盛唐詩 萬山潭作 孟浩然<42> Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -349
卷159_39 「萬山潭作」孟浩然

萬山潭作
垂釣坐磐石,水清心亦閑。
大きな石に座って釣糸を垂れる。水は澄み切って、静かな心地がする。
魚行潭樹下,猿掛島藤間。
この川の淵に魚は岸辺の木のもとを列をなして泳ぎ、猿は解佩渚の島の木の蔦から蔦へと飛び移る。
游女昔解佩,傳聞於此山。
漢水の女神が昔、鄭交甫に佩珠を譲り受けた。その伝え聞く話は、確かこの山ことだった。
求之不可得,沿月棹歌還。
女神が現れないかと待ってみたが、姿を見せずじまいだ。私は舟歌を口ずさみながら、月の進む方へと舟を漕いで帰っていく。


(万山潭の作)
釣を垂れて盤石に坐す、水清らかにして心も亦閑なり。
魚は行く潭樹の下、猿は掛かる島藤の間。
游女 昔 佩を解きしは、伝え聞く 此の山に於いてすと。
之を求むるも得べからず、月に沿い棹歌して還る。

55moon

現代語訳と訳註
(本文)
萬山潭作
垂釣坐磐石,水清心亦閑。
魚行潭樹下,猿掛島藤間。
游女昔解佩,傳聞於此山。
求之不可得,沿月棹歌還。


(下し文) (万山潭の作)
釣を垂れて盤石に坐す、水清らかにして心も亦閑なり。
魚は行く潭樹の下、猿は掛かる島藤の間。
游女 昔 佩を解きしは、伝え聞く 此の山に於いてすと。
之を求むるも得べからず、月に沿い棹歌して還る。

(現代語訳)
大きな石に座って釣糸を垂れる。水は澄み切って、静かな心地がする。
この川の淵に魚は岸辺の木のもとを列をなして泳ぎ、猿は解佩渚の島の木の蔦から蔦へと飛び移る。
漢水の女神が昔、鄭交甫に佩珠を譲り受けた。その伝え聞く話は、確かこの山ことだった。
女神が現れないかと待ってみたが、姿を見せずじまいだ。私は舟歌を口ずさみながら、月の進む方へと舟を漕いで帰っていく。

(訳注)
垂釣坐磐石,水清心亦閑。

大きな石に座って釣糸を垂れる。水は澄み切って、静かな心地がする。


魚行潭樹下,猿掛島藤間。
この川の淵に魚は岸辺の木のもとを列をなして泳ぎ、猿は解佩渚の島の木の蔦から蔦へと飛び移る。
魚行 仙界の魚、赤鱗を意識している。川の淵にすみ赤い鱗をもつという。梁の江淹(444-505)の別れの賦に「駟馬は仰秣を驚かし淵魚は赤燐を䵷ぐ聳ぐ。」とあり、李善注に、「伯牙瑟を鼓すれば淵魚出でて聴き、弧巴琴を鼓すれば六馬仰いで秣う。」という、漢の韓嬰の「韓詩外伝」の言葉をひいている。瓠巴は上古の楚の琴の名手。伯牙は春秋時代の琴の名手。○潭樹下 万山の下、沈碑潭。○ 解佩渚のこと。

襄陽一帯

游女昔解佩,傳聞於此山。
漢水の女神が昔、鄭交甫に佩珠を譲り受けた。その伝え聞く話は、確かこの山ことだった。
游女 漢水の神の名。文選、張衡『南都賦』「耕父揚光於清泠之淵、游女弄珠於漢皐之曲。」(耕父 光を清泠の淵に揚げ、游女 珠を漢皐之曲に弄ぶ。)○昔解佩 鄭交甫が女神から約束を反故にされた故事であり、鄭交甫は、漢水のほとりで江妃二女(長江の女神)と言葉を交わし、佩玉を貰い受けたが、数十歩あるいたところで懐の佩玉は消え失せ、女神の姿も見えなくなった(『列仙伝』)。李商隠『碧城三首』其二 。銜は鳳がくちばしにくわえることをいう。阮籍詠懐詩二首に詳しい。○傳聞 伝え聞く話


求之不可得,沿月棹歌還。
女神が現れないかと待ってみたが、姿を見せずじまいだ。私は舟歌を口ずさみながら、月の進む方へと舟を漕いで帰っていく。
求之 これを求めた。女神が現れないかと待ってみた。○沿月 月の進む方へと舟を進める。○棹歌 船頭の船こぎ歌。漢武帝『秋風辭』「横中流兮揚素波、簫鼓鳴兮發棹歌。」(中流にたわりて素波を揚げ、簫鼓鳴りて棹歌を發す。)李白留別廣陵諸公』「乘興忽復起,棹歌溪中船。興に乗じて忽ち復た起き、櫂歌す 渓中の船