孟浩然 仲夏歸漢南園,寄京邑耆舊 #1 李白「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -319
田家が緑の樹木で囲まれた幽閑な場所、林澗であることも重要な点である。孟浩然か陶淵明を慕う理由もまたここに存在している。こうした陶淵明をしたい気持ちを詠ったものが「仲夏歸漢南園,寄京邑耆舊」である。
仲夏歸漢南園,寄京邑耆舊
夏の盛りに澗南園に帰った、長安近くの邑に棲む「耆舊」によせる。
嚐讀高士傳,最嘉陶征君。
以前から「高士伝」をはじめとして隠棲した人たちの書をよく読んでいる、その中で最も忠君であった陶淵明のことが喜ばしいと思う。
日耽田園趣,自謂羲皇人。
毎日、この田園の自然に浸り趣きを感じることに耽るのである。自分で陶淵明や謝霊運のように天子に忠議する人間というのである。
予複何爲者,棲棲徒問津。
わたしは今またどうしたらよいのであろうか、隠棲して生活しているのであるが、それであってもなおかつ人生の道をたずねるのである。
中年廢丘壑,上國旅風塵。」
人生も半ばになってこうした隠棲を辞めようとしている、国の都に上がり俗人の世界に旅をしようかとしている。
忠欲事明主,孝思侍老親。歸來當炎夏,耕稼不及春。
扇枕北窗下,采芝南澗濱。因聲謝同列,吾慕潁陽真。」
仲夏 漢南園に歸る,京邑の耆舊に寄せる
#1
嘗て高士傳を讀み、最も陶徴君を嘉せり。
日び田園の趣きに耽り、自ら謂う義皇の人と。
予は復た何為る者ぞ、棲棲として徒らに津を問う。
中年にして丘壡を廢し、上國 風塵に旅す。」
#2
忠 明主に事へんと欲し、孝 老親に侍せんことを思ふ。
歸来 炎暑を冒し、耕稼 春に及ばず。
枕を扇す 北窗の下、芝を采る 南澗の濱。
聾に因りて同列に謝す、吾は穎陽の真を慕ふと。」
仲夏歸漢南園,寄京邑耆舊 現代語訳と訳註
(本文)#1
嚐讀高士傳,最嘉陶征君。
日耽田園趣,自謂羲皇人。
予複何爲者,棲棲徒問津。
中年廢丘壑,上國旅風塵。」
(下し文)
仲夏 漢南園に歸る,京邑の耆舊に寄せる
嘗て高士傳を讀み、最も陶徴君を嘉せり。
日び田園の趣きに耽り、自ら謂う義皇の人と。
予は復た何為る者ぞ、棲棲として徒らに津を問う。
中年にして丘壡を廢し、上國 風塵に旅す。」
(現代語訳)
夏の盛りに澗南園に帰った、長安近くの邑に棲む「耆舊」によせる。
以前から「高士伝」をはじめとして隠棲した人たちの書をよく読んでいる、その中で最も忠君であった陶淵明のことが喜ばしいと思う。
毎日、この田園の自然に浸り趣きを感じることに耽るのである。自分で陶淵明や謝霊運のように天子に忠議する人間というのである。
わたしは今またどうしたらよいのであろうか、隠棲して生活しているのであるが、それであってもなおかつ人生の道をたずねるのである。
人生も半ばになってこうした隠棲を辞めようとしている、国の都に上がり俗人の世界に旅をしようかとしている。
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(訳注)
仲夏歸漢南園,寄京邑耆舊
仲夏 漢南園に歸る,京邑の耆舊に寄せる
夏の盛りに澗南園に帰った、長安近くの邑に棲む「耆舊」によせる。
○仲夏 夏のなかば。また、陰暦5月の異称。中夏。○漢南園 澗南園のこと。孟浩然の『澗南園即時貽皎上人』○邑 邑里。いなか。街の郊外の田園にかこまれた数軒の家が固まったようなところ。『過故人莊』孟浩然○耆舊 「襄陽耆舊記」龐德公と劉表、諸葛孔明らと問答をまとめて書いた史書。龐德公の隠棲という雰囲気を残した丹桂遺跡が近くにある。ここでは王維のことを示唆するのではなかろうか。○耆舊 「襄陽耆舊記」龐德公と劉表、諸葛孔明らと問答をまとめて書いた史書。龐德公の隠棲という雰囲気を残した丹桂遺跡が近くにある。ここでは王維のことを示唆するのではなかろうか。
嚐讀高士傳,最嘉陶征君。
嘗て高士傳を讀み、最も陶徴君を嘉せり。
以前から「高士伝」をはじめとして隠棲した人たちの書をよく読んでいる、その中で最も忠君であった陶淵明のことが喜ばしいと思う。
○高士傳 『史記』「伯夷列伝第一」 に「甫謐高士傳云・・「許由字武仲。堯聞致天下而譲焉、乃退而遁於中嶽潁水陽、箕山之下隠。堯又召爲九州長、由不欲聞之、洗耳於穎水濱。」(皇甫謐『高士伝』に云ふ、許由、字は武仲。尭、天下を致して譲らんとするを聞き、乃ち退いて中嶽潁水の陽、箕山の下に遁れ隠る。尭、又た召して九州の長と為さんとす。由、之を聞くを欲せず、耳を潁水の浜に洗ふ。)
日耽田園趣,自謂羲皇人。
日び田園の趣きに耽り、自ら謂う義皇の人と。
毎日、この田園の自然に浸り趣きを感じることに耽るのである。自分で陶淵明や謝霊運のように天子に忠議する人間というのである。
予複何爲者,棲棲徒問津。
予は復た何為る者ぞ、棲棲として徒らに津を問う。
わたしは今またどうしたらよいのであろうか、隠棲して生活しているのであるが、それであってもなおかつ人生の道をたずねるのである。
○問津 学問の道をたずねる、人生の道をたずねる。
中年廢丘壑,上國旅風塵。」
中年にして丘壡を廢し、上國 風塵に旅す。」
人生も半ばになってこうした隠棲を辞めようとしている、国の都に上がり俗人の世界に旅をしようかとしている。
○丘壑(キウガク) おかと谷と、隱者の棲息する處。
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