早春寄王漢陽 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -284
早春寄王漢陽
早春に王漢陽に寄せる。
聞道春還未相識、走傍寒梅訪消息。
今年も春がめぐってきたと誰からともなく聞いたけれど、どこにも見あたりはしない、寒中に咲いている梅があった、春のたよりをたずねてみるにはその木の傍に寄ってみることなのだ。
昨夜東風入武昌、陌頭楊柳黃金色。
ゆうべも、東の春風は、もう武昌に入って、大道の町角の柳絮やこがね色柳の芽が芽吹いたという。
碧水浩浩云茫茫、美人不來空斷腸。
碧の澄んだ水は、ひろびろとひろがっている、雲ははるかかなたまでつづいている。王君と別れるこの場には美人の芸妓が来るかと思ったがこなかった残念でたまらないことだろう。
預拂青山一片石、與君連日醉壺觴。
青い山でみつけた一つの石をきれいに払い清めて預けよう、君といっしょに連日、新種の壺酒の紐をほどいて酔いたいのだ。
早春 王漢陽に寄す
聞遠く春還ると 未だ相識らず、走って寒梅に傍うて 消息を訪う。
昨夜東風 武昌に入る、陌頭の楊柳 黄金の色。
碧水は浩浩 雲は茫茫、美人来らず 空しく断腸す。
預め払う青山一片の石、君と連日 壺觴に酔わん。
早春寄王漢陽 現代語訳と訳註
(本文) 早春寄王漢陽
聞道春還未相識、走傍寒梅訪消息。
昨夜東風入武昌、陌頭楊柳黃金色。
碧水浩浩云茫茫、美人不來空斷腸。
預拂青山一片石、與君連日醉壺觴。
(下し文) 早春 王漢陽に寄す
聞道く春還ると 未だ相識らず、走って寒梅に傍うて 消息を訪う。
昨夜東風 武昌に入る、陌頭の楊柳 黄金の色。
碧水は浩浩 雲は茫茫、美人来らず 空しく断腸す。
預め払う青山一片の石、君と連日 壺觴に酔わん。
(現代語訳)
早春に王漢陽に寄せる。
今年も春がめぐってきたと誰からともなく聞いたけれど、どこにも見あたりはしない、寒中に咲いている梅があった、春のたよりをたずねてみるにはその木の傍に寄ってみることなのだ。
ゆうべも、東の春風は、もう武昌に入って、大道の町角の柳絮やこがね色柳の芽が芽吹いたという。
碧の澄んだ水は、ひろびろとひろがっている、雲ははるかかなたまでつづいている。王君と別れるこの場には美人の芸妓が来るかと思ったがこなかった残念でたまらないことだろう。
青い山でみつけた一つの石をきれいに払い清めて預けよう、君といっしょに連日、新種の壺酒の紐をほどいて酔いたいのだ。
(訳注) 早春寄王漢陽
早春に漢陽で王に寄せる。
○王漢陽漢陽(いまの湖北省漢陽県)の県令であった王某。
聞道春還未相識、走傍寒梅訪消息。
今年も春がめぐってきたと誰からともなく聞いたけれど、どこにも見あたりはしない、寒中に咲いている梅があった、春のたよりをたずねてみるにはその木のの傍に寄ってみることなのだ。
○寒梅 寒中に咲く梅。黄梅のこと。芸妓を示すこともある。○消息たより。
昨夜東風入武昌、陌頭楊柳黃金色。
ゆうべも、東の春風は、もう武昌に入って、大道の町角の柳絮やこがね色柳の芽が芽吹いたという。
○東風 はるかぜ。○武昌湖北省武昌。漢陽のすぐ東。漢水と長江の合流するところ。○陌頭 町角。大通りの交差点の曲がり角。春風には青緑となるが黄金色は真ん中を表す語で次の聯の美人の真ん中、断腸で下半身の真ん中という意味を含んでおり、李白の遊び心十分の言い回しである。○楊柳 楊柳は男女を示す。また楊は芸妓の色町を示す語である。柳は男性であるが、細柳は女性を示す語として、つかわれる。
碧水浩浩云茫茫、美人不來空斷腸。
碧の澄んだ水は、ひろびろとひろがっている、雲ははるかかなたまでつづいている。王君と別れるこの場には美人の芸妓が来るかと思ったがこなかった残念でたまらないことだろう。
○浩浩 水のひろびろしたさま。○美人 よき人。友人にもいう。ここでは断腸という語に対しての語であるから、芸妓のことと思われる。断腸は胸のもやもやではなく下半身のもやもやをいう。
預拂青山一片石、與君連日醉壺觴。
青い山でみつけた一つの石をきれいに払い清めて預けよう、君といっしょに連日、新種の壺酒の紐をほどいて酔いたいのだ。
○醉壺觴 酒つぼとさかずき。壺酒は新酒は春の呼び声とともにある。新種の壺酒は油紙のような蓋をして黄色の紐で封印がしてある。この2句も男女の交わりを連想させる語を使用している。
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