盛唐詩 宿桐廬江寄廣陵舊遊 孟浩然<37> Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -347
宿桐廬江寄廣陵舊遊    孟浩然


宿桐廬江寄廣陵舊遊
桐建德(浙江省桐廬県の南)は、わたしの故郷とか寓居とするところではなく、昔出かけた廣陵の人ことを思い出して作る詩。
山暝聽猿愁,滄江急夜流。
建德附近の桐廬江一帯の山は暗くなって猿のもの悲しい鳴き声を聽きいってしまう、青々として深い銭塘江は流れが急で夜もその流れがわかる。
風鳴兩岸葉,月照一孤舟。
風は鳴り、兩岸が移動し、木の葉がゆれる。月は輝きを増し、ただ一人の旅人が孤舟にいる。
建德非吾土,維揚憶舊遊。
建德は、わたしの住まいとするところではない。維揚に昔出かけたときの人のことを思い出している。 
還將兩行涙,遙寄海西頭。

その時も泣いたが、なおまた、二筋の涙をながし、遙かに海西の青海湖のほとりのあなたの許(もと)に、この詩文を差しだそう。


桐廬江に宿して 廣陵の舊遊に寄す     
山 暝【くらく】して 猿愁を聽き,滄江【そうこう】 急ぎて夜に流る。
風は鳴る 兩岸の葉,月は照らす 一孤舟【しゅう】。
建德【けんとく】は 吾が土【と】に非ず,維揚【いよう】は 舊遊を憶ふ。
還【また】 兩行の涙を將【もっ】て,遙かに 海西【かいせい】の頭【ほとり】に寄す。


 現代語訳と訳註
(本文)
宿桐廬江寄廣陵舊遊
山暝聽猿愁,滄江急夜流。
風鳴兩岸葉,月照一孤舟。
建德非吾土,維揚憶舊遊。
還將兩行涙,遙寄海西頭。

(下し文)
桐廬江に宿して 廣陵の舊遊に寄す     
山 暝【くらく】して 猿愁を聽き,滄江【そうこう】 急ぎて夜に流る。
風は鳴る 兩岸の葉,月は照らす 一孤舟【しゅう】。
建德【けんとく】は 吾が土【と】に非ず,維揚【いよう】は 舊遊を憶ふ。
還【また】 兩行の涙を將【もっ】て,遙かに 海西【かいせい】の頭【ほとり】に寄す。


(現代語訳)
桐建德(浙江省桐廬県の南)は、わたしの故郷とか寓居とするところではなく、昔出かけた廣陵の人ことを思い出して作る詩。

建德附近の桐廬江一帯の山は暗くなって猿のもの悲しい鳴き声を聽きいってしまう、青々として深い銭塘江は流れが急で夜もその流れがわかる。
風は鳴り、兩岸が移動し、木の葉がゆれる。月は輝きを増し、ただ一人の旅人が孤舟にいる。
建德は、わたしの住まいとするところではない。維揚に昔出かけたときの人のことを思い出している。 
その時も泣いたが、なおまた、二筋の涙をながし、遙かに海西の青海湖のほとりのあなたの許(もと)に、この詩文を差しだそう。

(訳注)
宿桐廬江寄廣陵舊遊

建德(浙江省桐廬県の南)は、わたしの故郷とか寓居とするところではなく、昔出かけた廣陵の人ことを思い出して作る詩。


宿桐廬江寄廣陵舊遊
桐廬江沿い浙江省建德市に来て滞在していたが、旧友の居る広陵(江蘇省揚州市)を懐かしんで、揚州に手紙で詩を送った。731年長安での仕官活動が不調に終わった後、江浙(江淮)を旅したときの作品。
宿 宿泊する。泊まる。○桐廬江 桐江のこと。銭塘江の中流。現・浙江省桐廬県境。杭州の西南80キロメートルのところ。

宿建徳江 孟浩然 「峴山懐古」関連 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -329

 手紙で詩を贈る。○廣陵 江蘇省揚州市の旧名。「維揚」「海西頭」の指すところに同じ。○舊遊 古い交際。旧交。以前、共に遊んだことのある友だち。


山暝聽猿愁,滄江急夜流。 【首聯】
建德附近の桐廬江一帯の山は暗くなって猿のもの悲しい鳴き声を聽きいってしまう、青々として深い銭塘江は流れが急で夜もその流れがわかる。
 暗い。日が暮れる。○ 耳をすまして聞く。意識をもって、聞き耳を立てて聞く。ここは「聞」とするのもあるが、その場合は「聞こえてくる」の意。○猿愁 引き裂くように引っ張って鳴く。猿のもの悲しい鳴き声。○滄江 青い川。作者の今居るところの桐廬江を指す。○ 急な流れ。 ○夜流 夜にも流れる。夜であっても流れが見て取れるという意味自然の景色を詠ってもその中に動きのあることを表現する孟浩然の詩風である。。


風鳴兩岸葉,月照一孤舟。 【頷聯】
風は鳴り、兩岸が移動し、木の葉がゆれる。月は輝きを増し、ただ一人の旅人が孤舟にいる。
孤舟 ただ一つの舟。孤独な(人生の)旅人の形容。
秋浦歌十七首其二
秋浦猿夜愁。 黃山堪白頭。
清溪非隴水。 翻作斷腸流。
欲去不得去。 薄游成久游。
何年是歸日。 雨淚下孤舟。
前の聯から「山暝」「猿愁」「」「夜流」「風鳴」「兩岸」「葉」「月照」「一」などすべてが孤舟を強調するための語である。それでいてそれらすべてのものが動くのであり、その中に一層の小舟がいるのである。


建德非吾土,維揚憶舊遊。 【頸聯】
建德は、わたしの住まいとするところではない。維揚に昔出かけたときの人のことを思い出している。 
建德 現・浙江省建德市。○ …ではない。あらず。○吾土 わたしの居住するところ。○維揚 古代の揚州の発祥地で、江蘇省揚州市区の西部の地名。○ 思い出す。また、思う。覚える。


還將兩行涙,遙寄海西頭。 【尾聯】
その時も泣いたが、なおまた、二筋の涙をながし、遙かに海西の青海湖のほとりのあなたの許(もと)に、この詩文を差しだそう。  
なおまた。○將 …をもって。…を。○兩行涙 ふたならびの涙。二筋の涙。○遙寄 遥か遠くに手紙で詩を送る。○海西頭 唐時代、海西は「海西布」で知られるように青海湖を意味し、現在でもチベット族モンゴル族系を示す。
『黄河二首』其一「黄河北岸海西軍、推鼓鳴鐘天下聞。鐵馬長鳴不知數、胡人高鼻動成羣。」(黄河の北岸 海西の軍、鼓を推(う)ち鐘を鳴らして天下に聞ゆ。鐵馬 長鳴して數を知らず、胡人 高鼻にして動((ややも)すれば羣を成す。)―この詩では「海西」援軍を求めたウイグルの騎兵隊の軍をいう。―
黄河二首 其一 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 193

ここでは昔の友人がはるか遠き地に赴任したということとであろう。


五言律詩。【首聯】【頷聯】【頸聯】【尾聯】で構成。同じ四分割の絶句の起承転結の一線の曲折にはならない。中の【頷聯】【頸聯】については対句が絶対条件である。


 山は日か暮れて猿の悲しげな声か聞こえてくる。青黒い水を湛えた川の、夜の流れはますます急である。嵐が吹き、両岸の木々の葉をざわざわと鳴らす。空に懸かる月は、ひそやかに孤独な】岐の小舟を照らしている。建徳は我が故郷ではない、それゆえ寂しさがこみ上げてきて、揚州で別れた旧友を思わずにはいられない。我が頬を垂らす涙を川に託して、遥か青海湖の西にいる友へ思いを寄せるばかりだ。