梁甫吟 #3 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -297


#2
君不見 高陽酒徒起草中。 長揖山東隆准公。
入門不拜騁雄辯。 兩女輟洗來趨風。
東下齊城七十二。 指揮楚漢如旋蓬。
狂客落魄尚如此。何況壯士當群雄。
我欲攀龍見明主。雷公砰訇震天鼓。

#3
帝旁投壺多玉女。三時大笑開電光。
天帝のおそばには、飾り立て輝く穹女が大勢ならび、投壷のゲームをやっていた。半日のあいだ、壷に投げこむ矢がはずれるたびに、天帝が大いに笑い、イナズマの閃光があったのだ。
倏爍晦冥起風雨。閶闔九門不可通。
ピカッと光っては、忽ち暗闇となり、暴風雨がまきおこる。天に通じる御門は九重にとざされ、通りぬけることができなくなった。
以額叩關閽者怒。白日不照吾精誠。
九重の門にひたいをぶっつけて門をたたくと、門番がおこった。それからくもりではない太陽の光も、わたくしの真心を照らし出してはくれなくなった。
杞國無事憂天傾。貕貐磨牙競人肉。
むかし、杞の国の人は、何事も起らないのに、天の傾くことを憂えた。わたしも、また、杞憂をいだかざるを得ない。竊寙(せつゆ)という怪獣が、牙をみがいて、われ先に人の肉を食おうとしているというのだ。
騶虞不折生草莖。手接飛猱搏雕虎。
また、騶虞という仁獣は、生きている草の茎さえ折らないように、注意ぶかく歩いているというのに、朝廷には悪人がはびこり、善人は消極的である。これはわたしなら、飛びまわる手長猿を片手でつかみながら、片手で斑の虎をなぐり殺すことさえできるというものだ。
#4
側足焦原未言苦。智者可卷愚者豪。
世人見我輕鴻毛。力排南山三壯士。
齊相殺之費二桃。吳楚弄兵無劇孟。
亞夫咍爾為徒勞。梁甫吟。聲正悲。
張公兩龍劍。 神物合有時。
風云感會起屠釣。大人嶬屼當安之。

#2
君見ずや高陽の酒徒 草中に起り、山東の隆準公に長揖せるを。
門に入りて拝せず 雄弁を騁すれば、両女洗うことを輟めて 来って風に趨る。
東のかた斉城七十二を下す、楚漢を指揮して旋蓬の如し。
狂客落魄するも 尚お此の如し、何ぞ況んや壮士の群雄に当るをや。
我竜に攀じて明主に見えんと欲す、雷公の砰訇(ほうこう) 天鼓を震う。
#3
帝の旁に授壷して 玉女多し、三時大笑して 電光を開く。
倏燦(しゅくしゃく) 晦冥(かいめい) 風雨を起す、
閶闔(しょうこう)の九門 通ず可からず。
額を以て関を叩けば 閽者怒る、白日吾が精誠を照らさず。
杞国無事にして 天の傾くを憂う、喫給は牙を磨いて 人肉を競い。
騶虞(すうぐ)は折らず 生草の茎、手は飛猿に接して 雕虎を持ち。

#4
足を焦原に側だてて 未だ苦を言わず、智者は巻く可く愚者は豪なり。
世人我を見ること鴻毛よりも軽し、力は南山を排す三壮士。
斉相 之を殺すに二桃を費す、呉楚兵を弄して劇孟無し。
亜夫 咍爾としで徒労と為す。梁甫吟  声正に悲し。
張公の両竜剣、神物 合するに時有り。
風雲感会 屠釣を起す、大人嶬屼たらは当に之を安んずべし。

 
現代語訳と訳註
(本文) #3

帝旁投壺多玉女。三時大笑開電光。
倏爍晦冥起風雨。閶闔九門不可通。
以額叩關閽者怒。白日不照吾精誠。
杞國無事憂天傾。貕貐磨牙競人肉。
騶虞不折生草莖。手接飛猱搏雕虎。


(下し文) #3
帝の旁に授壷して 玉女多し、三時大笑して 電光を開く。
倏燦(しゅくしゃく) 晦冥(かいめい) 風雨を起す、
閶闔(しょうこう)の九門 通ず可からず。
額を以て関を叩けば 閽者怒る、白日吾が精誠を照らさず。
杞国無事にして 天の傾くを憂う、喫給は牙を磨いて 人肉を競い。
騶虞(すうぐ)は折らず 生草の茎、手は飛猿に接して 雕虎を持ち。


(現代語訳)
天帝のおそばには、飾り立て輝く穹女が大勢ならび、投壷のゲームをやっていた。半日のあいだ、壷に投げこむ矢がはずれるたびに、天帝が大いに笑い、イナズマの閃光があったのだ。
ピカッと光っては、忽ち暗闇となり、暴風雨がまきおこる。天に通じる御門は九重にとざされ、通りぬけることができなくなった。
九重の門にひたいをぶっつけて門をたたくと、門番がおこった。それからくもりではない太陽の光も、わたくしの真心を照らし出してはくれなくなった。
むかし、杞の国の人は、何事も起らないのに、天の傾くことを憂えた。わたしも、また、杞憂をいだかざるを得ない。竊寙(せつゆ)という怪獣が、牙をみがいて、われ先に人の肉を食おうとしているというのだ。
また、騶虞という仁獣は、生きている草の茎さえ折らないように、注意ぶかく歩いているというのに、朝廷には悪人がはびこり、善人は消極的である。これはわたしなら、飛びまわる手長猿を片手でつかみながら、片手で斑の虎をなぐり殺すことさえできるというものだ。

DCF00208

 
(訳注) #3
帝旁投壺多玉女。三時大笑開電光。
天帝のおそばには、飾り立て輝く穹女が大勢ならび、投壷のゲームをやっていた。半日のあいだ、壷に投げこむ矢がはずれるたびに、天帝が大いに笑い、イナズマの閃光があったのだ。
帝努授壷多玉女 帝は上帝(玄宗のこと)、天の神。天上と仙境と宮廷を同じ表現でいう場合がある。投壺は、矢を壷に投げこむ遊戯。「神異経」に「東王公が玉女と投壺をしてあそんだ。千二百本の矢を投じたが、矢が壷にうまく入ると天はすすりなき、はずれると天が笑った」とある。また、むかしの人は、雨のふらないときに、いなずまが光ると、天が笑った、と考えた。〇三時一昼夜が十二時。昼の一日が六時だから、三時は半日(現在の六時間)に当る。


倏爍晦冥起風雨。閶闔九門不可通。
ピカッと光っては、忽ち暗闇となり、暴風雨がまきおこる。天に通じる御門は九重にとざされ、通りぬけることができなくなった。
倏爍 極めて短い時間、光がひらめく。○晦瞑 くらい。○閶闔 天の門。

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以額叩關閽者怒。白日不照吾精誠。
九重の門にひたいをぶっつけて門をたたくと、門番がおこった。それからくもりではない太陽の光も、わたくしの真心を照らし出してはくれなくなった。
閽者 門番。


杞國無事憂天傾。貕貐磨牙競人肉。
むかし、杞の国の人は、何事も起らないのに、天の傾くことを憂えた。わたしも、また、杞憂をいだかざるを得ない。竊寙(せつゆ)という怪獣が、牙をみがいて、われ先に人の肉を食おうとしているというのだ。
杷国無事憂天傾「列子」に見える故事。杞という国のある人が、天がもし崩れおちるなら、身の置きどころがないと、無用の心配をし、夜も眠れず食欲もなくなった。つまり、神経疾患になった。こういった取りこし苦労を「杞憂」という語源である。○貕貐「山海経」に見える怪獣。少咸という山に獣がすみ、そのかたちは牛のごとく、体は赤く、顔は人、足は馬、名を竊寙(せつゆ)という。なき声は赤子のようで、こいつは人を食う。貕貐はすなわち竊寙である。


騶虞不折生草莖。手接飛猱搏雕虎。
また、騶虞という仁獣は、生きている草の茎さえ折らないように、注意ぶかく歩いているというのに、朝廷には悪人がはびこり、善人は消極的である。これはわたしなら、飛びまわる手長猿を片手でつかみながら、片手で斑の虎をなぐり殺すことさえできるというものだ。
騶虞 白い虎。体に黒いもようがあり、尾は胴体より長い。生きた動物を食わず、生えている草をふみつけない。想像上の仁獣である。「詩経国風上」騶虞はなさけあるけものとされ、仁徳のある君主の期待をもつ者として登場する。○手技飛操持彫虎 猿と虎と戦うことを比喩して、貧窮と疎賤の二つに対して常にたたかい、これにうちかつことだという。儒教の言葉、故事である。○焦原 山東省の莒(きょ)県の南三十六里のところに、横山と呼ばれる大きな岩があり、それが焦原である。広さ五十歩、百幅(幅は、両手を左右にひろげた幅)の深さの谷川に臨み、非常に危険な場所である。莒の国でも、これに近づこうとする者がいなかったが、一人の勇者があらわれ、後向きに歩いて崖のはしで足のかかとをそろえた。世にたたえられたが、そもそも正義ということは、この焦原のように高いものだ。そして賢者は、正義のためには、どんなに危険をおかしてでも、足のかかとを焦原の石の上にそろえるようなことをやってのけ、しかも、少しも苦痛を言わない。儒教の一節。


帝旁投壺多玉女。三時大笑開電光。
倏爍晦冥起風雨。閶闔九門不可通。
以額叩關閽者怒。白日不照吾精誠。
杞國無事憂天傾。貕貐磨牙競人肉。
騶虞不折生草莖。手接飛猱搏雕虎。


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