)迦葉・那提(なだい)迦葉 等。 しかしそれらの迦葉に比べても彼の功績はずば抜けて偉大である為、特にその名に「摩訶」(「大」の意)を冠して「摩訶迦葉」と呼び慣わす。ここの「迦葉」は、それを姓とする中国人は、インドからの帰化人を遠祖とするとされている。(宋、鄭樵『通志』巻二十九「諸方復姓」)。「司馬」 は、刺史・長史に次ぐ州の属官。科挙に及第したてで配属されていることが多い。この詩は、たずねたのが「迦葉司馬」という仏教を連想させる姓の役人だったので、結句において「金粟如來の後身」という仏教的な人間として自分を説明したもの。
 

青蓮居士謫仙人。 酒肆藏名三十春。
仏教を勉強して青蓮居士と名乗り、道教を勉強して道士となり賀知章公から謫仙人と称せられた、酒場にて酒を飲むこと三十度春の新酒を飲んでおり、その名で蔵ができるほどだ。
青蓮居士 李白の自称。李白の出身地が蜀の「青蓮郷」だったから、ともいわれるがそれだけでは李白に人間的深まりがなくなる。・「青蓮」は水蓮の一種。仏典では白蓮華、紅蓮華、青蓮華、黄蓮華があり、このうち青蓮華と黄蓮華がスイレンと言われている。仏典に頻出して、仏の眼に喩えられるものである。また、阿弥陀如来立像の蓮台というように仏像の台に出てくるようになる。・「居士」は、在家の仏教信徒。ここでは、釈迦の弟子維摩詰居士を連想した表現。○謫仙人 天上界から人間界に流涌(左遷)されてきた仙人。李白にとってきわめて重要な意味をもつ別称。 神仙にたとえられるような非凡な才能をもった人。道教からの評価、詩人としても最大の評価といえる。李白の詩才をほめて使っている。李白『對酒憶賀監其一』「長安一相見,呼我謫仙人。」(長安に 一たび相ひ見(まみ)え,我を謫仙人と呼ぶ。) 
○酒肆 酒を飲ませる店。酒場。李白『金陵酒肆留別』、『少年行』など。○ ここでは、収蔵し、とどめる、の意。酒を貯蔵する蔵と掛けて名を収蔵する酒に喩えて。○三十春 ただ、三十回春を迎えてきたというだけでなく、この句の初めの「酒」、「蔵」、「春」と言う意味から、この春には新豊の春の一番の酒を表している。酒を楽しむものの至福の時なのだ。王維『少年行』 「新豊の美酒 斗十千咸陽の遊侠 少年多し」、風雨』 李商隠など数多くの詩人が新豊の美酒を詠っている。李白の詩は、掘り下げれば、奥が深いものなのだ。それは、短い詩ばかり読んでいてはわからないことが多いということなのだ。

李白『楊叛兒



湖州司馬何須問。 金粟如來是後身。
湖州の司馬どのは、わざわざわたしに問われてなんとされるのか、金粟如来の生まれかわり、維摩居士こそ、このわたくしであるように、いい米が実ってくれれば、いいお酒ができるというもので、もっと本質を見る勉強をなされよ。
何須 なんとなす。必要がない。・「不須」もちいずの類語。○金葉如来 - 維摩居士の前身。金菜如来がこの世に来化して維摩居士になったとされる。ここでは実った稲穂を指すものと思 われ、それによってうまい酒が作られることの比喩という意味を含む。○後身 生まれかわり。「前身」 の対語。仏教説話としては、「金栗如来の後身」は「維摩居士」 であり、いいお米の生まれ変わりはいいお酒なのだ。

 

解説

○韻字 人・春・身。


30年酒を飲んできたことの結論である。勉強しつつも今を喜び、今を楽しく生きていても自分のみに勉強の積重ねはなされているものだ。量から質への変化を成しているのであるから、見た目だけの判断、聞いてわかろうとするものではないということを教えたものである。自らの勉学の深さ、高さによって物事は見るものである。見てわからないから、聞いてわかろうとする、科挙及第間もない若者に教えたのであろうと思われる詩である。詩人は、苦労している、それも並みのものではない。苦労が多ければ多いほど、その一字一句が味わい深いものとなっている。



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