越中秋懷 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -283
越中に行っているときの詩と思われるものに「越中秋懐」がある。

李白の足跡5

越中秋懷
越水繞碧山。 周回數千里。
越中の水域、金陵、廬山、黄山、宣城、会稽、など、長江下流域、銭塘江の流域の緑濃き山をめぐり歩いた、その巡り歩いた距離は、数千里にもなるだろう。
乃是天鏡中。 分明畫相似。
この地方の長江の流れ、湖こそは、月が影を落とし、天を映して自分の風流にあたって満足させる。又、明らかなことは、絵の描かれた景色に似ていることである。
愛此從冥搜。 永懷臨湍游。
わたしはこの地を愛してやまないそして、静かな隠遁のできる所をさがす、長い間その静かな場所、臨湍で遊ぶことを思っているのだ。
一為滄波客。 十見紅蕖秋。 」
一度、旅人としてここの仙界の様な海の波を見てからというもの、もう十度も秋の赤い蓮の花の咲くのを見たことになる。
觀濤壯天險。 望海令人愁。
また、海の波涛が天に届くかのようなこともある、ここに来て海を眺めると人は愁いに浸ってしまうのだ。
路遐迫西照。 歲晚悲東流。
旅路のはるかに長いこの路を西日が焦がしている、もう今年も終わりそうだ人生も川の流れが東流するのと同じように流れていくのだ。
何必探禹穴。 逝將歸蓬丘。
どうして、古代の禹帝の埋葬先を探さないといけないのだろうか、それより仙人の棲むとされる蓬莱山の丘に帰るのがいいのだ。
不然五湖上。 亦可乘扁舟。」

そうでなければ、越中の五大湖の上にただ一槽の船でもいいから浮かべている方が良いのである。

越水 碧山を繞る。 周回すること數千里。
是れ乃ち天鏡に中(あた)る、分明 相い似ること畫なり。
此を愛して 從って冥を搜し、永く臨湍に游ぶこと懷う
一たび滄波の客と為し、十たび紅蕖の秋を見る。
濤を觀ること 天に壯じて 險し、海を望むこと 人をして愁わしむ。
路遐(ろか) 西照に迫る、歲晚(さいばん) 東流 悲し。
何ぞ必ず 禹穴を探さん、將て蓬丘に歸らんとして逝かん。
然ずんば 五湖に上ざる、亦 扁舟に乘るべし。

 戦国時代勢力図

越中秋懷 現代語訳と訳註
(本文)
里。似。/搜、游。秋。愁。/照、流。丘。舟。
越水繞碧山、周回數千里。
乃是天鏡中、分明畫相似。」
愛此從冥搜、永懷臨湍游。
一為滄波客、十見紅蕖秋。
觀濤壯天險、望海令人愁。」
路遐迫西照、歲晚悲東流。
何必探禹穴、逝將歸蓬丘。
不然五湖上、亦可乘扁舟。」

(下し文)
越水 碧山を繞る。 周回すること數千里。
是れ乃ち天鏡に中る。 分明 相い似ること畫なり。」
此を愛して 從って冥を搜し。 永く臨湍に游ぶこと懷う
一たび滄波の客と為し。 十たび紅蕖の秋を見る。
濤を觀ること 天に壯じて 險し。海を望むこと 人をして愁わしむ。」
路遐(ろか) 西照に迫る。 歲晚(さいばん) 東流 悲し。
何ぞ必ず 禹穴を探さん。將て蓬丘に歸らんとして逝かん。
然ずんば 五湖に上ざる。 亦 扁舟に乘るべし。」


(現代語訳)
越中の水域、金陵、廬山、黄山、宣城、会稽、など、長江下流域、銭塘江の流域の緑濃き山をめぐり歩いた、その巡り歩いた距離は、数千里にもなるだろう。
この地方の長江の流れ、湖こそは、月が影を落とし、天を映して自分の風流にあたって満足させる。又、明らかなことは、絵の描かれた景色に似ていることである。
わたしはこの地を愛してやまないそして、静かな隠遁のできる所をさがす、長い間その静かな場所、臨湍で遊ぶことを思っているのだ。
一度、旅人としてここの仙界の様な海の波を見てからというもの、もう十度も秋の赤い蓮の花の咲くのを見たことになる。
また、海の波涛が天に届くかのようなこともある、ここに来て海を眺めると人は愁いに浸ってしまうのだ。
旅路のはるかに長いこの路を西日が焦がしている、もう今年も終わりそうだ人生も川の流れが東流するのと同じように流れていくのだ。
どうして、古代の禹帝の埋葬先を探さないといけないのだろうか、それより仙人の棲むとされる蓬莱山の丘に帰るのがいいのだ。
そうでなければ、越中の五大湖の上にただ一槽の船でもいいから浮かべている方が良いのである。


(訳注)
越水繞碧山。 周回數千里。

(越水 碧山を繞る。 周回すること數千里。)
越中の水域、金陵、廬山、黄山、宣城、会稽、など、長江下流域、銭塘江の流域の緑濃き山をめぐり歩いた、その巡り歩いた距離は、数千里にもなるだろう。
越水 春秋時代の越の国、杭州を中心にして、金陵、廬山、黄山、宣城、会稽、など、長江下流域、銭塘江りゅうき流域を示す。○碧山 緑豊かな山であるが、李白は憧れを込めて、仙人の里という意味で「碧」を使っている。○ 周回 前句の越水の地域を周回すること。○數千里 直線距離でないため実際の距離でなく沢山の距離を示す。。


乃是天鏡中。 分明畫相似。
(是れ乃ち天鏡に中る、分明 畫 相い似たり。)
この地方の長江の流れ、湖こそは、月が影を落とし、天を映して自分の風流にあたって満足させる。又、明らかなことは、絵の描かれた景色に似ていることである。
乃是 乃は判断、断定を強調する。これこそ~である。○天鏡 天の鏡の意味から、月を指す。あるいは、湖を指す。ここでは、鏡湖、西湖などであろう。○分明の用語解説 - [名・形動](スル)《古くは「ふんめい」とも》 1 他との区別がはっきりしていること。あきらかなこと。また、そのさま。ぶんみょう。「―な事実」 2 明らかになること。


愛此從冥搜。 永懷臨湍游。
(此を愛して 從って冥を搜し、永く臨湍に游ぶこと懷う。)
わたしはこの地を愛してやまないそして、静かな隠遁のできる所をさがす、長い間その静かな場所、臨湍で遊ぶことを思っているのだ。
臨湍 かって隋の時代に存在した湖南省、浙江省にの県名、地方の名前。


一為滄波客。 十見紅蕖秋。 」
(一たび滄波の客と為し。 十たび紅蕖の秋を見る。」)
一度、旅人としてここの仙界の様な海の波を見てからというもの、もう十度も秋の赤い蓮の花の咲くのを見たことになる。
滄波 水の青さ・清らかさを李白は滄海をイメ―ジして使う。『古風 其十二』。隠遁を意識した語。仙境に至るまでの蒼海に釣り糸を垂れるという意味の使い方をする。○紅蕖 紅色の蓮のはな。


觀濤壯天險。 望海令人愁。
(濤を觀ること 天に壯じて 險し、海を望むこと 人をして愁わしむ。)
また、海の波涛が天に届くかのようなこともある、ここに来て海を眺めると人は愁いに浸ってしまうのだ。


路遐迫西照。 歲晚悲東流。
(路遐(ろか) 西照に迫る、歲晚(さいばん) 東流 悲し。)
旅路のはるかに長いこの路を西日が焦がしている、もう今年も終わりそうだ人生も川の流れが東流するのと同じように流れていくのだ。
路遐 旅路の長いこと。。○東流 東が下流で流れ去る、消えていくこと、中國の川の流れは、東に向かって流れるものであり、常識であることの意味でつかわれる。


何必探禹穴。 逝將歸蓬丘。
(何ぞ必ず 禹穴を探さん、將て蓬丘に歸らんとして逝かん。)
どうして、古代の禹帝の埋葬先を探さないといけないのだろうか、それより仙人の棲むとされる蓬莱山の丘に帰るのがいいのだ。
禹穴 禹が皇帝になった後、“巡守大越(見守り続けた大越)”ここで病死してしまったため、会稽山の麓に埋葬した。禹陵は古くは、禹穴と呼ばれ、大禹の埋葬地となった。大禹陵は会稽山とは背中合わせにあり、前には、禹池がある。○蓬丘 蓬莱山の丘。仙界の丘を指すし、隠遁をしめしている。


不然五湖上、亦可乘扁舟。」
(然ずんば 五湖に上ざる。 亦 扁舟に乘るべし。)
そうでなければ、越中の五大湖の上にただ一槽の船でもいいから浮かべている方が良いのである。
扁舟 小さな舟。小舟。『東武吟』、『古風五十九首 第十八』、『把酒問月』、『宣州謝朓樓餞別校書叔雲』、『秋登宣城謝眺北楼』などあるが、李白の憧れとして詩の終わりに使い結んでいる。

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越中」の美しい風景を歌い、紅色の蓮花を見ることすでに十度、浙江の海を望んで波を見て、壮大な景色を味わっているが、やはり歳月の移りゆくのを悲しんでいる。
そして終わりに、仙境に行きたいがそれは難しく、それより江湖に扁舟を浮かべて、人知れずどこかに行ってしまうほうがよいかもしれぬ、と歌っている。安禄山の乱のために、政治参加への希望をどう変えていくのか悶々の日々の詩である。李白は、刻中、越中に落ち着くこともなく、また旅に出る。永王鄰への参加には並々ならぬ決意が必要だったのだ。



隠遁で「扁舟」を浮かべて暮らしたいと願う詩である。
さらば長安よ「東武吟」 (出東門后書懷留別翰林諸公 )  李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白180』、

古風五十九首 第十八 李白

李白 97 把酒問月』、
李白 66 宣州謝朓樓餞別校書叔雲』、
李白68秋登宣城謝眺北楼 李白69久別離 李白70估客行

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