登石門最高頂 謝霊運<31>#2 詩集 408  kanbuniinkai紀 頌之漢詩ブログ1041

また、『文選』の巻二十二には、「石門の最高頂に登る」が引用されている。

【名稱】登石門最高頂
【年代】南朝宋
【作者】謝靈運
【體裁】五言詩


登石門最高頂 #1
晨策尋絕壁,夕息在山棲。
疏峰抗高館,對嶺臨回溪。
長林羅戶穴,積石擁基階。
連岩覺路塞,密竹使徑迷。
來人忘新術,去子惑故蹊。』
#2
活活夕流駛,噭噭夜猿啼。
谷川の水は勢いよく音立てて夕べの流れは早く走る、騒いでいるのは夜の猿が啼いているのだ。
沈冥豈別理,守道自不攜。
心を深く瞑想していても、道理というものは、どうして別のものであるというのであろうか。その道理を大切に守って自分で離れたり、そむいたりしないようにしているのである
心契九秋榦,日玩三春荑。
心に九十日の秋の霜にも枯れぬ松柏の幹のような心の道を守ることを誓い、ここでの日々は春の三か月に咲く初花を愛で遊ぶのだ。
居常以待終,處順故安排。
平常の生活をしたままで一生を終ることができること、具象の変化に順応してことさらに心を安らかなる所に推し移っていくのである。
惜無同懷客,共登青雲梯。』

俗世を超越して仏の教えを修めようとする、私と同じ心の人がいないのが残念である。というのもこのような生きかたをして、ともに天にたなびく青雲の梯子を登りたいのだ。

(石門の最高頂に登る)#1
晨に策つきて絶壁を尋ね、夕に息いて山棲に在り。
峰を疎ちて高館を抗げ、嶺に対し廻れる渓に臨む
長き林は戸庭に羅なり、積み石は基階を擁す。
連なる巌に路の塞がるを覚え、密なる竹は径をして迷わしむ。
来たれる人は新しき術を忘れ、去る子は故蹊に惑う。』

#2
活活として夕の流は駛り、噭噭として夜猿 啼く。
沈冥 豈 理を別にせんや、道を守り自から携れず。
心に契る九秋の幹を、目は翫【よろこ】ぶ三春の荑【つばみ】。
常に居りて 以って終わりを待ち、順に処して故に安排【あんぱい】す。
惜しむらくは懐いを同じくする客の、共に青雲の梯に登る無きを。』


現代語訳と訳註
(本文)
#2
活活夕流駛,噭噭夜猿啼。
沈冥豈別理,守道自不攜。
心契九秋榦,日玩三春荑。
居常以待終,處順故安排。
惜無同懷客,共登青雲梯。』


(下し文) #2
活活として夕の流は駛り、噭噭として夜猿 啼く。
沈冥 豈 理を別にせんや、道を守り自から携れず。
心に契る九秋の幹を、目は翫【よろこ】ぶ三春の荑【つばみ】。
常に居りて 以って終わりを待ち、順に処して故に安排【あんぱい】す。
惜しむらくは懐いを同じくする客の、共に青雲の梯に登る無きを。』


(現代語訳)
谷川の水は勢いよく音立てて夕べの流れは早く走る、騒いでいるのは夜の猿が啼いているのだ。
心を深く瞑想していても、道理というものは、どうして別のものであるというのであろうか。その道理を大切に守って自分で離れたり、そむいたりしないようにしているのである
心に九十日の秋の霜にも枯れぬ松柏の幹のような心の道を守ることを誓い、ここでの日々は春の三か月に咲く初花を愛で遊ぶのだ。
平常の生活をしたままで一生を終ることができること、具象の変化に順応してことさらに心を安らかなる所に推し移っていくのである。
俗世を超越して仏の教えを修めようとする、私と同じ心の人がいないのが残念である。というのもこのような生きかたをして、ともに天にたなびく青雲の梯子を登りたいのだ。


(訳注)
活活夕流駛,噭噭夜猿啼。

谷川の水は勢いよく音立てて夕べの流れは早く走る、騒いでいるのは夜の猿が啼いているのだ。
活活 水の勢いよく流れる音。○ はやくはしる。○噭噭 声高く響く。


沈冥豈別理,守道自不攜。
心を深く瞑想していても、道理というものは、どうして別のものであるというのであろうか。その道理を大切に守って自分で離れたり、そむいたりしないようにしているのである。
沈冥 心を深く潜めて暗く閉じる。沈黙して心を外に表わさない。○豊別理 どうしてほかに道理があろうか。○不備 離れない。


心契九秋榦,日玩三春荑。
心に九十日の秋の霜にも枯れぬ松柏の幹のような心の道を守ることを誓い、ここでの日々は春の三か月に咲く初花を愛で遊ぶのだ。
九秋榦 九十日の秋の霜にも変わらぬ松柏の幹のように道心堅固であること。九秋【きゅうしゅう】1 秋の90日間のこと。2秋にちなむ9種の風物。秋山・秋境・秋城・秋樹・秋燕・秋蝶・秋琴・秋笛・秋塘。または、9種を一組にした秋の花。桂花(けいか)・芙蓉(ふよう)・秋海棠(しゅうかいどう).○ 日で潔しむ。○三春葵 春三か月の初花。葵はつばな。
 

居常以待終,處順故安排。
平常の生活をしたままで一生を終ることができること、具象の変化に順応してことさらに心を安らかなる所に推し移っていくのである。
思常 平常の生活に安んじている。○得終 妥当な終末をとげて、一生を終える。○処順 具象の変化に順って。○故安排 ことさらにこころを安らかに推し移る。荘子に「安排して去り化して、乃ち蓼(しずか)に入りて天と一なり」とある。排は推。移る。


惜無同懷客,共登青雲梯。』
俗世を超越して仏の教えを修めようとする、私と同じ心の人がいないのが残念である。というのもこのような生きかたをして、ともに天にたなびく青雲の梯子を登りたいのだ。
同慎 同じ心。○青雲梯 空高い青い雲の梯子。仙人が天に登るための階梯。