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猛虎行 陸機 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -274 |
猛虎行#2 陸機 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -275 |
猛虎行 #1 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -268 |
父が亡くし、兄が死んででも守ろうとした祖国、その祖国を滅ぼした国に仕えるときの気持ちをしにしたものである。
故国にいる間は同郷の士に畏れられていたが、晋に仕え始めてからは呉出身の人士のリーダー的存在となっている。
儒学に親しみ、礼に外れることはなかったという。また、相当に負けん気の強い人物であったらしく、たびたび晋の官人と衝突している。それが、彼の不運な最期を招いたのかもしれない。
「猛虎行」その内容から、晋に仕官し始めてからの作で、敵のもとに仕える心情を詠っている。
李白の「猛虎行」はこの詩にイメージを借りているので、李白の詩の前に掲載することとした。儒学に嫌気を持っていた李白、李白の猛虎行は偽作とされている根拠が陸機の詩にあるのだろうか。
猛虎行
渇不飲盗泉水、熱不息悪木陰。
孔子はのどが渇いても、「盗泉」という名の泉の水は飲まず、どんなに熱くとも、「悪木」という名の木の下には休まない。
悪木豈無枝、志士多苦心。
「悪木」に日よけとなる枝がないわけではないが、 志の高きものはあれこれと思い悩むものである。
整駕肅時命、杖策將尋遠。
馬車を整えて、時の帝の命令を頂き、 馬にまたがり、鞭を手にして、いざこれより遠き敵のもとへすすんでいくのだ。
飢食猛虎窟、寒栖野雀林。」
今は、自分の考えとは違うことである猛虎のすむ洞窟に飢えたときには食を求め、寒い時には野雀の住む林にも泊まるような、何が正義かわからないいくさにかかわっている。
日歸功未建、時往歳載陰。-#1
こんなことをしていて日々は過ぎてゆくが、いまだに何の功績もないのだ、時はさらに流れ、もう年が暮れてしまう時期になった。
崇雲臨岸駭、鳴條随風吟。
靜言幽谷底、長嘯高山岑。
急絃無懦響、亮節難爲音。
人生誠未易、曷云開此衿。
眷我耿介懐、俯仰愧古今。」-#2
○韻 陰、心、遠、林/建、陰、吟、岑、音、衿、今
猛虎の行(うた)
渇すれども盗泉の水を飲まず、熱けれど悪木の陰に息(いこ)わず。
悪木には豈(あ)に枝なからんや、志士は苦心多し。
駕を整えて時命を肅(つつし)み、杖(むち)を取りてまさに遠く尋ねんとす。
飢えては猛虎の窟(あな)に食らい、寒ければ野雀の林に栖(す)む。
日歸(おもむ)いて功は未だ建たず、時往(ゆ)いて歳は載(すなわ)ち陰(く)る。
#2
崇雲(しゅううん)は岸に臨みて駭(おどろ)き、鳴條(めいじょう)は風に従って吟ず。
靜言(せいげん)す幽谷の底、長嘯(ちょうしょう)す高山の岑(みね)。
急絃には懦響(だきょう)無く、亮節(りょうせつ)には音を為し難し。
人生は誠に未だ易からず、曷(いずく)んぞ云(ここ)に此の衿を開かん
我が耿介(こうかい)の懐(おもい)を眷(かえり)み、俯仰して古今に愧(は)ず。
猛虎行 現代語訳と訳註
(本文)
渇不飲盗泉水、熱不息悪木陰。
悪木豈無枝、志士多苦心。
整駕肅時命、杖策將尋遠。
飢食猛虎窟、寒栖野雀林。」
日歸功未建、時往歳載陰。-#1
(下し文)
猛虎の行(うた)
渇すれども盗泉の水を飲まず、熱けれど悪木の陰に息(いこ)わず。
悪木には豈(あ)に枝なからんや、志士は苦心多し。
駕を整えて時命を肅(つつし)み、杖(むち)を取りてまさに遠く尋ねんとす。
飢えては猛虎の窟(あな)に食らい、寒ければ野雀の林に栖(す)む。
日歸(おもむ)いて功は未だ建たず、時往(ゆ)いて歳は載(すなわ)ち陰(く)る。
(現代語訳)
孔子はのどが渇いても、「盗泉」という名の泉の水は飲まず、どんなに熱くとも、「悪木」という名の木の下には休まない。
「悪木」に日よけとなる枝がないわけではないが、 志の高きものはあれこれと思い悩むものである。
馬車を整えて、時の帝の命令を頂き、 馬にまたがり、鞭を手にして、いざこれより遠き敵のもとへすすんでいくのだ。
今は、自分の考えとは違うことである猛虎のすむ洞窟に飢えたときには食を求め、寒い時には野雀の住む林にも泊まるような、何が正義かわからないいくさにかかわっている。
こんなことをしていて日々は過ぎてゆくが、いまだに何の功績もないのだ、時はさらに流れ、もう年が暮れてしまう時期になった。
(訳注)
渇不飲盗泉水、熱不息悪木陰。
孔子はのどが渇いても、「盗泉」という名の泉の水は飲まず、どんなに熱くとも、「悪木」という名の木の下には休まない。
○孔子の故事の引用。そのように立派に生きたいということ。「飢えては猛虎の穴に食らい 凍えては野雀の林に栖む」より、その志に反するという悔しさを表す儒教者の教えをいう。陸機の教条的なことを示す一語といえる。
悪木豈無枝、志士多苦心。
「悪木」に日よけとなる枝がないわけではないが、 志の高きものはあれこれと思い悩むものである。
○志士多苦心 聖人を意識して、常日頃、論語を確認して悩むことを示す。
整駕肅時命 杖策將尋遠
馬車を整えて、時の帝の命令を頂き、 馬にまたがり、鞭を手にして、いざこれより遠き敵のもとへすすんでいくのだ。
○士太夫は武具をそろえ、馬を調教し、馬車を仕立てておくもの、だがそれが自己の利益のために使われることがあってはならない。
飢食猛虎窟 寒栖野雀林
今は、自分の考えとは違うことである猛虎のすむ洞窟に飢えたときには食を求め、寒い時には野雀の住む林にも泊まるような、何が正義かわからないいくさにかかわっている。
○猛虎窟 野盗盗賊のようなまねをするさま。○野雀林 雀の巢のあるはやしでやすむことは、農家や、村の中で勝手に泊まることのさまをいう。
日歸功未建 時往歳載陰
こんなことをしていて日々は過ぎてゆくが、いまだに何の功績もないのだ、時はさらに流れ、もう年が暮れてしまう時期になった。
○日歸 日が沈むことを繰り返すこと。何日も過ぎたことを言う。
○功未建 「以義建功」(義をもって功を建てる)の基本からして何らの功績をあげられて異なこと。○載陰 『神農本草』「秋冬為陰」(秋冬を陰と為す)
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