金陵聽韓侍御吹笛 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -282

李白の心は揺れ動いていた。都は叛乱軍によって、略奪はほしいまま、残忍な行為がまかり通っていたのだ。駆けつけて、なんとかしたくても、地方の県令、州知事みんな様子見をしている。どちらかを支持することを鮮明にすると、危険である。態勢を分析し、その後に態度を決めるというのが叛乱後の世情であった。

 李白は敵仙人として、叛乱軍にも知られていたから、隠れながらの様子見をせざるを得なかった。永王軍に参加をして初めて、力強い詩、立場を明確にした詩を作るのである。酒の席に招待してくれたことへのお礼の詩であろう。

金陵聽韓侍御吹笛
韓公吹玉笛、倜儻流英音。
韓公殿は宮廷音楽の玉のような笛を吹いた。志が大きく、人にすぐれ、独立自由なお方である、さすがに美しい音色は誰の耳に心地よく流れている。
風吹繞鐘山、萬壑皆龍吟。 
その音色は、吹いてきた風に乗って、金陵山を廻っている。多くの谷、奥深いたににまで、三龍の歌が吟じられ響き渡っていく。
王子停鳳管、師襄掩瑤琴。
王朝門閥貴族の王子が鳳笙を吹くのをやめ、魯国の琴の名演奏家、師襄でさえも瑤琴を布で覆い隠していまうほどの音色なのである。
余韻渡江去、天涯安可尋。
 
その音色の余韻は、長江の流れを渡り消えていく、人の人生もこの音色のようであり響いて余韻を残すということであろう。少し気楽になってまた尋ねることにしようと思う。

金陵 韓侍御吹笛を聽く
韓公 玉笛を吹く、倜儻(てきとう) 英音 流る。
風吹 鐘山を繞る、 萬壑 皆 龍を吟ず。
王子 鳳管を停む、 師襄 瑤琴を掩く。
余韻 江を渡り去る、 天涯 安ぞ尋むべし。


宮島(1)

金陵聽韓侍御吹笛 現代語訳と訳註
(本文)

韓公吹玉笛、倜儻流英音。
風吹繞鐘山、萬壑皆龍吟。
王子停鳳管、師襄掩瑤琴。
余韻渡江去、天涯安可尋。

(下し文)
公 玉笛を吹く、倜儻(てきとう) 英音 流る。
風吹 鐘山を繞る、 萬壑 皆 龍を吟ず。
王子 鳳管を停む、 師襄 瑤琴を掩く。
余韻 渡江して去る、 天涯 安じて尋るべし。

(現代語訳)
韓公殿は宮廷音楽の玉のような笛を吹いた。志が大きく、人にすぐれ、独立自由なお方である、さすがに美しい音色は誰の耳に心地よく流れている。
 その音色は、吹いてきた風に乗って、金陵山を廻っている。多くの谷、奥深いたににまで、三龍の歌が吟じられ響き渡っていく。
王朝門閥貴族の王子が鳳笙を吹くのをやめ、魯国の琴の名演奏家、師襄でさえも瑤琴を布で覆い隠していまうほどの音色なのである。
その音色の余韻は、長江の流れを渡り消えていく、人の人生もこの音色のようであり響いて余韻を残すということであろう。少し気楽になってまた尋ねることにしようと思う。

(訳注)
韓公吹玉笛。 倜儻流英音。

韓公殿は宮廷音楽の玉のような笛を吹いた。志が大きく、人にすぐれ、独立自由なお方である、さすがに美しい音色は誰の耳に心地よく流れている。
玉笛 きれいに輝いている笛。漢の王朝で作曲された宮廷音楽という意味。○倜儻 志が大きく、人にすぐれ、独立自由であること。○英音 美しい音色。・英:はなぶさ。特に実をつけない花。 優れている、美しい。叡および穎の代用字としても用いる。


風吹繞鐘山。 萬壑皆龍吟。
その音色は、吹いてきた風に乗って、金陵山を廻っている。多くの谷、奥深いたににまで、三龍の歌が吟じられ響き渡っていく。
鐘山 金陵の東の郊外にある紫金山(鍾山)を金陵山と呼ぶところから生まれた。-現在の南京市の雅名。李白は特にこの名を愛用している。金陵 現在の南京市。六朝の古都。南朝の各朝の首都。金陵、建業、建、建康、南京。戦国時代の楚の威王が金を埋めて王気を鎮めたことによる。○龍吟 呉と楚と秦の三国がここ金陵の地で戦ったことを「三龍紛戦争」ということで詠う。


王子停鳳管。 師襄掩瑤琴。
王朝門閥貴族の王子が鳳笙を吹くのをやめ、魯国の琴の名演奏家、師襄でさえも瑤琴を布で覆い隠していまうほどの音色である。
鳳管 笙笛のこと。管楽器の一。匏(ほう)の上に17本の長短の竹管を環状に 立てたもので、竹管の根元に簧(した)、下方側面に指孔がある。 匏の側面の吹き口から吹いたり吸ったりして鳴らす。 笙の笛。鳳笙(ほうしょう)。 ○師襄 魯国の琴の名演奏家、師襄のこと。


余韻渡江去。 天涯安可尋。
その音色の余韻は、長江の流れを渡り消えていく、人の人生もこの音色のようであり響いて余韻を残すということであろう。少し気楽になってまた尋ねることにしようと思う。


李白が江南で書いた同じイメージを持つ歌がある。
聽胡人吹笛 李白 ・参考

(本文)
胡人吹玉笛。 一半是秦聲。
十月吳山曉。 梅花落敬亭。
愁聞出塞曲。 淚滿逐臣纓。
卻望長安道。 空懷戀主情。

(下し文)
胡人(こじん)  玉笛(ぎょくてき)を吹く、一半は是(こ)れ秦声(しんせい)。
十月  呉山(ござん)の暁(あかつき)、梅花  敬亭(けいてい)に落つ。
愁えて出塞(しゅっさい)の曲を聞けば、涙は逐臣(ちくしん)の纓(えい)に満つ。
却(かえ)って長安の道を望み、空しく主(しゅ)を恋うるの情を懐(いだ)く。

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