留別廣陵諸公 #2 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -301
3分割の2回目

この詩の内容は、二十六句ほとんど殆どすべてが李白自身の過去の生活を歴史的に叙述し反省しているものである。送別の宴を開いてくれた「広陵の諸公」に感謝してその地をあとにすることをいうもので、李白に多く見える、自らを山簡になぞらえて詠っているものである。


留別廣陵諸公
憶昔作少年,結交趙與燕。
金羈絡駿馬,錦帶橫龍泉。
寸心無疑事,所向非徒然。
晚節覺此疏,獵精草太玄。
空名束壯士,薄俗棄高賢。」#1
中迴聖明顧,揮翰淩雲煙。
わたしは世の中いろんな人物の中から、徳にすぐれて聡明な天子に三顧の礼で請われたのである、筆と墨でふるって朝廷の中で認められる存在となった。
騎虎不敢下,攀龍忽墮天。
いったん虎の背に乗ったなら、あえて降りることなどない、龍は立ち上がっていったなら天から落ちることなどないのだ。
還家守清真,孤節勵秋蟬。
家に帰ると誠心誠意を守る、一人、季節の代わりを迎える秋の蝉のようにはげむのだ。
煉丹費火石,採藥窮山川。」#2
火を炙り石を削ることに精を費やして金丹を練るのだ、山や川を極めて薬草を採取したのだ。
臥海不關人,租稅遼東田。
乘興忽復起,棹歌溪中船。
臨醉謝葛強,山公欲倒鞭。
狂歌自此別,垂釣滄浪前。」#3

#1
憶う昔 少年と作るとき,交りを結ぶ 趙と燕 。
金羈 駿馬(しゅんめ)に絡む,錦帶 龍泉 橫わる。
寸心 疑う事 無し,向う所 徒然にあらず。
晚節 此疏を覺ゆ,獵精 太玄 草す。
空名 壯士を束ね,薄俗 高賢を棄す。」

#2
中にて迴らす 聖明 顧る,翰を揮って雲煙を淩ぐ
騎虎 敢えて下らず,龍を攀げて 忽 天を墮つ。
還家 清真を守る,孤節 秋蟬 勵く。
丹を煉り 火石を費やす,藥を採る 山川を窮す。」

#3
海に臥す 人に關せず,租稅 東田に遼す。
興に乗じて忽ち復た起き、櫂歌す 渓中の船
酔うに臨みて葛強に謝し、山公は鞭を倒まにせんと欲す
狂歌して此れ自り別れ、 釣りを垂れん滄浪の前。」
宮島(3)

留別廣陵諸公 現代語訳と訳註
(本文) #2

中迴聖明顧,揮翰淩雲煙。
騎虎不敢下,攀龍忽墮天。
還家守清真,孤節勵秋蟬。
煉丹費火石,採藥窮山川。」

(下し文)#2
中にて迴らす 聖明 顧る,翰を揮って雲煙を淩ぐ
騎虎 敢えて下らず,龍を攀げて 忽 天を墮つ。
還家 清真を守る,孤節 秋蟬 勵く。
丹を煉り 火石を費やす,藥を採る 山川を窮す。」


(現代語訳)
わたしは世の中いろんな人物の中から、徳にすぐれて聡明な天子に三顧の礼で請われたのである、筆と墨でふるって朝廷の中で認められる存在となった。
いったん虎の背に乗ったなら、あえて降りることなどない、龍は立ち上がっていったなら天から落ちることなどないのだ。
家に帰ると誠心誠意を守る、一人、季節の代わりを迎える秋の蝉のようにはげむのだ。
火を炙り石を削ることに精を費やして金丹を練るのだ、山や川を極めて薬草を採取したのだ。


(訳注)#2
中迴聖明顧,揮翰淩雲煙。

中にて迴らす 聖明 顧る,翰を揮って雲煙を淩ぐ。
わたしは世の中いろんな人物の中から、徳にすぐれて聡明な天子に三顧の礼で請われたのである、筆と墨でふるって朝廷の中で認められる存在となった。
聖明  天子が徳にすぐれて聡明なこと。○ 翰墨】かんぼく. 筆と墨。 「翰墨を座右に置く」; 文学のこと。 書いたもの。文章のこと。 筆跡。 【翰林】かんりん. 学者・文人の仲間。文書の集まっている所の意から。 「学林・儒林」; 「 翰林院 ( かんりんいん ) 」1.の略


騎虎不敢下,攀龍忽墮天。
騎虎 敢えて下らず,龍を攀げて 忽 天を墮つ。
いったん虎の背に乗ったなら、あえて降りることなどない、龍は立ち上がっていったなら天から落ちることなどないのだ。
騎虎 虎(とら)の背に乗ること。『隋書』「独孤皇后伝」虎に乗った者は途中で降りると虎に食われてしまうので降りられないように、やりかけた物事を、行きがかり上途中でやめることができなくなることのたとえ。


還家守清真,孤節勵秋蟬。
還家 清真を守る,孤節 秋蟬 勵く。
家に帰ると誠心誠意を守る、一人、季節の代わりを迎える秋の蝉のようにはげむのだ。
還家 いえにかえる。○清真 清らかな眞實。○孤節 季節の変わり目。○秋蟬 夏から秋に変わる季節の移り変わりのむなしさをいう。他のものが流されていく中で、信念を貫く意味をいう。○ 励む、 はげます


煉丹費火石,採藥窮山川。」
丹を煉り 火石を費やす,藥を採る 山川を窮す。」
火を炙り石を削ることに精を費やして金丹を練るのだ、山や川を極めて薬草を採取したのだ。
煉丹 道教の隠遁者を夢見ていた李白の詩には金丹のこと、仙薬のことは50首以上多くある。時代としては、媚薬、回春薬というに対しての嫌悪というものはなかったようである。


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